消費税の正しい税額計算方法を知っていますか?

経理

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消費税の正しい税額計算方法を知っていますか?

消費税の計算方法は複雑で難解なものです。経理の仕事をしていても、ちょっと曖昧だったり理解できていなかったりする部分がある方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、消費税の計算方法についてお伝えします。正しい計算方法をしっかりと理解しておきましょう。

消費税の税額計算方法

消費税額は「預った消費税」から「支払った消費税」を差引いて計算しますが、計算方法には「原則課税」と「簡易課税」という2つの計算方法があります。

原則課税の消費税の税額計算方法

ⅰ)消費税の税額計算方法
消費税の納付税額は、課税期間中の課税売上高に6.3%を乗じた金額から、課税仕入高に108分の6.3を乗じた額を差し引いて計算します。
課税期間は、原則として、個人の場合は1月1日から12月31日までの1年間で、法人の場合は事業年度となります。
なお、この場合の「課税売上高」は、消費税及び地方消費税に相当する額を含まない税抜きの価額です。
消費税の納付税額=課税期間中の課税売上に係る消費税額?課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額

ⅱ)地方消費税の税額計算方法
地方消費税の納付税額はⅰ)で計算した消費税額に63分の17を乗じた金額になります。
なお、消費税を納税する際には消費税と地方消費税の納付税額の合計額をまとめて納税することになります。

簡易課税の消費税の税額計算方法

基準期間の課税売上高が5,000万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している事業者は、実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる簡易課税制度の適用を受けることができます。

簡易課税制度は、仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合とするというものであり、この一定割合をみなし仕入率といい、売上げを卸売業、小売業、製造業等、サービス業等、不動産業及びその他の事業の6つに区分し、それぞれの区分ごとのみなし仕入率を適用します。
みなし仕入率は下記とおりになります。

第一種事業(卸売業)90%
第二種事業(小売業)80%
第三種事業(製造業等)70%
第四種事業(その他の事業)60%
第五種事業(サービス業等)50%
第六種事業(不動産業)40%

簡易課税制度は「預った消費税」に上記みなし仕入率を乗じて算出した額を「支払った消費税」とみなして、簡便的に納税額を計算することになります。
 

この記事の著者紹介

hukudome
福留 聡(ふくどめ さとし)
公認会計士・米国公認会計士・税理士・米国税理士
福留聡事務所代表

慶應義塾大学商学部卒。監査法人トーマツ、あずさ監査法人勤務後、独立。主に上場企業の決算支援、IFRS導入支援、国際税務などを得意としている。著書に『7つのステップでわかる 税効果会計実務入門』(2014年10月税務経理協会)、『公認会計士・税理士・米国公認会計士・米国税理士 資格取得・就職・転職・開業ガイドブック』(2014年11月税務経理協会)、『経理業務を標準化する ワークシート活用ガイド』(共著、2013年10月、中央経済社)。また、(社)日本士業協会よりIFRS、日米税務等DVD36巻を刊行している。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
  • 請求管理クラウドサービス「請求管理ロボ」
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