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サブスクの主要決済システムとは?決済システム導入の注意点なども紹介

サブスクリプション、略してサブスクというビジネスモデルは新しい概念に聞こえますが、ビジネスモデル自体は以前から存在しているものです。歴史が古いものでは電気やガス、それに水道などの公共料金を定期的に支払うこともサブスクの範疇に入ります。現代のサブスクはこれとは異なり、主にインターネットやITを活用したビジネスモデルを指します。

サブスクは事業者にとっては一定期間が経過するごとに固定的に収益が上がるために、企業経営が安定することが大きなメリットです。本記事ではサブスクの概要と注目されている背景、主要な決済システム、決済システムで注意すべきことなどについて解説します。

近年サブスク市場の需要が高まり続けている

矢野経済研究所の調査によるとサブスクの市場規模は2018年時点で5,627億円に達し、2023年にはその約1.5倍にまで需要が高まると予測されています。以下にサブスクの概要とサブスク市場が注目されている背景について解説します。

サブスクの概要

サブスクとは商品やサービスを所有もしくは購入するのではなく、必要な一定期間だけ利用できる権利に対して月に1回、年に1回などのサイクルで料金を支払うスタイルのサービスを指します。短期の利用でも長期の利用でも定額制で利用でき、使わなくなったらいつでも解約可能で、提供されるコンテンツは継続的にアップデートされることなどが特徴です。

サブスクが取り入れられているビジネスモデルとしては音楽配信や動画配信などのデジタルコンテンツが代表的なもので、一定の料金を払えば音楽や動画が聴き放題・見放題になります。また、パソコンで使うソフトウェアについても、従来は買い切り型だったのが月単位や年単位で契約し、その期間中だけ利用することで購入費を抑えるサブスクが採り入れられているものがあります。

サブスク市場が注目されている背景

サブスク市場が注目されている背景としてここでは3点挙げます。 1つ目は、インターネットが当たり前の社会インフラとして広く普及したことです。特に高速回線が行き渡った現在では、音楽データ、動画データ、ソフトウェアなどの大きなデータを容易にダウンロードできるようになりました。

2つ目は、消費者の意識が物の所有や消費よりも体験に重きを置くように価値観が変化してきたことです。これは特に若年層において顕著です。

3つ目は、高度な物流システムが進歩してきたことです。商品を一定期間だけ利用したいと考える消費者は、思い立ったら直ぐに商品を手元に置きたいと思うものでしょう。サブスクの滞りない運営を支えるためには、スピーディーでフレキシブルな物流システムが不可欠です。

サブスクの主要な決済システム

サブスクはネット上でのオンライン決済が主流ですが、現金決済も使われています。ここではサブスクに用いられる主要な決済システムについて解説します。

クレジットカード決済

クレジットカード決済はサブスク型のサービスを開始するうえでは必ず導入したい決済手段です。総務省が2020年に発表した情報通信白書によると、ECサイトで利用される決済手段の中ではクレジットカード決済が約8割を占めており、今後も利用比率が高まっていくと予測されています。

クレジットカード決済では初めて決済する時にはカード情報を入力しなければならない煩わしさがあるものの、2回目以降では入力を省けることが多いため、これは大きな障害とはならないでしょう。クレジットカード決済にはカードを使うことにポイントが貯められること、サブスクのように継続的な利用であれば支払処理は一度で済むことなどのメリットもあります。

キャリア決済

キャリア決済はメジャーな通信キャリアが提供している決済手段で、商品やサービスの利用代金を携帯電話の利用代金と合わせて支払う方式です。クレジットカード決済のようにカード情報を入力する手間がなく、個人情報も入力することなくIDと暗証番号の入力で決済するために簡単でありながらセキュアであることなどがメリットです。また、一度登録を済ませておけば毎月支払処理をする手間は発生しません。

キャリア決済ではクレジットカード決済と同じようにポイントを溜めることも可能です。他にもクレジットカードを持っていない若年層でも取り込めること、スマートフォンを視聴することが多い若年層に対して訴求しやすいことなども特徴です。

ID決済

ID決済はECサイトでの注文時にID決済サービスの認証画面から、大手サービスのユーザーIDとパスワードを入力することで支払いを行う決済手段です。ID決済を提供している代表的な大手サービスは、国内シェア1位のPayPay、同2位の楽天ペイ、世界的に利用者数が多いAmazon Payなどがあります。

