ファクタリングで審査落ちしてしまう理由とは?通過する条件やコツを徹底解説

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取引先との間に発生した売掛債権をファクタリング会社に売却して資金を調達する仕組みをファクタリングと呼びます。売掛金の支払期日よりも前に資金を調達できるため、資金繰りの改善が見込めます。ただし、ファクタリングを行うためにはファクタリング会社による審査を通過しなければなりません。一定の条件を満たさなければ審査は通過できず、審査落ちとなります。

この記事では、ファクタリングで審査落ちする理由や審査なしのファクタリングをおすすめできない理由、審査落ちせずに通過するためのコツなどについて解説していきます。

ファクタリング審査とは?

ファクタリングとは「債権買い取り」を意味する資金繰りの方法のひとつです。取引先との間で発生した売掛債権を利用して資金を調達できます。売掛債権をファクタリング会社に売却して、売掛金の支払期日よりも前に資金を調達できるため、資金繰りとして有効な手段のひとつでしょう。

ただし、ファクタリングを行うためにはファクタリング会社の審査に通過する必要があります。一定の条件を満たさなければ審査は通過できず、審査落ちとなります。

ファクタリングで審査落ちする原因|売掛債権が理由の場合

ここでは、ファクタリングで審査落ちする原因のうち、売掛債権に理由がある場合についてそれぞれ解説していきます。

不良債権がある

不良債権もしくはその疑いがある場合は、審査は通過できません。不良債権とは、企業の倒産や経営の破綻などにより回収が困難もしくは不可能になった売掛金のことです。
ファクタリングを利用する方の中には、不良債権だと知りつつ申請する悪質な企業や詐欺も存在しているため、ファクタリング会社は常に慎重になっています。不良債権またはその疑いがある売掛債権は、絶対にファクタリングに利用してはいけません。

売掛債権の支払期日が遠すぎる

売掛債権の支払期日までの期間が長いと、審査に落ちる場合があります。支払期日までの間に災害や経営の悪化、不祥事などといった不測の事態が起こり売掛金が回収できなくなる可能性も考えられるからです。
ファクタリング会社にとっては、買い取った売掛債権の支払時期が遠ければ遠いほど、売掛金の回収リスクが高まります。売掛金支払日までの期間は長くても2ヵ月程度が望ましく、それ以上の長期間になると審査を通過するのは難しくなると考えた方が良いでしょう。

異なるファクタリング会社にも譲渡を持ちかけている

二重譲渡の疑いがあると審査は通過できません。二重譲渡とは、ひとつの売掛債権を異なる2ヵ所以上のファクタリング会社に売却しようとすることです。これを行うと、複数のファクタリング会社から不正に資金を受け取れます。しかし、二重譲渡は明らかに違法行為なので、もし審査を通過できたとしても売掛債権を回収する時点で二重譲渡が発覚して刑事告訴される可能性があります。そうなれば社会的な信用が失われ、事業の継続もできなくなるでしょう。

譲渡禁止となっている

譲渡禁止特約がついている売掛債権は、審査落ちする可能性が高いでしょう。譲渡禁止特約とは、売掛債権を第三者に譲り渡すことをあらかじめ禁止するための特約のことです。こういった売掛債権は、重要な理由があって譲渡禁止にされているケースがほとんどなので、取引先に特約の解除を依頼しても難しいでしょう。ただし、3社間ファクタリングを利用した場合、譲渡禁止特約を無効にしてくれる可能性が出てきます。

ファクタリングで審査落ちする原因|その他の理由

次に、ファクタリングで審査落ちする原因のうち、売掛債権以外のその他の理由がある場合についてそれぞれ解説していきます。

取引先の経営が危うい

売掛先の経営状況が悪いと、審査落ちになる可能性があります。売掛金の支払が遅れたり企業が倒産したりすると、ファクタリング会社は売掛金を回収できずリスクを負うことになるからです。ファクタリングの審査で一番重要なのは、売掛先が信用できるかどうかです。企業の業種や規模、利益などを総合的に判断して審査の結果に反映しています。売掛先の経営状況が悪く倒産のリスクがある場合には、売掛金が回収できなくなる可能性があると判断され審査落ちすることがあります。

