「ファクタリングサービス」って一体何?どう選べばいいの?わかりやすく一挙公開

後払い

Facebook にシェア
Pocket

昨今の社会情勢の影響から日本企業の大多数が資金繰りの悪化に陥っています。資金繰りの改善手段の一つとして、資金調達があります。資金調達にも様々な手段がありますが、注目されている手段として挙げるのがファクタリングサービスです。

しかし、その種類や仕組みは複雑で、少々わかりにくいと感じるかもしれません。このコラムでは、ファクタリングサービスに関する仕組みやメリット・デメリット、選び方のコツなどを網羅的にご紹介します。

「ファクタリングサービス」とは

事業者が保有する「売掛債権(商品やサービスの提供・販売後、未受領の代金を請求できる権利のこと/売掛債権≒資産)」を、期日前に買い取るサービスの総称です。買取時、企業側は手数料(または保証料)を差し引いた金額がもらえます。

ファクタリングサービスを利用する目的としては、売り手側が迅速に資金を確保するためです。通常、“企業間売買・取引が成立した時点で支払いが行われる”ということはありません。なぜなら、日本では「信用取引」という方法を採用しているからです。

「取引先の信用(支払い能力)に基づき、代金支払い・受取を将来的に約束する」という取引方法で、まずは取引先へ「商品・サービス」を提供し、後から(通常1〜2ヶ月先)代金が支払われる仕組みです。

しかし上記の方法では、売り手企業が取引で得た資金をすぐに獲得・使用することはできません。そのため、現金の流れ(キャッシュフロー)が悪化してしまいます。そんな状況を改善する方法が「ファクタリングサービス」なのです。ファクタリングサービスの種類は大きく分けて「買取型ファクタリング・保証型ファクタリング」の2種類があり、それぞれ利用目的や仕組みが異なります。

買取型ファクタリング

「売掛債権の迅速な現金化」を目的とした、一般的なファクタリングサービスを指します。
主に以下の流れで取引が行われます。

・企業とファクタリング会社で契約する場合(2社間ファクタリング)
1. 企業→取引先(顧客):サービスや商品の提供・販売/売掛債権発生
2. ファクタリング会社→企業:売掛債権の買取り/売掛金の引渡し
  企業→ファクタリング会社:売掛金の受取り/売掛債権の譲渡
3. 取引先(顧客)→企業:売掛金の支払い
4. 企業→ファクタリング会社:売掛金の支払い

・取引先も含めた契約形態の場合(3社間ファクタリング)
1. 企業→取引先(顧客):サービスや商品の提供・販売/売掛債権発生
2. ファクタリング会社→企業:売掛債権の買取り
3. 企業、ファクタリング会社→取引先:売掛債権の譲渡契約通知
  取引先→企業、ファクタリング会社:譲渡契約の承諾
4. ファクタリング会社→企業:売掛金の引渡し
  企業→ファクタリング会社:売掛金の受取り
5. 取引先(顧客)→ファクタリング会社:売掛金の支払い

保証型ファクタリング

「保証型ファクタリング」とは、万が一の場合でも売掛債権の回収を保証してくれる「保険」のような役割です。取引手順は、以下の通りです。

1. 企業→取引先(顧客):サービスや商品の提供・販売/売掛債権発生
2. ファクタリング会社→取引先(顧客):信用調査
  (信用調査:支払い能力の有無・経営状況の課題などを調べること)
3. ファクタリング会社→企業:調査結果をもとに、保証金額を決定
  企業→ファクタリング会社:保証料の支払い/(売掛金の回収が不能となった場合)保証額の範囲内で受取り
4. 取引先→企業:売掛金の支払い

ファクタリング サービスを利用するメリット

ファクタリングサービスを利用するメリットはいくつか存在しますが、種類によってもさまざまです。自社に最適なものを選んで資金繰り改善を効率化させるためにも、得られる恩恵は理解しておくべきでしょう。ここでは、ファクタリングサービスを利用するメリットを買取型・保証型それぞれご紹介します。

買取型ファクタリングのメリット

買取型ファクタリングを選ぶメリットは次の3つです。

・資金調達のスピードが早い
最大のメリットともいえるのが資金調達完了までのスピードです。本来は翌月末以降に支払われる売掛金を最短即日に現金化できるので、支払いや事業運営などに充てることができます。
資金調達が必要なほど資金繰りが悪化しているのに気付いていない場合は、早急な対応が求められます。そうした状況に陥らないためにも資金繰り表とキャッシュフロー計算書を作成し、資金繰りの把握・管理を徹底しましょう。

