法人がファクタリングを利用するメリットは?審査を通過するコツも併せて紹介

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法人の経営においては、どれだけ健全に事業を回していても、予想外の要因で当座の手持ち資金が不足し、急な資金調達が必要となるリスクが捨てきれません。そうした万が一に備えた資金調達の方法のひとつとして注目されているのが、支払期日前の売掛債権を現金化できるファクタリングです。

本記事では法人がファクタリングを利用するメリットや審査項目の解説に加えて、審査通過のコツや業者選びのポイントも解説します。

法人がファクタリングを利用すべきメリット

法人の資金調達の手段は数ある中、ファクタリングを利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは他の資金調達手段と比べて優秀な点を6点ご紹介しましょう。

即日での資金調達が可能

ファクタリングの最大のメリットは、売掛金を最短即日で現金化できるという対応スピードの速さです。一般的に、通常通り売掛金の入金を待つ場合、期日まで数週間~数ヶ月単位で待つ必要があります。資金繰りの状態によっては、その間に運転資金が不足することもあるでしょう。

資金調達の手段として、銀行などの金融機関から運転資金の融資を受けることもできますが、決算書・試算表を提出するなど経営状態を金融機関に申告する必要があり、実行には申請から数週間以上を要する場合がほとんどです。

信用保証協会などによる保証が必要となればさらに審査は長期化し、支払期日が迫っているのに金融機関からの正式回答は得られないといった状況も考えられます。

ファクタリングを利用すれば最短即日で売掛債権の現金化が可能となるため、時間的にも精神的にも余裕を持って資金調達を行い、資金ショートを回避することができます。

赤字経営でも利用できる

ファクタリング会社は利用者の財務状況よりも、売掛先の社会的信用度を最重要視してファクタリングの可否を判断します。これは支払期日が到来した際、売掛先から実際に売掛金を回収するのはファクタリング会社であるため、確実に売掛金を回収できる先でなければファクタリング会社の損害リスクが高くなるからです。

それに対して金融機関で融資を受ける場合、金融機関は自社の財務状況全体を見て、融資の可否を判断します。そのため前期決算が赤字であったり、債務超過であったりすると、借入金額や利用目的によっては謝絶や否決されてしまい、資金調達ができない可能性が生じるのです。そのため赤字経営で緊急の資金が必要な場合は、ファクタリングを利用するのがよいでしょう。

資金繰りの改善が期待できる

ファクタリングを利用する法人は、一過性であれ慢性であれ、資金繰りに何らかのトラブルを抱えているケースが散見されます。またキャッシュフローに改善すべき点があっても、経営者としては具体的にどこをどう改善すればよいのかわからない場合もあるでしょう。

そのような場合は、経営状態についても相談可能なファクタリング業者を利用することで、資金調達のみならず、同時にアドバイスを受けることもできます。担当者は数多くの法人の信用状況やキャッシュフローを見てきているはずですから、相談してみるのもひとつの手でしょう。

未回収リスクの防止ができる

売掛債権がきちんと現金化されるかどうかは、極論を言えば支払期日の当日まで分かりません。どれだけ信用している取引先であっても、何らかの事情により不渡りを出してしまうなど、代金を支払ってもらえない場合の未回収リスクは常に考えておかねばなりません。

ファクタリングにより、売掛債権の一部または全部を前もって現金化しておけば、そうした未回収リスクを最小限に抑えることができます。

ここで重要なのは、一般にほとんどのファクタリング契約には償還請求権がないことです。これにより万が一売掛先が倒産してしまったとしても、売掛金の回収不能によりファクタリング業者が被る損害の責任を遡及して負わなくてよいため、利用者は安全に現金化できるというわけです。

取引先に知られずに資金調達が可能

ファクタリングには、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングという2つの種類が存在します。このうち2社間ファクタリングにおいては売掛先の承諾が必要ないため、利用者自身やファクタリング会社が売掛先へ一切コンタクトを取ることなく、ファクタリングを完結させることができます。

