請求業務のアウトソーシングは便利なの?効果と注意点を解説!

請求業務

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企業間取引では、取引が成立したら確定した請求内容に基づいて請求書を発行する業務が発生します。請求業務は主に経理部門が担当しますが、取引先が何十社、あるいは何百社ともなると自社内だけでは処理しきれなくなることも多々あることでしょう。

そこで、この記事では請求業務について、その概要やアウトソーシングによる業務の効率化、アウトソーシングした際の効果と注意点などについて解説します。

請求業務はなぜ必要なの?


ここでは請求業務の概要を理解するために、請求業務の必要性と流れについて解説します。

請求業務の必要性

請求業務は企業が利益を得るために重要な意味を持つ業務です。請求書は、取引先に請求の意思を伝え、いつ・誰が・何を・どのくらい買ったかという取引の内容を証明し、確実な代金回収に結びつけるために重要な書類です。請求書を発行しなくても取引を行うことは可能ですが、それでは税務調査の際に取引内容の証明ができなくなり、課税の対象になって追加納税が発生してしまう可能性もあります。

また、請求書には上記の取引内容に加えて商品やサービスの数量、単価、金額、支払期日などが記されているのが一般的です。万が一支払いが滞って焦げ付きや貸し倒れが発生した場合には、これらの情報を基に、裁判所に訴え出て法的措置を打つ際の証拠書類にもなります。したがって、請求書はリスクマネジメントのためにも必要とされるものであり、この意味からもしっかりと請求書を発行する必要があると言えます。

請求業務の流れ

ここでは請求業務の流れについて順を追って解説します。
最初のステップは、取引先への請求内容を確認して請求金額を確定することです。取引には掛け取引による締め請求をする場合と、取引の都度請求する都度請求の2種類があります。締め請求の場合は、請求締め日に取引金額を集計して請求金額を確定し、請求内容、請求方法、請求金額に間違いのないことが確認できたことをもって請求の確定とします。

請求内容が確定したら、次のステップは請求書の作成です。請求書を作成する際、一般的にはテンプレートを使用することが多く、確定した請求内容にしたがって必要事項を入力していきます。入力する事項は請求先、請求金額、商品名、数量、単価、支払期日、請求元の会社情報などです。
請求書の作成が終わったら、社内で承認を得た後に、印刷、捺印、封筒への封入、宛名記入、郵送手配といった発行プロセスへと進みます。

請求業務の効率化はアウトソーシングで叶えられる


請求業務は、取引先の数が増えると社内ではこなしきれなくなることもあります。そんな時に有用な対策の1つとして挙げられるのがアウトソーシングです。ここでは、アウトソーシングの定義と請求業務でアウトソーシングが進んでいる理由について解説します。

アウトソーシングとは

請求業務のアウトソーシングとは、一般的には請求書の作成と発行を外部の代行会社に依頼することを意味します。確定した請求データを渡せば、その後の印刷から始まって封筒への封入、宛名の記入、郵送手配に至るまでの業務を一貫して代行してもらうことが可能です。

さらに、与信審査や代金回収、入金確認、入金消し込み、督促などの請求書発行以外の業務にも対応している代行会社もあり、請求業務全般にわたってアウトソーシングすることもできます。督促のように心理的負担が大きい業務をアウトソーシングするだけでも経理担当者の負担は大いに軽減され、よりコアな業務に集中できることでしょう。

ただし、請求内容に変更があった場合、請求書を発行する直前に請求データを差し替えるなどの急な対応が、社内で処理するのに比べると難しい点には留意しておく必要があります。

請求業務でアウトソーシングが進んでいる理由

請求業務でアウトソーシングが進んでいる理由として挙げられるのは、人材不足や業務の多様化などによる影響が考えられます。厚生労働省の調査によると、若年労働力人口は2007年から2017年までの10年間で約320万人減少したことが報告されており、新規に人材を雇用したくても簡単には集まらないのが現状です。総労働力人口に占める若年労働力人口の割合も、この10年間で約30%から約26%へと減少しており、この傾向は今後さらに進むとみられています。
このような背景がある中で、人材不足を補う手段としてアウトソーシングを活用するのは自然な流れと言えるでしょう。

