固定資産とは?その定義・種類・金額基準などを徹底解説 | 企業のお金とテクノロジーをつなぐメディア「Finance&Robotic」

固定資産とは?その定義・種類・金額基準などを徹底解説

経理

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会社の経営をするにあたって固定資産について理解することは重要です。しかし、経理に携わっていないと固定資産の会計処理について学ぶ機会は少なく、固定資産について完璧に理解していない人も多いでしょう。そこでここでは、固定資産とは何か、金額によって変動する固定資産の経費処理方法にはどんなものがあるのかなどについて解説していきます。

固定資産の定義

固定資産とは基本的に1年以上保有・使用する資産のことを指します。法人税法では有価証券・棚卸資産・繰延財産以外の資産の中でも、土地・減価償却資産・電話加入権に加え、これらに準ずるものが固定資産に分類されると定義されています。また、固定資産は1年以上使用することが条件とされており、経費処理を行うにあたっては一括で年度末に全額を経費として処理するのではなく、耐用年数に応じて減価償却という方法で経費処理されるのが一般的です。耐用年数・減価償却とはどんなものかに関しては後ほど解説します。

固定資産の種類

固定資産は性質や特徴によって、有形固定資産と無形固定資産の2種類に分けることができます。それではこの段落では、この2つの固定資産がそれぞれどんなものなのか解説していきます。

無形固定資産

無形固定資産とはその名の通り、実体を持たない固定資産のことを言います。ちなみに特許権や営業権も無形固定資産に分類されます。それに加えて、平成12年度の税制改正により、ソフトウェアもパッケージとして実体は存在するものの、ソフトウェア自体はパソコンにインストールして使用する実体のないものとして判断され、無形固定資産に分類されるようになりました。ちなみに市場販売目的のソフトウェアの耐用年数は3年とされています。

基本的に実体がない権利などといったものは無形固定資産に分類されますが、無形固定資産と有形固定資産に分ける前の段階で減価償却資産か非減価償却資産か判断し、減価償却資産に当てはまったものだけを有形・無形固定資産に分けています。そこで非減価償却資産に当てはまるものは、有形・無形固定資産でもない「その他」の固定資産として扱う必要があります。その理由としては、減価償却は、経年劣化を伴うという考え方のもとに成り立っていることが挙げられます。例えばソフトウェアは常に新しいものが登場しているので、古いものの価値は下がっていくでしょう。それに対して、電話加入権や借地権は時間が経っても価値が下がることがありません。したがって、減価償却の対象から外されており、これらは有形・無形固定資産以外の固定資産として扱われます。

有形固定資産

有形固定資産はその名の通り実体があり、目に見える固定資産のことを言います。具体的には建物・備品・機械装置などは有形固定資産に分類することができます。有形固定資産の中にも勘違いされやすいものがあり、その例として挙げられるのが土地です。土地は時間の経過によって価値が下がったり劣化したりすることは基本的に無いでしょう。そのため、土地は有形固定資産ではなく、非減価償却資産として扱われます。

固定資産の金額基準

固定資産には金額基準というルールが存在します。このルールは固定資産の金額によって、計上方法が変わるというものであり、これによって減価償却できるか一括計上するかなど扱いが変わってくるのでしっかりと把握しておく必要があるでしょう。そこでこの段落では固定資産の金額基準について見ていきましょう。

固定資産

取得価額が20万円以上のものが「固定資産」とされ、耐用年数をもとに減価償却したうえで経費として計上します。ちなみに取得価額は固定資産本体だけでなく、それを購入した際に発生した費用すべてを合わせたものとなります。具体的には購入時の運送費用などが付随費用として認められており、これ等の費用を合わせて取得価額とします。ただし、固定資産を購入するためにかかった費用すべてを取得価額とすることは認められていません。例えば分割で購入した際のローンの利子や不動産・自動車取得税、登録免許税をはじめとする税金、違約金などは取得価額に計上できないとされています。

