内税とは?外税との違いと計算方法 請求書での書き方・インボイス対応もあわせて解説

代金を請求する際に、商品の値札の総額が税込みの場合は「内税」、税抜きで消費税を別表記しているものを「外税」といいます。
かつては特例措置により内税・外税表示が混在していた時期もありましたが、2021年4月以降は消費者向けの価格表示は税込(内税)による総額表示が義務となっています。
なお、見積書・請求書・契約書などの事業者間書類については、「内税」と「外税」のどちらを使うかは取引の運用によって異なります。
このコラムでは、内税と外税の違い・計算方法・税務上の取り扱い・インボイス制度との関係についてご紹介します。
内税とは?外税との違い

内税とは消費税を含む価格で、外税は消費税を含まない価格を指します。しかし、内税・外税の違いを明確に理解していない方も少なくないでしょう。ここでは、内税と外税の違いやそれぞれの計算方法についてご紹介します。
内税と外税の比較表(一覧表)
内税と外税は「消費税を価格に含めて表示するか、含めずに表示するか」という表示方法の違いです。まずは両者の違いを一覧表で確認しましょう。
| 比較項目 | 内税(税込表示) | 外税(税別・税抜表示) |
|---|---|---|
| 意味 | 消費税額を含めた価格表示 | 消費税額を含めない本体価格の表示 |
| 表示例(本体価格1,000円・税率10%) | 1,100円 | 1,000円(+税) |
| 支払総額 | 本体価格・税率が同じなら差はなし | 同上 |
| 消費者向け価格表示(BtoC) | 原則こちらが義務 | 単独表示は不可(誤認されない併記のみ一部許容) |
| 事業者間の見積書・請求書・契約書(BtoB) | 選択可 | 選択可(取引先の慣習に合わせるのが一般的) |
| インボイスでの扱い | 税率ごとの消費税額等を明示すれば要件を満たす | 同左 |
このように、内税・外税は「見え方」の違いであり、支払額や納税額そのものを変えるものではありません。
内税と外税の違いとは
内税と外税の違いは、商品やサービスの価額に消費税が含まれて表示されているか否かの違いをいいます。同じ商品を販売するにあたり、消費税が「含まれた金額」か「本体部分」だけの金額かで、消費者は高いような安いような錯覚をしてしまいます。この経緯から消費税が3%から5%にあがったときに、消費者が商品の価格比較が容易になるよう総額表示の義務付けが行われました。
かつて(2014年〜2021年3月)は、消費税の転嫁負担軽減を目的とした消費税転嫁対策特別措置法によって外税表示も認められており、消費者向けの店舗でも内税・外税表示が混在していました。
しかし、この特例措置は2021年3月31日に終了しており、現在(2026年)は消費者向けの価格表示はすべて税込(内税)による総額表示が義務となっています。
例えば現在のスーパーや飲食店では「¥110(税込)」のように税込価格がそのまま支払金額であり、レジで消費税が別途加算されることはありません。
なお、事業者間の見積書・請求書・契約書などでは引き続き外税(税別)表示が使用可能です(詳細は後述)。
内税・外税、支払い総額は同じ
内税(税込)と外税(税別)は、本体価格と消費税率が同じであれば最終的な支払い総額は変わりません。ただし、受け取り方は異なります。
【消費者目線】
・外税(税別)表示:表示価格が低く見えるため「安い」と感じやすい反面、実際の支払額はレジで確認するまで正確には分からず、予算管理がしにくい側面があります。
・内税(税込)表示:表示価格がそのまま支払金額のため、複数商品の合計が把握しやすく、比較購買に便利です。
【事業者目線】
事業者間取引では内税・外税どちらを選んでも消費税の申告・納税額は変わりません。
見積書・請求書での表示形式は取引先の慣習に合わせて選択するのが一般的です。
なお、2021年4月以降は消費者向け(BtoC)の価格表示では内税(税込)表示が義務であるため、BtoCビジネスでは選択の余地はありません。
レシートでの「外税対象額」「内税」の見方
日常のお買い物のレシートにも、内税・外税に関連する表示が記載されることがあります。
・外税対象額(または「10%対象」「8%対象」):消費税が課税される商品の合計金額(税抜)のことです。税率別に区分されて表示されることが多く、「10%対象 ¥1,000」「8%対象 ¥500」のように記載されます。
・外税(または「消費税」):外税対象額に課される消費税の金額です。「外税 ¥100」は外税対象額¥1,000に対する10%分にあたります。
・内税(または「うち消費税」):税込価格に含まれる消費税額の内訳です。「うち消費税10% ¥100」のように記載されることがあります。
2021年4月以降は店舗での価格表示は税込(内税)が義務ですが、レシート上で税の内訳を外税対象額・外税という形式で表示すること自体は事業者の任意であり、法令上問題ありません。
内税・外税の計算方法(税込・税抜の早見表つき)
