債権譲渡型の請求代行とは?利用するメリット・デメリットや選び方のポイントも解説

請求代行

Facebook にシェア
Pocket


企業間で取引を行った際、商材を提供した側は商材を購入した側に対して対価の支払いを求めるために請求書を発行するのが通常の取引形態です。そして、請求書は取引の実態を示す証憑書類として、ルールに沿って処理されなければなりません。

請求業務は、契約に基づいて請求金額を確定し、代金の支払いを受け、未入金があった場合は督促を行って回収するという多くのリソースを要する業務です。このような社内リソースの逼迫を避けるために、請求代行を利用する方法があります。本記事では、請求業務の基礎知識、請求代行の概要、請求代行を利用するメリット・デメリットなどについて解説します。

請求業務の基礎知識


ここでは請求業務の基礎知識として、請求業務の定義と誰が行う仕事かについて解説します。

請求業務とは

請求業務とは、商品やサービスを提供した側がその受益者に対して支払いを求める一連のプロセスを指すものです。企業間取引では取引の都度請求書を発行して決済するのではなく、期間を決めて取引をまとめて後で請求・支払いを行う掛け取引が一般的です。

取引先とあらかじめ協議して決めた締め日に請求金額を確定し、その金額を記した請求書を作成・発行し、取引先に送付します。支払期日になったら入金の有無を確認し、未入金案件については別途督促を行って回収するという追加作業が必要です。入金が確認されたら請求金額と入金金額に相違がないかを1つずつ確認して消し込みを行います。

また、請求書は紙にプリントアウトして郵送するか、もしくはPDFファイルでメール送信するか、与信管理の結果を反映して取引限度額を設定するのかなども決めねばなりません。このように、請求業務は決めるべきことや処理すべきことが多岐にわたり、取引先件数が増えれば煩雑になりやすい業務です。

誰が行う仕事か

請求業務は商品やサービスの代金を確実に回収するために行うものであり、大変重要な仕事です。一般的には経理担当者が行っていることが大半ですが、稀に営業担当者など経理以外の担当者が行うケースもあります。会社の規模が一定以上に大きければ経理部門、営業部門、財務部門などと担当エリアを区分けして分業し、請求業務を一括して経理部門で引き受ける体制にするのが主流でしょう。しかし、会社の規模が小さく1人で様々な業務を兼任している場合はこの限りではありません。

会社が利益を上げる源泉となる商品やサービスの販売には、見積書、発注書、請求書といった様々な書類の準備が必要です。そして、販売した商品やサービスが無事顧客のもとに届くように必要な手配を関係者に行き渡らせ、代金を遅滞なく受け取れるよう段取りをしなければなりません。誰が請求業務を行うにせよ、このような作業やプロセスに対して責任感を持って行える人が業務にあたる必要があります。

債権譲渡型の請求代行とは


債権譲渡型請求代行サービスとは、代行サービスを提供する企業が売り手企業から債権を買い取り、売り手企業の取引先に対して請求業務から代金回収、督促まで行うサービスです。債権を譲渡するという点で、アウトソーシング型の請求代行とは異なります。債権を譲渡した請求の入金はすべて保証され、業務の手間と未入金リスクをなくせます。

先にも述べたように、請求代行を利用することで社内リソースの平準化が可能です。ここからは請求代行してくれるサービスの内容は何かについて解説します。

どのようなサービスか

請求代行サービスとは、請求書の発行・封入・発送、代金回収、与信審査といった請求にまつわる煩わしい業務を任せることのできるサービスのことです。提供する会社によって任せられる業務範囲は異なりますが、何かと工数のかかる入金確認や、精神的負担の大きい督促業務も代わりに引き受けてもらえるのも請求代行サービスの特徴です。

欧米諸国では請求業務をアウトソーシングするのが一般的であり、日本でも近年ニーズが高まっているサービスです。請求業務は負担が大きいもののリスクを完全に排除することはできず、コストをかけてもそれに見合う成果が得られないという考え方から、幅広い業界で導入されつつあります。請求代行サービスの利用は請求業務の負担を軽減できる手法として、特に掛け取引を行う企業から強く支持されています。

代行してくれるサービスの内容

代行してくれるサービスの内容はサービス提供会社によって異なりますが、主に与信審査、請求書発行、入金管理、督促などを代行してくれるケースが多いようです。与信審査に関しては、取引先が十分な返済能力を持っているかの審査、反社チェック、限度額の見直しなどです。

