サブスクの代表的な支払い方法は?導入の決め手となるポイントなども紹介

決済全般

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近年、サービス・商品を利用する期間に応じて一定の金額を支払って利用する「サブスクリプションビジネス」が注目を集めています。サブスクリプションサービスの利用者数は今後も増加傾向にあり、導入を検討している企業様も多いのではないでしょうか。

この記事では、最適な決済手段やサブスクビジネスの仕組みやサブスクビジネスの代表的な支払い方法、導入の決め手となるポイントなどをご紹介します。

サブスクの基礎知識

サブスクリプションは、直訳すると「定期購読」という意味で、今では定額課金によるサービス全般を指す言葉になっています。サービス自体にお金を支払うというより、サービスを自由に利用できる権利をお金で買うというイメージと捉えると良いでしょう。ここでは、サブスクの基礎知識についてご紹介します。

サブスクの仕組み

サブスクは、最初に支払い方法と利用頻度を指定し、決められた範囲内でサービスを継続的に利用できるビジネスモデルです。従来の定額制サービスは、定期的に利用する商品・サービスを購入するイメージですが、サブスクは商品・サービスを利用する権利を購入することを指します。新しいコンテンツを続々と追加できるサブスクは、継続利用への訴求力が高く、今後も市場を拡大させていくでしょう。

なお、サブスクと類似するビジネスモデルとして「リカーリング」という、サービスを繰り返し利用させる仕組みで顧客を囲い込むビジネスモデルがあります。

主なサブスクサービス

サブスクは、インターネットを経由した音楽・映像・ゲーム配信の分野で導入され始めました。

音楽配信系は、月額1,000円程度で楽曲が聴き放題となるサービスが多く「Spotify」や「Apple Music」などがあります。映像配信系は、映画やドラマ、テレビ番組、アーティストのライブ・コンサートやスポーツなどを配信するサービスが主で、AmazonプライムやNetflixなどが有名です。

最近では、ブランドものの洋服やバッグなどをレンタルできるサービスや、車のサブスクやカーシェアリングといったサブスクサービスも増加傾向にあります。

代表的なサブスクの支払い方法

サブスクビジネスは、決済サービスの導入が欠かせません。顧客から確実に代金を回収するため、決済方法はきちんと決めておく必要があります。しかし、決済サービスは種類も多いため自社のサブスクビジネスに合うサービス決めかねている企業様もいることでしょう。
そこで、ここでは、代表的なサブスクの支払い方法をご紹介します。

クレジットカード決済

サブスクビジネスを始めるのにあたり、導入しておきたい決済方法と言えます。最初にクレジットカード情報を登録すると、毎月自動で金融機関から引き落とされる仕組みです。主な利用ユーザー層は20代から50代と幅広く、ECサイトの決済手段では約7割がクレジットカード決済を利用していると言われています。ただし、初期費用や月額費用は提供事業者ごとに異なり、導入するまでに約3週間程度かかるため注意しましょう。

クレジットカード決済を導入するメリットとしては、「月々の決済が自動化されるため決済の手間やミスを大幅に減らせること」「多くの顧客を流入させられること」などが挙げられます。ただ、クレジットカードには有効期限があり、期限が切れてしまうと引き落としできません。期限が切れたら、ユーザーに再度カード情報を入力してもらうか、カード情報の更新機能を備えている決済代行会社の利用を検討しましょう。

キャリア決済

docomoやau、Softbankなどの通信キャリアの携帯電話料金とまとめてサービス料金を引き落とす決済手段です。クレジットカードを持てない未成年などでも利用できるため、少額のサブスクサービスや若年層向けの決済手段として導入すると良いでしょう。

キャリア決済のメリットとしては、10代~20代前半の若年層の取り込みが可能になるなどが挙げられます。しかし、docomo、au、SoftBank以外の携帯キャリア会社の場合は利用できなかったり、利用限度額が各キャリアで設定されていたりなどがあるため注意しましょう。

ID決済

Amazon payやpaypayなど大手サービスのユーザーIDとパスワードを入力すれば支払える決済手段です。端末を財布感覚で使える手軽さから徐々に利用ユーザーを増やしています。

ID決済のメリットとしては、オンラインサービスを利用するユーザーとの親和性が高いことや顧客に煩わしい購入手続きをさせずに支払い可能なことが挙げられます。ただし、クレジットカード決済やキャリア決済などよりも利用ユーザー数が少なく、サブスクビジネスに対応したID決済は限られているため注意しましょう。

