売掛金回収は迅速に!回収が遅れた場合の対処法なども解説

請求業務

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売掛金は取引によって発生した資産や負債、それに費用や収益などの勘定科目の中でも会社の利益に直結する重要なものです。事業を拡大して売上を増やすことは会社の成長のためには良いことですが、その結果として売掛金が増え過ぎるとさまざまな問題が生じます。この記事では売掛金回収の仕訳方法、売掛金の未回収が発生した場合に行うこと、売掛金が回収できなかった場合の対応方法などについて解説します。

※目次※
1,売掛金の回収は迅速に!
2.売掛金回収が遅れた場合の対処
3.売掛金の未回収リスクを防ぐ方法
4.売掛金回収はファクタリングの活用も有効
5.請求管理ロボで自社の督促業務を自動化させよう!
6.まとめ

売掛金の回収は迅速に!


取引を行って代金を受領する権利や債権が発生したら、迅速に売掛金を回収することが大切です。ここでは、売掛金の回収を行うべき理由の1つである時効について解説します。

売掛金には時効がある

売掛金を回収できないまま一定の年数が経つと時効が成立します。これを消滅時効と言い、2017年以前の旧民法では職業別に短期の消滅時効が1年から5年の間に細かく定められていましたが、2017年に改正された新民法では統一されました。
原則として、金銭を支払う義務を負った債務者が権利を行使できると知った時から5年、何らかの事情で権利を行使できることを知らなかった場合は権利の行使が可能になった時から10年です。
このどちらかのうち早く到達したほうをもって時効が成立し、売掛金を請求する権利が消滅することになります。

時効は更新ができる

時効の利益を受ける債務者が、時効が成立するまでに金銭を受け取る権利を持った債権者に対してその権利が存在していることを承認することで、時効を更新することが可能です。債権者は定期的に債務者の承認を取り付けられれば、消滅時効が成立するのを防ぐことができます。

民法では、承認することによって権利が存在することを明確にすることから、「時効の更新事由」として認められています。この場合、承認がなされた時を起点として新たに時効が進行します。

また、債務者が承認をすることによって、債権者は債務者の意思表示を信用し、権利を保全するために何らかの特別な措置を講じることはないのが通例です。ただし口約束では証拠が残らないため、書面で合意を取っておきましょう。

売掛金回収が遅れた場合の対処


売掛金の未回収が発生したら、協議を行うか支払い請求を行います。以下にそれぞれについて解説します。

協議を行う旨の合意

支払期日までに代金が支払わない場合にまず行うべきことは、取引先と支払いについて話し合い、いつなら支払えるかを近い将来協議するとの約束を取り付けることです。協議を行うとの合意が得られれば、新民法の規定に従ってその時から時効の完成、すなわち当事者の権利消滅もしくは義務の免除が1年間猶予されます。このように協議の合意を取り交わすことで時効完成が猶予され、時効成立までの時間の経過を一時的に止めることができるのです。

この合意に基づいて取引先(債務者)と協議を行いますが、最初から強い態度で交渉に臨むとその後の取引の継続に支障をきたす恐れがあります。一方で、交渉をあまりのんびりと行う猶予はありません。支払いが遅れているということは、自社以外の他の会社に対しても支払いが遅れている可能性があります。他の会社も債権者として交渉していることが考えられることから、それよりも先に手を打つことが大切です。

支払い請求

もし相手方が協議に協力的ではない場合、そのままにしておくと時効を迎えてしまいます。そのような時効の完成を防ぐ方法として支払い請求があります。これは裁判以外の請求で、法律用語では催告といいます。債務者が債務を承認すれば時効は中断できると定められており、支払い催告を起こして債務者へ連絡を取ります。

ただし、催告をしただけでは時効の完成を猶予することはできません。催告してから6ヶ月以内に訴訟などの法的手続きを踏んで支払い請求をする必要があります。支払いがなされず緊急性が高い場合は、簡易裁判所に申し立てることで支払い督促の手続きができます。申し立てが受け入れられれば、裁判所から取引先(債権者)へ督促状が送付され、取引先が支払いを行えばこの件は終了しますが、異議申し立てがあった場合は民事訴訟へ移行します。

