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企業の書類管理を効率化!電子帳簿保存法とはどんな法律?

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「電子帳簿保存法」という法律をご存知でしょうか。名称は聞いたことがあるものの、具体的にどのようなルールなのかがわからないという方もいるでしょう。そこでこの記事では、電子帳簿保存法がどのような法律なのか、また、導入するとどのようなメリットがあるのかなどを解説していきます。電子帳簿保存法について詳しく知り事業に活かしたいという方は、ぜひ参考にしてください。

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは1998年に制定された法律で、正式名称を「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿の保存方法等の特例に関する法律」と言います。国税関係の帳簿書類について、電子データによる保存を認めた法律です。これに則ると、最初から電子データとして作った書類や、スキャナで読み取って電子データ化した書類などを保存することが可能になります。施行当時はかなりルールが厳しく、導入には大きな負担がかかると考えた企業が多数でした。しかし、後に法律が改正されて規制の緩和が進み、現在は以前よりも導入しやすくなっています。

電子帳簿保存法の歴史

電子帳簿保存法が施行された1998年です。前項で述べた通り、この段階では、最初から電子データで作成したデータのみを対象としており、紙のデータをスキャンして保存することは認められていませんでした。しかし、2005年のe-文書法の施行に伴い、改正が行われ、スキャナで取り込んだデータも保存可能となりました。またその後、さらに規制の緩和が続き、2016年には金額の基準が撤廃、2017年にはスマートフォンでの撮影による電子保存も認められました。電子帳簿保存法は、時代の流れや社会の変化とともに、さまざまな改正が加えられてきた法律なのです。

電子帳簿保存法におけるデータの保存方法

電子帳簿保存法では、次の3つの方法で保存することが認められています。まず1つは電子データでの保存です。コンピューターで直接作成したデータをDVD、CD、サーバーなどに保存します。次が、マイクロフィルムを使用する方法です。コンピューターで作成したデータをマイクロフィルムと呼ばれる媒体に保存します。マイクロフィルムはアナログ的なデータの保存方法ですが、耐久性に非常に優れていることが大きな特徴です。100年以上のデータの保存が可能です。3つ目の方法はスキャナを使うものです。紙の書類をスキャナでスキャンするか、あるいはスマートフォンで撮影して保存します。

電子保存ができる書類とは?

電子データでの保存が認められている書類は「帳簿」、「決算関係書類」、「その他の証憑類」と大きく3つに分類されます。なお、これらの書類はそれぞれ保存のルールが決められており、種類によって取り扱いが異なります。例えば「帳簿」と「決算関係書類」はスキャナでの保存は現在でも認められていません。「その他の証憑類」は、自社で発行したものは電子保存が可能ですが、他社から受領したものは電子保存が認められておらず、スキャナ保存のみ可能です。書類の種類によってルールが異なるため、運用の際は注意が必要でしょう。

また、税務上のルールでは帳簿類は7年間の保存が義務付けられています。電子データで保存する場合も例外ではなく、ルール通り7年間保存しなければなりません。

電子保存を行うための手続き

それでは、電子帳簿保存法に則り、書類の電子保存を行うためにはどのような手続きをとればいいのでしょうか。具体的な手続きの方法を紹介します。

<税務署長の承認>

書類の電子保存は、企業が自主的にスタートをすることはできません。必ず管轄の税務署長の承認が必要です。承認を得るためには、電子保存をスタートする3ヶ月前までに、税務署長に書類を提出しなければなりません。必要な書類は次の4つです。
1つは 国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請書です。これは国税庁のHPなどからダウンロードすることができます。記載例もあるので、参考にしながら書くことをおすすめします。次は、電子保存で使用するシステムの概要を記載した書類です。これは、電子データを保存する際に使うシステムの仕様書ということになります。
次に、電子保存を行うPCに関する事務手続の概要を記載した書類です。これは、電子保存に関する事務処理の責任者や事務処理の流れを詳細にまとめた書類のことです。なお、保存処理を委託している場合には、その委託契約書の写しを添付します。最後はそのほか参考書類です。もし先に挙げた3つの書類のほかに補足すべき資料などがあれば、一緒に提出します。

<データの保存要件を満たしているか>

また、書類を電子保存するには。申請書類の提出のほかにも、いくつかの要件を満たす必要があります。要件は、書類の種類や、どのような形式でデータを保存するかによって異なります。例えば、国税関連の書類を電子データとして保存する要件には、「適切な社内規定があるか」、「帳簿間で相互の関連性が確認できるか」、「訂正や削除の履歴が確認できるか」などがあります。

