サービス

株式会社タイミー

人員増加の前に考えたい、最先端のIT技術を活用した経理DX

コーポレート本部 経理G 竹田一平

・社名
株式会社タイミー
・事業内容
アプリケーションの企画・開発・運営
・設立
2017年8月
・URL
https://corp.timee.co.jp/
・業界
サービス
・従業員規模
833名(うち正社員647名)[2023年8月時点]

働きたい時間と働いてほしい時間をマッチング「タイミー」

スキマバイトサービス「タイミー」を提供している株式会社タイミーで、コーポレート本部 経理Gマネジャーを務めています。コーポレート本部は、経理・財務・法務の三部門に分かれており、経理部門では月次決算や法定決算業務、税務、経費精算等の管理を担当しています。

経理Gには、私以外に7名(アルバイト含む)在籍しており、月次決算、業績管理、税務、経理DX推進、新人教育やマネジメントなどの役割を分担しています。私は、マネージャーとして月次の業務管理、四半期や年次の決算報告、申告関係業務、経理DXの起案・企画、そのほかショートタームのプロジェクトをいくつか兼任しています。

——1日の業務の流れを教えてください。

基本的には午前が作業時間、午後がミーティングの時間となっています。業務を円滑に進めるために新しいメソッドやプロダクトはないか考えたり、各プロジェクトの進捗確認や経費の利用分析を行うミーティングに参加したりしております。四半期・年次決算の時期に入ると、月次決算業務に加えて会計上の見積りを含めた、決算特有の業務を実施しております。

業務に当たって、常に念頭においているのは、「この数字の背景にはどんなストーリーがあるのだろう」と、社内外から必要な情報を収集し、その情報を適切に会計数値に落とし込み、また会計数値を社内に展開することを通して、会社の成長段階において価値ある情報提供が職務だと考えております。

作業工数削減・内部管理のためにも最先端のIT技術を味方に

——会社のための価値ある情報提供、素晴らしい心がけです。現在の業務をサポートしてくれている頼もしいツールはありますか?

タイミーではバクラクを重宝しています。その理由は、購買稟議と精算稟議の紐付けにあります。以前までは購買稟議申請と精算申請はそれぞれ別々のシステムを使用していたのですが、どの稟議がどの精算に関連しているのか確認作業が必要でした。そのため、これらを一元管理できるバクラクに切り替えました。

例えば、60万円の精算稟議が提出された場合、実際に使用された金額が59万円だったとしましょう。この場合、予算内で精算が行われたため特別な対応は不要です。しかし当初の購買稟議の予算を超えた場合、追加の予算稟議が必要になります。そういう時に稟議の紐付け時に自動でバクラクからアラートがあるので便利です。

私たち経理だけでなく従業員にとってのフィードバックにもなりますし、適切な稟議関係に寄与する点で、稟議と精算が紐づくことは大変便利です。

また、契約書や請求書の内容をOCRによって読み込み、自動で申請内容に反映できる点も優れています。申請が手入力での誤りで、一桁違うと大ごとになりかねませんよね…。手入力を避けることによって、ミスを回避するとともに、それぞれの担当者の工数を削減する。このようなIT・DX化、細かくいうとデジタル情報の生成局面からの一連の作業内においては、最先端のIT技術やAIが業務をサポートされているかどうかが負担の少ないより円滑な業務運営の中で、大事なポイントだと思います。

〜株式会社タイミー 経理Gが使っている製品一覧〜

帳票:バクラク
決済:バクラク
会計:マネーフォワード クラウド会計Plus
経費精算:バクラク
稟議・ワークフロー:バクラク
コミュニケーションツール:Slack

社内周知では趣旨を丁寧に説明する

——これまで使っていたツールを移行するというのは簡単なことではありませんよね。

移行にかかる費用対効果、工数の削減率、業務プロセスの変化、影響する部門、コミュニケーションコストなど、考えなくてはいけないことは山ほどあります。タイミーは続々と新しい従業員を迎え入れているため、導入そのものそして運用への社内教育のコストも勘案して、導入するならばできるだけ早期に着手すべきと考え、導入に踏み込みました。

とはいえ、急に変えたわけではなく、移行を検討し始めた時から、「バクラクに変えようかな」とコミュニケーションツールのSlackを通して呟いていたんです(笑)。それを見た人は、「あ、なんか変わるっぽいな」となる。呟きに対する社内の反応を見つつ、後に正式に社内公表する形をとりました。

——匂わせていくんですね、それは良さそうです!

まずは、経理のわがままではなく、各担当者の工数削減に重点を置いた結果の移行であると、チームから趣旨を丁寧に説明しました。またチームでポータルサイトに操作マニュアルやQAを用意したり、移行時期の前後では毎週、任意参加の研修を行なったりして社内周知を徹底しました。

続々と従業員が増える中で、社内ルールや利用している稟議システムについて、熟知されている方ばかりとは限りません。新入社員が入社した際のオンボーディングはもちろん、管理職になった場合の説明もしっかりと行います。会社があなたに購買や精算に関する権限を付与しているんですよ、という説明をして理解してもらう必要がありますね。

もちろん、わからない場合もあると思います。だから経理としては「わからないことがあれば、とりあえずコミュニケーションとってよ」というスタンスです。

例え話ですが、適切な債務管理ができていないとなると、会社のイメージが良くありません。社内の各担当者の力を借りながらも、守るところはしっかり守り、タイミーはエネルギッシュで素晴らしい会社であると、外からも中からも感じていただきたいがゆえに、会社全体として責任感を醸成しつつも積極的にコミュニケーションをとってトラブルを未然に防ぐよう心がけています。

人員増加の前に、ツール活用の検討を

——IT技術をうまく活用しつつ、人と人とのコミュニケーションにも重きを置いた社内環境が作られていますね。さらに経理DXを進めるために意識していることはありますか?

会社全体でも、経理でも従業員数は増えしていますが、これが解決策だとは思っていません。まずはツールを活用して業務の標準化を目指します。やりたいことをマニュアル化し、その仕事を人力ではなく、ツールなどにより自動化できないかをメンバーごと、チーム単位でも考えます。それでも業務効率の改善が難しい場合に増員する。この考え方は全社共通だと思います。システム導入に寛容な会社だとも言えるかもしれません。

“ベストな業務”ってないと思うのです。これさえやっていれば、というものはない。情報技術が進歩すればするほど、業務が改善できたり、問題解決できる領域は広がってくるので、継続的に業務改善は行なっていくべきです。

法令などの要請で現物確認が必要な時にリスクを低減しようと、今でも紙(書類)での作業が無くならないのが日本の経理の現状です。

紙で保存するのが悪いのではありませんが、昨今はAIやOCRの普及でデジタル情報を生成したり、加工したりすることが容易になりました。ぜひこれらの技術をフル活用してほしいと思います。