繁忙期はいつ?業界別の特徴や忙しくなる理由、解決方法などを解説!

経理

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世の中にはさまざまな種類の仕事があり、そこで繁忙期という言葉を使う場面は多々みられます。

例えば、会社が「うちの会社は来月から繁忙期だ」ということがあるように、繁忙期という言葉はビジネスで使われることが一般的で、業界ごとにはほぼ共通した繁忙期があります。
しかし、繁忙期という言葉は知っていても、具体的な意味や時期についてはよく分からないという方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、繁忙期について詳しく説明するとともに、業界別の特徴や忙しくなる理由、解決方法などについて解説します。

「繁忙期」の意味と「最盛期」との違いについて

ここでは繁忙期の具体的な意味と、最盛期との違いについて解説します。

繁忙期とは?

「繁忙期」とは仕事の量が増え、1年の中で業務が最も忙しくなる時期のことです。

「繁忙」は仕事が多くて忙しいこと、またはそのさまを意味します。また、繁忙「期」は、数週間から数ヶ月、あるいはそれ以上の中長期で用いられることが一般的です。

ほとんどの企業には繁忙期が存在しますが、どの業界であれ、企業にとっては売り上げを伸ばすための重要な時機となります。

なお、業界により繁忙期のタイミングはそれぞれ異なりますが、1年に1度しか来ないとは限りません。ゴールデンウィークや夏休み、年末年始など、繁忙期が1年の中で複数回ある業界もあります。旅行業界や飲食業界は、その典型です。

「繁忙期」と「最盛期」の違い

ときどき混同される「繁忙期」と「最盛期」ですが、実は全く違う意味を持っています。

上記で述べた通り「繁忙期」は仕事が忙しい時期という意味ですが、「最盛期」は物事の勢いが最もある時期・最も栄えている時期、もしくは農産物の出荷がピークに入る時期を示す言葉です。

例えば、「我が社の最盛期には従業員が沢山いた」「彼は人生の最盛期を迎えている」「イチゴの出荷が最盛期を迎えた」というように、勢いが一番盛んな時期を表現するために使われます。

物事が最高潮を迎えているという点では繁忙期と似ていますが、繁忙期のように仕事の量が多くて忙しいという意味合いはありません。そのため、忙しい時期と言いたいところを誤って「最盛期」と言わないよう気を付けましょう。

繁忙期は業界によって異なる

繁忙期は、取り扱っている商品やサービスの違いや業界によって異なります。ここでは、各業界の繁忙期について解説します。

アパレル系

アパレル系での繁忙期は3月から5月、7月、9月から11月とされています。3月から5月は春物、7月は夏物商品、9月から11月は秋冬物の売れ行きが高まるからです。
また、バーゲンセールを行う6月末から7月、12月末から1月にかけても繁忙期となることが特徴です。

バーゲンの時期は、ボーナスが出る時期と重なっていることも要因の1つでしょう。特にクリスマスから年末年始の時期は、1年の中でもかなり多忙になるため、アパレル系にとってはまさに勝負どころです。

飲食系

飲食系では、メニューのジャンルや業態によって繁忙期が微妙に異なりますが、一般的には12月から1月、3月から4月が忙しくなるといわれています。

これらの時期は、クリスマスや歓送迎会など人が集まる機会が増えるため、売上も上がりやすくなる傾向にあります。そのほか、ゴールデンウィークやお盆といった長期休暇中なども繁忙期となるでしょう。

昨今はコロナ禍の影響で大人数での会合は減りましたが、現在では会食の人数制限も徐々になくなりつつあります。飲食店に対する規制も緩和されてきたため、近いうちに飲食業にも賑わいが戻ることでしょう。

物流系

物流業界は、人や物の移動が多い時期が繁忙期となります。

具体的にいうならば年末年始、3月中旬から4月中旬、6月中旬頃から8月下旬頃がその時期にあたるでしょう。また、繁忙期は季節性のイベントによって決まることが多いため、ほかの業界の繁忙期と同じになりやすいです。

昨今ではネット通販を利用する人が増えたため、繁忙期はもちろんそれ以外の時期の業務量も増加傾向にあります。ほかにも、各地域の特産物の出荷がピークを迎える月などは注文も多くなるため、物流業は多忙となります。

ホテル系

ホテル業界の繁忙期は、旅行業界全体の繁忙期と重なります。

特にピークとなるのは長期休暇のシーズンで、春休み・夏休み・冬休みなどは旅行に出かける人が増加するため、典型的な繁忙期となります。ゴールデンウィークやシルバーウィーク、3連休となる週も同様です。

また、1月下旬から2月は中華圏のお正月である春節となります。この時期は、中国や台湾をはじめとしたアジア圏からのインバウンドにより、観光地のホテルは繁忙期となります。ほかにも、四季の特徴を生かした魅力のある地域のホテルなどは、シーズンごとに繁忙期となりやすいでしょう。

