経理でとんでもないミスを防ぐためには?対応策や今後の経理業務について解説

2026年6月2日

経理業務でのミスはなるべく避けたいものですが、どれだけ注意をしていても思いがけずとんでもないミスが起きてしまうこともあります。経理業務のミスは会社の信用問題にも関わるため、会社としても策を講じたいところだと思います。

そこで本記事では経理業務をおさらいしてから、経理ミスがなくならない理由やよくある経理ミス、経理ミスを防止する方法などを解説します。今後の経理業務の傾向についてもあわせて解説いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

まずは経理業務を改めておさらい

経理の役割は、企業活動の中で発生したお金の流れを記録・管理することです。そして、経営層が意思決定をする際に、その記録・管理した内容をもとに情報提供をすることも重要な役目です。経理では、売上・仕入処理、売掛金・買掛金の管理、給与計算、経費精算、資産売却・購入の処理など、さまざまな会計を「会計基準」に従って処理を行います。

経理業務は1日、1ヶ月、1年というサイクルに沿って行われます。このサイクルは、日次業務、月次業務、年次業務と呼ばれます。日次業務には経費精算、預金管理、帳簿・伝票管理、取引先の信用分析など、月次業務には月次決算書作成、予算実績管理、給与計算、請求・支払い業務など、年次業務には決算業務、法人税等の申告・納税、年末調整、次年度の予算編成などがあります。

このような業務内容の中で、さまざまな書類を発行して管理します。なかでも重要な書類は伝票と帳簿です。伝票はお金や物品の取引について明確に書き起こした書類のことを指し、会計伝票とも呼ばれます。一般的に伝票には、日付、勘定科目、内容、金額、起票者の押印またはサインの項目が設けられます。

帳簿は会社法で作成が義務付けられている書類で、企業資産の日々の動きを記載したものです。会計帳簿とも呼ばれ、決算のもととなる書類で、法人税法により7年間の保存義務があります。

また、財務も経理と同じ企業のお金を扱う部署ですが、経理とはポジションや業務内容が異なります。財務はより経営層に近いポジションで、金融機関からの資金調達や、買収・合併交渉などによる資金運用が主な業務です。ですが、経理と財務は密接な関係にあり、財務は経理が作成した帳票などをもとにあらゆる業務にあたります。

なぜ経理ミスがなくならないのか?

このように、経理は企業のお金の流れにおける要のような部署ですが、なぜミスがなくならないのでしょうか。それは、経理業務にあたる際、どのようなツールを使用してもヒューマンエラーが避けられないためです。

経理業務で使用されるツールは、時代によって変化してきました。そろばんから始まり、電卓、現代ではエクセルが多くの企業で使用されています。一見エクセルはそろばんや電卓に比べるとミスを防げそうに見えますが、気づかずに数字を書き換えてしまったり数式をずらしてしまったり、とんでもないミスにつながる可能性があります。

また、経理ソフトやデータベースアプリを導入しても、ヒューマンエラーがついてまわります。例えば、領収書や書類、他のアプリやネット画面からの数字の転記をする際。

マウス操作のコピーアンドペーストで済めば数字そのものは間違えませんが、入力個所を誤る可能性があります。さらに数字を手入力する場合には、数字を間違えてしまう可能性も高いです。このように、どのようなツールを使用しても、ヒューマンエラーが発生する工程がある以上、経理ミスはなくならないのです。

経理現場の実態:77%がヒヤリミスを経験している

ある調査によると、経理担当者の実に77%が何らかの「失敗」や「ヒヤリとしたミス」を経験していることが分かっています。ミスのTOP3は、1位「金額の入力ミス(半数以上)」、2位「伝票の仕訳ミス(44.5%)」、3位「支払い漏れ・遅延(35.8%)」という結果が出ています。これらのミスは管理職でも現場担当者でも同様に発生しており、経理部門全体で抱える共通の課題と言えます。

(出典:株式会社オービックビジネスコンサルタント「経理現場で発生しやすいヒヤリミス!77%の経理担当が経験したミスとは?」, https://www.obc.co.jp/acfield/list/post007

【業務別】経理でよくあるとんでもないミス・ヒヤリハット事例

経理業務で発生しやすいミスを業務ごとに分類して紹介します。どのようなミスが起こり得るかを把握しておくことが、リスクヘッジの第一歩です。

会計処理のミス

金額や勘定科目・消費税などの入力・転記ミス、仕訳漏れ、売上や在庫などの計上漏れ、費用の二重計上などが発生しがちです。特にエクセルや経理ソフトへの入力時に桁がずれてしまうといった単純なミスが後々大きな問題に発展することがあります。

経費精算のミス

経費精算では、従業員からの申請内容の入力ミスや、勘定科目の間違い、領収書の紛失などが代表的です。整理整頓ができていないと、書類の紛失リスクが高まります。

請求業務のミス

請求金額の入力ミス、請求書の送付先間違い、送付漏れ、さらには同じ請求書を二度送ってしまう二重請求などが挙げられます。これらは取引先からの信用に直結するため非常に危険です。

