売掛金は債権の一種!売掛債権を管理するポイントを解説します

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企業間の取引や個人経営の商売をしている時によく使われる言葉に売掛金というものがあります。これは商品を販売したりサービスを提供したりした時、その代金を後日受け取る「掛取引」で生じた未回収代金を計上する際に使用する勘定項目の一つです。掛取引は信用取引とも呼ばれ、取引の世界で一般的に広く行われている形態です。

売上代金を商品やサービスの納入時ではなく後で受け取るということは、一定のリスクがあるものの、取引を効率的に行えるというメリットもあります。この記事では売掛金の定義、売掛債権を利用した資金調達方法、売掛債権管理のコツ、売掛金回収が遅れている場合の対応などについて解説します。

※目次※
1.債権の1つである売掛金とは?
2.売掛債権を利用した資金調達方法
3.売掛債権管理のコツ
4. 売掛金回収が遅れている場合
5.「請求管理ロボ」で売掛債権を効率的に管理しよう!
6.まとめ

債権の1つである売掛金とは?

ここでは売掛債権の回転期間の目安、回転期間の計算方法、売掛債権の時効、売掛金と受取手形の違い、売掛金と未収金の違いについてそれぞれ解説します。

売掛債権の回転期間の目安

商品やサービスを販売して発生した売上債権を回収(現金化)するまでの期間を「売上債権回転期間」と呼びます。売上債権とは売上の対価として取引先から受け取る売掛金と受取手形を指し、その残高を日商売上もしくは月商売上で割ることで売上債権回転期間の計算ができます。

これが分かると売掛債権が現金化されるまでの期間が明らかになり、資金効率の良し悪しを判断することができます。売上債権回転期間が短ければ現金化が早く、長ければ現金化が遅いということを示し、キャッシュフローのステータスの管理や資金繰りを改善するための目標指数として用いることができます。

売掛債権の回転期間で適正とされている水準(目安)は一般的に30日以下とされています。売掛債権回転期間がこの水準にない場合は資本効率が悪いと見なすことができ、資金繰りに困る可能性が高くなります。その場合は売上債権の回収を早めに行う必要があります。

なお、売上債権回転期間は個人消費者を相手とする場合は短く、法人を相手とする場合は長くなる傾向があり、業態によって適正水準が異なります。

回転期間の計算方法

売上債権の回転期間は、売上債権(売掛金と受取手形の合計)を年間売上高で割り、それを日商の場合は365日で、月商の場合は12ヶ月で割って計算できます。売掛金と受取手形は貸借対照表から、年間売上高は損益計算書からの数値を用います。

例えば売掛金が1800万円、受取手形が600万円、年間売上高が4800万円なら売掛債権回転期間は「(1800万円(売掛金)+600万円(受取手形))÷(4800万円(年間売上)÷12ヶ月)=6ヶ月」になります。

売掛債権を回収するのに平均よりも時間が掛かっている場合は、売掛債権回転期間を見直して管理状況を改善し、回転期間を常に把握しておく必要があります。

売掛債権の時効

取引先が支払いをしてくれず、売掛金の回収が延びているような時は売掛債権の時効に注意が必要です。なぜなら一旦時効が成立してしまったらそれを覆すことができなくなるためです。これは、商品やサービスを提供しても代金を回収する権利が消失することを意味しますので、売掛債権が時効を迎えることは何としても回避すべき事態です。そのためには、時効の期間を正確に把握することと時効を中断させること、そして時効が成立する前に手順を追って回収のアクションを確実に取ることが大切です。

時効が成立する期間は取引によって異なり、最も一般的な商品の売買は民法では2年で債権が時効になると規定されています。これは工事の設計・施工や医者の診療報酬の3年、その他の取引の5年に比べると短いため注意が必要です。なお、時効は債権者が時効であると主張して始めて成立するので、時効の成立日が過ぎてしまっていても売掛金を払ってもらうことは法的に何ら問題ありません。また、債権者が債務について承認すれば、債権者は時効が過ぎていると主張することはできません。したがって、時効成立日が過ぎていても、取引先から債務の承認を取れば売掛金を請求することができます。

売掛金と受取手形の違い

売掛金と受取手形はどちらも商取引でよく利用される決済方法で、どちらも売掛債権の一種です。売掛金は商品などを販売した時に発生する代金を受け取る権利を指し、受取手形は売掛金を約束手形の形で受け取り支払いの強制力と法的な拘束力を持たせたものです。

代金を受け取る権利は、取引先が〇月〇日までに支払うという約束を信じて商品を先に渡すことで発生するものです。例えそれが口約束だったとしても強制力はないものの、売掛金を支払う法的な義務は発生します。