また、技術の進歩、市場の多様化、業務のグローバル化など、請求業務を取り巻く環境は日進月歩です。この進歩に後れを取らないようにするために、アウトソーシングを活用することで競争力を高め、競合他社との差別化を図る目的で多くの企業で活用が進んでいます。

請求業務をアウトソーシングした際の効果と注意点


請求業務をアウトソーシングするとさまざまな効果がありますが、同時に注意すべき点もあります。以下にそれぞれについて解説します。

アウトソーシングによって得られる効果

ここではアウトソーシングによって得られる効果として3点挙げます。
1つ目は、人的コストの削減につながることです。請求業務を社内で全て賄おうとすると、繁忙期に合わせて人員を採用・確保したうえで教育を施し、また新人採用のためのリクルート活動費などがかかります。しかし、ピーク時の業務をアウトソーシングすれば、閑散期には不要な人的コストを削減することが可能です。

2つ目は、コア業務への集中が可能なことです。請求書の作成や発行は正確性が求められる業務ではあるものの、時間がかかる割には付加価値が低く、本来コア業務へ回すべき時間を圧迫することもままあります。しかし、アウトソーシングすることで経理スタッフはコア業務に十分な時間が割けるようになります。

3つ目は、人材不足の解消につながることです。請求業務は専門性を要することもあるため、担当できるスタッフが限定されているケースも珍しくありません。スタッフが異動したり退職したりすると業務が滞る恐れがありますが、アウトソーシングを利用すれば業務が滞るリスクを最小限に留められます。

アウトソーシングを利用する際に注意すべき点

ここではアウトソーシングを利用する際に注意すべき点として3点挙げます。
1つ目は、情報漏洩のリスクがあることです。請求業務をアウトソーシングする際は売上情報、取引先情報、商品情報などの秘匿情報を外部に渡さなければなりません。情報漏洩のリスクを低減するためには、アウトソーシングする会社のセキュリティ体制が万全であるかを確認し、機密保持契約を締結することが大切です。

2つ目は、業務のノウハウを社内に蓄積できないことです。社内で請求業務をこなしていれば、業務を通じて必要なノウハウは自ずと社員に蓄積されていきます。しかし、アウトソーシングすると一連の作業を経験する機会がなくなり、アウトソーシングに依存しなければ業務が進められなくなってしまう恐れがあります。

3つ目は、業務内容によっては対応してもらえないことがある点です。例えば突発的な請求やイレギュラーな作業が発生した場合に、契約範囲外として対応してもらえない事態も考えられます。また、対応してもらえるとしても、オプション料金として別途費用がかかる可能性があります。

アウトソーシングを上手に活用するためのポイント


ここでは、アウトソーシングを上手に活用するために押さえるべきポイントについて解説します。

委託する業務範囲を明確にしておく

経理部門では、請求業務をはじめとして幅広い範囲の業務を取り扱っています。業務のアウトソーシングを検討するにあたっては、コア業務は社内に残しつつ、それ以外のどのような範囲の業務を委託するかを明確にすることから始めましょう。

また、アウトソーシングすることで何を達成するのかも、あらかじめ決めておく必要があります。経理担当者が日々の中で課題と感じていることや、経理部門あるいは会社全体から見て解決したいと思っている課題を具体的にリストアップしてみるといいでしょう。コスト削減なのか、業務効率向上なのか、組織規模の最適化なのかなど狙いとする点を明確にすれば、アウトソーシングの方向性も定まります。

セキュリティ水準を確認しておく

アウトソーシングの活用は、社内で業務を完結する場合に比べると情報漏洩のリスクが高まることは避けられません。そのため、アウトソーシング先の会社が万全なセキュリティ対策を整えているか、スタッフに対してセキュリティ対策の研修が行われているかなどのセキュリティ水準はチェックしておきたい項目です。
他にも、第三者による定期的な監査を実施しているか、脆弱性のモニタリングをしているか、社内ガバナンスは徹底されているかなどもチェックするといいでしょう。

また、情報漏洩によって被害に遭った場合に備えて、損害賠償項目を含んだ秘密保持契約を締結しておくことも大切です。セキュリティ水準はアウトソーシング先を選定するうえで非常に重要なポイントであり、最終選定段階では選定の可否を決定づける要素と言ってもいいでしょう。