支払業務のミス

振込先や振込金額、手数料の間違い、振込期日の間違いや二重振込などがあります。手作業で振込処理を行っている場合、特に発生しやすいヒューマンエラーです。

経理ミスの発生で企業に起こり得るリスク

経理のミスを放置したり、対応が遅れたりすると、企業にとって重大なリスクをもたらします。例えば、請求漏れが発生すれば未収金となり資金繰りが悪化します。また、誤った処理により通常より多く税金を支払うことになったり、修正対応のために残業が増加し人件費が膨らんだりする恐れもあります。さらに、金額の間違いや振込漏れは、金額の大小にかかわらず取引先からの信頼低下に直結する重大な問題です。

経理でミスが起きた際の適切な対処法・初動対応

万が一ミスに気づいた場合、最も重要なのは「迅速に上司や責任者に報告すること」です。時間が経つほど別の処理が進んでしまい、取り返しがつかなくなります。報告の際は「いつ、どの作業で、どのような内容のミスが起きたのか」、そして「後続の処理や取引先にどのような影響があるか」を正確に伝えましょう。この時点では再発防止策を考えるよりも、まずは素早い報告と影響範囲の特定を優先することが圧倒的に大切です。

経理ミスを防止・なくすための対策【個人でできること】

経理ミスを減らすためには、まず個人の日々の意識と工夫が欠かせません。具体的に個人レベルで取り組める対策を紹介します。

事前準備と整理整頓をおこなう

業務の締切にあわせて余裕のあるスケジュールを組み、納期に追われない状態を作りましょう。心の余裕はケアレスミスの防止につながります。また、デスク周りやパソコン内のデータ、書類の保管場所を明確にし、整理整頓を徹底することで、領収書や請求書の紛失・二重計上を防ぐことができます。

セルフチェックと集中力の維持

作業後は時間を置いてから再確認する、紙に印刷してチェックするなど、自分なりのセルフチェック方法を確立しましょう。また、疲労によるケアレスミスを防ぐため、適度な休憩を取り入れ、集中力を持続できる工夫をすることも重要です。

経理ミスを防止・なくすための対策【企業・組織ができること】

個人の努力だけでは防ぎきれないミスをなくすためには、企業として仕組みや体制を整えることが最も効果的です。

マニュアル作成とダブルチェック体制の構築

誰が実施しても同じ成果が出るように細かいマニュアルやルールを作成し、業務の属人化を防ぎましょう。さらに、金額が大きい取引などを優先的に複数人で確認するダブルチェック体制を整えることで、1人では気づけないミスを発見できる可能性が高まります。

ペーパーレス化とシステムの導入

紙での管理をやめ、ペーパーレス化(DX化)を進めることで、書類の紛失リスクや入力ミスを物理的に削減できます。手入力や目視確認といった定型業務は自動化しやすいため、請求管理システムなどを導入することが、結果的に最も確実な経理ミス防止策となります。

これからの経理はどうなる?

前述のようにミスが起きやすい経理業務ですが、これからどうなっていくのでしょうか。近年では、反復業務やデータ処理の自動化が進み、経理の業務負担が減る傾向にあります。具体的にどのように変化していくのか見ていきましょう。

自動化

解説してきたように、経理の業務内容は企業活動の中で発生したお金の流れを漏れなく記録・管理することです。正確性が求められミスが許されません。同時に繰り返しの定型作業が多い業務でもあり、自動化できる業務範囲が多いという特徴もあります。

その自動化の手段として、RPAを導入する動きがあります。RPAは人の代わりにロボットが業務をこなしてくれるツールです。例えば、資材を購入して代金を支払うという業務で発生する、請求書のデータ取り込み、発注データとの突き合わせ、支払い、購入先への通知といった一連の作業を自動化することができます。RPAを導入することで、業務効率の向上、人件費の削減、業務精度の向上が期待できる今注目の手法です。

ペーパーレス化

経理業務にシステムを導入することで紙媒体の資料が不要になり、ペーパーレス化が進みます。ペーパーレス化によって、コスト削減ができたり、郵便やファイリングに要する作業軽減ができたりといったメリットがあります。また、領収書や請求書データの自動取り込みや入力データの整合性チェック、検索性の向上、情報漏洩などのセキュリティリスクの軽減、月末月初に集中する業務の平準化なども期待できます。

そして、ペーパーレス化によって各書類を電子データとして扱うことができれば、テレワークが可能になります。経理担当はテレワークが難しい部署でしたが、自宅でも経理業務ができるようになれば働き方改革にもつながるでしょう。

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加えて、SFA(販売管理システム)との連携により、自動で行われた請求業務の内容を会計システムに反映させることも可能です。これにより、煩雑なやり取りの削減と企業会計の透明化をサポートし、従業員がコア業務に専念できるようになります。

なお、コンビニ決済、クレジットカード決済、口座振替、銀行振込など、複数の決済手段に対応しているため、企業間取引のみならず、BtoC取引にも活用いただけます。

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