内税と外税は表示方法が異なるだけで、根本にある消費税額の考え方は共通しています。ここでは、内税・外税それぞれの計算方法と、実務で使える早見表をあわせてご紹介します。
内税の計算方法
内税の計算は、2つの税率を区分する必要があります。そのため、請求書の作成時には、品目ごとに適用すべき消費税率を判断して、適切な消費税額を算出し税込金額を計算しなければなりません。税込価格を計算する場合、「税抜価格に課される消費税額」と「税込価格に含まれる消費税額」で計算式が異なります。税抜価格に課される消費税額を算出する場合は、「消費税額=税抜価格×消費税率」で導き出せます。
一方で、税込価格に含まれる消費税額の算出は、「消費税額=税込価格÷(1+消費税率)×消費税率」で導き出せますが、円未満の端数が生じる場合は切り捨てや切り上げ、四捨五入といった方法を取りましょう。消費税の端数処理については、法律上明確な規定が定められていないため事業者側が設定できます。また、前者の計算式を応用して税抜価格から税込価格を直接計算することも可能です。
外税の計算方法
内税の計算方法ご紹介した税込価格に含まれる消費税額の計算式を活用することで、税込価格から外税として税抜価格を算出できます。計算式は「税抜価格=税込価格÷(1+消費税率)」から導き出せます。内税と同様、端数処理に関しては四捨五入等を行いましょう。
内税・外税の早見表(税込⇔税抜 金額早見表)
請求書作成の実務では、税抜価格から税込価格を、あるいは税込価格から税抜価格・消費税額を素早く確認したい場面が多くあります。標準税率10%・軽減税率8%それぞれの早見表を用意しました。
標準税率10%の場合
| 税抜価格 | 消費税額(10%) | 税込価格 |
|---|---|---|
| 1,000円 | 100円 | 1,100円 |
| 5,000円 | 500円 | 5,500円 |
| 10,000円 | 1,000円 | 11,000円 |
| 100,000円 | 10,000円 | 110,000円 |
軽減税率8%の場合(飲食料品の譲渡・定期購読の新聞など)
| 税抜価格 | 消費税額(8%) | 税込価格 |
|---|---|---|
| 1,000円 | 80円 | 1,080円 |
| 5,000円 | 400円 | 5,400円 |
| 10,000円 | 800円 | 10,800円 |
| 100,000円 | 8,000円 | 108,000円 |
税込価格から消費税額を逆算する場合は「消費税額=税込価格÷(1+税率)×税率」を使います。円未満端数の処理(切り捨て・切り上げ・四捨五入)は法律上明確な定めがないため、自社ルールとして統一しておくと請求書作成時の混乱を防げます。請求管理ロボのような請求書発行システムを使えば、税率・端数処理ルールをあらかじめ設定し、内税・外税の計算や税込総額の算出を自動化できます。
税込価格の表示(総額表示)の義務について

2021年4月より、商品・サービスを提供する事業者は値札やチラシなどにあらかじめ消費税額を含めた価格(総額表示)の表示が義務化されました。実店舗やネットショップなど販売方法問わず該当する事業者は総額表示を実施しなければなりません。
そのため、これまで外税表示だった事業者は値札などの価格表示を変更する必要があります。ここでは、総額表示義務の概要から必要性、該当するもの、外税表示が認められるケースについてご紹介します。
総額表示義務の概要
事業者が消費者に対し、事前に消費税額を含めた価格表示をすることの義務です。これまでは、同一の商品を税抜価格で販売する事業者と税込価格で販売する事業者が混在していいたため、消費者側が実際の価格を判断するのに苦労する側面がありました。そのため、最初から税込価格で表示を統一すれば、消費者に混乱を与えることなく購入できることを配慮して実施されています。総額表示義務は、税込価格での表示を義務付けているものであるため、税込価格である旨の表示はいりません。
注意点としては、消費者がすぐに認識できる位置に価格を表示することと、消費者を誤解させるような表示に関しては景品表示法に違反する可能性があるので注意してください。また、割引商品関しては総額表示の対象になりませんが、値引前と値引後の価格を提示する場合は総額表示の対象になります。
総額表示義務はなぜ必要なのか
本来、総額表示は2004年の4月から義務化されていますがなぜ今頃になって注目されるようになったのでしょうか。総額表示義務は、2013年10月から2021年3月末まで特例措置が取られていました。その理由は、2014年4月・2019年10月と短期間の間で2度も消費税が引き上げられ、事業側が値札の張替など事務負担が増大するのを懸念したことによる配慮だと言われています。
消費税転嫁対策特別措置法では、税込価格と誤解されない表示であれば税抜価格での表示が認められています。しかし、特例措置が失効した2021年4月からは消費税法の規定に基づき、税込価格表示への対応が必要となりました。総額表示義務の必要性としては、先程もご紹介した通り消費者の利便性を高めるためです。消費者に周知される商品やサービスの価格表示が統一化されることで、ひと目で商品・サービスの価格を把握できます。
