事前決済の導入で変わるリアルビジネスの収益性

クレジットカード決済

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飲食店をはじめとしたリアルビジネスにとって、オンラインショップ以上にビジネスの収益性に頭を悩ませなくてはならない時代になりました。

例えば、昨今の忘年会シーズンに話題となった、飲食店の直前の予約キャンセル(ドタキャン)いわゆる「無断キャンセル(ノーショー)」などが、社会問題として取り上げられた件もリアルビジネスの収益性を脅かす課題の一つと言えます。

この問題はSNSを通じて飲食店側の発信力が大きくなったことで表面化しましたが、問題の大元をたどると、オンラインでの飲食店の予約が一般的になり、顧客と店舗の関係が希薄化したことが大きな要因として考えられているところに行き着きます。

こうした背景から、クレジットカードによる事前決済の導入、現金決済からの切り替えのメリットが、リスク回避の観点からも改めて認められるようになりました。

リスク回避の他にも、事前決済の導入がリアルビジネスの収益を安定させるメリットは数多くあります。今回は実際の事例をご紹介しつつ、実店舗における予約と決済についてお伝えしてまいります。

事前決済とリアルビジネス

今でも収益の安定性は実店舗における悩みの種のまま?

確かに、昔の現金一択の頃と比較すると、ユーザーにとって、スマホひとつで全てが事足りる大変便利な世の中になってきました。また、店舗運営者からしてもキャッシュレス化が進むことにより現金管理のリスクが減る、外国からのインバウンド需要にも対応できるといったメリットもあります。

しかし、これらの決済は基本的に「単発」の決済であり一ヶ月後、二ヶ月後の収入は約束されていない場合がほとんどです。

これまで実店舗で主に利用が進められてきた、決済クレジットカード決済端末(CAT端末)やSuicaやPASMOといった交通系ICカードでの決済、最近流行りのApple Pay、中国でのAlipay決済なども基本的にはその場での「単発」の支払を想定した支払い手段です。

現金決済に比べると周辺的な環境は改善されましたが、まだまだ実店舗での支払シーンはその場限りのものが多く、安定的な収益性の底上げにはつながっていないのが現状です。

 

「事前決済を導入するメリットとは?」

昨年、月額8,600円(「野郎」の語呂合わせ)の定額料金で、1日1杯、同ブランドの全店舗にて毎日ラーメンが食べられるサービスが話題となりました。

決済などの手続きはスマートフォンアプリケーション上ですべて完結し、さらに店舗オリジナルの会員ポイントカードとの組み合わせが可能な点など、オフラインの実店舗が月額性サブスクリプションモデルを導入した画期的な事例として注目を集めた例です。

上記の例はブランド力の無い普通の店舗がマネをするには無理があるでしょう。しかし、実店舗においてサブスクリプションビジネスとまではいかずとも、直近の収益予測や経営基盤を安定化させる術のひとつが予約と決済を同時に行う事前決済になります。

既に事前決済をうまく活用して収益性の確保に成功した事例は多くあります。その代表的な例を以下にピックアップしてみました。

①ポケットコンシェルジュ 高級飲食店
https://pocket-concierge.jp/

こちらは厳選されたレストランや料亭を予約できるだけでなく、事前に決済までも行えるといった特徴があり利用者数は17万人を突破しています。

消費者としては会計なしでお店をでれる快適さ、お店としては将来の予約だけでなく決済も完了していることから、収益予測や急なドタキャンによる機会損失リスクを解消できます。

②天然とんこつラーメン専門店 一蘭
https://ichiran.com/

単価が比較的安いラーメン店等でも事前決済の導入が進んでいるという例です。
同サービスは、事前決済の導入によって①WEBサイトの専用ページで来店日時・人数・予約者の情報などを入力(クレジットカードでの事前決済)②指定の時間に来店して、店舗従業員に予約者の名前を伝える、③行列ができていても優先的に案内といったオペレーションを効率的に運用することが可能となっております。

また、WEBサイトは多言語表記をしているため、外国人観光客も利用可能です。
単純な事前決済だけでなく、行列緩和策にも有効というのが魅力ですね。

③全国タクシー
https://www.nihon-kotsu.co.jp/taxi/use/japantaxi.html
事前決済が進んでいるのは飲食店だけではありません。こちらのタクシーアプリは、ダウンロードしたアプリに予めクレジットカード情報を紐付けておくことで降車時の支払いが不要になります。

料金は降車寸前で確定するので事前決済という表現が適切かは微妙なところですが、一度使ってみると降車時のキャッシュレス化がどれだけストレスフリーなのかが分かります。

タクシー運転手側からしてもボタンひとつ押すだけなので、狭い車内でのお釣りのやりとりなどの負担が軽減されます。

まとめ

まだまだ世の中において予約と決済を組みわせた事例は数多くありますが、今後も色々な業界で予約と決済が広まっていくことは間違いありません。

それにより直近の収益が見える化され、店舗運営者は本来かけるべきところに工数をかけられる、そんな店舗運営者様のお手伝いができれば嬉しいと考えています。

私どもROBOT PAYMENTのクレジットカード決済サービスは、事前決済やサブスクリプションなどお客様の事業モデルの戦略転換もサポートしております。こんな取り組みはできないか、こういった事例はないかと何か気になることがございましたらお気軽にご連絡いただければと思います。

 


著者プロフィール
森山泰史
2011年入社後、対面決済サービスの営業に所属。その後、事業部長職に就任。
2013年にはSNSを利用したギフトサービスの新規事業を立ち上げ、事業部長に就任。
現在は対面決済サービス、オンライン決済サービスの営業部長を努め事業拡大に従事している。


 

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。