経理がテレワークできない理由とは?テレワーク実現の方法とメリットを解説

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多様な働き方の推進や新型コロナウイルス感染症の影響もあり、昨今はテレワークという働き方が日本でも一般的になりました。テレワークには通勤負担の軽減や、育児・介護との両立がしやすくなるなどさまざまなメリットがあり、多くの企業で新しい働き方として採用されています。

しかし、経理など、業務の種類によってはテレワークが思うように実現できていないケースも少なくありません。その理由は何なのでしょうか。

この記事では、経理にテレワークを導入できない理由の解説と、テレワーク導入に向けた解決策、メリットなどについて紹介します。

経理にテレワークを導入できない理由

まずは、経理にテレワークを導入できない、主な3つの理由について解説します。

紙媒体での業務が多い

書類のやり取りや帳票など紙媒体を扱う場面が多い経理業務は、テレワークの導入が難航しがちです。企業によっては、請求書・領収書・契約書などの書類をオフィス内で印刷し、手書きで記入するなど、アナログな管理をしているところも少なくありません。

また、紙の帳簿を使用して仕訳を行っている場合もあり、管理方法を見直すタイミングがなかなかとれないというのが実状です。さらに、経理は書類のチェックや承認など、複数の方が関わる業務が数多くあります。

通常であれば同じオフィス内での作業となるため、複雑な業務にはなりませんが、それらをテレワークで行う場合、紙媒体だったものをすべて電子化する必要があります。

また、オンラインでの共同作業や新たな承認プロセスの確立、加えてセキュリティの問題やネットワークの安定性など、多くの課題を解決する必要があるのです。こうした理由から、紙媒体のやり取りが多い経理業務はテレワーク導入が難しいのです。

印鑑が必要な業務が多い

まだまだ「ハンコ文化」が根強い日本ですが、それがテレワークの弊害となっている理由の一つだともいわれています。例えば、取引先と取り交わす契約書や請求書、申請書の提出など、経理はほかの部署と比べても特に書類に印鑑を要する業務が多くあります。

法律上、請求書に印鑑は必要ありませんが、押印されている請求書でなければ受理できないとする企業もあるほど、印鑑は今でも重視され、日本企業の慣習となっています。

ちなみに、印鑑を持ち帰ることは可能ではありますが、盗難や紛失が起こった際に重大なトラブルに発展することもあるため、できる限り外部に持ち出すのは避けましょう。
取引上印鑑を要する機会が多い企業にとっては、電子印鑑の採用、もしくは押印の省略が、経理のテレワーク実現への大きな一歩になるといえます。

データ紛失・流出の危険性がある

データ紛失や流出の危険性がネックとなって、経理のテレワーク化に踏み切れないといったケースもあります。

従業員が自宅で業務を行う際に、使用するパソコンやスマートフォンのセキュリティ対策が不十分だと、ウイルスへの感染リスクが高まります。さらに、普段から紙の書類を常用していると、必要な書類を持ち帰らなければならない場合も出てくるでしょう。

しかし、せっかくテレワークを採用しても、紙媒体で管理したままでは紛失してしまう恐れがあるため、大変危険です。社内のように監視が行き届かない状況で、取り扱った情報が漏洩する可能性も軽視できません。

先ほども述べた通り、経理では重要な会計データや顧客情報を取り扱う業務が多いです。万が一にも紛失や漏洩が発生してしまえば、企業の信用は大きく損なわれ、経営にも影響しかねません。情報漏洩を懸念し、テレワークに踏み切れない企業が未だ散見されるのが実情なのです。

テレワークを導入できない理由を解決する3つの方法

経理にテレワークを導入するには、解決しなければならない課題が多いことは分かりました。しかし、そんな中でも経理にテレワークを採用している企業は確かに存在します。そのような企業は、一体どのような対策をとったのでしょうか。ここでは、主な3つの解決策について一つひとつ解説します。

ペーパーレス化する

まずは、経理業務のペーパーレス化を進めましょう。

そもそもペーパーレス化とは、紙媒体の資料や書類などを電子化してデータとして活用・保存する取り組みを指します。ペーパーレス化を実現する方法はさまざまで、請求書の電子化やバックオフィス業務のシステム化、OCRの導入などが代表的な例です。