上述したキャリア決済と同様にユーザーIDとパスワードの入力だけで簡単でセキュアに決済できることがメリットです。ID決済ではオンラインサービスを日頃から頻繁に利用する層が利用者の多くを占めています。ただし、クレジットカード決済やキャリア決済に比べると利用者数は少なく、利用限度額が低めに設定されています。

口座振替

口座振替は銀行などの金融機関の口座から毎月自動的に代金を引き落とす決済方法です。口座さえ持っていれば利用できることからクレジットカードの保有率が低い若年層や、オンライン決済に抵抗感がある高年齢層などに適しています。口座振替を利用するためには前もって金融機関に登録し、口座振替依頼書という書類を提出するか、ネット上でWeb口座振替受付を済ませることが必要です。

口座振替依頼書の場合は口座振替の利用開始まで1ヶ月~2ヵ月ほどかかりますが、Web口座振替受付であれば1日~3日程度で済みます。登録が済めば後は自動で決済が行われるため、事業者にとっては代金回収の手間が少なく、利用者にとっては支払い忘れを防止できます。

コンビニ決済

コンビニ決済はECサイトではクレジットカード決済に次いで利用が多い決済手段で、決済画面に表示される受付番号(払込票番号)を控えてコンビニの店頭に行って支払いを行います。コンビニ決済ができる店舗はセブン・イレブンをはじめとする主要6チェーン、全国に約5万6千軒あるコンビニエンスストアが対象です。

自宅の近くにある、24時間いつでも好きな時に利用できる、現金で支払うことができる、クレジットカードを使わないため不正利用被害の恐れがないことなどがコンビニ決済の特徴です。事業者にとっても払込票の作成や郵送が不要で紙媒体を扱う必要がないこと、入金状況をほぼリアルタイムで確認できることなどのメリットがあります。

サブスクの決済システムで注意しなければならないこと

サブスクを始めるにあたっては決済システムの適性を注意しなければなりません。以下に注意すべきポイントについて解説します。

ビジネスモデルに対応できるか

導入を検討している決済システムが、顧客のニーズに合わせて細かい設定ができるかどうかは最初に見るべきポイントです。ニーズに合った決済の設定ができれば顧客の満足度は格段に向上することでしょう。

サブスクにおいては多くの顧客を集めて契約を取り付けて、そしてそれを継続しないことには利益があがりません。したがって、まず顧客に商品やサービスを体験してもらって価値を見出してもらうことが必要になってきます。そのためには、利用開始や利用継続のハードルを下げて長期優良顧客の獲得を目指さなければなりません。だからこそ事業者は多様なビジネスモデルに対応でき、かつ顧客のニーズに沿った決済システムの導入が不可欠なのです。

金額・請求間隔の変更に対応できるか

顧客のニーズを捉えた決済システムを設定できたら、次に見るべきポイントは継続利用していくうえでの顧客の利便性です。例えば課金周期の個別設定、利用しているサービスコースの変更、利用金額の変更、解約などがスムーズに行えるかなどが重要なポイントになってきます。特に解約がスムーズに行えないとサブクスの利点が削がれて、顧客の印象が悪くなるかもしれません。

他にも課金日が月初なのか、月末なのかといったことも提供するサービスの内容に応じて柔軟に設定できるといいでしょう。販促のために最初の1ヶ月は無料、3ヶ月間は半額などといったお試し期間が設定できればプロモーション施策も展開しやすくなります。

セキュリティ対策・有効期限対策は万全か

ECサイトでの決済のようにインターネット上でクレジットカードを使って決済する際、最も注意すべきなのはセキュリティ対策が万全になされているかどうかです。インターネットを通してカード情報が悪意のある第三者に漏洩すれば、不正利用される可能性があります。悪質なECサイトを利用してしまえばネットショッピング詐欺に遭う危険性もあり、これもセキュリティ上の懸念です。また、有効期限が切れたクレジットカードの放置もセキュリティを脆弱化させます。

クレジットカードの不正利用を防ぐ手段としては、本人認証(3Dセキュア)、券面認証(セキュリティコード)、属性・行動分析(不正検知システム)などのセキュリティ対策が挙げられます。

決済システム導入は決済代行に任せよう!

