安易に考えてない?利息が振り込まれていたときの仕訳と計算方法

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安易に考えてない?利息が振り込まれていたときの仕訳と計算方法

安易に考えてない?利息が振り込まれていたときの仕訳と計算方法

ほぼすべての企業が普通預金の口座を開設していると考えられ、通常年2回預金利息が振り込まれる。その際、仕訳を単純にやってしまいがちであるがその注意点と、なぜそこに気を付けなければならないかを解説していく。

利息を受け取ったときの仕訳にありがちな間違い

預金利息を受け取った場合の仕訳を、

(借方)普通預金/(貸方)受取利息

で処理してしまうのは、厳密に言えば間違いとなる。

なぜかというと預金利息が振り込まれる際、源泉所得税が控除(平成28年1月以降の預金利息から住民税利子割の控除は廃止となった)されているからである。普通預金利息の源泉所得税の率は15.315%(復興所得税が終了する平成49年12月31日まで。それ以降は15%)であり、この預金利息を決算修正で一気に処理する企業もよくあるが、1件1件しっかり割り返しなどで誤差が出てしまう。

源泉所得税はどう算出する?

安易に考えてない? 利息が振り込まれていたときの仕訳と計算方法

ではどう源泉所得税を把握するかというと、定期預金利息であれば金融機関から通知書が来てわかるが、普通預金の場合自ら算出する必要がある。

手取りから割り返しを行えばいいので、

手取り金額÷(1-0.15315)=総額預金利息
総額預金利息―手取り金額=源泉所得税

となる。
この計算を通常の場合エクセルで行うのが一般的なので、その表も載せておく。

利息額面 国税 手取り金額
0 0 0

1番左のセルに=手取り金額+ROUNDDOWN(手取り金額/0.84685*0.15315,0)
真ん中のセルに= ROUNDDOWN(利息額面*0.15315,0)
手取り金額のセルには手取り金額を入力
これで一気に正確に計算することが可能となる。細かいチェック点としては、手取り金額と源泉所得税の合計が利息額面と合っていることは確認しておいた方が良い。

消費税の課税区分に注意

もう一つの注意点が消費税の課税区分である。これに意識をしないで仕訳をするとシステムにもよるが不課税や対象外として処理してしまうケースが多い。消費税の区分上預金利息は、正確には非課税売上となる。不課税も非課税もどちらも消費税が発生している収益ではないため、あまり意識されることがない。しかし実際には消費税の計算上影響が出る(課税売上高5億円以上or課税売上割合95%未満の企業に限る)。消費税の仕入税額控除(支払った消費税の計算)の計算は「個別対応方式」と「一括比例配分方式」という2通りあり、計算に影響が出る点は下記の通りである。

個別対応方式
課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入れに関する消費税

一括比例配分方式
課税仕入れ等に係る消費税

上記の消費税に課税売上割合(課税売上と非課税売上の合計のうち課税売上の締める割合)を乗じた分しか、仕入税額控除ができない。
結果預金利息を非課税売上として認識しないと消費税の計算に誤りが生じてしまう。

以上のように簡単に見える預金利息の仕訳であるが、さまざまな計算に影響が出るため安易に行わないよう注意が必要である。

この記事の著者紹介

鈴木 雅嗣(すずき まさつぐ)
税理士
enrolled&memoire合同会社 代表社員

取り巻く環境が複雑であることを背景に、画一的なサービスを提供せずクライアント1人1人とコミュニケーションを取った上での提案業務を主とする。
業務の基本として税理士業務はもちろんのこと、従業員教育、資産形成、経理のアウトソーシング等、業務範囲は問わず多岐に渡る。また税理士事務所にありがちな依頼がいつ終わるのか?と待たせることをせず、納期を設定の上、質を担保した上でのスピードも重視している。
契約可能地域は関東東京近郊を主とするが、一定の条件を満たすことで日本全国可能。顧問料は各自のニーズに合わせて納得いく金額を協議の上決める。通称税務で食わない税理士。

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