取引先が実在しているか不確かである

取引先の経営実態があるかどうかが不明瞭で、実態がないと判断されると審査落ちします。ペーパーカンパニーを使ったり詐欺をたくらんだりして、ファクタリング会社を欺こうとする利用者もいるからです。ファクタリング会社の利用者には銀行融資などで断られているケースも多いようです。そのため、コンサルティングや業務委託のような、提供した商品やサービスの内容がはっきりしない場合には審査落ちする可能性が高いでしょう。

法人相手の売掛ではない

ファクタリング利用者が法人ではなく個人事業主の場合、審査落ちの原因になることもあります。個人事業主の売掛先は、同じ個人事業主であったり中小の零細企業であったりすることが多く、倒産や売掛金を回収できないリスクが法人の場合と比べて大きいためです。
そうなると、ファクタリング会社としても売掛金の未回収や遅れのリスクを回避しようとします。たとえ仕事が好調で人柄に問題がなくても、個人事業主であるというだけで審査落ちするケースもあるのです。

ファクタリング利用希望者に信頼がない

ファクタリング利用者の人柄や信頼に問題ありと判断された場合に、審査落ちになる可能性があります。ファクタリング会社は、利用者または利用企業が信頼に値するかどうかという点についてもチェックしています。態度が不誠実だったり書類の提出が遅れたりすればおそらく信頼されないでしょう。あるいは、ファクタリング会社からの質問に誠実に答えなかったり矛盾のある返答をしたりすると、やはり利用者としては信頼できません。

取引実績が少なすぎる

利用者と売掛先の間で取引回数が少なすぎたり取引期間が短すぎたりすると、審査落ちになる可能性があります。実績が足りないため、信頼性に欠けると判断されるのです。

もし新規の売掛先だった場合、架空の売掛金をでっちあげてファクタリング会社から売掛金をだまし取るという詐欺も想定されます。それを防ぐために、ファクタリング会社は利用者と売掛先との取引回数や取引期間にも注目します。

審査なしのファクタリングをおすすめできない理由

審査のないファクタリング会社も存在します。審査に落ちてしまった場合、審査なしのファクタリング会社を利用したくなるでしょう。しかし、さまざまな理由によりそれはおすすめできません。ここでは、その理由について解説します。

悪徳業者の恐れがある

悪徳な業者だったり、反社会勢力とつながっていたりする可能性があります。審査がないということは、ファクタリング会社がリスクを負うことになってもそれを想定した手数料を請求される可能性があるということです。そうなると、手数料が非常に高額になることが予想されます。資金を調達できたとしても結果的には大きな損失となるでしょう。

債権の買戻しを求められる恐れがある

知らぬ間に償還請求権がある契約を結んでしまい、売掛金が回収できなかった場合に買戻しを要求される可能性があります。本来であればファクタリングは償還請求権のない契約を結ぶため、万が一売掛先が倒産しても利用者がその責任を負うことはありません。契約内容に債権の買戻しという項目が含まれていると、事実上融資とみなされる契約になってしまい、それはもう一般的なファクタリングではありません。

融資もリスクを伴う

審査なしで契約した場合に融資契約を結んだことにされるリスクが高くなります。通常のファクタリングの場合は、借入れではないため担保や保証人などは必要ありません。しかし、審査なしの場合は担保や保証人を求められたり保証金や一時金などを請求されたりして、融資契約を結んだことにされます。貸金業に登録していない業者が金銭を貸す行為は違法であり、ヤミ金融業者が関わっている可能性が高く大変危険です。

ファクタリングで審査落ちせずに通過する6つのコツ

ファクタリングの審査を通過するためにはどのような点に留意すれば良いでしょうか。ここでは、審査落ちしないで通過するコツについて解説します。

経営が安定している取引先との売掛債権を使う

経営が安定している取引先との売掛債権を使うと良いでしょう。信用度の高い売掛先との取引にだけファクタリングを利用することです。取引歴の長さや経営状況などはもちろんのこと、官公庁や金融機関との実績が多い売掛先もファクタリング審査では有利となります。なぜなら、これらの取引先は契約相手を厳正に見極めることが多いので、実績があると経営が安定していることを証明できるからです。