一括償却資産

取得価額が10万円以上20万円未満のものは「一括償却資産」に分類されます。この場合は耐用年数に関係なく年にわたって費用を計上することが可能です。ちなみにこの資産が「一括償却」と呼ばれる理由には、固定資産とは違って個別に金額や耐用年数を管理する必要が無いことが挙げられます。一括償却資産の管理方法に関しては、3年かけて減価償却する方法だけでなく、購入時に全額を計上してしまう方法を選ぶことも可能です。その時の会社の経営状況などに合わせて経費の処理方法を選ぶと良いでしょう。

少額減価償却資産

取得価額が10万円未満のものに関しては税法上・会計上において消耗品と扱われており、その場で発生した費用として処理することができます。そのため、この場合は減価償却について考える必要がありません。ちなみに少額減価償却資産には特例が存在しており、大企業の子会社を除く資本金1億円以下の中小企業者の場合、合計300万円まで、30万円未満ものを少額減価償却資産として扱うことが可能となっています。

固定資産の減価償却

固定資産は20万円以上のものなので、通常の資産と同じように計上してしまった場合、買った年だけ大赤字になり、その後は黒字になってしまう傾向があります。しかし、この状態では正しい企業の経営状況が把握できなくなってしまうでしょう。そこで固定資産では減価償却という考え方を用いて費用処理を行います。この段落では減価償却とはどんなものなのかについて解説します。

概要

固定資産は長期にわたって使用するのが一般的です。それ故に高額でもあることから、買った時だけ固定資産の分の費用を計上してしまうと先ほど解説したように固定資産を購入した年だけ赤字になり、その後は黒字になるという状況に陥ってしまいます。しかしこの考え方は整合性が取れずおかしいでしょう。そこでできた考え方が「減価償却」であり、固定資産を耐用年数に応じて案分して計上することでこの矛盾を解決しています。

計算方法

減価償却の計算方法は定額法と定率法の2種類があり、資産によって計算方法が定められています。例えば無形固定資産は定額法、機械などは定額法・定率法の2種類から自由に選べるシステムとなっています。まず定額法の計算方法から見ていきましょう。定額法は毎年同じ金額を減価償却していく方法のことを言います。そのため、例えば1,000万円で耐用年数10年のものを購入した場合、毎年100万円を計上することとなります。

それに対して定率法は一定の数字をまだ費用化していない金額にかけて求めます。この「一定の数字」に関しては、1を耐用年数で割り、2をかけた数字となります。したがって、先ほどと同じように1,000万円で耐用年数が10年のものを購入した場合で考えると、1年目は1,000万円×(1÷10×2)=200万円、2年目は(1,000万円-200万円)×0.2=160万円が減価償却費となります。

メリット

フリーランスや個人事業主だと資産と減価償却費の両方を計上しなければいけません。しかし会社の場合固定資産を計上して減価償却を行うかどうかは自由に判断することができます。そのため、あえて固定資産を計上しないという選択肢を取る企業も多いです。こうすることで減価償却費の科目をなくし、経理の処理を簡易化できるだけでなく費用の削減にも繋がります。それに税制法は頻繁に改正されることから、それに合わせて計算をする必要がありますが、固定資産として計上しなければこの手間も省けるでしょう。

タイミング

減価償却・計上のタイミングは固定資産を使用した日が基準とされています。ただこの基準は工場の機械だと製造を開始した日、マンションだと入居者を募集した日など計上したいものによって異なるので注意しましょう。

より正確な損益計算のために固定資産を理解しよう

固定資産は経費処理の際の計算が複雑なので、特に経理初心者からすると難易度が高いでしょう。ただし正確な損益計算をするにあたって固定資産について理解を深めることは欠かせません。それに固定資産の仕組みを理解することは節税にも繋がります。少しでも企業利益を多くするためにも、固定資産の仕組みをしっかり理解しておきましょう。

 
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