一方、受取手形は基本的に期日までに代金を回収することができます。手形を期日までに支払わなければそれは不渡りとなり、全国の金融機関にその事実が知られて企業としての信用を一気に失ってしまいます。

このように、受取手形は売掛金に比べると支払いの強制力が強いのが大きな違いです。売掛金は単なる口約束とも言えるのに対し、受取手形は法的効力のある約束と言っていいでしょう。

売掛金と未収金の違い

未収金も取引の種類や分類を意味する勘定項目の一つです。売掛金は取引先との通常の商取引で生じた未回収の代金を指し、未収金は営業活動の結果として生じた未回収の代金のうち、売掛金以外のものや営業活動以外の取引で発生した未回収の代金を指します。どちらも会社の債権なので売掛金として同じ意味のようにも思えるかもしれませんが、売掛金は営業取引によって生じた債権であるのに対し、未収金は営業以外の取引で生じた債権であるという点が異なります。

営業取引以外で取引による債権の例としては有価証券、固定資産、備品などの売却や不動産の賃貸などによって得られた代金を、後から振込で受け取る場合などが挙げられます。

未収金が長期に渡って多額に計上されていると会社の財務管理がルーズだという印象を与えてしまいます。なお、賃借対照表上では売掛金は流動資産として計上され、未収金は1年以内に入金予定のものは流動資産、それ以上の期日に入金予定のものは固定資産に計上されます。

売掛債権を利用した資金調達方法


金融機関から融資を受ける場合には担保を設定する必要がありますが、売掛債権を担保にして資金を調達することができます。ファクタリングとABLと呼ばれる方法があり、以下にそれぞれについて解説します。

ファクタリング

ファクタリング(Factoring)とは、保証サービス提供会社が売上債権を保証して代金回収ができなくなるリスクを回避するもの、または未回収売掛金を買い取ってもらうサービスを指します。

ファクタリングを利用することで、取引先の倒産に備えて保証を取り付けてリスクヘッジを行い、あるいは売掛金を未回収のまま売却して現金化することができます。ファクタリングには売掛金を早期に現金化できる買取ファクタリングと、売掛債権を保証する保証ファクタリングの2種類があり、買取型は売掛債務をファクタリングサービス提供会社に売却して現金を受け取るものです。なお、買取型は更に2社間と3社間の2種類に分けられ、それぞれ手数料や契約内容が異なります。

保証型は保険のようなサービスで、取引先が信用面に不安があり、万が一倒産してしまって売掛金の回収ができなくなった場合に、売掛債権の焦げ付きを回避するために保証会社が保証金を支払うものです。

ABL

ABLとはAsset Based Lendingの略で、企業が所有する売掛債権や在庫、原材料、商品、設備機械といった動産などを担保にした融資の総称で、概ね動産・債権担保融資と同義です。ABLは米国で広く用いられている融資手法で、1970年~1980年頃から米国内に広まり、その後約40年で50兆円の規模になるまで成長しました。日本国内では政府・行政が中心となって主導しており、平成25年に日本銀行がABLの取り組みを促し、平成25年に金融庁がABLの積極的活用を発表して活用を推進し始めた、まだ歴史の浅い仕組みです。

ABLを活用することにより、不動産を保有していない企業でも、従来はあまり活用されていなかった動産などを担保にして融資を受けることができます。ABLは通常の融資と異なり、担保物件の価値の評価、企業と貸し手で企業の状況を逐次共有する担保資産の状況・業績の報告、担保物件の管理・保全に関するモニタリングが求められます。

売掛債権管理のコツ


滞りなく資金繰りをするためには、売掛債権を適切に管理する必要があります。以下にそのための売掛債権管理のコツを2つ解説します。

取引先の売掛債権を一覧にする

売掛債権のような流動資産を管理する1つ目の方法は、取引先の売掛債権を一覧表にまとめることです。これには売掛残金一覧表と売掛金年齢表(売掛金管理表)を作成する方法があります。

売掛残金一覧表は、取引先別に当月の売掛金発生額、前月の売掛金の未収金額、当月の回収金額、当月の未収金額を記入して一覧表にしたものです。これによって取引先ごとの売掛金の残高と、発生した売掛未収金額を把握することができます。売掛残金が把握できれば、支払いが滞留している取引先はないかということが分かります。

売掛金年齢表は、取引先ごとの未収入金額の残高を売上が発生した日、もしくは入金予定期日を基準として一定の期間で区切って管理する一覧表のことです。売掛金の発生後どの位の期間が経過しているかが分かるので、滞っている売掛金の状況を確認することができ、滞留している売掛債権の発見に繋がります。なお、売掛金年齢表は会計監査の際に提出することが求められることもあります。