請求書発行に関しては、依頼元からの請求データを基に請求書を作成し、郵便で送るかPDFファイル形式に変換してメールで送るかのサービスを行ってもらえます。入金管理に関しては、指定通りの決済方法で取引先が期日までに入金をしたか、入金額は請求額と相違ないかを確認することです。サービス提供会社によっては銀行振込、口座振替、クレジットカード決済などの複数の決済方法に対応しているところもあります。督促に関しては、経理担当者にとって気の重い督促をサービス提供会社が成り代わって取引先へ連絡してくれるものです。

債権譲渡型の請求代行を利用するメリット・デメリット


請求代行にはメリットとデメリットがあります。ここではそれぞれについて解説します。

メリット

ここではメリットとして3点挙げます。
1つ目は、業務が効率化できることです。前述したように請求代行サービスでは請求書発行のような事務的な仕事だけでなく、負担の大きい督促業務や与信審査なども引き受けてくれるため、請求業務にまつわる手間を大きく削減できます。煩雑な業務を委託できれば、生産性の向上も期待できるでしょう。

2つ目は、未回収リスクを低減できることです。代金の未回収は、取引の中でも担当者の頭を悩ませる大きな問題です。請求代行サービスを利用すれば、支払いが遅延している取引に対して代金回収に向けた一連の作業を代行してもらえます。中には貸し倒れや焦げ付きで代金回収が不可能になった場合に、未回収代金を全額保証するところもあります。キャッシュフローの安定にもつながります。

3つ目は、新規取引先の開拓につながることです。事業を拡大していくためには新規開拓が欠かせません。請求代行サービスに業務委託して捻出できた時間をよりコアな業務に集中させれば、スタッフは利益創出のための業務に注力できます。

デメリット

ここではデメリットとして2点挙げます。
1つ目は、ノウハウの蓄積ができないことです。請求にまつわる業務を代行してもらえるのは確かに手間暇の削減にはなりますが、自分自身の手を煩わせることがなくなるためにノウハウを身に付ける機会がなくなることも意味します。

2つ目は、導入によって業務手順の変更が必要なことです。新しい業務手順を導入するにはその旨を社内に周知徹底しなければなりませんが、新しいルールを定着させるためにはそれなりの手間も必要です。業務手順について社内スタッフの間に認識のズレがあれば、かえって手間取ってしまうこともあるでしょう。

請求代行サービスを選ぶ際のポイント


ここでは、請求代行サービスを選ぶ際に押さえておくべきポイントについて解説します。

与信審査のタイミング

請求代行サービス会社によって、与信審査のタイミングは異なります。大別すると、顧客と取引を行う前に審査をするケースと、顧客との取引開始前ではなく注文を受けるごとに都度審査をするケースの2種類があります。
取引前に審査をするのは、取引を継続的に行う顧客の場合に向いているでしょう。このケースでは、1度審査をすればその後の審査は不要になります。取引ごとに審査をするのは、単発的な取引を行う顧客の場合に向いています。この場合、与信審査のタイミングが自社の取引形態とマッチしている請求代行サービスを選ぶといいでしょう。

また、与信の上限額(取引の限度額)が、請求代行サービス会社によって異なる点には注意が必要です。1社あたりの限度額が100万円のところもあれば1,000万円のところもあり、限度額が自社の取引規模に合ったものでないと業務が滞る可能性もあります。

様々な業界に対応しているか

請求代行サービス会社によっては、対応できる業界や業種が限られている場合もあるため、自社のビジネスモデルに対応しているかを確認することが必要です。例えばサブスクリプションビジネスのような継続課金ビジネスは近年大きく成長していますが、このような新しいタイプのビジネスモデルに対応できるかどうかも注意すべき点です。この重要性はこれから事業を多角化して拡大していこうと考えている企業や、新しいマーケットを創出しようとしているスタートアップベンチャーなどでは特に強いものとなるでしょう。

請求代行サービス会社の導入実績数も大切ですが、サービスを提供したことのある業界や業態が幅広ければ安心して任せられるかの判断材料になります。導入実績数と幅広さが十分あれば培ってきたノウハウが多いと思われ、様々な業界や業態に対応できるポテンシャルが高いと言えるでしょう。