支払期日が短い売掛債権を使う

支払日までの期間が短い売掛債権を使うと良いでしょう。ファクタリング会社は、債権を回収できないまま売掛先が倒産してしまうことをもっとも恐れています。支払日まで間が開いていると、経営状況が悪いのではないかと疑問をいだくでしょう。裏を返せば、支払日が早い企業は資金繰りがスムーズであることを意味します。ファクタリング会社からは、より安全な債権とみなされます。

信頼される業務を心がけることも重要

ファクタリング申し込み時の面接での印象も審査の結果に大きく関わってきます。まず、経営に関して質問されたときは、決して嘘をつかず正直に答えることが大前提となります。企業の経営自体に問題はなくても、担当者の人間性が受け入れられなければ審査が通らないこともあります。多くのファクタリング会社は審査をかねて面接も行っていますが、その際になるべく良い印象を残せるように心がけましょう。もし、ここで悪い印象を与えてしまうと信頼できないと判断されてしまいます。

銀行系ではなく独立系の会社を選ぶ

ファクタリング会社は「銀行系」「独立系」「ノンバンク系」の3つに分けることができます。それぞれの違いは以下のとおりです。

・銀行系:大手銀行が親会社となって出資してファクタリングを行う。
・ノンバンク系:預金業務を行っていない消費者金融会社やクレジットカード会社、信販会社がファクタリングを行う。
・独立系:銀行や大手企業の子会社などが運営しているわけではなく、独立的・専門的にファクタリングを行う。

このうち、独立系のファクタリング会社には、銀行系のファクタリング会社と比べると以下のような特徴があります。

・申し込みが比較的簡単である
・審査が比較的ゆるく、通過率が高い
・中小事業者や個人事業主にも対応している
・入金スピードが早い

そのため、売掛債権の額が少ない方や中小事業者・個人事業主・フリーランス、今すぐ現金が欲しい方、取引先に非通知で利用したい方に向いています。

審査の通過率が高い会社を選ぶ

審査の通過率が高いファクタリング会社を利用すると良いでしょう。前項で取り上げたファクタリング会社の区分のうち、独立系と呼ばれる会社が一番審査の通過率が高い傾向にあります。審査率の高い会社には以下のような特徴があります。

・手数料が高額、あるいは上限が明記されていない。
・即日入金できるなど、現金化が早い。
・個人やフリーランスでも利用可能である。
・手続きが簡単で、審査に必要な書類が少ない。
・債権譲渡登記が求められる。

審査落ちを回避するためには、このような会社を選ぶと良いでしょう。ただし、極端に必要書類が少ない場合は悪徳業者の可能性も考えられるため、必ず利用するサービスについて調査してください。

1社に絞らず複数社に審査申し込みを行う

ファクタリングの複数利用は問題ないとされています。なぜなら、ファクタリングは融資ではないからです。ファクタリング会社を複数利用するメリットとして、以下の点があげられます。

・より良いファクタリング会社を見つけやすくなる。
・手数料が低くなる可能性がある。

売掛債権の二重譲渡は絶対に避けなければなりませんが、複数の買い取り業者に対して相見積もりを取るだけであればまったく問題ありません。手数料の比較を行うことができますし、ファクタリング会社について分かってくることもあるのでおすすめです。

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まとめ

これまで、ファクタリングで審査落ちする理由や審査に通過するためのコツについて解説してきました。ファクタリングは資金繰りを円滑にする方法のひとつですが、審査に通過しないと売掛金を買い取ってくれません。まずは必要な書類を確実に用意して、ファクタリング会社に自社および売掛先の信用度をアピールしてください。重要なのは、ファクタリング会社に信用されて「確実に債権が回収できる」と判断してもらうことです。この記事を参考にして、ファクタリング会社をうまく利用して資金繰りに役立ててみてはいかがでしょうか。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。