電子帳簿保存法改正で業務フローはどう変わる?業務効率化のポイントも紹介

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従来経理部門では契約書や請求書などの重要書類は、紙で保存するのが基本でした。そのため電子データになっている書類をわざわざ紙に印刷してファイリングして保存・管理する二重の手間をかけることもありました。

このような手間や負担を低減して、業務効率・生産性を向上させることなどを目的として制定されたのが電子帳簿保存法です。制定された当初は適用要件が多いことから導入に消極的な企業がほとんどだったものの、その後の何回かの改正を経て要件が緩和されたことで、近年では多くの企業で導入が進んでいます。さらに2021年の改正では、一部取引において電子書類での保存が義務付けられたため、対応に迫られる企業も少なくありません。
そこでこの記事では、電子帳簿保存法改正が業務フローに与える影響や電子化を進めるために必要な準備などについて解説します。

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電子帳簿保存法改正に伴う業務フローの変更点


電子帳簿保存法が改正されたことで、業務フローにいくつかの変更点が生じます。以下にそれぞれについて解説します。

電子データの受領時

以前は証憑書類を電子データで受領した際も紙に印刷しての保存が認められていましたが、今回の改正では電子データで証憑書類を受領した場合は電子取引を行ったと見なされ、電子データのまま保存することが義務付けられました。

この電子取引に係わる電磁的データは、営業担当者による受領後に上長承認を経て経理担当者が仕訳入力を行って、電子データを適切な形で保存する必要があります。また、税務調査の際には税務職員の求めに応じて電子データを適宜提出できるように体制を整えておかねばなりません。

電子請求書の発行時

電子請求書を発行する場合は、請求書発行システム上での請求データを会計ソフトにインポートして仕訳入力し、その電子データを保存することで電子帳簿保存法に則ることが可能です。請求データを連携させるには、CSVファイルを利用する方法とAPIを利用する方法の2種類があります。請求書の発行頻度が月に数回程度であればCSVファイルを介した連携で十分ですが、発行頻度が多い場合はAPIで直接連携できるほうが手間は掛かりません。

会計ソフトに仕訳入力する際には、請求書の項目を勘定科目や税区分と紐づけて入力する必要があります。なお、電子請求書は電子帳簿保存法第10条により取引関連書類に分類されるため、電子請求書を発行した際は紙の請求書同様7年間の保存義務がある点にも注意が必要です。

データの保管時

証憑書類を電子データで保存する際には、取引年月日・取引金額・取引相手先名称での検索ができることが保存要件です。具体的な保存方法としては証憑収集・保管システムを活用して保存するか、自社のサーバー上にフォルダを作って保存するかのいずれかになります。

サーバー上のフォルダ内に保存する場合はファイルに規則性のある名称を付けて内容を表示するか、あるいはExcelファイルで索引簿を作って検索できるようにする必要があります。作業効率を考えれば、ファイル名に規則性を持たせたり索引簿を作成したりするより、自動で検索要件を満たせる証憑収集・保管システムの活用がおすすめです。

業務フローの改善にはワークフローシステムの導入もおすすめ


電子帳簿保存法の導入によって業務フローが煩雑化する場合には、業務の効率化や内部統制強化を図ることのできるワークフローシステムを導入することもおすすめです。以下にワークフローシステムのメリットについて解説します。

ペーパーレス化の促進

紙媒体を中心に業務を進めることが主流の企業では、各種の申請書類などの社内文書を紙媒体で扱う機会が多いことでしょう。ワークフローシステムを活用すれば文書を電子化して集配信することが可能なため、ペーパーレス化の促進に大いに役立ちます。

紙の文書を統合的に電子化できれば今まで要していた印刷の手間やコストが削減されることに加え、保管場所が不要になることや書類の検索が容易になることも大きなメリットです。また、紙の文書とは異なり場所を問わずデータの閲覧や共有が可能になるため、テレワーク時にも役立ちます。

回覧・承認業務の効率化

ワークフローシステムを導入すれば、書類の発行・受領に係わる業務を効率化することも可能です。
回覧文書はあらかじめ決まったルールに沿って社内の複数の人に承認を得る必要があります。