コンビニ決済

顧客に払込票などを送付し、コンビニを介して支払いしてもらう決済手段です。クレジットカードを持っていないユーザーや大手キャリア以外の携帯電話を利用しているユーザー、オンライン決済に抵抗があるユーザーなどにおすすめです。

コンビニ決済のメリットは、現金さえあれば誰でも支払いが可能なため幅広い層の流入が見込めることです。また、リアルタイムで入金確認ができることからスムーズな商品発送が可能になり、顧客満足度向上が期待できます。
前払い方式の場合は代金未払いリスクを防ぐことも可能です。ただし、前払い方式による支払い忘れでキャンセルが生じることもあるので注意しましょう。

後払い決済

サービス・商品を提供後に銀行やコンビニなどで代金を支払ってもらう決済手段です。コンビニ決済同様、クレジットカードを持っていない方でも利用できるため、幅広い層の流入が見込めます。また、請求書発行や入金管理、督促業務などを代行業者に依頼することによって業務負担の軽減が期待できるほか、未払いが生じても代行業者が立て替えてくれるため安心です。

ただし、提供事業者のサービス内容によっては、代金の立て替えに対応していないケースや代金未回収リスクがあるのも理解しておきましょう。さらに、督促や法的措置などの負担も発生する恐れもあります。

口座振替

最初に顧客の口座情報を登録すれば、毎月自動で引き落としが行われる決済手段です。口座は、収入や職業問わず誰でも開設できるので幅広い層が利用できます。顧客が支払い忘れを心配せずに済むことで顧客満足度の向上が期待できるほか、請求書の発行、請求の連絡の手間も不要になるメリットがあります。

しかし、導入日数が1ヵ月~2ヵ月を要すためそれまでの間、払込票での支払いになるケースが多く、若干手間がかかってしまうでしょう。また、口座の残高が不足していると引き落としができない問題もあります。

サブスクの支払い方法を選ぶポイント

従来の売り切り型ビジネスとは違い、サブスクビジネスでは顧客が継続的に課金できる決済サービスを導入することが大切です。より多くの顧客を囲むには、複数の決済サービスを準備しておくと良いでしょう。ここでは、支払い方法を選ぶ際のポイントをご紹介します。

ターゲットの年齢層

支払い方法を絞り込む方法として、まず、ターゲットの年齢層を確認しましょう。ターゲットに合わせた支払い方法を導入しなければなりません。例えば、未成年や学生層の場合クレジットカードを持っていないユーザーが多いため、キャリア決済やID決済、後払い決済を導入を検討しましょう。一方、社会人層にはクレジットカード決済や後払い決済の導入がおすすめです。支払い方法は1種類のみだと顧客の流入が見込めないため、複数の決済方法を用意しておくと良いでしょう。

支払い方法の契約方式

支払い方法の導入には、決済サービス提供企業と直接契約する「直接契約方式」と決済代行を介して決済サービスを契約する「包括契約方式」の2種類があります。

直接契約方式の場合、各決済会社と手続きしなければならないため手間がかかるほか、一括管理が難しいというデメリットがあります。そのため、おすすめなのが「包括契約方式」です。

包括契約方式は、決済代行業者が企業の代わりに決済会社と契約手続きを行うため、手間がかかりません。また、決済サービスの一括管理も可能です。ただし、決済サービスによっては直接契約方式しか認めていないケースもあるので、検討している決済方法が決済代行を通しての契約が可能か、事前に調べておくことも必要です。

支払い方法の導入コストや手数料

導入する支払い方法によっては、手数料が10%程度の場合や1%~3%の場合など様々です。利益確保のためには手数料は安く済ませておきたいものです。

また、導入コストも無料のものと数十万単位のものなどがあります。しかし、コスト面ばかりに目を向けては自社に最適なサービス選びとは言えません。コストも重要ですが、入金サイクルや管理画面の使いやすさ、サービス内容、利便性の高さなどコストパフォーマンスの高い支払い方法を選択しましょう。

サブスクビジネスに支払い方法を導入する際の注意点

サブスクビジネスは、顧客満足度を高めて継続利用を促すことが重要です。そのため、エラーなどが発生して顧客満足度の低下につながらないよう、決済がスムーズに完結できるようにしておきましょう。ここでは、支払い方法を導入する際の注意点をご紹介します。

サービス金額は一定であるか

顧客側がサービス利用中に、コース変更や金額変更、解約などを行うことがあります。利用料金を変更する際は決済サービス画面から顧客ごとに設定変更などをしなければならないため、料金変更が難しいケースがあります。

利用料金がスムーズに変更できないと、顧客側に不満がつのり、解約や解約後に悪いイメージを持たれてしまうなど重大なトラブルに発展しかねません。そのため、導入前に利用料金の変更をスムーズに設定できるか確認しましょう。