取引先に資金調達に困っていると思われたくないなど、信用上の理由でファクタリングを行っていることを知られたくない場合は、2社間ファクタリングを利用するのがよいでしょう。

事業発展をしやすい

新規開業者、または新事業を展開したい法人向けの融資制度を設けている金融機関は数多くありますが、まったく実績のない状態から事業をスタートする場合、事業計画書や返済計画などを具体性のある内容で作成し、提出しなければなりません。また担保や保証人を求められる場合がほとんどです。

ファクタリングによる資金調達であれば、無担保・無保証で資金調達ができるだけでなく、スピード感が求められる事業であっても必要な時に必要な額だけ資金を投入できるため、新規事業の発展をスムーズに進めることができます。

また新規事業の開業後は新規売掛先をファクタリングし、手元の資金をなるべく増やしておくことで、取引先への未払い発生による信用リスクを回避することも可能です。

法人がファクタリングを利用する際に審査される項目

ファクタリングの審査において、主に業者が注目するのは売掛先についてであると解説しましたが、利用する側の法人にもいくつかチェックすべきポイントがあります。ここでは主な4点をご紹介します。

法人を設立した日

ファクタリング会社によっては設立から1年以上経過していない、つまり設立間もない法人は審査に通過できない場合もあります。
もちろんそういった若い法人でも、売掛金さえ発生していれば問題なくファクタリングに応じてくれる業者もありますので、設立から日が浅い場合は事前に確認しておきましょう。

売掛先法人の信用力

繰り返しになりますが、ファクタリングにおいて何よりも重要な審査項目となるのは、売掛先がきちんと売掛金を支払ってくれるか否かという点です。売掛先の支払い能力を資金繰りから直接確認するわけではありませんが、リサーチ会社からの信用情報で判断できる部分も多分にあるため、社会的な信用力のある会社かどうかは特に重要視されます。

売掛債権の有無

売掛債権が実際に存在しているかどうかも、審査で確認されるポイントのひとつです。
売掛債権がすでに存在していなかったり、そもそも取引自体が発生していなかったりすれば、当然ながら詐欺行為にあたるため、その点はしっかり証明できるようにしておきましょう。
また既にファクタリング済みの債権を他社で再度ファクタリングすることは二重譲渡にあたり、これも詐欺罪に問われるため注意しましょう。

売掛債権の支払期日

売掛債権は、支払期日まで短いほどファクタリングの審査が通りやすい傾向にあります。
支払期日(回収サイト)が長ければ長いほど、ファクタリング業者にとって売掛債権が未回収となるリスクは高まります。そのため業者は支払期日にも注目すること、一般的には短いほど安全性が高いと判断することを覚えておきましょう。

ファクタリング利用時の審査を通過するコツ

それでは実際にファクタリングを利用する際、審査を通過しやすくするにはどうすればよいのでしょうか。ここでは3つのポイントに絞ってコツをお伝えします。

取引年数が長い売掛先を選ぶ

ファクタリングの利用者は、ファクタリングしたい売掛先についての書類の提出が必要となります。これはファクタリングの審査において第一に考慮される信用力を正確に測るため、利用者側から見た売掛先の取引歴や、支払い能力についての情報提供が必要となるからです。
そのためファクタリングの審査を通りやすくするには、取引歴が長いだけでなく、不渡りや支払い遅延などの履歴ができるだけ少ない取引先を選ぶのがよいでしょう。

取引金額が大きい売掛先を選ぶ

ファクタリング対象となる売掛金の額面金額が大きいことも、審査においては有利に働きます。ファクタリングによる業者の利益は、額面が大きければ大きいほど比例して大きくなりますが、反対に負担する事務処理の手間や手数料は、額面の多寡ではそこまで変わりません。
そのため同じ信用度・同じ回収サイトの売掛債権であれば、一度のファクタリング額の大きい方が審査に通りやすい場合がほとんどなのです。できるだけ額面の取引金額が大きくなりやすい、取引規模の大きい売掛先を選びましょう。

