前払金とは?仕訳の基本や混同しやすい勘定科目も解説!

経理

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事業に使う商品やサービスの代金を前払いしたときは、「前払金」の科目を使って経費を計上する必要があります。ただし、前払いした費用に対して使われる科目にはほかにも種類があるため、混同しないように区別して覚えておくことが大切です。

この記事では、正しく経理処理をするために必ず押さえておきたい前払金について解説します。前払いをした費用の科目に迷ってしまうことがある経理担当者は、しっかりと理解を深めていきましょう。

※目次※
1.前払金について
2.前払金の仕訳方法
3.意味を混同しやすい勘定科目
4.経理業務のミス防止策
5.「請求管理ロボ」で経理業務を効率化!
6.まとめ

前払金について


前払金は、前渡金と呼ばれることもある、資産に区分される科目です。まずは、前払金がどのような科目か解説します。

前払金とは

前払金とは、事業に必要な商品を購入した際に前払いをした費用のことを指します。
商品を購入するとき、契約を確約するために商品の代金の一部や全額を支払うことがあります。このときに支払う代金が、前払金です。車のローンを組むときなどに支払う頭金を想像してもらうと、前払金をイメージしやすいでしょう。

手付金と内金の違い

前払金と似たような意味を持つ科目として、「手付金」や「内金」が挙げられます。それぞれ商品を受け取る前に支払う代金のことを指しますが、異なった意味を持っているため区別して覚えるようにしましょう。

・手付金
手付金とは、売買取引の契約を解除することができる性質を持つお金のことを指します。一般的に買い手は手付金を放棄することで契約解除でき、売り手は手付金の2倍の金額を払うことで契約を解除できる仕組みになっています。

従来は買い手のお金を売り手に預けて、残金を支払う際に一度返してもらうお金なのでした。しかし、近年は手続きの手間を減らすために、手付金を残金の支払いに充てるケースが多くなっています。

・内金
内金は、買い手が商品を購入するときに商品の代金の一部として支払うお金のことです。契約の解除とは関係なく支払われます。

上記のような手付金や内金の支払いを経理処理するときに使われるのが、前払金の科目です。支払う金額が手付金か内金かで、取引の内容が大きく異なってしまいます。トラブルを防ぐためにも、それぞれの意味をしっかりと理解しておきましょう。

前払金が資産の理由

ここまで解説してきたように、前払金は商品を購入するために前払いした費用のことです。しかし、前払金を仕訳するときは、貸借対照表上の「流動資産」に区分される点に注意する必要があります。

前払金は商品を購入する費用であるのに、仕訳の際はなぜ資産として計上しなくてはいけないのでしょうか。その理由を理解するためには、会計制度における資産の定義を知っておくことが大切です。

実は会計制度上の資産には、単なる普通預金や売掛金のほかに「収益力(週入力・便益力)を有するもの」も含まれます。前払金の支払いは「後日商品を受け取るための権利」を購入することだと言い換えられるため、費用ではなく資産に区分されるのです。

ただし前払金は、商品が納品されるまでに使用される一時的な科目になります。商品を受け取った時点で前払金は資産ではなく費用になるため、注意が必要です。

前払金の区分は、会計処理の中でも非常に間違いやすいポイントの1つです。スムーズに経理業務を進めるためにも、しっかりと覚えていきましょう。

前払金の具体例

前払金として資産に計上できる支払いとしては、以下のようなものが挙げられます。

・原料を仕入れるときの手付金や内金
・商品を購入するときの手付金や内金
・不動産売買の際に必要となる解約手付金
・出張先宿泊施設の予約金
・外注費の先払い金

上記以外の前払代金のときは、内容によっては後述するほかの科目に区分されることがあります。前払金として計上するときは、ほかの科目に当てはまらないかどうかをしっかりと確認しておくようにしてください。

前払金の仕訳方法


先述したように、前払金は前払いをした時点では資産として計上しますが、商品を受け取ったあとは費用として計上し直す必要があります。2段階の経理処理が必要になるため、処理手順がややこしく難しく感じてしまう人もいるかもれません。