また、決済日が固定されているか、商品ごとにメールの文面が変更できるかなどの仕様の確認も必要です。

クレジットカードの有効期限切れに対応できるか

クレジットカード決済を導入する際には、有効期限による対策が充実しているか確認しましょう。基本的に有効期限の約1ヵ月前にクレジットカード会社が自動更新を行い、ユーザーにカードを郵送する仕組みです。しかし、サブスクサービスの場合は顧客がカード情報の更新を行わなければなりません。支払い情報が更新されていないと、決済が成立せず利用停止になってしまいます。なかには、決済日から猶予期間が設けられておりその間に顧客側が情報を更新する必要があります。

また、有効期限切れの対策の一つとして洗替機能を備えるサービスもおすすめです。洗替機能とは、月に1回決済代行会社がカード会社へ問い合わせてクレジットカード情報を確認して、可能であれば更新作業をしてもらう機能です。顧客に通知して更新してもらうタイプと自動更新タイプの2種類がありますが、顧客満足度の向上を考えるのであれば後者を選ぶと良いでしょう。

サブスクを導入するメリット・デメリット


サブスクビジネスの導入によって事業側に数多くのメリットが期待できますが、その一方でデメリットがあることも忘れてはいけません。ここでは、サブスクビジネスに導入するメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

サブスクの導入は以下のようなメリットが期待できます。

・安定した売上を確保できる
一度契約すれば、利用者が解約しない限り継続的な売上が見込めます。利用者数が増えるにつれて安定した売上を確保できるため、売り切り型ビジネスよりも経営も安定しやすくなるでしょう。

・顧客と継続的な関係性
一度契約した方に継続的に利用をしてもらうため、顧客の求めるニーズを追及してより満足してもらうサービスを提供し続けることで、継続的な関係性が構築できます。

・新規顧客を確保しやすい
低額で始められるサブスクなら、利用するハードルも低いため気軽に利用し始める顧客が増えます。サブスクビジネスでは、気軽に利用し始めた顧客に対してより良いサービスを提供し続けて新規顧客からリピーターへと育成する仕組みです。

・認知拡大がしやすい
近年は様々な形態のサブスクサービスが登場している影響から、顧客側への認知度を高める効果が期待できます。

・収集したデータを活用できる
サービスを通じて収集した顧客情報は企業にとっての資産です。顧客の年齢層や好み、属性などを分析することにより、アップルセルやクロスセルなどの営業活動にもつながります。

デメリット

一方で、デメリットは以下のようなものが挙げられます。

・安定した売上まで時間を要する
安定した売上をあげるには利用する顧客数を一定数確保しなければならないため、ある程度の工数とコストが必要です。

・継続利用する価値があるサービスを提供する必要がある
サブスク導入の際は、企業目線で設計してしまうと効果が得られない恐れがあります。そのため、設計段階で顧客目線に立つ意識を持つことが大事でしょう。

・価格競争リスクがある
類似するサービスは価格競争に陥る可能性が高まります。競争を勝つためには、プラン内容や種類で競合他社と違う工夫を講じるといいでしょう。

キャリア決済が浸透してきている3つの理由

キャリア決済って知ってますか?

キャリア決済とは、各キャリアのID/パスワード認証(暗証番号4桁)を利用して、携帯電話料金と合算して商品代金を支払うことができる決済サービス。お手持ちのスマホで簡単に決済が完結する決済手段です。

また、キャリア決済は基本的には3大キャリアのことをさし、NTTドコモが「ドコモ ケータイ払い」、KDDIが「auかんたん決済」、ソフトバンクモバイルが「ソフトバンクまとめて支払い」を提供しています。

2015年時点では、Web上で購入する決済手段のうち、8.8%がキャリア決済での支払いでした。また、1年後の2016年には、13.5%と徐々に使用される割合は増えてきています。(参考:http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc262120.html

クレジットカードと同じように、決済までの流れは非常にシンプルになっています。
各商品サイトに決済ページのLINKを貼り付け、弊社のような決済代行会社の決済フォームの後に各キャリアのID/PASSの入力画面に遷移し、決済完了となります。

また、キャリア決済は審査に1〜2ヶ月ほどの時間を要します。ご導入には法人格、サイトが必須となり、基準は厳格です。他の決済手段に比べ、導入までに手間はかかりますがご導入していただければ、かなり便利に使って頂けるものとなります。
どんなメリットがあるのでしょうか。次の章でご案内していきます。

