特定商取引法に基づく表記とは?ネットショップ開業時の注意点を紹介します!

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イニシャルコストを大幅に抑えて開業することが出来るネットショップですが、ネットショップを開業するときには注意しなければならない点があり、場合によっては罰則を受ける可能性もある重要なものです。この記事では、ネットショップの開業時に注意しなければならない点や成功するためのポイントについて紹介していきます。

特定商取引法に基づく表記とは?

ネットショップを開業する上で必ず行わなければならないのが特定商取引法に基づく表記です。特定商取引法とは、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引、訪問購入の7種類が対象で、消費者トラブルが生じやすいこれらの取引においてトラブルを防止し、消費者の利益を守るための法律です。ちなみに、ネットショップは7つの取引方法の中で、通信販売に当てはまります。

ネットショップ運営者は自分の通販サイトに「特定商取引法に基づく表記」というページを用意しなければなりません。特定商取引法に基づく表記には、事業者名、所在地、連絡先、商品等の販売価格、送料などの商品代金以外の付帯費用、代金の支払時期、代金の支払方法、商品等の引き渡し時期、返品の可否などを記入する必要があります。この特定商取引法に基づく表記があることによって、利用者はこのネットショップは安全なのかという判断材料とするので安心材料を提供することにもなります。

ネットショップ開業時の注意点

ネットショップを開業する際に特定商取引法に基づく表記が必要であることは紹介しましたが、注意しなければならないのはそれだけではありません。その他のネットショップ開業時の注意点を紹介します。

<開業届の提出>
ネットショップは元手も少なくて済むことから個人で開業する人も多いです。初めて個人事業主になる場合には、開業届を出す必要があります。厳密に言えば開業届は出さなくても罰則などがあるわけではありませんが、年間の所得が20万円を超過する場合や確定申告で青色申告をしたいという場合には開業届を税務署に提出しなければなりません。青色申告は最大65万円控除を受けることが出来たり、純損失の繰越し控除、家族への給料が全額経費になる青色専従者給与などといった控除が白色申告よりも多くあり節税効果が高いです。
青色申告は白色申告よりも難しいと思っている人も多いですが、平成26年から白色申告も帳簿付けが義務付けられたり書類作成労力に大差なくなってきています。会計ソフトなどを使えば簡単に作成することが出来るので、開業届を提出して青色申告できるようにしましょう。

<許可や注意が必要な商品>
ネットショップでは様々な商品の販売が可能ですが、扱う商品によっては許可を得る必要があります。許可が必要な商品は、中古品、食料品、酒類なので、自分が扱う商品がこれらに当てはまるかどうか確認しておきましょう。中古品を扱う場合に必要な許可は「古物商許可」で、所轄の警察署でネットショップのURLを登録するなど申請を行わなければなりません。食料品の場合、加工品など一部許可が不要なケースもあります。しかし、調理済みのものや肉、乳製品などを販売する場合には、保健所の「食品衛生法に基づく営業許可」が必要です。許可が必要かどうかは、営業の種類や規模によっても異なるので保健所に相談した方が確実です。
酒類を取り扱う場合には「通販販売酒類小売業免許」というものが必要です。この免許で販売できるのは品目ごとの課税移出数量が3000リットル未満の規模の小さいものや輸入酒に限られるので注意しましょう。

<輸入品の扱い方>
輸入した商品を販売するという場合には、国内の商品よりもハードルが高くなるので注意が必要です。食料品の場合、「食品等輸入届出」というものが必要ですし、検疫所の商品審査に合格しないと仕入れができず、検疫に通らないと返送や廃棄処分となってしまいます。動植物を扱う場合も注意が必要で、日本はワシントン条約を締結しているため輸入が可能なものが限られ、場合によっては毛皮などでも輸入ができないこともあります。また、輸入品は検疫手続きも必要です。

<販売の際の注意>
販売時にも規制がありますので注意が必要です。食品を扱う場合であれば、名称や原材料、アレルゲンなど食品表示法で定められた記載項目を表記しなければなりません。衣類の場合は、家庭用品品質表示法に基づき繊維の組成の混合率を書く必要があります。その他にも、電気用品の場合は電気用品安全法、消費生活用製品であれば消費生活用製品安全法など、商品によって様々な規制があるので、扱う商品に合わせてよく確認しておきましょう。

<その他>
ネットショップでは商品説明などが売り上げを伸ばすためには重要となりますが、商品の説明や著作権には気をつけなければなりません。過大に商品を説明することや限定ではないものを限定品扱いすることはしてはいけませんし、嘘や誤解を生む表記は法律に違反するため、場合によっては行政指導などを受けることになるかもしれません。また、ネット上にある画像などを使いたいこともあるかもしれませんが、誰かの権利物であるため使わないようにしましょう。ただし、フリー素材の場合は基本的に著作権がないので使用は可能です。しかし、フリー素材ではあっても商用利用不可や加工禁止など条件がついている場合もあるので、フリー素材の配布元をよく確認しておきましょう。

ネットショップ開業を成功させるには

ネットショップ開業を成功させるために外してはいけないポイントを2つ紹介します。

<離脱させないようにする>
ネットショップを成功させるためには、訪れた人を離脱させないということが大切になります。離脱されてしまう理由はいくつかありますが、代表的なのが「使いにくい」ということです。ネットショッピングで購入することを「ポチる」などとも言いますが、このポチるという言葉にも代表されるようにネットショッピングは手軽にクリックすることで購入できるのが魅力です。しかし、カートボタンなどの重要な項目のボタンやフォントが見てくれる人にわかりにくいと離脱されてしまいます。ボタンやフォントをわかりやすく大きくして、離脱されにくいサイトにしましょう。また、手軽さが魅力のネットショッピングのハードルを高くさせるのが入力項目の多さです。出来るだけ入力項目を減らせるように、ポータルサイトなど既存のアカウント情報を活用できるようにするのも効果的です。

<SEOを意識する>
ネットショップのようにインターネットを使用するビジネスにおいて、SEO(サーチエンジン最適化)を意識するということが必要不可欠です。SEOは検索エンジンで上位表示させるために行うというイメージを持っている人も多いかもしれません。もちろん、上位表示もSEOの重要な役割ですが、かつての被リンクをとにかく集めればいいというようなSEOは現在では通用せず、利用者の気持ちになって利用者にとってわかりやすく有益なサイトを運営することが大切です。実際、SEOのキーワードをタイトルに設定しているショップは未設定ショップより売り上げが高いという結果も出ており、いかにお客さんがアクセスしたくなるサイトを作れるかがポイントになります。SEOは対策を打ってから効果が出るまでに時間がかかるものですが、出来るだけ早く上位表示をさせたいという場合にはXMLサイトマップを設定するのが有効です。

ネットショップの開業を成功させよう

ネットショップを開業する際の注意点などを紹介してきましたが理解することは出来たでしょうか。ネットショップの開業を成功させるためには、まずは法に触れないように運営するということが第一です。また、直接接客するわけではないからこそ、アクセスしてくれるお客さんの気持ちになって商品を売るということが成功するためには重要になります。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。