債権回収会社(サービサー)とは?債権の管理・その重要性について解説!

請求代行

Facebook にシェア
Pocket

取引において商品やサービスを購入した者は、決められた期日までに代金を支払う義務があります。「振り込みが確認できない」という事態は経営者や経理を担当している方なら、一度は経験したことがあることでしょう。

このような問題が生じた際、通常は当事者同士で解決しますが、「相手と連絡が取れない」「取引先が支払える状況ではない」など、自社での債権回収が困難な場合は第三者に介入してもらい、問題を解決する必要があります。

債権回収を第三者に依頼する場合は、弁護士へ依頼することが一般的ですが、実は弁護士以外にも「債権回収会社(サービサー)」と呼ばれる、債権回収を専門に行っている会社が存在します。今回は、「債権回収会社(サービサー)」とは何か、そして債権を管理することの重要性について解説します。

債権回収会社(サービサー)とは


そもそも債権とは、特定の人(債権者)が、ある特定の人(債務者)に、一定の行為(給付)を要求することができる「権利」です。分かりやすく説明すると、お金を貸した者(債権者)が、お金を借りた者(債務者)に、支払いを請求することができる「権利」を指します。

債権回収会社(サービサー)とは、債務者が支払いに応じない場合、債権者に代わり、債務者からお金を回収することができる民間企業です。

債権回収会社は、債権者から未回収分の債権を買い取り、譲渡後は債権回収会社が直接債務者への取り立てを行います。そのため、企業側は譲渡後、債務者へ取り立てる必要がなく、確実に資金化することができます。

債権回収を専門に扱う法人

債権回収を専門に扱う法人は「法律事務所」「債権回収会社(サービサー)」「ファクタリング会社」の3つですが、利用できる企業や取り扱える債権の種類が大きく異なります。

法律事務所は、債権を回収する際に生じる手続きを、債権者に代わり行うことができます。個人から法人まで幅広く利用することができ、取り扱える債権の幅が広いのが特徴です。債権の種類や状況に応じて、最適な債権回収方法を提案してくれます。しかし、回収ができなかった場合も費用が発生するため、回収できる可能性が高く、回収金額が高額な場合などに利用するとよいでしょう。

債権回収会社は、企業から未回収の債権を買い取り、債権回収会社が回収業務を行います。利用できる企業は金融機関などに限られており、取り扱える債権は貸与金債権などの「特定金銭債権」のみです。債権回収会社が債権自体を買い取ってくれるため、債権を売った側は譲渡後に取り立てをする必要がなく、たとえ債務者が破産しても損失することはありません。しかし、未回収分よりも低い金額で買い取られるため、債務者の支払能力や、金額が低い場合などに利用するとよいでしょう。

ファクタリング会社は、企業から売掛債権を買い取り、回収業務を代行します。個人から法人まで幅広く利用できますが、取り扱える債権は売掛債権で、回収が困難または不可能な不良債権は扱っていません。債権の譲渡後は数日で現金化され、売掛金をすぐに資産化することができ、たとえ売掛先が倒産しても損失はありません。しかし、手数料が必要なため、すぐに資金調達が必要な場合などに利用するとよいでしょう。

料金体系

法律事務所へ依頼した場合、初回相談は無料で行っていることが多く、正式に依頼した際に、弁護士費用がかかります。例えば、弁護士名が書かれた催告書を送る場合、大体3万~5万ほどの費用が必要になり、交渉や裁判など依頼内容に応じて費用がかかります。

債権回収会社は、債権者から買い取った金額と債務者から回収した金額の差が売上になるため、債権を売った側は利用料金や手数料を支払う必要がありません。ただし、未回収金額より低い金額での買い取りのため、100%回収することはできません。

ファクタリング会社は、債権額の10%~20%ほどの手数料を支払う必要があります。そのため、売掛債権の買取金額から手数料が引かれた分が、債権を売った側に支払われます。

同じ債権回収でも法律事務所、債権回収会社、ファクタリング会社は提供するサービスや料金体系が全く異なります。債権回収を外部に依頼する際は、メリット・デメリットを理解したうえで、適切な法人を選びましょう。

サービサー法について

サービサー法とは、債権回収会社が金融機関などの所有する貸付債権など、特定金銭債権の回収を可能にするための法律で、正式名称を「債権管理回収業に関する特別措置法」と言い、平成10年に公布され、翌年の平成11年に施行されました。