キャリア決済のここが便利!3つのポイント

キャリア決済をご導入されるにあたって、大きく3つのメリットがあります。

①クレジットカードを持たない人でも継続的な課金が可能
②Web上で決済が完了するため、アナログなデータのやりとり不要
③キャリアによる立て替え払いのため、未回収が削減

まずクレジットカードを持たない人でも継続的な課金が可能です。

クレジットカードを持っていない、10代や20代前半の比較的若年層の方々を取り込むことができます。クレジットカードを持たない若年層においては、従来は現金でのやりとりなどアナログで不便な方法を取らざるを得ませんでしたが、キャリア決済の登場によりオンライン完結型の決済手段を選択することも可能となりました。

また、移動中の電車やバスなどのクレジットカードをわざわざ取り出しづらい状況でもスマホ画面上で決済を完結することが可能なため、サービスの受け皿の窓口を増やすことができます。

次に、Web上で決済が完了するため、アナログなデータのやりとりが不要となります。銀行振込の場合、お客様が毎月銀行に振込に足を運んでいただく手間や、加盟店様が入金がある度に手動で消込を行う手間などが必要になります。お客様はご自身がどのくらい支払いをしているかなどの情報をキャリアの管理画面上でリアルタイムで確認をすることが可能になります。

最後に3大キャリアによる立て替え払いとなるため、未回収のリスクがありません。銀行振込などのように、決済結果がお客様の行動に直結するものではありません。お客様が携帯キャリアをご利用されていれば、基本的に決済が完了し、加盟店様にはお支払いされます。
ご導入企業様は、未回収のリスクはもちろん、回収する手間やコストなどの削減も可能です。

一方で、キャリア決済をご導入いただく上で、デメリットもございます。
下記2点です。

①手数料がクレジットカードや他の決済手段に比べて高い
②利用限度額がかなり低く定められている

まず手数料がコンテンツに関しては10%程度になります。そのため、クレジットカードの何倍もの費用をご負担いただくケースもあります。比較的少額のECサイトなどへのご導入をおすすめ致します。
また、利用限度額が定められており、単価の高い商品などの決済には向きません。下記は参考値となります。ご参考にしていただければ幸いです。

各キャリアの上限金額について

キャリア決済がよく導入される業種とは

このようにキャリア決済には、メリット・デメリットがそれぞれございます。下記にてよくご導入いただく業種・商材をご紹介させていただきます。

・会費などが発生するファンクラブ
・デジタルコンテンツ(音楽や記事配信など)

上記のような、単価が安く、毎月継続的な課金が発生する業種となります。最近ではデジタルコンテンツの分野が加速しており、決済においてはクレジットカードやキャリア決済を積極的にご導入いただくことが増えてまいりました。

少額で、サービスの受け取りもWeb上で完結することができる業種に、キャリア決済ははまりやすいものとなっております。
実際にご利用いただている事例が、下記です。

・株式会社KADOKAWA事例
https://www.robotpayment.co.jp/service/payment/case/kadokawa.html

「月刊アスキー」というデジタルコンテンツの毎月の購読料の決済において利用いただいております。基本的に1,080円/月であり、リーズナブルな価格設定となっております。サイト上で会員登録後、そのまま決済へと進むことが可能です。
これにより、株式会社KADOKAWA様は、多彩な決済手段を揃え、多種多様なニーズに答えることができています。

ROBOT PAYMENTのサブスクペイを活用してサブスクを導入しよう

サブスクビジネスへの参入を検討しているものの、支払い方法や管理面でなかなか始められない企業様もいるかもしれません。そんな時はROBOT PAYMENTのサブスクペイがおすすめです。

サブスクペイは、継続課金ビジネスに必要な機能を集約した決済代行サービスです。1つのシステムで定額・継続課金ビジネスが始められます。長年の実績と社内に設置された審査部により、最短3営業日でクレジットカード決済の利用が可能です。

また、顧客管理データベースによって決済フォームに連動して顧客情報を取得でき、決済情報と紐づけて管理できることもメリットと言えるでしょう。ほかにも、自動継続課金システムやシステム構築不要のワンタッチ課金など自社の売上につながる機能を備えています。

まとめ


近年注目を集めているサブスクビジネスは、安定した売上を確保できるため多くの企業が参入し始めています。ターゲット層に応じて支払い方法も異なるので、幅広い層に対応するには複数の支払い方法を用意しましょう。
ROBOT PAYMENTのサブスクペイは、大手から中小企業にかけて累計12,000社以上の導入実績を誇る決済代行サービスです。あらゆる業種の導入実績があるので、ぜひ導入をご検討ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。