・信用情報に影響しない
銀行融資やカードローンなど、別の方法で資金援助を受けた場合「借入」をしたことになるので、決算書には「負債」として記載されます。ですが、ファクタリングの場合「借入」ではないので該当しません。そのため、今後の審査などに響くことがなく安心です。また、2社間ファクタリングの場合、自社とファクタリング会社の取引になるため取引先に資金調達したことがばれずに済みます。

・審査が易しい
銀行融資などからの借入時、審査基準が厳しいです。しかし、ファクタリングの場合は比較的難しくありません。早ければ即日・最短60分で入金されることもあります。また、担保・保証人が必要ない点も、審査がスムーズである理由のひとつです。

保証型ファクタリングのメリット

保証型ファクタリングを選ぶメリットは次の3つです。

・貸し倒れリスクを回避できる
財務状況の悪化などが原因で、万一取引先が支払不能になってしまった(=貸し倒れ)場合でも、ファクタリング会社が契約の範囲内で金額を保証してくれます。つまり「資金確保が約束される」ため、貸し倒れリスクから回避できます。ただし、現金化できるタイミングが取引先の支払不能になった場合のみに限りますので、債務不履行の場合では保証対象外になる可能性があるのを理解しておきましょう。

・与信管理の効率化
与信管理とは、取引先企業への「取引可否や金額に関する審査・見直し」のことです。これらをファクタリング会社が一任してくれるので、業務負担の軽減が見込めます。さらに、取引先が倒産した場合の債権管理も請け負ってくれるので、さらなる業務負担軽減が期待できるでしょう。

・取引先に知られずに契約可能
買取型ファクタリングには取引先も含めた「3社間取引」も存在します。この方法だと、取引相手に譲渡通知が届く仕組みなので、ファクタリングサービスの契約内容が知られてしまいます。しかし保証型ファクタリングの場合は基本「2社間取引」なので、取引先に通知が届くことはありません。そのため取引先に自社の経営状態に不安を与えず、良好な関係を継続できます。

ファクタリングサービス利用にともなうデメリットと注意点

上述のように、取引先に債権譲渡を知られずに済むことや最短即日での資金調達が可能、貸し倒れリスクの軽減など種類によって様々な恩恵が受けられます。一方でサービスを利用するうえで、おさえておくべき「デメリットや注意点」もあります。この先ファクタリングサービスを利用する際は、安易に選ぶのは避けましょう。ここでは、ファクタリングサービスの注意点・デメリットについてご紹介します。

手数料・保証料がかかる

買取型の場合は「手数料」、保証型の場合は「保証料」がかかります。料金の割合は銀行融資よりも高く設定されており、特に手数料は5〜20%(2社間取引の場合)とかなり高額です。実際に受け取れるのは、売掛金からこれらを差し引いた金額になります。高額な手数料で契約してしまうと、かえって資金繰りが悪化してしまうことも少なくありません。利用する際には、複数社見積もりを取ったうえで慎重に選びましょう。

取引先の信用度次第では、契約できないこともある

保証型ファクタリングの場合「取引先への信用調査」を経て、契約の可否や金額が決定します。その際、支払い能力(信用度)があまりにも低いと判断されれば、審査自体が通らない可能性があります。また契約後も定期的な調査が入るので、信用度が下がると途中で契約が破棄されるリスクもあるので注意しましょう。信用度の高いと判断される基準としては、上場・大手企業の債権、長年取引を継続している債権、国・自治体の債権などが挙げられます。

悪徳業者が存在する

ファクタリングサービスのなかには、悪徳業者も存在するので注意が必要です。高額な手数料を支払わなければならなくなり、かえって資金繰りが悪化するリスクがあります。金融庁では、上記のような被害を未然に防ぐために注意喚起を行っています。
見極めるためには「ホームページの確認(会社情報・サービス内容の詳細など)・契約内容の熟読(手数料や契約条件)」など、慎重に行いましょう。

自分に合ったファクタリングサービスを選ぶコツ

実際にファクタリングサービスを利用する場合、数ある会社の中から「悪質な業者ではないか」「希望する条件に合うか」を事前に調べて判断する必要があります。自社のニーズに応えてくれる会社を選んでこそ最大限の効果を発揮してくれるでしょう。ここでは、会社を選ぶコツを4項目ご紹介していきます。

「優良会社を見極めるポイント」をおさえる

早急に資金を調達したい、手数料をなるべく抑えて利用したいなどを考える前にまずは、優良会社か見極めるための情報確認が大切です。明確な情報が記載されているかどうかがポイントになります。

・取引情報や仕組みに関する説明
・手数料の金額や判断基準
・会社の企業情報(社名・住所・電話番号・事業内容など)
これらが十分ではない場合は要注意でしょう。

またファクタリングサービスは、審査に必要な「書類や手順、審査内容」も多く複雑です。審査に関する説明が明確にされない場合や必要書類が少ない場合は、悪徳業者の可能性があるので用心しましょう。