ペーパーレス化によって電子化された書類を作成・共有・保存できれば、テレワークの環境下でも必要な情報へ簡単にアクセスができるようになります。また、電子化することで情報共有もスムーズになり、従業員同士のやり取りが円滑になるだけでなく、スキャンやコピーもパソコン上で簡単に作成可能となるため、実物の紛失・破損リスクまで軽減できます。

経理業務のペーパーレス化が進めば、社内全体のテレワークの実現に向けての大きな一歩を踏み出せたといえるでしょう。

印鑑を不要にする

経理業務のフローにおいて、印鑑を不要にするための取り組みも重要です。

既に行政手続きや銀行口座開設など、社会全体においてさまざまな領域で印鑑の廃止が進んでいるため、企業においても印鑑の必要性を再考する良いタイミングといえるでしょう。

まずは、経理業務の各書類において印鑑が本当に必要であるのかを、改めて精査することをおすすめします。

例えば、社内で利用する稟議書や申請書への押印です。こちらは社内で使用する書類であるため、法的に印鑑は必要とされていませんが、「習慣化されているから」という理由で押印しているケースがほとんどです。

特別な理由で押印が必要とされない限りは、社内取引に使用される申請書・契約書・請求書・領収書などへの印鑑は廃止し、電子化を進めるのが良いでしょう。

なお、契約書の締結という場面では、電子契約サービスの活用も有効です。当方で電子契約サービスを導入していれば、仮に先方が同様のサービスを利用していなくても契約締結が可能なため、スムーズに印鑑廃止を進めることができるでしょう。

セキュリティ対策を行う

テレワークには、情報漏えいや端末のウイルス感染といったリスクが伴います。しかし、適切なセキュリティ対策を行えば、それらの危険性は抑えられます。

テレワークにおけるセキュリティ対策とは、マルウェアの感染・不正アクセス・情報漏洩などの脅威から、ネットワークやデバイスを守るための対策を指します。すぐに実践できる代表的な対策は以下の通りです。

● リモートワーク時のルールを策定する
● セキュリティソフトを導入する
● パスワード管理を徹底する
● OSやアプリを常にアップデートする

セキュリティ対策で重要なポイントは、ルールを定めて従業員に徹底させることです。従業員一人ひとりにセキュリティリスクの危険性・重大性を正しく認識いただき、行動を見直したうえで、セキュリティソフトの導入など、技術的なセキュリティ対策を施しましょう。

経理にテレワークを導入するメリット

経理にテレワークを導入すると、業務でも嬉しい変化が期待できます。ここでは代表的な4つのメリットについて見ていきましょう。

コスト削減ができる

経理にテレワークを導入することで、まずはコストの削減が期待できます。もちろん、テレワークの導入にはITツールなどの環境整備で投資が必要な場合がありますが、中長期的な視点で考えると大幅なコストカットも望めます。コスト削減が見込める主な項目について、以下にまとめてみました。

● オフィスの維持管理費用
● 交通費
● 水道代
● 光熱費
● 備品購入費

このように、テレワークの導入をきっかけに、人員配置の見直しや業務プロセスの再検討など、さまざまな業務運営の無駄を省くことが可能となります。つまり、「企業のランニングコストを抑えられる」というメリットまであるのです。

事業継続性が高まる

テレワークは事業継続性に優れた新しい働き方です。

事業継続性とは「企業の能力」を指す言葉で、ネットワークやインフラに不測の障害が生じた場合でも、重要な業務機能の維持と事業運営の継続を可能にするための能力を意味します。

なお、オフィスでの勤務と比べてテレワークは災害などの影響を受けにくく、業務を継続することに優れます。例えば天災により、停電や交通機関の麻痺が起こったとしても、テレワークを導入していれば、従業員は自宅で業務を行えます。

また、新型コロナウイルスといった感染症の拡大によるオフィス閉鎖の際でも、テレワークを導入していれば、従業員は自宅から業務継続が可能です。感染症の拡大防止につながるだけでなく、同時に事業継続性まで確保できる、まさに一石二鳥のワークスタイルなのです。

生産性が高まる

経理にテレワークを導入すると、生産性の向上が望めるというメリットもあります。

テレワークによって自宅での勤務が可能になると、交通機関の遅延や移動時間の心配がなくなりスムーズに仕事がスタートできるため、心身ともに余裕が生まれます。余計なストレスが減ることにより、作業効率や品質の向上につながるのです。