本来、委託されて債権回収をする行為は、弁護士または弁護士法人しか許されていませんでした。しかし、バブル崩壊後に大量発生した不良債権を速やかに処理するため、弁護士法の特例として、サービサー法が施行され現在に至ります。

債権回収会社(サービサー)として認められるための3要件

債権回収会社として認められるには法務大臣からの許可が必要で、「 資本金が5億円以上であること」「 常務に従事する取締役に1名以上の弁護士がいること」「 暴力団等反社会的組織と関わりがないこと」の3要件を満たす必要があります。

これらの要件の背景には、民間業者へ許可を下す際に、暴力団等反社会的組織の参入を排除し、債権回収過程の適正を確保するという目的があります。

そのため、取締役を務める弁護士の適格性に関しては、法務大臣が日本弁護士連合会の意見も含め判断し、適格な弁護士が社内から業務全般を監督する体制が作られます。また、 暴力団等反社会的組織への関与の有無に関しては、法務大臣が警察庁長官に意見を聞き取り、暴力団員等の排除が徹底されています。

特定金銭債権

「特定金銭債権」とは、サービサー法に規定されている金銭債権で、債権回収会社が取り扱える債権は「特定金銭債権」の一定範囲に限られています。元々、サービサー法は不良債権を速やかに処理することを目的としているため、このように取り扱える債権が限られています。

サービサー法に規定されている特定金銭債権は大きく分けて以下の6つに分類されます。

・銀行等の金融機関・貸金業者が有する(有していた)貸付債権等
・リース・クレジット債権等
・特定目的会社(SPC)が流動化対象資産として有する金銭債権等
・法的倒産手続中の者が有する金銭債権等
・保証会社・金融機関等が有する求償債権等
・その他、政令指定で定める特定金銭債権

債権回収業務が重要な理由

債権回収業務は企業にとって、大きな負担となります。取引先との連絡や交渉はもちろん、社内外との調整に時間と労力を費やす必要があるため、回収金額が少額の場合はついつい後回しにしたり、放置してしまったりしがちです。

しかし、債権には時効があり、そのまま放っておくと消滅してしまいます。たとえ少額であっても、損失額が積み重なれば、経営に支障をきたし、最悪の場合、黒字倒産を起こしかねません。

ここでは、具体的なリスクについて詳しく解説していきます。

滞留債権・不良債権になるリスク

企業間同士の取引の場合、前払いではなく、1~2ヶ月後に支払いをする掛取引(信用取引)が一般的で、売掛金を計上後、入金の確認ができたら消込作業を行います。請求書通りに支払いが完了していれば、問題なく消込作業が行われ、債権がゼロになります。

「請求書名と振込名が異なる」「振込手数料が引かれている」といった、支払いは行われているものの請求書と内容が異なるなどの人為的ミスであれば、大きな問題ではありません。しかし、取引先の都合で支払いが遅れている場合は注意が必要です。

回収の可能性は見込めるものの、期間内に支払いが行われていない債権を「滞留債権」と呼び、滞留債権が生じた場合は回収するため早期に手を打たなくてはなりません。滞留債権を放置してしまうと、取引先の倒産や夜逃げにより、回収困難な「不良債権」へ変わる恐れがあります。滞留債権や不良債権は、回収に資金面はもちろん、社員の時間と労力を割く必要があり、会社に大きなダメージを与えます。

貸倒損失など、経営に大きな打撃を与えるリスク

取引先の倒産などにより、回収がほぼ不可能となった場合、「貸倒」として損害が生じ、今まで費やしてきた時間や利益を失うことになります。

ただし、回収の見込みがない不良債権は、「貸倒損失」として計上することが可能です。不良債権を貸倒損失として計上することで、売掛金の消費税分を控除することができます。しかし、全てが損失として計上できるわけではなく、「法律上の貸倒れ」「事実上の貸倒れ」「形式上の貸倒れ」の3つに限り、損失としての計上が認められています。もし、貸倒損失として計上できるタイミングを逃してしまうと、不良債権として帳簿に残し続けなくてはなりません。

貸倒損失は膨らめば膨らむほど、経営に大きな打撃を与えます。最悪の場合、取引先と一緒に倒産してしまう可能性もあるため、支払いが少しでも遅れた場合は迅速な対応が求められます。

信用の低下リスク

優良な企業ほど、与信管理が徹底しており、経営悪化のサインを見逃しません。債権回収業務をおろそかにしている企業は、自社の業績不振だけではなく、経営が悪化している企業を選択してしまいます。そして、そのような管理体制の甘さは、銀行や株主はもちろん、既存顧客からの信頼も失う可能性があります。