電子帳簿保存法を導入するメリット

電子帳簿保存法のルールや手続きの流れなどを説明しましたが、それでは書類を電子保存するメリットとは何なのでしょうか。ここでは、具体的なメリットを紹介していきます。

<コスト削減>

まず大きなメリットはコスト削減です。書類を紙ベースで保存するためには、印刷する際の紙代やインク代がかかります。印刷した書類をしっかり整理するため、ファイルやバインダーなど、ファイリング用品も必要です。また、紙の書類を保存するためのスペースも必要になります。紙の書類はかさばりやすいものです。詳細なデータを残しておこうとするほど、必然的に書類の量も多くなります。紙の書類を扱う企業の多くは、書類の保管用に棚やキャビネットなどを使用しているのではないでしょうか。しかし、日々書類は増えていくもの。いつの間にか執務室内の保管スペースに収まりきらなくなり、古いものから倉庫へ移動させてやり過ごしているというような会社も少なくないでしょう。
書類が増えれば、特定の書類を探し出す場合、なかなか見つけられないというパターンもあり得ます。溜まってしまった書類は処分するにも手間や時間がかかります。そんな問題も、書類の保存を電子化すれば解決できるでしょう。データとして保存すれば、紙もインクも必要ありません。また、DVDやCDなど保存する媒体はコンパクトでかさばらないので、保存にスペースを取らないこともポイントです。なお、書類を整理したり探したりする作業のコストも大幅に削減できるでしょう。

<業務の効率化>

電子化することにより、紙の書類を保存するよりも業務を効率化できることも大きなメリットです。前項でもふれた通り、紙の書類を保存するには、印刷・ファイリング・収納などといった作業が必要になります。1つ1つは長時間行う作業ではありません。しかし、仕事で作成する書類は1枚だけではないのです。毎日書類を作成するたび、印刷・ファイリング・収納の作業を繰り返し行う必要があります。小さな作業が積み重なれば、大きな負担にもなります。
しかし、電子データなら保存のためにこのような作業をする必要はありません。作成したデータは記録媒体に保存するだけ、非常にシンプルで時間も手間もかかりません。紙の書類のような作業が発生しない分、ほかの仕事に時間を使うことができます。また、書類のやりとりがしやすいこともポイントです。保存している紙の書類をやり取りする場合は、まず書類を探して写しを作成し、相手の手元に届けるため郵送などの手続きを行う必要があります。作業に時間も手間もかかり、また相手に届くまでにも時間がかかります。しかし、電子データならネットワーク上でやりとりすることもできるため、これも効率化に有効です。なお、電子署名やタイムスタンプによって、不正チェックもしやすくなります。

<保存の管理体制の強化>

電子データは、管理体制を強化できるというメリットもあります。紙で保存した場合、スペースがかさばることや、昔の書類は何のために保管されているのかが一見わかりにくいことなどから、誤って廃棄される可能性も高いでしょう。また、パッと見ただけではどこにどのような書類が収納しているのかわかりにくいケースもあり、保存した場所がわからなくなってしまうといったトラブルも発生しかねません。また、廃棄や紛失をしなかったとしても、紙は経年劣化により、傷みやシミ、日焼けなどが発生し、書類が読みづらくなったり、汚損・破損してしまったりする可能性もあります。
電子化すれば、このような廃棄・紛失・劣化などのトラブルは起こりにくいため、リスクも抑えられるでしょう。また、火災や災害など、不足の事態があった場合、紙の書類はダメージを受けやすい一方、データは中身を復旧できる可能性があるので、その点もメリットと言えます。

今後は規制が緩和される可能性も!

電子帳簿保存法は、その歴史の中で何度も規制が緩和されてきましたが、この動きは今後も続く可能性があります。直近では、令和元年にさらに規制が緩和されました。緩和の内容としては、個人事業主でも運用可能になったこと、承認手続きの簡素化、承認以前の書類もスキャナ化可能といったものです。時代の流れに沿って運用の幅が広げられ、より多くの事業者が利用できる法律に変化しています。今後もIT技術が発展するに伴って、法律が改正される可能性は十分にあると考えられます。

まとめ

電子帳簿保存法の導入にはさまざまなメリットがあります。要件を満たし、申請書類を提出すれば多くの事業者が利用することができます。ぜひこの記事を参考に、電子帳簿保存法の導入を検討してみてください。書類を電子化して、煩わしい管理業務を大幅に効率化し、より重要な仕事に時間を割けるよう業務改革を行いましょう。

 
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