取引先の売掛金限度額を設定する

与信取引で発生した売掛金を適切に回収するために与信管理を行うことは、自社の資金繰りを滞らせないために必要なことです。与信管理を徹底するために重要なことは、取引先の売掛金限度額を設定して過度な与信リスクを負ってしまわないようにすることです。売掛金限度額は、取引で得られる収益機会とそれに伴う与信リスクを天秤にかけて判断し、自社の財務状況や取引先への依存度に基づいて設定します。

自社の財務能力を超えた取引を行うのは危険なので、取引のルールを決めて取引先の格付けをし、それに基づいて売掛金限度額の目安を決める方法が一般的です。

売掛金回収が遅れている場合


売掛金回収が遅れている場合は、遅延損害金を請求できます。ここでは、その内容と回収の流れについて解説します。

遅延損害金を請求できる

売掛金の回収が遅れた場合、取引先に対して遅延損害金を請求できます。売掛金は約束した期日までに入金されれば利息が付きませんが、遅れた場合は遅延損害金として利息が付き、売掛先(取引先)は遅延損害金として利息を支払う義務が生じます。

遅延損害金の利率は、前もって取り決めをしてなければ年6%の利率が設定されます。なお、遅延損害金が1年分を超えると元本に組み入れることができるようになります。つまり利息に利息が付くことになるのです。しかしながら、遅延損害金が付くような企業はもはや返済能力がないということも考えられ、そうなる前に前述したファクタリングなどの対策を立てておくほうが賢明でしょう。

回収の流れ

売掛金を回収するには通常の商取引の手順に従って請求することが一般的ですが、売掛金の回収が遅れている場合には正規の手順とは異なった方法で回収することが必要になってきます。その場合の回収の流れは以下のようになります。

まず、取引先からの未収金が見つかった場合、すぐに取引先に連絡を取ります。支払いが止まっていたのが単なる経理上のうっかりミスであればいいですが、取引先が倒産の準備に入ってしまっていたら売掛金は回収できません。取引先に対して常に与信管理を継続的に行って信用度の低い取引先とは取引をやめる、あるいは売掛金限度額を減らすといった対応をすれば何か起こっても被害を抑えることができます。

取引先と連絡が取れて取引上の手続きに問題がなく、また取引先がキャッシュを持っているのに支払いを拒む場合は、請求書を内容証明郵便で送って請求の事実が書面で残るようにします。それでも取引先が支払いの意思を示さない場合は、法的手段を取ります。

具体的な措置としては、債権者の地位を移転する債権譲渡、債権者の保有財産の保有権や債権を代わりに行使する債権者代位権の行使、対当額の範囲での相殺、担保の提供を促す債権の補強などを行います。

「請求管理ロボ」で売掛債権を効率的に管理しよう!


売掛債権を正確に管理するためには徹底した管理体制が求められます。しかし、入金消し込み作業に時間と人手を要したり、督促をしたりといったことが重なり、経理作業が煩雑になって人手では管理しきれなくなることもあります。そんな時は「請求管理ロボ」をご活用ください。

請求管理ロボは請求書の発行と送付、集金、入金の確認と消し込み作業、売掛債権の管理、未入金の督促までをワンストップで行える請求業務自動化ツールです。売掛を管理する機能として売掛レポート機能と未入金督促機能があり、売掛レポート機能では入金データをリアルタイムで収集して様々な角度から分析し、売掛債権の回収率向上に貢献します。未入金督促機能では入金期日が迫っている取引先に対して自動で督促を行い、支払い漏れの防止を図ります。

請求管理ロボで毎月末・月初の請求業務を自動化すれば請求業務を最大で80%削減可能で、経理担当者は浮いた時間を本来の業務に割り当てることができます。このように経理担当者の負担を軽減する他にも、ダッシュボードで請求漏れや未入金の発生を管理し、キャッシュフローを可視化します。

また、会計システムなどの外部ソフトとも連携が可能で、売掛債権管理を効率化して請求管理業務全般をデジタル化します。

まとめ

売掛債権の回収はいち早く支払いの遅延に気が付いて、回収に向けてアクションを取ることが重要です。しかしながら、取引先が増えると管理が煩雑になってしまいます。売掛金の管理・請求・集金・消込・督促に追われて悩んでいる企業は、請求管理ロボの導入をご検討ください。

     
【監修】ROBOT PAYMENT フィナンシャルクラウド事業部

ROBOT PAYMENTは請求管理業務を効率化・自動化するクラウドサービス「請求管理ロボ」や
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