債権回収を円滑に行うための対策


債権回収を円滑に行うためには、普段からさまざまな対策が必要です。滞留債権や不良債権にしないためにも、請求書、与信、債権などの管理業務を徹底させることが、債権回収を円滑に行ううえで最も重要なのです。ここでは、債権回収を滞りなく行うためのポイントをご紹介します。

請求業務をしっかりと行う

まずは、請求業務をしっかり行うことが大切です。請求書は「発行して終わり」ではなく、振込日が近づいてきたら、再度取引先に確認を行う、支払いが遅れている場合は速やかに督促の電話をするなど、回収まで請求業務を徹底的に管理しましょう。

また、請求書の不備や伝達ミスなど、こちら側の不手際にも関わらず、取引先に督促してしまうことが続くと、信頼関係に亀裂が生じる可能性があります。したがって、社内のコミュニケーションや確認体制を徹底し、問題が発生した際には、即座に対応できる体制を作ることが大切です。

未払いとなっている債権を放置しない

未払いの債権を回収するには、労力と時間が必要です。回収に費やす労力や時間に対し、未払い金額が少ないと、ついつい放置してしまいがちです。しかし、いくら売上を上げたとしても、それが回収されなければ意味がありません。少額であっても積もれば、倒産を引き起こす危険性もあります。

また、資金調達を行う際、未払い債権の放置は管理が不十分な会社と悪い印象を与えかねないので、クリーンな印象を与えるためにも、未払い債権は放置しないようにしましょう。

顧客の与信管理を徹底する

「大手企業のグループ会社だから」「知り合いからの紹介だから」といって、調査をおろそかにすることは危険です。特に新規取引先の場合は、どのような企業であっても「ちゃんと支払いができる会社かどうか」の与信管理を徹底しましょう。

取引を始める前に、ホームページや取引先へのヒアリング以外にも、調査会社に依頼するなど、さまざまな方面から情報を取得し判断しましょう。また、新規顧客であれば与信限度額を設けるなどし、仮に損失を出したとしても一定額で抑えられるような対策をすることも有効です。

さらに、与信管理のチェックリストを作成し、役職に付く権限者が常に確認・承認できる状態にするなど、社内で与信管理のルールを徹底し、継続的に情報を収集することも効果的です。

与信・請求・債権回収業務なら「請求まるなげロボ」がおすすめ

与信や請求管理の重要性は理解してはいるものの、多忙なスケジュールの合間を縫って、与信管理や請求管理を徹底することは、そう簡単にできることではありません。

請求や債権管理に関して課題を感じている企業は、「請求まるなげロボ」の導入をご検討ください。請求まるなげロボは、株式会社ROBOTPAYMENTが提供するサービスで、与信審査、請求書の発行送付集金入金消込督促など、毎月の請求業務を全て代行いたします。さらに当社の審査を通過した取引先の売掛金回収は100%を保証しているため、滞留債権や不良債権になるリスクがありません。

「月末月初は請求書業務で、他の業務ができない」「テレワークで出社できなくても、安心できる体制を作りたい」といった社員の悩みも当社の請求まるなげロボで解決することができます。請求業務は請求データをアップロードするだけなので、毎月数分で作業が終わり、紙業務から開放されることで場所を選ばない働き方を選択することが可能です。

また、債権回収まで一連の作業を一括管理・可視化でき、請求業務を社員全員でチェックできるので、営業と経理のコミュニケーションコストの削減と、経理ミスをなくすことができます。

いくら経営者や経理担当が優秀で、与信管理を徹底していても、感染症の拡大や震災など予測不可能な緊急事態により、取引先が倒産してしまう可能性は常にあります。毎月の請求業務からの脱却はもちろん、業務の継続や債権回収のリスクヘッジの観点からも、請求まるなげロボでリスクを最小限に留め、請求業務の安定と効率化を図ることをぜひご検討ください。

まとめ

もし、債権回収でトラブルが発生し、自社だけで解決できない場合は、「法律事務所」や「債権回収会社(サービサー)」など専門の業者に頼むことも1つの手です。しかし、大切なことは毎月の売掛金回収を遅れることなく行うことです。

債権回収トラブルを未然に防ぐための正確な請求業務や徹底した与信管理、債権回収を実現したい方は、「請求まるなげロボ」にお任せください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。