サブスクで決済システムを導入するとなると、個人ではハードルの高いものであることから、決済代行を利用するのがおすすめです。以下に個人で契約する際に生じる課題と決済代行を介して導入する際の利点について解説します。

個人で契約する際に生じる課題

個人で各決済機関と直接契約を結ぼうとする場合では、独自で手続きが必要となり、また各決済機関が定めた審査基準を通過しなければなりません。クレジットカード決済1つを例に取ってみても、メジャーなものだけでも5種類の国際ブランドがあるだけでなく、クレジットカード会社が直接契約に応じるのは取引額の大きい大手企業が主です。新規の中規模・小規模事業者にとっては審査基準を満たすのは至難の技と言えるでしょう。

クレジットカード決済以外にも、上述したように決済方法にはさまざまなものがあり、個人事業者がそれぞれ個別に契約するのは手続きの煩雑さと敷居の高さから現実的ではありません。

決済代行を介して導入する際の利点

決済代行を介して決済システムを導入することで、事業者は多くのメリットを享受できます。最初に挙げられるのは、決済代行会社1社と契約するだけで幅広い決済方法をまとめて導入ができ、売上管理や入金管理も一元化され、手間が大幅に低減される点です。

また、決済代行会社はネット社会に相応しい強固なセキュリティ対策を備えた体制を整えており、事業者が自前では構築が困難なセキュアな決済システムの導入が可能です。なお、決済代行の利用には所定の手数料がかかりますが、複数の決済システムの導入にかかる手間やコストなどを考えればトータルでは十分な費用対効果が見込めると言っていいでしょう。

自社に最適な決済代行選定のコツ

決済代行を選定する際には、手数料や対応できる決済手段の範囲を見るといいでしょう。以下にそれぞれについて解説します。

手数料を見極める

決済代行を利用する際に発生する費用には、契約した最初の月に発生する初期費用(導入費用)、固定費として毎月発生する月額費用、決済するごとに発生する各種の手数料などがあります。手数料は決済するごとに金額に応じて発生する決済手数料や、決済された売上を指定口座に振り込んでもらうための振り込み手数料に分けられます。

よくある料金体系としては初期費用と月額費用を無料にして、その分手数料が高めに設定されているもの、初期費用と月額費用は有料であるものの手数料が低めに設定されているものがあります。どちらを取るかは初期コストを抑えるか、長期的なコストを抑えるかで判断するといいでしょう。

複数の決済手段を完備しているかチェックする

消費者の利便性を高めてカゴ落ちを防ぐためには、幅広い種類の決済手段を整えておく必要があります。ECサイトでは消費者が希望する決済手段がなかった場合、半数以上の消費者が購入を取りやめて他のサイトに行ってしまうと言われており、決済手段の多様化は必須です。

利用率の高いクレジットカード決済は大抵どの決済代行も対応していますが、対応ブランドについては少なくとも国際5大ブランドには対応しているかを注意したほうがいいでしょう。クレジットカードの保有率が低い若年層や現金決済を好む高年齢層をターゲットにするなら、口座振替やコンビニ決済に対応している必要があります。対応している決済手段の範囲はターゲティング戦略と照らし合わせて絞り込んでいくといいでしょう。

サブスクの決済ならサブスクペイに任せよう!

サブスクには多様な決済手段の提供が不可欠であるため、それに対応した決済環境を提供できる決済代行を選定することが重要になってきます。多様な決済手段に対応できて事業者の負担が少ない決済代行をお探しなら、ROBOT PAYMENTが提供するサブスクペイにお任せください。サブスクペイは毎月の継続的な決済に最適設計されたオールインワンの決済システムで毎月のサブスク決済を完全に自動化します。

対応している決済方法を挙げると、クレジットカード決済はもちろんのこと、根強い需要のある口座振替や銀行振り込み、多くの世代に受け入れられているコンビニ決済など多彩な決済手段が利用可能です。
事業者の方が行うのは最初に決済情報を設定するだけで、後は決済日になれば自動で決済が行われ、次回以降も継続して自動的に決済が繰り返されます。サブスクペイはサブスクでは煩雑になりがちな決済処理を大幅に合理化・省力化します。

まとめ

サブスクはモノを所有することからモノを利用することへと価値観が変化してきたことに対応したビジネスモデルであり、ITの発展や経済状況の変化に大きく影響を受けていると言えるでしょう。昨今では車のように高価な耐久消費財がサブスクになるなどして、モノを所有することがステータスだという従来の考え方が変容してきています。

サブスクの決済には、使いやすく、柔軟性があり、セキュアな環境を持った決済システムの導入が欠かせません。ROBOT PAYMENTが提供するサブスクペイならサブスクの決済に求められる機能が1つのパッケージに統合されており、煩わしい決済処理からの解放とコア業務への集中を実現します。ぜひお気軽にお問い合わせください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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