請求書の発行以外にも対応しているか

サービスの内容によっては、請求書の発行・発送だけに特化したもの、その後の入金管理、督促、代金回収、入金消し込みを代行してくれるものまで対応している範囲が変わってきます。請求書の発行・発送のみだけの対応でも月に何百通にも及ぶのであれば、印刷や発送の手間が大きく削減され、入金消し込みまで対応可能であれば社内の負荷はほとんどなくなるでしょう。

ここまで踏み込んで請求代行サービスを利用すれば、社内の抜本的な改革に着手できるかもしれません。例えば今まで5人で請求業務をこなしていたところを2人で対応できるようになれば、3人を規格開発や営業部門に配置するなど、社内リソースの適切な再配分が可能です。請求業務と一言で言っても広範囲に及ぶ業務であるため、どの部分をどこまで依頼したいのかを明確にしてから請求代行サービスを選定するといいでしょう。

自社のシステムとの連携が可能か

請求代行サービスは販売管理システム、SFA(営業支援)システム、会計ソフトなどの自社のシステムと連携することにより、受注から会計処理に至るまでの多くの作業を自動化することが可能です。したがって、自社の既存システムと連携可能かどうかは必ず確認しましょう。

システム間で連携させるには、請求データを既存システムからCSVファイルにエクスポートして請求代行サービスのシステムにインポートする方法と、APIで直接連携させる方法があります。APIとは、プログラム同士をつなぐインターフェースのことです。請求書の発行が月末や月初にまとめて一度行うだけならCSVファイル経由で十分ですが、月に何度にも及ぶ場合はAPI連携が適しています。

料金体系は適切か

請求代行サービスの料金体系は、初期費用、月額費用、取引ごとの事務手数料、オプション料金の4つの項目に分けることができます。毎月の月額費用と事務手数料の合算がかかるものと、初期費用支払い後は月額費用がかからず、事務手数料のみで利用できるものもあります。
事務手数料は「取引一回につき〇円」のように固定料金制のものと、「取引額の〇%」と従量課金制のものがあるため、詳細は必ず確認しましょう。一般的には取り扱う商材の品目や販売方法、取引金額などでどちらの料金体系になるかが異なります。

オプションについては、最初はオプションなしで利用してみて、必要となったら導入するのがおすすめです。いずれのケースでもトータルにかかる料金の見極めるために、複数の請求代行サービス会社から相見積もりを取りましょう。

ROBOT PAYMENTの請求まるなげロボに請求業務をすべて任せよう!

人材不足のために業務を兼任していて請求業務が滞りがち、部門内だけで請求業務が完結できず小回りの利いた動きができない、といった理由でお悩みの方は多いのではないでしょうか。そんな時はROBOT PAYMENTの請求まるなげロボにお任せください。請求まるなげロボは、与信審査、請求書発行、代金回収、入金管理、督促までをすべてお任せいただけるクラウドサービスです。経理担当の方が行うのは、請求データをアップロードするだけです。これによって経理担当の方が請求業務に費やしていた時間を最大で80時間削減することが可能で、よりコアな業務に集中できます。

また、弊社審査で適格債権と判断された債権に関しては、入金遅延や貸し倒れがあった場合でも100%債権を保証します。未入金に対応する工数をかけたり、いつ入金されるのかと気を揉んだりする必要もありません。クラウドシステムの利点を活かし、インターネットにつながったパソコンからログインするだけで、いつでも請求・集金状況をリアルタイムで把握することが可能です。
このように、請求まるなげロボは請求業務におけるリスクと負担をゼロにする請求代行サービスです。

まとめ

提供した商品やサービスの代金を取引相手に支払ってもらうためには請求書のやり取りが不可欠であり、無事入金されるまでの請求業務は会社の資金繰りを健全に保つための重要な業務です。しかしながら、請求業務は何かと手間暇がかかるうえに未回収のリスクも持っており、一筋縄ではいきません。そのため、経理部門のスタッフは負担の重さにプレッシャーを感じていることも多いのではないでしょうか。

そのような課題を克服するには、本記事で解説したように請求代行サービスを利用するのが得策です。これによって請求にまつわる諸々の煩わしい業務から解放され、代金回収の確度も上がります。そして、請求代行サービスなら、ぜひROBOT PAYMENTの請求まるなげロボの導入をご検討ください。請求まるなげロボは、毎月1回の僅かな作業だけで確実な代金回収をお約束します。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。