万が一に備えて対応力も見ておくと安心して依頼できる

一時的な売上増による業務量の増加や、特例的な受注による業務内容の変化などに対して社内で対応しようとすると、社内リソースの調達や新規スタッフの採用が必要になります。また、仮に必要な人員が確保できたとしても、業務を一任できるまで育成するには数年を要し、期待する水準まで成長してくれるかは不確定な要素です。

そこで、一時的な業務の増減や特例的な業務にもフレキシブルに対応してくれるアウトソーシング先を見つけておけば、非定常的な業務が発生した時に大きな助けとなります。請求業務に精通したスタッフがいるアウトソーシング会社であれば、業務量の平準化のみならず、専門知識やノウハウを発揮して業務のさらなる効率化や業務品質の向上も期待できるでしょう。

請求業務の効率化にはシステムの導入も効果的!


請求業務を効率化するにはアウトソーシングだけでなく、システムの導入も効果的です。以下に請求管理システムの概要とメリットについて解説します。

請求管理システムとは?

請求管理システムとは、請求書や見積書の作成・送付などの工数がかかる業務をシステム上で行って経理業務の効率化を実現するシステムです。一般的にはクラウド型で提供されるサービスで、自社でシステム開発を行うよりも安価で導入が可能です。基本的な機能としては、請求書発行や支払明細書発行、納品書発行、請求書発行などをカバーしています。より高度なシステムでは売上レポート出力、入金管理、入金消し込み、支払い督促、決算書作成などの機能を搭載しているものもあります。

また、請求管理システムの多くは既存の会計ソフトやCRMとのデータの連携が可能で、経理部門全体の業務効率を上げることもできます。

請求管理システムならではのメリット

請求管理システムであれば、請求データを基に自動的に請求額を計算してくれるため、請求書を手間なく作成することが可能です。電子データによる請求書の送付が可能な場合は請求書のプリントアウト、封筒への封入、郵送などの手配が不要になり、手間やコストが大幅に低減されます。

また、請求管理システムは、誤請求や請求漏れの防止にも効果的です。取引先が多いと手作業ではミスを起こしがちですが、請求管理システムであれば請求業務の精度は非常に高くなります。

さらに、社内での請求情報共有が簡単になることも大きなメリットです。経理部門のスタッフが作成した請求書を営業部門のスタッフが閲覧したり、滞留している請求書を早期発見したりすることもでき、健全なキャッシュフローの構築に役立ちます。

請求まるなげロボを導入して請求業務の効率化を図ろう

経理担当者は日々の売上管理、仕入管理、給与・保険の管理や計算、税金の計算、決算書作成など多くの業務を兼務しています。そのため、多岐にわたる煩雑な業務に追われて請求業務まで手が回らないという経理担当の方もおられることでしょう。

そんな時はROBOT PAYMENTの「請求まるなげロボ」に経理業務の効率化をお任せください。請求まるなげロボは、請求書発行から代金回収に至るまでのプロセスを一括で引き受け、入金期日までに売掛金を確実に回収するアウトソーシングサービスです。弊社の与信審査に通過した案件については売掛金の入金を100%保証するため、安定したキャッシュフローを構築できます。

必要な作業は月に一度請求データをインポートするだけです。クラウド上で動作するシステムであるため、パソコンからログインすればいつでもリアルタイムに請求・集金の最新状況が確認いただけます。アウトソーシングでも請求状況が可視化されるため、状況を社内でも把握しておきたいといったニーズにもお応えできるサービスです。

まとめ

請求業務は請求書を発行した後もさまざまな処理が発生する業務です。そのため、請求業務の効率化、負担軽減は経理部門にとっては喫緊の課題となっていることも少なくありません。その課題を解決する方策として、この記事で解説してきたようにアウトソーシングや請求管理システムの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

中でもROBOT PAYMENTの「請求まるなげロボ」は、与信審査、請求書発行、代金回収、入金管理、督促までを全て任せられるアウトソーシングサービスです。請求業務にまつわるリスクと工数をゼロにする請求業務代行サービスとして、企業の安定した経営、経理部門の人材不足解消をサポートいたします。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。