手数料

一般的なファクタリングサービス(買取型)には「利用料」がかかりますが、契約形態によって金額が大きく変動します。

・2社間取引の場合:10~20%
取引先からの売掛金を「依頼企業」が受け取り、その後ファクタリング会社へと支払います。そのため、ファクタリング会社側は“貸し倒れとなり、売掛金を回収できない”というリスクも抱えているため、手数料も高めです。

・3社間取引の場合:1.0~9.0%
売掛金の支払いが「取引先」から直接ファクタリング会社へと支払われます。そのため依頼企業の貸し倒れリスクがなく、その分手数料も安く抑えられています。

“手数料をなるべく安く抑えたい”という場合には「3社間取引」がおすすめです。一方で、”取引先に債権譲渡を知られたくない”という場合には手数料はかかるものの「2社間取引」を利用しましょう。

審査手順が簡単

ファクタリングサービス利用の際は、必ず書類審査が行われます。一般的に必要とされる書類は以下の通りです。

・(法人) 登記簿謄本:会社の基本情報確認のため
・(法人)決算書:財務状況把握のため
・(個人)身分証明書:顔写真付きが好ましい
・(個人)確定申告:業務確認のため
・印鑑証明書:実印が本物だと証明するため
・通帳:過去の取引履歴確認のため/コピーも可
・売掛債権の存在を認識できるもの:請求書、発注書、納品書、契約書など
・売掛先企業との基本契約書

ファクタリング会社によっては、別途必要な書類がある場合や、書類の取得期間が指定されることも少なくありません。一方で2種類の書類だけで審査が完結する会社もあるので、“なるべく審査にかかる手間を省きたい”場合は、事前に確認しましょう。

また現在は「オンラインで審査が完結する」ファクタリングサービスもあります。“より簡単かつスピーディに審査してほしい”場合は、ぜひ検討してみましょう。

そのほかのルール

・支払い期日
2社間取引の場合、契約締結後は「売掛金の支払い期日」にも気を配る必要があります。基本的に、ファクタリング会社への支払いは「売掛金受け取り後すぐ」と決められています。しかし、何らかの理由で取引先から売掛金の支払いが遅れることもあるでしょう。支払期日に遅れてしまうと、最悪の場合事件に発展してしまうリスクもあります。

中には、万が一遅れても猶予期間を設けてくれるファクタリング会社もあります。契約前に、支払遅延時の柔軟性や猶予期間などを設けているか、確認してみましょう。

・利用可能金額
ファクタリング会社によって、利用可能金額(売掛金から手数料を差し引いた金額)の上限が異なります。もし多額の債権を保有している場合は、上限額の高い会社を選ぶようにしましょう。一方で、少額の債権を譲渡する場合は下限に注目して選ぶのがコツです。

・入金スピード
事業運営や支払い期日が迫っている場合などは、“すぐにでも手元に資金がほしい”と考えるでしょう。その場合、おすすめなのが「2社間取引」のファクタリングサービスです。

2社間取引は「依頼企業とファクタリング会社」で契約締結が行われるため、スピーディな入金が可能です。最短で即日、遅くても数日ほどで現金化できます。
一方、3社間取引では「依頼企業・ファクタリング会社・取引先」で契約への合意・締結が必要です。そのため2社間取引と比べると、入金までに工数を要します。所要日数は約1〜2週間と考えておきましょう。

慢性的な資金不足に困ったら「ファクタリングロボ」

資金繰りでお困りの方におすすめなのが、株式会社ROBOT PAYMENTが提供する「ファクタリングロボ」です。「ファクタリングロボ」は、継続的な請求のファクタリングに加えて請求業務を代行してくれるサービスで、資金繰り改善と業務効率化をかなえてくれます。手数料は業界最安水準の1.0%〜、最短5営業日で売掛債権を現金化。会社・事業部単位の少額かつ複数の請求にも柔軟に対応します。担保や保証人が不要なので、銀行融資よりも手軽に利用できる上、東証グロースに上場している企業が運営しているため安心・安全です。

まとめ

事業運営に欠かせないのが“資金繰り”です。しかし、昨今の社会情勢が影響し資金繰りの悪化を懸念される企業が多いのが現状です。悪化を改善し円滑に進める方法は、今回紹介した「ファクタリングロボ」をはじめ、いくつか種類があります。仕組みや特徴もさまざまなので、「どの方法が一番使いやすく、自社の経営戦略に合っているのか」を判断し、選び取ることが大切です。情報収集と比較・検討を繰り返しながら、最適なサービスを見つけてみてください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。