また、作業効率が上がって時間に余裕が生まれると、プライベートの時間を充実させることもできます。家族や友人との時間が増えるだけでなく、育児・介護との両立、趣味、副業などに時間を充てることも可能となるのです。

このことから、経理業務へのテレワーク導入は、企業側だけでなく従業員にとってもメリットが大きいといえるでしょう。

人材の確保につながる

人材の確保という視点でも、経理へのテレワーク導入は有効です。

場所や時間に縛られずに働くことが可能となるため、より広く求人募集できます。例えば、育児・介護などでオフィスに通うことが難しい方や障害を持つ方など、働き方に制限のある方にも、テレワークを通じて経理部門で働くという選択肢を提示できます。

今まで制限をかけていたことで出会えなかった優秀な人材の採用が期待できるうえに、長期的な雇用の確保も見込まれるのが、テレワークの大きな利点なのです。

経理にテレワークを導入する際のポイント

テレワーク導入のメリットが多いことは分かりましたが、経理業務のテレワーク導入を成功させるにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、成功のカギとなる3つのポイントについて解説します。

テレワークのルールを決める

企業はまず、経理のテレワーク導入にあたり、どのようなルールを設けるかを明確にする必要があります。

従業員が快適に働くために、以下のようなテレワークのルールを決めてみましょう。

● 出勤時間や退勤時間を決める
● 休憩時間を設定する
● コミュニケーション手段を決める
● 報告書提出期限を設定する
● 勤務時間外の連絡方法を決める

このようにルールを明確にすることで、仮に従業員がテレワークに不安を感じることがあっても、テレワークの運用をスムーズに進められます。後に発生するさまざまなイレギュラーについても適応しやすくなるでしょう。

環境を整備する

続いて、従業員が働く環境を整備しましょう。自宅などでテレワークを行う場合、職場のように快適に働ける環境が整っている必要があります。企業が従業員に用意すべき主なITツールは、以下の通りです。

● パソコン
● スマートフォン
● Webカメラ
● マイク
● ソフトウェア

加えて、従業員への万全なサポート体制も重要です。テレワーク開始間もない時期は、インターネットへの接続不備や、新しく導入したITツールの不具合など、多くの問い合わせが想定されます。事前にマニュアルやQ&Aをまとめるなどして、万全な準備を整えましょう。

ビジネスチャットを活用する

テレワークをスムーズに導入するためには、円滑なコミュニケーションを意識しましょう。テレワークで働く場合、オフィスのような対面でのやり取りができなくなります。そのため、従業員同士や上司とのコミュニケーションの充足が必要不可欠です。

なお、ビジネスチャットを活用するとより円滑にコミュニケーションを図れます。普段の挨拶から業務の情報共有まで、タイムリーなやり取りをできるだけでなく、サービスによってはビデオ通話も可能なので面談の実施にも困りません。

また、定期的なオンラインミーティングを設定したり、チーム内での連絡のルールを決めたりなど工夫すれば、テレワークでも十分なコミュニケーションを取ることが可能となります。

経理のテレワーク実現には「請求まるなげロボ」がおすすめ

経理のテレワークの実現には、株式会社ROBOT PAYMENTが提供する企業間請求代行サービス「請求まるなげロボ」をぜひご活用ください。

業務の中でも手間のかかる与信審査、請求書の発行から送付集金消込、督促に至る業務をすべて自動化することで、毎月のように発生する請求業務の負担から解放され、ほかの業務に工数を充てることができます。

また、与信審査に通過し、適格債権と判断された売掛金は100%保証されるため、安定したキャッシュフローを構築できます。さらに、複数の請求先が1つのプラットフォームで登録可能です。対象外の請求先であっても請求書送付機能や入金消込機能が利用できるので、企業の業務効率化を加速させます。

まとめ

経理などの業務の種類によっては、テレワークを実現できずに困っているケースも少なくありません。テレワーク実現に向けた課題は企業によってさまざまですが、紙や印鑑といったアナログな企業文化がハードルとなっているケースが散見されます。

紙や印鑑の継続使用はテレワークの妨げになるだけでなく、コスト増加や業務効率低下の原因にもなりかねません。当たり前とされているアナログな業務フローにも、改善できるポイントがないか、疑問を持って行動してみる取り組みが大切です。

経理業務のテレワーク導入に向けて、まずはデジタル化が可能な業務フローを見直してみましょう。その際は、株式会社ROBOT PAYMENTの「請求まるなげロボ」の導入をぜひご検討ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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