IT業界系

IT業界の繁忙期は、職種や取り扱っているサービスによって異なります。3つの職種を例に挙げて説明しましょう。

● システムエンジニア
システムエンジニアなどの開発職は、稼働チェックやバグ修正が集中するシステムのリリース時期が繁忙期です。納品日まで問題なく動作するかを入念にチェックする必要があるため、納品日前後のおよそ数週間から数か月間は繁忙期となるでしょう。

● 管理職
プロジェクトマネージャーのような管理職であれば、プロジェクトの指揮をとることが多いため、プロジェクトの開始時期が繁忙期となります。開始後もチームの進捗状況などを管理したり、現場の環境改善やメンバーのフォローをしたりなど、一般社員と比べると負担が大きく多忙な業務です。

● 営業職
営業職であれば、インプット作業とブラッシュアップ作業が発生する、プロジェクト開始・終了時期が繁忙期となります。なお、システムエラーやトラブル発生時は突如フォロー対応の仕事が発生するため、突発的に忙しくなる場合もあります。

不動産系

不動産業界は引っ越しなどで人の移動が多い時期が繁忙期となります。ピークは一般的に1月から3月、9月から10月といわれており、特に学生や1人暮らし向けの賃貸物件を多く取り扱う不動産会社は、1月から3月が最も忙しくなるでしょう。

9月から10月にかけても企業の人事異動が多くあるシーズンであるため、賃貸需要が増え忙しくなります。

経理系

経理系は、決算関連の業務が多い3月から5月、株主総会のある6月、各種保険の申告期限が迫る7月、年末調整の業務が多い11月から1月にかけて繁忙期となります。

特に、決算関連の業務が増える年度はじめからは業務量の多い時期が続きます。そのため、各種保険の申告期限となる7月までは、数か月通して繁忙期になる場合もあるでしょう。ただし、決算日に関しては会社が自由に決められるため、会社によっても繁忙期は異なります。

なお、上記の繁忙期に加えて、取引の請求・支払関連がある毎月末や月初は忙しくなる傾向にあります。会社の規模に関係なく業務量が多いということもあり、忙しい職種の代表格といっても過言ではないでしょう。

なぜ経理の繁忙期は忙しいのか

先ほど経理の繁忙期について少し触れましたが、1年を通してほとんど閑散期と呼べる時期がないことに気付いたかと思います。ではなぜ経理は常に忙しいのか、経理の繁忙期について改めて詳しく解説します。

決算処理

企業は1年間の経営活動で発生した収入と支出を計算し、利益や損失を決算書にまとめる「決算処理」をする必要があります。決算処理の目的は納税や経営状況の把握をすることですが、そのためには1年間の損益の結果を確定させ、正確な納税額・損益額を出さなければなりません。

なお、決算処理を行うには「決算処理に必要な書類やデータを揃える」「残高を確定させる」「決算書を作成する」という3段階を経る必要がありますが、どれも緻密さが要求される作業なうえに多くの工数を要します。

これに加えて、経理部門では通常の日次・月次・年次業務も並行して行うため、結果として決算期に業務が集中してしまい、忙しくなるのです。

株主総会

株式を公開している会社では、株主総会を開き業績報告をしなければなりません。なお、株主への業績報告は決算日から3ヶ月以内と決められています。例えば3月が決算の場合、6月末までが株主総会を開く期限ということになります。

株主総会を開くにあたっては、株主総会招集通知や決算書の発送や、想定問答集などを作成する必要があり、それらは経理部門の仕事となります。

1年に1回開催される株主総会ですが、客観的で正確な情報や経営の透明性を示せれば、企業の信頼性を向上させることが可能なため、大変重要なイベントです。多くの準備期間を確保する必要があるため、経理部門の負担は大きいといえます。

年末調整

11月から12月にかけては、控除書類の収集など年末調整関連の業務が始まります。控除書類については、生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、住宅借入金等特別控除申告書及び控除証明書など、年末調整で必要になる資料を全従業員から集めなければいけません。

社員一人ひとりの正確な納税額を算出し、多く納税していた場合は税金の還付を、少なく納税していた場合は税金の徴収をします。税金が確定したら、源泉徴収票を作成して社員に交付すると共に、関連書類を税務署へ提出して完了です。

このように作業工程が多い年末調整は、社員数が多い会社ほど煩雑化する業務のひとつといっても過言ではないでしょう。

繁忙期によくある2つの悩み

繁忙期にはよくある悩みが2つあります。以下それぞれについて解説します。

作業量の増加

どのような業界でも繁忙期には作業量が大幅に増えるため、一人あたりの負担も増します。人手不足が常態化してしまえば、担当者への業務負担やプレッシャーが高まり、生産性にも影響が出るでしょう。

