売掛金の入金処理方法とは?入金確認の注意点や消込作業の課題なども解説

入金消込 請求業務

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売掛金は債権として扱われ、債権管理から回収までの一連の業務は企業の経営で非常に重要なものです。適切に管理することは、健全な経営につながります。

この記事では売掛金の基礎知識から、仕訳方法や売掛帳の記入方法までご紹介します。そして、請求管理業務をサポートするシステム「請求管理ロボ」についても解説します。

売掛金とは


売掛金とは、製品やサービスを販売した代金を将来受け取ることができる債権のことを指します。つまり、売上が発生しているものの「未回収の状態にある代金」のことです。貸借対照表では資産の勘定科目に該当します。

特徴

BtoBにおける継続的な売買では「掛取引」による代金の後払いが一般的です。その理由は、取引毎に支払いを行うことで発生する手間とコストを削減するためです。売掛金にあたる代金を月末などの期日にまとめて支払うことで、手数料の削減や会計処理の効率化が図れます。

売上が立っているということで、一見すると売掛金の増加は健全な経営状況に見えるかもしれません。しかし、あくまでも売掛金は債権であり、すぐに現金化できないことがデメリットになる場合もあります。例えば、売掛金の増加によって帳簿上では黒字でも資金が不足するといった事態になる可能生があります。そのため、売掛金を確実に回収するための「請求管理業務」が非常に重要なのです。

買掛金・未収金との違い

売掛金と買掛金の違いは、代金の授受が取引ごとではなく後日まとめて行われる点は同様ですが、対照的な関係にあります。売掛金が掛取引で代金を後から受領する権利である一方、買掛金は代金を後払いする必要がある支払い義務のことです。代金の支払い義務は負債なので、貸借対照表では負債の勘定科目です。

また、未収金は営業外の取引によって発生した債権を指します。売掛金と同様に資産にあたる勘定科目ですが、混同してしまうと決算書評価にマイナスの影響を与える可能性があるため注意が必要です。そして、未収金にも売掛金と同じく回収できる期間に制限がある事項が存在します。

売掛金の時効期間

売掛金はその権利を行使することなく一定期間が経過すると、「消滅時効」を迎えてしまいます。改正債権法が施行された2020年4月1日より前に発生した売掛金は、区分で以下のように消滅時効の期間が異なります。

時効期間1年:宿泊料、運送費、飲食代金など
時効期間2年:製造業・卸売・小売業の売掛金など
時効期間3年:診療費、建築代金、工事代金など
時効期間5年:上記以外の売掛金

新民法(第166条1項)が施行された2020年4月1日以降に発生した売掛金の消滅時効は、「5年」です。職業別で区分されていた1年~3年の消滅時効は廃止され、商行為によって生じた債権における5年間の商事消滅時効も廃止されています。

売掛金の処理方法


売掛金は会計処理で定めたタイミングで売上計上を行い、取引先からの入金された後には入金消込作業を行います。ここでは売上計上、入金確認、入金消込の処理方法について解説します。

売上計上

製品やサービスを取引先に提供した対価として受け取る金銭を、計上するために行うのが売上計上です。実際に入金があるかは関係なく、売上が確定したタイミングで売上高を計上します。これを実現主義による会計処理といい、掛取引を用いて経営を行う企業の会計原則として用いられているものです。

計上するタイミングは業種や業態によって異なり、物品を販売する事業においては出荷基準が採用され、自社倉庫などから製品が出荷された時点で計上します。また、製造業においては取引先に納入し、検収が完了した時点で計上する検収基準が採用されています。これらの売上計上の基準は、一度採用した基準を継続的に使用することが前提で、基準を変更するためには事業内容の変更などの正当な理由が必要です。

入金確認

商品を売り上げたら請求書を発行し、掛け取引では代金を受け取る前に納品書と共に商品を発送したら、支払期日が来たら取引先から代金が入金されたかを確認します。この作業が入金確認です。

まず、入金が確認されたら領収書を発行して取引先に送付します。まれに内容の確認ができない入金がある場合がありますが、この場合は安易に売掛金として処理すると後で混乱の元となるため注意が必要です。内容の確認が取れるまでは仮受け金として処理し、確認が取れたら売掛金に充当して精算するか、取引先に返金するかのいずれかの対処をします。

また、売掛金の額と入金の額が合わない場面に遭遇することもあります。考えられる原因は、売上を計上するのが漏れていた、計算間違えをして間違った請求をしていた、取引先の検収から漏れていた、取引先と締日に違いがあって差異が生じたなどです。原因に応じて売上計上の基準を周知するなどの対策を取ります。

消込作業

消込作業は売掛金などの債権の請求金額と、入金予定日に入金された金額を照らし合わせて債権をなくす作業のことです。銀行口座の明細と請求書記載の請求金額とを突き合わせ、入金された金額に差異がないかのチェックを行います。このとき、入金されなかったり入金された金額が異なったりした場合には、取引先への催促業務が発生します。

もし消込作業を行わなかった場合、売上は立っているのに入金が把握できないといった状態になり、キャッシュフローが悪化してしまいます。しかし、毎月の請求書発行数が膨大な数になる企業などでは、消込作業が会計処理を遅らせるなどの課題を抱えているケースが少なくありません。

売掛金の入金確認をする際の注意点

売掛金の入金を確認する際には、都合や事情によって入金金額が変動する場合があることに注意が必要です。ここでは変動要素としてよくある5の理由をご紹介します。

・以前の請求から何らかの理由で請求額が減額されて値引きされている場合
・相互に取引関係にある企業間で、仕入れ代金を差し引いた額を売掛金として請求する相殺がなされている場合
・請求金額に問題はないものの、請求内容に不備や不満があって一定の額を支払い保留としている場合
・取引先のミスで請求金額に足りない額を振り込んでしまったなど、相手方のミスの場合
・取引先が代金を銀行に振り込む際に、振込手数料を自社の負担とする場合

いずれの場合でも、減額分の意味や内容を明確に把握することが必要となります。

消込作業が抱える課題とは?


