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サブスクリプションの戦略にはどのようなものがある?成功のコツを解説

デジタル系サービスをはじめ、あらゆる分野でサブスクリプションビジネスが取り入れられています。インターネットの普及にともない、サービスや商品の利用権で利益を得るビジネスが広まりを見せました。サブスクリプションに興味がある人のなかには、企業の発展のために、どのような戦略を取るべきかを知りたい人もいるでしょう。この記事では、サブスクリプションの戦略について詳しく紹介します。

サブスクリプションビジネス成功のための戦略とは?

サブスクリプションビジネスを成功させるためには、顧客をいかにして獲得するか、どれだけ長く利用してもらえるかがポイントとなります。サービスを多くの人に認知させ、無料お試し期間を設けて導入障壁を下げるなど、新規顧客の獲得はとても重要です。それに加えて、一度獲得した顧客を逃さないよう、コンテンツを充実させ、サービスの質を高める必要があります。それには、以下のような施策が効果的です。

お試し期間やキャンペーンの設置

サブスクリプションで新規顧客を獲得するには、期間無料、初回割引、クーポンの配布など、お試し期間やキャンペーンの設置が効果的です。
サブスクリプションは、まず人が集まらないことには利益を上げることができません。そのため、まず利用者にサービスを体験してもらうことが重要になってきます。参入のハードルを下げて長期顧客を獲得するのは、サブスクリプションの基本ともいえる施策です。

顧客のニーズに対応した豊富なプランの設置

サブスクリプションの多くのサービスでは、複数のプランを設定しています。無料・安価で楽しめるお試しプランや、標準的なサービスを提供するベーシックプラン、標準よりさらに上質なサービスを提供するプレミアムプランなど段階的にプランを設けることで、顧客はそれぞれのニーズにあったプランを選択できるため、より広い客層を取り込むことができます。

顧客のロイヤルティの数値化と分析

顧客ロイヤルティとは、顧客がサービスを提供している企業に対して、どれほどの信頼や愛着を抱いているかを数値化したデータです。顧客満足度がマーケットの占有率を重視する一方、顧客ロイヤリティはリピート率に重点を置きます。

サブスクリプションでは、この顧客ロイヤリティの数値化と分析がとても重要です。たとえば、顧客ロイヤルティを数値化し、顧客を推奨者・批判者に分けることで、顧客がサービスをどう評価しているかを知ることができます。今後の方針を決めるためにも、この「現状把握」は欠かせません。

また、顧客ロイヤリティは新しい「施策の成否判断」をするのにも有効です。施策としてサービスに新機能を取り入れたものの顧客ロイヤルティが変わらないなら、その機能は顧客にとって恩恵がなかった、と分析できます。

顧客ロイヤルティを向上するためには?

顧客ロイヤルティとは、企業に対する愛着の大きさや信頼度の高さのことです。顧客ロイヤルティに関しては、NPS(ネット・プロモーター・スコア)で数値化することができます。NPSを計測するためには、「商品やサービスを家族や友人にすすめたいか」という質問をおこないます。評価は10段階です。9~10点を付けた人を「推奨者」、7~8点を付けた人を「中立者」、0~6点の人を「批判者」とします。評価が集まったら、それぞれの割合を計算してみましょう。「推奨者の割合」から「批判者の割合」を引いた数値が、NPSの数値です。このように、「誰かにすすめたくなるサービス・商品であるか」を数値化することで、今後の収益をある程度予測することができます。

顧客ロイヤルティを高めるためには、まずは顧客の声を知っておく必要があります。先ほど説明したNPSを利用して、顧客からどのように評価されているのか、サービスや商品への愛着や信頼はどれくらいかを知ることが可能です。企業によっては、独自の評価基準を取り入れ、現状の把握に努めています。何を改善すべきかが見えてきたら、それを元にサービスの品質を高めていきましょう。電話やメール、SNSでの対応を丁寧におこない、継続利用している顧客にはポイントを付与するなど、何が喜ばれるかを考えることが大切です。クチコミサイトの評価などからも細かな不満を拾い上げ、一つひとつ改善していくことで、顧客ロイヤルティを高めることができます。

サブスプリクションにコミュニケーション戦略は不可欠

サブスクリプションビジネスには、コミュニケーション戦略が不可欠です。顧客との関係強化を目指すなら、いくつかのポイントを意識しておかなくてはなりません。まず、目先の売上や収益だけにこだわるのではなく、顧客一人ひとりとの関係性の強化が必要となります。それぞれのIDに対し、詳しく分析をおこなうのです。均一の料金で提供するだけでなく、顧客のニーズに合わせて、有料のアップグレード機能を提供することが重要となります。

サブスクリプションビジネスにおいては、One to Oneマーケティングが特に大切です。月額料金が手頃で利用しやすい反面、サービスの内容に満足できなければ、すぐに解約されてしまいます。そのため、顧客満足度を上げ、解約率を下げるための施策が必要となります。サブスクリプションビジネスにおいては、新規顧客を獲得することがゴールではなく、獲得した時点からが本当の始まりです。売上を安定させるためにも、顧客が満足できるよう、個別にマーケティングを展開する必要があります。

まとめ

サブスクリプションビジネスを成功させるためには戦略を練り、顧客のニーズに合わせたサービスを提供していく必要があります。新規で顧客を獲得するのはもちろんですが、継続的に利用してもらうための工夫が不可欠です。サブスクリプションビジネスを採用するのであれば、メリットとデメリットを把握し、戦略を立てて挑むことが求められます。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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