そこでここからは、少しわかりにくい前払金の仕訳方法について解説します。

前払金を支払ったときの仕訳方法

手付金や内金などの前払金を支払ったときは、「商品を受け取る権利」が手に入るため、資産の増加だと考えて以下のように仕訳をします。

【例】100,000円の商品を予約し、手付金として10,000円支払ったとき

借 方貸 方
前払金10,000円現金10,000円

商品を受け取ったときの仕訳方法

前払金を支払った商品が納品されるときは、「商品を受け取る権利」が消滅し、仕入れ(費用)が発生すると考えて以下のように仕訳をします。

【例】予約した商品が納品され、残りの料金を買掛金として支払ったとき

借 方貸 方
仕 入100,000円前払金10,000円
買掛金90,000円


請求管理ロボ

意味を混同しやすい勘定科目


同じ前払いをした費用であっても、支払いによって受けられるサービスの性質や支払先によっては前払金以外の科目に区分されることがあります。
ここからは、それぞれの勘定科目の意味について解説します。

前払費用とは

前払費用とは、事業に必要となるサービスを“継続的”に受けるために前払いした費用のうち、翌期にサービスを受ける部分のことを指します。事務所の家賃や1年契約の保険料、事務用品や車のリース台などが前払費用にあたります。前払費用は前払金と同様、「資産」として計上する科目のひとつです。

前払いをする点では前払金と似ていますが、前払費用は「継続して繰り返し受けるサービス」に支払われる金銭に対して使われます。一方で、前払いは一時的な商品購入やサービスに支払われる金銭に対して使われる点が特徴です。

建設仮勘定とは

建設仮勘定とは、未完成の有形固定資産に支払った手付金や内金のことを指します。建設中の建物や構築物、製造過程にある機械設備などに対して使われる「固定資産」の科目です。建設仮勘定は「未完成の建物や設備」に対する前払い代金で、前払金は「すでに存在している商品やサービス」に対する前払い代金であることを、しっかりと理解しておきましょう。

通常、建物や機械設備などといった長期に渡って継続的に収益を生み出す資産は、取得費用を使用期間に応じて「減価償却費」として少しずつ計上していきます。しかし、建設仮勘定は未完成の建物や設備に対して支払う費用であるため、減価償却の対象とはなりません。したがって、支払いがある度に全額計上していくことになります。

貸付金とは

貸付金とは、決められた期日までに返済して貰う約束で貸し付けた資金のことを指します。一口に貸付金と言っても、1年以内に返済される「短期貸付金」、1年以内に返済されない「長期貸付金」の2つに区分されます。なお、この1年以内という期間は、当期の決算日から1年以内に返済されるかどうかを指すのであって、契約上の期間ではない点に注意が必要です。

貸付金は「貸し付けた金銭を返済してもらう権利」と言い換えられるため、「資産」の科目に含まれます。また、貸付によって利息が発生したときは、利息が発生した時点で受取利息を収益の増加として計上していくことになります。

支払手付金とは

支払手付金とは、商品を購入する際に代金の一部を手付金として前払いしたときに使う科目です。支払手付金は内金と一緒に前払金として計上されるケースが多いですが、内金と区別したいときは支払い手付金として処理することもあります。

先述したように、支払手付金として計上した費用は買い手が放棄、もしくは売り手が2倍の金額を支払うことで契約の解除を行うことが可能です。支払手付金は前払金と同様、商品を受け取る権利という意味合いを持つため、「資産」の科目として経理処理をしていきます。

経理業務のミス防止策


ご紹介してきたように、会計処理は科目ごとに細かい区分やルールがあり、担当者は複雑な判断や経理処理を行う必要があります。難しい処理が多い一方で、ミスが許されなく正確な業務を求められる経理は、担当者にとって負担になっているかもしれません。

経理業務のミスを防止するためには、よくあるミスを知ったうえで正しく防止策を講ずることが大切です。ここでは、経理担当者が押さえておきたいミス防止策について解説します。

よくあるミスとは?