消込作業においては、ミスが発生しやすい、業務が属人化しやすいといった課題があります。以下にそれぞれについて解説します。

ミスが発生しやすい

消込作業で多く発生しやすいミスの1つとして、請求書に記載した金額と実際に入金された金額が合わないケースが挙げられます。これは先述したように値引きや相殺、支払い保留などを原因とするもので、計算が合わなくなりがちなものです。

次に挙げられるのは、会社名や振込人名義を読み間違うことによるミスです。似通った会社名があったり、同姓同名の取引先担当者がいたりする場合にありがちなミスです。他にも、複数の請求書に対して、1回の入金があった場合に入金済みの請求書を確認するのを失念し、消し込みを間違うケースも考えられます。

一般的に経理担当者は他の業務をこなしつつ消込作業を行っています。そのような状況下でも消込作業は正確かつ迅速に対応することが求められるものの、手作業ではミスの発生は不可避と言えるかもしれません。

業務が属人化しやすい

消込作業を含めて経理業務は専門性の高い業務であるため、経験や知識を持った一部のベテラン担当者に業務が集中して属人化してしまっているケースが多々見られます。少数の担当者に入金消込作業を任せていると、業務負荷が偏って担当者の大きな負担となるだけでなく、担当者の異動や退職があるとたちどころに業務が滞ってしまう問題も無視できません。

消込作業に習熟した担当者が、社内に留まっているうちに経理業務の継続性を維持するためには、属人化を防ぐ仕組み作りが欠かせません。新しく担当になった従業員に対して引き継ぎが十分になされないと、取引先に対する信用問題に発展する恐れもあります。

システム導入によって消込作業を自動化するメリット


消込作業は、システムを導入して自動化することによって改善できる余地があります。ここでは、業務を自動化するメリットについて解説します。

人的ミスの低減につながる

システムを導入すれば一部の経理担当者だけが持っているスキルに依存する必要がなくなり、経理部門全体の業務品質向上が見込めます。また、消込作業を自動化させれば正確に照合が行われるため、担当者が会社名や金額を見間違えたり、思い込んだりすることによる人的ミスを大きく低減することも可能です。

システムの導入によって作業品質の担保ができれば人材不足の問題も解決され、また作業負担が軽減されれば経理担当者のモチベーションも上がることでしょう。

業務効率が向上する

入金消込業務は定型的な作業であり、従来の手作業による方法では数人で分担して各人が請求情報と入金情報をチェックし、突き合わせていく地味な作業を要する工程です。しかし、システムを導入してこの工程を自動化できれば、作業を分担する必要がなくなるため業務の効率化につながります。

他の経理業務もフォローできる

入金消込作業の自動化を実現できるシステムは、さまざまなシステムベンダーが提供しており、システムが持っている機能もベンダーによって多種多様です。システムの中には、請求書の作成・発行・送付、売掛金回収、入金確認、未入金の督促、入金消込までの一連の作業を行えるものもあります。

さらに、管理会計、債権管理、財務会計などの機能を持ったシステムを活用すれば、経営判断に関わる付加価値の高い業務もフォローできるようになります。システムの導入には現状の業務手順を洗い出す必要がありますが、日常業務が多すぎてそれが中々進まないようであれば、システムベンダーの導入サポートを利用するのもおすすめです。

請求まるなげロボを導入して自社の売掛金管理をまるなげしよう!

売掛金の管理をするには、台帳を作成して取引先ごとに請求書の発行日、売上に計上した金額、当月に発生した売掛金の金額、入金予定日などの細かい項目を漏れなく入力しなければなりません。金額や記載内容に漏れや間違いがないように細心の注意が必要であり、多くの手間と神経を要する業務です。手作業で対応していては、取引先が増えてきた場合に対応できなくなってしまう可能性もあります。

そんな課題を抱えて悩んでおられるなら、ROBOT PAYMENTの「請求まるなげロボ」にお任せください。請求まるなげロボは与信審査から請求書発行、売掛金回収、入金管理、督促に至るまでの業務を一括して引き受ける法人向けの請求・集金代行サービスです。経理担当の方は月に1回請求情報をアップロードするだけで、あとはROBOT PAYMENTが全て代行します。導入いただければ、事務作業時間を最大で80時間削減する効果があります。

与信・請求・売掛金回収の状況は、ダッシュボード上でご確認いただけるため、社内の情報共有もしやすくなります。そして、入金遅延や貸し倒れがあった場合も、弊社の与信審査に通過した債権であれば100%保証するため焦げ付きの心配は無用です。

まとめ


売掛金の管理は多くの企業で負担となっており、入金消込作業に時間が割かれてしまう、属人化していて替えがきかないといった課題を抱えがちです。売掛金の管理をエクセルで行っている企業も多くありますが、取引先が増えたり、どのスタッフでも管理できる仕組みが必要になったりするとエクセルでは対応が難しくなるでしょう。

売掛金管理の効率化・簡便化を図りたいなら、管理システムを導入して合理的な仕組みを構築することをおすすめします。そして、数ある管理システムの選定に迷ったらぜひROBOT PAYMENTの請求まるなげロボを導入することをご検討ください。
請求まるなげロボは文字通り請求書にまつわる一切の業務を丸投げできるサービスです。経理部門の人的リソースを最大限有効活用できるようになるワンストップのサービスとして、お客様の経理業務改革を成功に導きます。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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