値引きと割引の違いとは? 仕訳時の種類についても紹介

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商品を販売する際に、通常価格よりも安く販売する方法としては、値引きと割引があります。しかし、この2つの言葉の違いを正しく理解している方は少ないのではないでしょうか。どちらも価格を下げるという点では共通しており、一般的な使い方で言えば同じ意味として使われることもありますが、会計上の意味は全く別です。本記事では会計上の値引きと割引の違い、経費仕訳時の値引き・割引の種類などについて解説します。

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値引き・割引の違い


値引きと割引は、商品やサービスの価格・料金を差し引くという点では同じ意味ですが、会計上の意味合いは異なります。まず、値引きと割引との違いを解説しますので、それぞれの特徴について理解を深めましょう。

値引きの特徴

値引きとは、商品を顧客に買ってもらう際に、商品の品質や不備などを理由に価格を安くすることを言います。例を挙げると、洋服を買う際に目立たないところの糸がほつれてしまっている、商品のラッピングに破れている箇所がある、食品の賞味期限が近づいているといった場合などが代表的です。また、商品の品質に問題があり、顧客から新品への交換を要求された場合に、代替案として値引きが使われるケースもあります。他にも、季節外れや流行遅れの商品であることなども値引き理由として挙げられるでしょう。こういった「訳アリ」の商品を中心に取り扱う店を、一般的にディスカウントショップと呼びます。

一方、商品の品質や時期的な価値を理由にするのとは違うケースとして、出精値引きという言葉もあります。出精値引きでは、商品に不備がなくても、仕入れ値を抑えたり人件費を抑えたり、会社の経費を抑えたりといった企業努力によって、商品の販売価格を下げられるのです。

割引の特徴

割引とは、商品の代金が支払期日よりも早く支払われた場合に使われる言葉です。支払いが早まった部分を金利と見なし、定価自体は下げないものの利息分を減額することを指します。支払いを早めてもらうことによって代金を早く現金化でき、資金繰りがスムーズになることから、見返りとして利息に相当する金額を差し引くと言っても良いでしょう。

このように、割引は利息としての性格を持つことから、売上額や仕入れ額から直接減額せずに営業外費用として処理するのです。企業間取引を行う場合を考えてみると掛け売りで取引するのが通例ですが、掛け売りでは商品の引き渡しがあってから代金が支払われるまで一定の期間が空きます。この場合、支払いが行われるまでの金利相当分が商品価格に上乗せされるのが一般的です。支払期日よりも早く代金を支払うことで、金利相当分を額面価格から差し引くことを割引と呼びます。今では使われることが少なくなりましたが手形割引という言葉もあり、手形を満期日よりも前に第三者へ裏書譲渡して、金利相当分を差し引いた金額で換金する方法のことです。

経費仕訳時の値引き・割引の種類


経費の仕訳を行う際、値引き・割引があった場合は正しく仕訳処理をしないと、売上を二重に計上してしまったり請求漏れが発生したりする恐れがあるため、十分な注意が必要です。ここでは経費仕訳時の種類について解説します。

仕訳時の値引きの種類

経費の仕訳を行う時の値引きの種類として、仕入れ値引きと売上値引きの2種類があります。仕入れ値引きとは、商品を仕入れたものの数量が不足していたり、品質に問題があったり、商品が破損しているなどの理由によって、商品の購入価格から一定額を控除する手続きを指します。実際の経理上の処理方法としては、商品を仕入れた時と逆の仕訳処理を行って帳尻を合わせることと覚えておくと良いでしょう。

例えば、商品を仕入れた時に仕入れ金額30,000円を買掛金として計上していて、後から3,000円の値引きがあったならば、「買掛金3,000円」「仕入れ金額3,000円」と通常とは逆に仕訳を切ります。売上値引きとは、商品を販売した側が行う仕訳で、売上として一旦は計上したものの前者同様に商品の不備等の理由によって、商品の販売価格を値引きする手続きのことです。例えば、売上時に売上金額30,000円を売掛金で計上していた場合に3,000円の値引きがあったならば、「売掛金3,000円」「売上3,000円」と仕訳を切る必要があります。いずれの場合も、支払期日よりも早く決済した時の「割引」とは区別して取り扱わなければいけません。

仕訳時の割引の種類

経費の仕訳を行う時の割引の種類として、仕入れ割り戻しと仕入れ割引の2種類があります。
仕入れ割り戻しは「リベート」とも呼ばれ、一度に高額あるいは大量の仕入れをした場合に、購入代金の一部が返還される仕組みのことを指します。簡単に言えば、まとめて仕入れたことに対するお礼として、少し金額をおまけしてもらうという捉え方で構わないでしょう。例えば、商品を100万円分まとめて購入し、リベートとして10%の返金を受けた場合の仕訳は、仕入れ時は「仕入れ100万円」「買掛金100万円」となります。返金を受けた時の仕訳は、「買掛金10万円」「仕入れ割り戻し10万円」となります。

一方、仕入れ割引とは、商品購入代金を支払期日よりも早く支払うことで、本来の期日までの期間に課されるはずだった利息に相当する額を支払金額から割引することです。通常企業間取引は掛け取引で行い、取引日から支払期日までの利息が商品代金に含まれています。支払期日を短縮することで利息分を免除(ディスカウント)するとも言います。言い方を変えれば、仕入れ割引は代金を前倒しで支払ったことに対する金融上の収益と言っても良いでしょう。

請求書の値引き・割引処理が必要なシチュエーション


請求書を発行する段階になってから、やむを得ず商品の代金を値引きする必要に迫られるシチュエーションがいくつかあります。

・クレーム対応をする場合
・大量購入のリベートが発生した場合
・買掛金を相殺する場合

請求書の値引きや割引が必要なケースについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
「請求書の値引きはどう書く?正しい書き方を分かりやすく解説!」

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値引きや割引を行うと請求書の作成業務が煩雑になりがちで、件数が増えると経理担当者の負担が大きくなるものです。また、経理処理する際も仕訳を切るには複雑な処理と一定の専門知識が要求されるため、日々の仕事量を増加させる原因となります。このような経理の現場の悩みを解決できるのが、ROBOT PAYMENTが提供する「請求管理ロボ」です。

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まとめ


値引きや割引をする際には、単に減額するだけでなく、帳簿上で正しく仕訳処理をしないとその後の経理処理でミスやトラブルの原因ともなるため、漏れの無いように注意深い作業が必要です。経営の健全性を維持する意味でも適切な請求管理は企業にとって重要な業務と言えるでしょう。請求管理が正しく行われず売上金が回収できなくなる事態が発生すれば、キャッシュフローが滞って経営上の大きな問題にもなりかねません。

請求管理ロボを導入すれば、請求管理業務をシステム化でき、スピーディーで正確な請求管理業務が実現可能です。経理の経験を積んだスペシャリストがいなくても、請求管理ロボを活用することで正しい値引き額・割引額を反映した請求が簡単に発行できます。請求管理業務の煩雑さや経理担当者への大きな負担などの課題を抱えておられるならぜひ請求管理ロボの導入をご検討ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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