経理業務でよくあるミスはとしては、「二重計上」「入力ミス」「科目の判断ミス」の3つが考えられます。

・二重計上
経理業務によくあるのが、二重形状をしてしまうミスです。例えば、取引先から仮の領収書を受け取ったあとに正式な請求書を改めてもらったとき、それぞれの請求書を計上してしまった、というミスはよくあることです。
また、クレジットカード決済の領収書と利用明細を二重計上してしまうミス、未払金として計上していたのに経費として再び計上してしまうミスなども、経理業務を行うときに起こりやすい傾向にあります。

・入力ミス
手作業で入力や計算を行っている企業では、ヒューマンエラーによる入力ミスはどうしても防げません。「0」の数を間違えてしまった、隣り合った位の数字を入れ替えて入力してしまったなどといったミスは、経理業務ではよく起こることです。些細なミスですが、企業会計には大きな影響を与えてしまうため、ミスに気が付けるチェック体制を整えることが非常に大切です。

・科目の判断ミス
科目の判断ミスや、仕訳処理の際の「貸方」「借方」のミスも、経理業務にはつきもののミスです。ミスをした人が何らかの勘違いをしているとき、何度確認してもミスに気が付きにくいため注意が必要です。複数のチェックフローを用意し、勘違いによるミスを防げるようにしておきましょう。

ダブルチェックを行う

ダブルチェックとは、複数人で同じものを確認するチェック体制のことです。一人ではなかなか気付けないミスも、複数の人がチェックすることで確実に気付けるようになります。また、社内不正の防止にも役立ってくれるでしょう。

ダブルチェックをするときは、チェックの項目やチェックする順番を変えることがポイントです。視点を変えることで、すべてのミスを漏らさずに潰すことができるようになります。

チェック方法をルール化する

現在社内の経理業務にミスが目立つのであれば、よくあるミスの内容を精査し、それを踏まえたチェック方法のルールを定める対策法が有効です。ルールを定めてチェック作業をマニュアル化できれば、経理業務の経験が少ない担当者でもしっかりとミスに気が付ける体制を整えられるようになります。

より効果的なルールを設定するために、入力場所や計算方法などの細かい要素についても記載しておきましょう。確認が完了したらチェックマークを入れられるシートなどを用意し、チェック者の氏名を記入する欄を設置しておくと、従業員一人ひとりが責任感をもって作業をしてくれるようになります。

「請求管理ロボ」で経理業務を効率化!

請求管理ロボ
経理業務のミスを減らして効率化を図りたいのであれば、株式会社ROBOT PAYMENTが提供する「請求管理ロボ」を活用ください。請求管理ロボは、請求書の発行から送付、集金や消込、催促などの煩雑な経理業務をすべて自動化し、経理業務の負担を減らすことが可能なクラウドサービスです。

経理担当者は、今回ご紹介した前払金を含む多くの科目のルールを押さえた会計処理を行う必要があります。請求や催促などの業務に時間をとられてしまうと、こういった会計処理に手が回らなくなってしまい、ミスの増加を招いてしまうリスクがあります。しかし、請求管理ロボで請求業務を自動化すれば会計処理を含むほかのコア業務に集中できるようになり、より利益につながる生産的な企業運営が可能となるのです。

さらに請求管理ロボは、「Salesforce」「kintone」などのSFA・CRMや、「弥生」「勘定奉行」などの会計システムと連携可能です。SFAから会計までを一気通貫できる設計にすることで、手作業によるミスを減らしてより効率的な業務に導きます。

このように請求管理ロボは徹底的に経理業務を自動化することで、業務削減とミス削減を実現するサポートをいたします。

まとめ

前払金とは、事業に必要な商品を購入した際に前払いをした費用のことを指します。費用の科目だと勘違いされやすいですが、支払段階では資産として計上し、商品を受け取った時点で費用として計上し直す必要があるため、会計処理の際は注意が必要です。

前払金はほかの科目と混同しやすく、ミスが起こりやすい科目です。経理の負担を減らしてミスのない会計処理の業務フローを構築したい企業は、ぜひ株式会社ROBOT PAYMENTが提供する「請求管理ロボ」をご活用ください。より良い会社経営を実現するサポートをいたします。

     
【監修】ROBOT PAYMENT フィナンシャルクラウド事業部

ROBOT PAYMENTは請求管理業務を効率化・自動化するクラウドサービス「請求管理ロボ」や
サブスクリプションサービスに特化した決済代行サービスを提供しています。
「お金をつなぐクラウドで世の中を笑顔に」というビジョンを下にお客様に満足を提供致します。
 
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