内容証明郵便の利用

時効の完成を中断させたいという時期になったら、取引先が債務を承認しない場合は裁判上の請求をすることになります。前述したように裁判上の請求は催告から6ヶ月以内にしなければならず、催告をいつしたかということが実務上において大変重要であり、催告をした日を客観的に証明する必要があります。その方法として最も一般的なのが内容証明郵便を利用することです。

内容証明郵便は、どのような内容の文書かの記録、差出人、宛先人、郵送日時を日本郵便が証明するものです。内容証明郵便で催告をすれば催告の事実を簡単に証明でき、内容証明郵便が取引先に届いた日を起点として6ヶ月間、裁判上の請求が猶予されます。

内容証明郵便に使う用紙の種類や大きさには特に決まりはありません。送る相手が1人の場合は、相手用、自分用、郵便局の保管用の3通を用意します。書類には押印しますが、実印でなくても構いません。内容証明郵便の費用は、郵送料82円(書類の大きさによって異なる)、書留料430円、内容証明料430円(1枚目)、配達証明料310円の計1,252円です。

出荷・取引の停止

商品を納入し、売掛金が発生しても取引先が支払いを行わないという事態が発生したら、まず催促をします。それでも売掛金が新たに設定した期日までに振り込まれない場合や、振り込まれる目処が立たない場合は、契約書を締結する時に取り交わした内容を根拠として商品の出荷や取引を停止します。

売掛金が回収できないまま放置していると、最終的には貸し倒れ損失として計上せねばならず、見込んでいた利益が減少することになるため、早い段階で出荷や取引を停止したほうが安全です。

売掛金の未回収リスクを防ぐ方法


売掛金の未回収を防ぐにはいくつかのポイントがあります。以下にそれぞれについて解説します。

回収できなかったリスクを考えておく

売掛金を回収できないまま放っておくと、会社へ入る筈だったお金の流れが止まることの他にも、他の取引先からも甘く見られて、ますます未回収金が増えてしまうという悪循環に陥りかねません。そうなると金融機関に融資を頼み込んだりキャッシュフローが滞ったりして、金融機関や株主といった外部からの信用を損ねることになります。そのような事態を避けるためには自社の債権状況を数字で具体的に把握し、そのうえで回収できなかった際のリスクを考える必要があります。

それには、売上債権回転率の算出が有用です。売上債権回転率を計算することで債権の滞留度合いが分かります。売上債権回転率は以下の計算式で求めます。
売上債権回転率=売上高÷(売掛金+受取手形)
例えば売上高が10,000円、売掛金が800円、受取手形が200円の会社は、以下のとおり算出できます。
10,000÷(800+200)=10
売上債権回転率は10回で、この率が高いほど売上を計上して実際に売上債権を回収するまでの期間が短くなり、債務状況が良好であるといえます。

契約締結の際に公正証書を作成する

取引先と契約を交わす際に、公正証書を作成しておくと安心です。公正証書は法的書類の一種で、公証人が同席している場で契約の内容や条件などに関して、関係者間で合意した内容を基に公証人が作成する書面のことです。
公正証書は、公証人法という法律によって厳格に作成手続きが規定されており、法的効力を持つものです。公証人には判事や検事を長年勤めたことのある、法律事務に関する経験を豊富に持っている公務員で、公募で募集し、法務大臣の任命を受けた人が就きます。

公正証書に「△△株式会社は、代金の支払いが6ヶ月間なかった場合には、直ちに強制執行に服することに合意した」と記しておけば、支払い遅延時に直ちに強制執行手続きが可能です。重要な契約や金額の大きい契約を交わす時には、公正証書の作成も検討してみましょう。

与信管理を徹底する

与信管理とは、掛け取引において発生が見込まれるリスク被害を最小に抑えるための方法です。新しい取引先と契約を結ぶ前に、その会社の経営状態が今後どのようになるかを見極め、掛け取引を行っても安全かどうかを判断します。また、すでに取引を行っている会社に対しても、その会社に関する情報の収集を継続的に行って取引の限度額を設定します。

与信管理を行うことで、経営状態が悪化して売掛金の支払いが滞りそうだと思われる取引先に対して、掛け取引を止めて現金取引に変更するといった手を事前に打つことができます。与信管理は自社で行うこともありますが、決算書などの経営情報を正しく読み取ることに不安がある場合は、外部の専門会社に依頼するケースもあります。