総額表示義務に該当するもの
総額表示は、チラシや値札・商品カタログなど、不特定かつ大勢の人を対象とするものに対して事前に価格表示しなければなりません。実店舗の場合は値札、配布チラシ、商品パッケージの印字など、ネットショップの場合は販売ページ、ホームページ、Web広告などが該当します。ただし、消費課税事業者の中には、総額表示義務が発生しないケースもあります。
例えば、メニュー表に価格を記載していないお店や口頭で価格をお伝えするなど、販売する商品などに価格を表示させないケースです。あくまで、総額表示は消費者に商品やサービスを販売する際、価格を提示している場合に義務が生じます。そのため、上記のようなケースや見積書や請求書、契約書などの書類は対象外となります。
外税表示が認められるケース
2021年4月以降、消費者向けの価格表示(店舗の値札・ECサイト・広告チラシなど)での外税(税別)表示は消費税法により認められていません。
ただし、以下のケースでは外税(税別)表示が現在(2026年)も認められています。
・事業者間の書類(BtoB):見積書・請求書・注文書・契約書などは総額表示義務の対象外です。インボイス(適格請求書)においても、外税・内税のどちらの形式でも要件を満たします。
・取引先事業者のみを対象とした価格表示:不特定多数の一般消費者が閲覧できない、取引先専用の価格表・カタログなど。
なお、事業者向け請求書で内税(税込)表示を採用する場合でも、インボイス制度の要件として税率ごとの消費税額等の明示が必要です。
詳しい記載例は「請求書で消費税をどう記載する?消費税記載なしの場合は?インボイス制度の兼ね合いも解説」をご参照ください。
税務上の取り扱い

これまで、外税表示と総額(内税)表示が混在し消費者が本来の価格を把握しづらいという懸念点から2021年4月より総額表示の統一が義務化されています。総額表示の義務化によって消費税の処理も変化があります。特に、請求書の消費税処理は適切に実行できないと正しい消費税額が算出できません。ここでは、請求書の消費税処理が異なると税務上に問題があるのか、請求書の書き方についてご紹介します。
取引先によって異なる処理だと税務上の問題はある?
取引先によって、内税と外税の違いがある処理を行うと税務上の問題はあるでしょうか。
内税と外税の違いは、あくまで表示上の問題ですので消費税の申告について問題になることはありません。ただし会計ソフトの入力時には注意が必要です。総額で入力して消費税額を自動計算させる場合が一般的ですので、外税の場合でも消費税設定を変更しないまま本体価格で入力してしまうと総額が変わってしまいます。内税と外税の表記が混在する場合には会計ソフトの消費税設定に注意して入力しましょう。
請求書での内税・外税の書き方とインボイス制度の注意点
請求書における消費税の書き方は、取引先とのやり取りをスムーズにするうえでも、インボイス制度(適格請求書等保存方式)に対応するうえでも重要なポイントです。ここでは、請求書での内税・外税の書き方の基本と、適格請求書として認められるために必要な記載事項を確認していきましょう。
請求書での内税・外税の書き方
請求書における消費税の記載は、各品目については内税(消費税込みの表示)・外税(消費税抜きの表示)のどちらでも法的には問題ありません。
なお、当社の「請求管理ロボ」では、請求書に記載される税区分を「外税」「内税」「非課税」「対象外」の4種類より選択できます。
・外税:単価とは別に消費税が加算されます。
・内税:単価に消費税が含まれ、消費税は加算されません。
・非課税:消費税の課税対象ではあるが、税法上の規定により消費税を課さないとされる取引です。
・対象外:消費税の対象外(不課税)となる取引です。
支払額としては、最終的な請求書の合計金額(請求金額)を税込総額で示すのが一般的です。ただし、表示方法(内税/外税、税抜/税込)は取引の運用に合わせて構いません。
以下で詳しく解説しています。
請求書で消費税をどう記載する?消費税記載なしの場合は?インボイス制度の兼ね合いも解説
適格請求書(インボイス)に必要な記載事項
2023年10月から始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)のもとでは、内税・外税いずれの表示形式を選んだ場合でも、請求書に一定の事項を記載しなければ「適格請求書」として認められません。
主な記載必須事項:
適格請求書発行事業者の氏名または名称、および登録番号
取引年月日
取引内容(軽減税率対象品目はその旨がわかる表記)
税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)、および適用税率
税率ごとに区分した消費税額等
交付を受ける事業者(取引先)の氏名または名称