なお、重い業務負担が慢性的に続くとミスも発生しやすくなります。ミスが発生することによって更に作業量が増え、ストレスが溜まったり職場環境が悪くなったりして悪循環に陥ると、最悪の場合離職が相次ぐ事態にもなりかねません。繁忙期のときこそ、快適に働ける仕組み作りが求められるのです。

残業が増える

繁忙期によって作業量が増えた際に、残業することで対処するという方法もあります。しかし、1ヶ月あたりの残業時間は法律で制限されているうえに、中には家庭の事情で残業ができないという人もいるでしょう。

そのため、安易に残業に頼るのはあまり現実的ではありません。長時間労働は、心身への不調から労働災害が発生する可能性があります。また、残業を早く切り上げようと正規の手順を省くと、製品の品質が落ちることも考えられるでしょう。

「繁忙期は残業しなければならない」といった考え方が当たり前になると、通常時まで残業が常態化し、様々な問題に繋がりかねません。特に昨今では、残業はライフワークバランスが乱れる原因として問題視されやすくなっています。難しい課題ですが、残業を増やさずに繁忙期を乗り切る方法を考えることが大切です。

繁忙期の悩みを解決するには

繁忙期の問題は会社によってさまざまですが、全業種に共通していえるのは「作業量の増加」と「残業問題」にいかに対処するかがポイントとなるということです。ここでは、繁忙期の悩みを解消するための有効な方法について解説していきます。

優先順位を決めて取り組む

多くの業務を一度に抱えてしまったときは、業務の全体像と課題を明確にし、優先順位を決めて取り組むと効果的です。多くの業務を同時並行で進めると、現場が混乱してどの業務も中途半端になる可能性があります。

そのため、「工数が少ない業務」「定型的な業務」「何度も発生する業務」といったカテゴリーに分けて優先順位を決めると、無理なく円滑に業務を進めることができます。また、短時間で終わる業務は後回しにせず、朝の1時間で集中して終わらせるといったルールを決めて対処するのも効果的です。

タスク管理ツールなどを用いるのも、仕事が可視化されるため有効な手段でしょう。タスク過多に陥った際は、業務の優先度を見極めたうえで重要度の高い順から着手し、効率良くかつ合理的に進めることが解決のカギとなるのです。

しっかり休んで効率アップ

長時間仕事を続けていると頭が働かなくなり、業務が非効率になりがちです。そのため、適度に休憩を取ってリフレッシュすることも大切になります。むしろ繁忙期だからこそ、休憩は重要といっても良いでしょう。

休憩を取ることによって判断力や集中力を回復させられれば、生産性も上がり、新たな気持ちで仕事に取り組むこともできます。長い目で見たときに、心身の健康やモチベーションの維持にもつながるため、非常におすすめです。

なお、休暇を取るのが難しい場合は、仕事の合間に席を立ってストレッチをしたり、外に出て新鮮な空気を吸ったりして気持ちを切り替えるのもおすすめです。好きな飲み物を飲んで気分転換したり、状況が許せば10分程度仮眠したりするのも良いでしょう。

会社全体で気兼ねなく休憩を取れる雰囲気を作るために、上司が率先して休憩を取ることも大切です。

繁忙期は「請求管理ロボ」で業務をスムーズに!

経理部門の仕事は広範囲に及ぶため、日常的に数多くの業務を抱えています。そのため、繁忙期には経理担当者の負担が更に重くなってしまうでしょう。

経理業務の中で4分の1を占めるとされている高負荷の請求業務は、ROBOT PAYMENTの「請求管理ロボ」を導入することで解決できます。「請求管理ロボ」は、請求書の発行から送付集金消込催促に至るまで、煩雑化しやすい業務の自動化が可能なため、請求業務を最大で80%削減することができます。

毎月末・月初に集中しがちな請求業務を平準化し、繁忙期を無理なく乗り越えられる仕組み作りをお手伝いします。経理部の繁忙期対策には、500社以上に納入実績のある「請求管理ロボ」の導入をぜひご検討ください。

まとめ

繁忙期はどの業界にも存在するため、仕事をするうえで忙しい時期があるのはどうしても避けられないものです。繁忙期を迎えても、増えた作業量をこなせるほど十分な人員が確保できていれば問題はありませんが、一時的な増員は現実的には難しく、繁忙期に合わせた人事採用にも無理があるでしょう。

経理部の繁忙期の問題には、ROBOT PAYMENTのクラウドサービス「請求管理ロボ」の導入が役立ちます。「請求管理ロボ」で負担の重い請求業務を自動化すれば、繁忙期でも経理担当者の負担を最小限に抑えることも可能となります。コア業務により集中することができるため、仕事の質や生産性の向上も図れるでしょう。

繁忙期の経理負担にお困りの際は、「請求管理ロボ」の導入をぜひご検討ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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