所有権留保を行う

売買契約を取り交わす際に、商品の所有権が債権者から債務者へ移転するのは「代金が全額振り込まれた時点」であることを明記しておくと、売掛金の支払いがなされなかった場合に有効な策になります。このような契約条項を入れることを所有権留保と言い、万が一取引先が破産しても取引先に納入した商品の所有権が自社にあるとして、破産管財人の承諾の元に引き揚げることが可能です。

商品を取引先に販売して取引先の手元にあると所有権も移転していると思われがちですが、所有権留保を行うことによって代金が完済されるまで所有権は自社にあると主張することができます。破産した取引先の他の債権者が自社の納入した商品を担保に取ろうとしても、所有権留保を行っていれば横取りされることもありません。

売掛金回収はファクタリングの活用も有効


売掛金を回収して現金化するには、ファクタリングを活用することも有効です。以下にファクタリングの定義、種類、利用上の注意点について解説します。

ファクタリングとは

売掛金は月末締めで翌月か翌々月の末日が支払期日となっていることが多いため、売上を計上していても手元に資金がないという状況が発生する場合があるのは避けられません。ファクタリングはそのような状況に陥らずに、早期に資金を調達する手段として活用することが可能です。
ファクタリングとは、債権者が保有している未回収の売掛債権を第三者のファクタリング会社に買い取ってもらい、ファクタリング会社が売掛債権の管理や回収を代行するものです。売掛金の本来の決算日を待たずに債権を早期現金化できるため、キャッシュフロー上の資金繰りが楽になります。
なお、ファクタリングを利用するには一定の手数料を支払う必要があり、売掛金を満額受け取れるわけではありません。

ファクタリングの種類

ファクタリングには、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2種類があります。

・2社間ファクタリング
債権者とファクタリング会社の2社間で行う取引です。2社間で取引が完結するため、売掛債権をファクタリング会社に譲渡しても取引先に債権を譲渡した旨を知らせる必要はなく、スムーズに売掛債権を現金化することが可能です。
ただし、手数料は相場では10%から30%ほどとなっており、高めの設定です。

・3社間ファクタリング
債権者、売掛先(取引先・債務者)、ファクタリング会社の3社間で行う取引です。売掛債権を丸ごとファクタリング会社に譲渡するため、取引先が倒産しても貸し倒れになることがありません。また、手数料は相場では1%から10%ほどとなっており、低めに設定されています。
ただし、債権を譲渡したことを取引先に知らせる必要があることから、自社が資金繰りに困っているという印象を取引先に与える可能性があります。3社間で進めるためにファクタリングを実行するまでのプロセスが複雑である点もデメリットです。

ファクタリング利用の注意点

ファクタリングを利用する際にはいくつか注意すべき点があります。

1つ目は、審査に手間と時間を要することです。一般的な金融機関から受ける融資と比べると、審査のために提出しなければいけない書類や審査対象になる項目が少ないため、審査に通る率は高いと言えます。しかしながら、売掛債権の買い取り金額や手数料は企業の信用度を元に審査するため、必要書類を揃えるための最低限の手間と時間は割かなければなりません。

2つ目は、分割返済が認められず、全額一括で送金しなければならないことです。これは分割返済が認められているのは貸金業だけで、ファクタリング会社が分割返済を認めると違法行為になってしまうためです。売掛金が振り込まれたら全額一括でファクタリング会社に支払わねばならず、資金繰りが苦しい場合は負担となる可能性があります。

請求管理ロボで自社の督促業務を自動化させよう!

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売掛金は企業間の取引では必ず発生するものであり、債権管理をきちんと行って売掛金を遅滞なく回収することは、会社を経営していくうえで非常に重要なことです。しかし、売掛金を管理するための人員が十分に配置できず、経理担当者は入金日が集中する月初や月末に請求業務に追われているケースが少なくありません。

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まとめ


売掛金は企業にとっては主たる収入源であり、予定通りに回収できないと資金繰りが狂ってしまいます。売掛金の回収が遅れると督促をせねばならず、それが原因で取引先とトラブルになることもあります。
企業間の取引では売掛金の問題はついて回るものです。本記事で解説したように売掛金は仕訳をしっかり行って管理を行き届かせ、未回収が発生した適切な対応を取り、売掛金が回収できなかった場合に備えることが肝要です。売掛金の管理を確実かつ簡単に行えるようにしたい企業は、ぜひ一度請求管理ロボの導入をご検討ください。

     
【監修】ROBOT PAYMENT フィナンシャルクラウド事業部

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