書類を電子化することによってWeb上で閲覧できるようになれば、インターネットにつながる環境があれば時間と場所を問わずに確認・承認を行えるようになり、進捗を可視化できるので、書類自体の作成や進捗確認に要する時間を削減することができます。

内部統制の強化

ワークフローシステムの導入によってルールの徹底、進捗状況の把握、業務内容の厳密な把握、ミスや不正の防止などが可能になり、コンプライアンスを遵守した内部統制の強化につながります。

書類を回覧する際も、ワークフローシステムに則っていれば誤った申請フォーマットを使ったり、承認者を飛ばしてしまったり、提出先を間違えてしまったりといったことは起きません。また、権限を設定しておけば承認権限を持たない社員が勝手に承認したり、第三者が書類を改ざんしたりといった不正を防ぐことも可能です。

電子化を進めるために必要な準備


電子化を進めるためには帳簿書類を整理したり区分ごとに要件を確認したりといった準備が必要になります。以下にそれぞれについて解説します。

帳簿書類の整理

書類を電子化する際には、まず対象書類が電子帳簿保存法の対象になるのかどうかの保存区分の整理を進めることから始めます。電子帳簿保存法では、国税関係書類は下記の4つに大別されます。

  • 取引の明細把握や記録のための帳簿
  • 決算のために作成される決算関係文書
  • 取引のために作成される取引関係書類
  • 電子取引による書類
  • これらの国税関係書類全般をスムーズに電子帳簿保存法に対応させるためには、JIIMA認証を得たソフトウェアやサービスを利用することも1つの手です。JIIMA認証を得たソフトウェアやサービスを利用すれば、書類が電子帳簿保存法の要求している保存要件を満たしているかを個々にチェックする必要がなくなります。

    区分ごとの要件の確認

    電子帳簿保存法で認められている保存方法は、電子データによる保存とスキャナによる保存の2種類の方法があり、それぞれ要件が定義されています。電子データ保存では、記録事項の訂正・削除・追加の履歴がわかること、日付や取引金額などを入力すれば検索できることなどが保存要件として定義されています。電子データは改ざんが容易なため、それを防ぐのが主眼です。

    一方、スキャナ保存では、書類受領後速やかにスキャン保存できる環境があること、200dpi以上の解像度でカラー画像による読み取りであることなどが定義されています。

    電子帳簿保存法にも対応した請求管理ロボで請求業務を効率化しよう!

    電子帳簿保存法改正に対応するために、新たなシステムの導入が必要になる方も多くいるでしょう。しかし、膨大な数のサービスの中から自社に適したサービスを見つけることは簡単ではありません。

    ROBOT PAYMENT社が提供する請求管理ロボは、請求業務の電子化・自動化を実現するクラウドサービスとして、大手企業から中小企業に至るまで500社以上の納入実績があります。さらに、2022年1月に改正された電子帳簿保存法の保存要件を満たすために、2つの新しい機能をリリースしました。

    1つ目は請求金額での請求書の検索を可能にする機能です。従来は取引年月日と取引先のみでの検索しかできませんでしたが、請求金額も検索条件に追加されました。2つ目は請求書の更新履歴が照会でき機能です。発行した請求書の訂正・削除・追加などの更新履歴の記録及び参照機能が追加され、対象となる請求書の記録・データが改ざんされていないことを示せるようになりました。

    従来のクラウド上で請求書発行から入金まで一気通貫で管理できる機能はそのまま受け継がれており、請求管理ロボの導入によって毎月の請求業務を約80%削減することが可能です。

    まとめ


    電子帳簿保存法の改正によって書類の電子保存が容易になったことで、業務効率化や請求書作成コストの削減が期待できます。
    一方で、電子帳簿保存法の適用を受けるには対応するクラウドシステムなどを導入する必要があることから、導入費用や運用コストが掛かるのも事実です。
    このような課題に対しては、請求管理ロボが有効です。最新の電子帳簿保存法に対応した機能を持ちつつ、月額1万円で請求書の電子化が行えます。今後施行が決定しているインボイス制度にも対応しているので、手間やコストを抑えて経理業務の効率化を実現したい方は、請求管理ロボの導入をぜひご検討ください。

    監修
    【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

    2019年当社に入社、執行役員に就任。
    当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
    現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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