とくに④・⑤の「税率ごとの区分」は内税・外税どちらの表示形式でも共通して求められる要件です。内税表示の請求書であっても、税率ごとの消費税額を別途明示していなければインボイスの記載要件を満たさない点に注意が必要です。
品目数が多い請求書や軽減税率(8%)と標準税率(10%)が混在する取引では、手作業での税率区分・消費税額の計算はミスが起こりやすい作業です。請求管理ロボでは、税区分を品目ごとに設定するだけで、税率ごとの消費税額の自動計算や適格請求書に必要な記載事項を満たした請求書の発行・保存に対応しています。
税抜経理方式と税込経理方式

法人税等の計算方法には、税抜経理方式と税込経理方式の2つがあります。消費税の納付している課税事業者は、両方の方式を自由に選択できます。しかし、消費税の納税義務が免除されている免税事業者は、税込経理方式しか選択できません。2つの方式はそれぞれ特徴や強み・弱点が異なります。ここでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットについてご紹介します。
税抜経理方式とは
仕入れ時に業者に支払った代金又は商品を販売して受け取った代金を消費税分と本体価格に分けて処理する方法です。仕入れ時の代金に含まれる消費税は仮払消費税、受け取った代金の消費税は仮受消費税として区分され、決算時に双方を相殺させます。相殺させた後に納付しなければならない消費税分は未払消費税として処理しましょう。原則、取引は同一の経理方式を採用しますが、税抜経理方式の場合、固定資産等又は経費のどちらかを税込処理する「混合経理処理方式」が認められています。
税抜経理方式のメリット・デメリット
メリットとしては、取引の都度発生する消費税を仮払消費税、仮受消費税として仕入れ額・売上額とは別に計上するため、期中でも損益が正確に把握できます。また、当期純利益と売上高を割って算出される売上高利益率は、税込経理方式よりも高くなります。売上高利益率が高いと、効率的な経営が実現できている証拠であり、財務指標も良くなるでしょう。さらに、法人税の減価償却に関する特例判定でも有利になります。
一方デメリットは、消費税額と本体価格を区分しなければならないため経理処理に手間がかかることです。会計ソフトを導入していればさほど問題ではないでしょうが、導入が難しい中小企業にとっては大きな負担となるでしょう。他にも、取引ごとに1円未満の端数処理を行うため取引回数が増えるたびに仕入税額控除額も減っていく可能性があります。
税込経理方式とは
仕入れ時に支払った代金と、商品を販売した際に受け取った代金の消費税分を本体価格に合算して処理する方法です。消費税の納税義務が免除されている免税事業者は必ずこの方式を活用しなければなりません。決算時の段階で、未払いの消費税分を租税公課として処理します。また、課税売上に係る消費税額は売上金額に、課税仕入れに係る消費税額は仕入れ金額にそれぞれ計上させます。
税込経理方式のメリット・デメリット
メリットは、消費税額と本体価格を合算して処理できるので仕訳が簡単に済みます。会計ソフトを導入していない事業者にとっては利便性が期待できるでしょう。また、免税事業者は設立から3期以降で課税事業者となった場合でも形式を統一していれば、前期との比較がしやすくなります。課税売上が5,000万円以下の事業者は簡易課税制度が受けられますが、消費税額の計算方法が通常と異なるためまとめて処理できる形式がおすすめです。さらに、機器等を購入した際に適用される特別償却や特別税額控除の額も大きくなるため節税対策に効果があります。
一方デメリットは、期末に確定した消費税額を損益に反映させて最終利益を確定させるため、期中の損益ができません。他にも、10万円未満のものを購入した際に消耗品として一括計上できる減価償却の判定時に税込価格で判定されるため本体価格が10万円未満でも消費税額を上乗せして超えた場合に経費として処理できないデメリットがあります。交際費に関しても同様で、年間800万円以下の交際費は損金として計上できますが、800万円を超えた部分は課税対象に該当してしまいます。
適格請求書の発行・保存は「請求管理ロボ」にお任せ!
インボイス制度に伴う様式変更では、税込・税抜(内税・外税)の表示や記載項目に不備が生じやすくなります。制度が求める項目を漏れなく満たすことが欠かせません。
請求管理システム・債権管理システムの請求管理ロボは、自社の登録番号を登録し、登録番号・税率ごとの消費税額及び適用税率を記載した適格請求書を発行できます。制度が求める記載項目を満たした請求書を作成できます。
また、商品ごとに標準税率(10%)と軽減税率(8%)を設定でき、1枚の請求書に併記することが可能です。
請求管理ロボはこれまでに1,000社以上の企業に導入され、月間10万件以上の請求に対応しています。適格請求書への対応にお悩みの事業者様は、資料請求をご利用ください。
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