取引期日が短い売掛先を選ぶ

審査項目の説明で触れたとおり、支払期日が短い売掛金ほどファクタリング業者にとって未回収リスクを低くでき、安全と見なされるため審査に通りやすくなります。

未回収リスクが上がる支払期日の遠い売掛金では、そのリスク分が手数料率に反映され、コストが上がってしまう場合もあります。また手数料率が同じであれば、業者としては残存期日が多い・回収が遅くなる売掛金よりも、残存期日の少ない・早く回収できる売掛金を、数多くファクタリングするほうが利益を増大できます。つまり、業者にとっては安全性と利益の両面で利があることから、取引期日が短い売掛先を選んだほうが審査に通りやすくなるのです。

法人向けファクタリング会社を選ぶポイント

ファクタリング審査のポイントがわかったところで、今度はファクタリング会社を選ぶ際のポイントを見ていきましょう。

手数料

ファクタリングの際、売掛金から割り引かれる手数料は業者によって異なります。
一般的には、売掛先の承諾を得る必要がある代わりに信用度も高いとみなされる3社間ファクタリングのほうが、2社間ファクタリングよりも手数料が割安となっています。

資金調達日数

ファクタリングの最大のメリットが対応スピードの速さだとお伝えしたように、資金調達までのどれくらい日数を要するかは重要なポイントです。
最短○時間・〇日を謳っている業者は多く見受けられますが、同じ業者でも初回審査かどうか、何度も引き受けている売掛先かどうかなど、審査のスピードはさまざまな条件によって左右されます。一刻も早く手元に現金が必要という事態に備えるには、業者ごとのスピード感の違いを事前に確認しておきましょう。

資金調達可能上限額

法人の場合、個人事業主よりも事業規模が大きく、それに従って売掛債権の額面も大口になるケースが多いと思われますが、ファクタリング可能な債権額には業者ごとに上限が定められています。中には個人事業主・フリーランス向けの小口のみ対応や、逆に法人のみ対応など条件付きの場合もあるため、こういった条件も踏まえて、自社の利用頻度や債権額に応じて選びましょう。

償還請求権の有無

メリットの章で「ファクタリングではほとんどの業者が償還請求権を定めておらず、安全である」という話を取り上げましたが、中には償還請求権を定めている業者もあります。

そのような業者は手数料が割安な場合もありますが、償還請求権ありのファクタリングは売掛先が売掛金を支払えない場合、その損害を業者から利用者へ請求できるようになります。つまり返済義務が発生する可能性があり、実質的には借入と同じリスクを抱えることになるのです。そればかりか、ファクタリング業者が貸金業者としての登録をせずにこうしたリコースファクタリングを提供している場合、違法である可能性が高いため一層の注意が必要です。

運営会社の信頼度

上記と関連して、ファクタリング業者選びでは運営会社の信頼度にも目を向ける必要があります。特に契約書の控えをもらえない場合は要注意です。利用者の焦りに乗じて法外な手数料を要求されるなど悪質なケースもありますので、ネットの評価や口コミはもちろん、業歴の長さや事後のサポートなども勘案して業者を決めるのがよいでしょう。

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まとめ

法人のファクタリング利用には資金調達までの対応スピードをはじめ、自社の財務状況に左右されない、未回収リスクの心配がないなど、多くのメリットがあります。審査通過のコツや業者選びのポイントを踏まえて、資金繰りの改善に役立ててみてください。

また資金繰り改善には、資金調達だけでなく支払いの面で余裕を持たせることも重要です。ROBOT PAYMENTでは、ファクタリングロボにより煩雑な手続きを挟むことなく支払い先延ばしを実現できます。資金繰りにお困りの経営者の方はぜひご活用ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。