業務は委託する時代へ!BPOの概要からメリットまで徹底解説

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会社経営において強い味方となる、BPOという言葉をご存知でしょうか。BPOとは会社の業務効率を上げる画期的なもので、導入することによってさまざまなメリットをもたらしてくれる経営手法です。この記事では、BPOとはどんなものなのか、まだ把握していない人のために、これから需要が高まるBPOの概要からメリット、選び方まで徹底解説します。

BPOとは

BPOとは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略称で、企業の人事や経理、情報システムなど、あらゆる業務を外部の専門業者に委託する経営方法です。近年、企業を取り巻く状況は、法改正や会計制度の変更、グローバル化やビジネス課題の多様化、情報セキュリティに関する関心、人手不足や国内市場の縮小など、急激に変化しています。時代の変化のなかで企業が求められていることは、業務効率のシステムの構築および実践、限られた人材の有効活用などです。

このような課題を抱える企業のニーズに応えるため、従来のアウトソーシングよりも対象業務が幅広いBPOが誕生しました。BPOを導入した企業は、効率よくハイレベルな業務やサービス提供が可能になるため、急激に変化を見せているビジネス環境においてBPOは需要が増しているのです。また、BPOは、IT分野に特化したITO(インフォメーション・テクノロジー・アウトソーシング)もあり、IT企業のサポートを行っています。

通常のアウトソーシングとの違い

BPOは、名称の通りアウトソーシングの一種ですが、従来のアウトソーシングとは大きな違いがあります。従来のアウトソーシングは、一時的な案件や業務のみを外部の専門業者に委託しますが、業務効率化など企業が抱える問題の解決は、アウトソーシング専門業者の委託対象外です。それに対してBPOは、業務設計から始まり、業務課題分析、改善案の策定および実施、それによる業務効率化まであらゆる業務が委託対象になります。あらゆる業務を一括して外部の専門業者に担当してもらうのが、BPOなのです。外部業者に自社部門を置いて、一連の業務を行ってもらうというイメージが分かりやすいかもしれません。

BPOが注目される理由

法改正や会計制度変更、グローバル化する経済事情、ビジネス課題の多様化・複雑化など、企業が置かれている環境は、日に日に変化しています。そのため、企業は従来の日本的経営理念を取り払い、人材の有効活用など業務内容の見直しを図ることが必要です。しかし、日々抱えている業務作業に圧迫されて、なかなか見直しを実施する暇がありません。このような現状に合わせて誕生したのが、BPOです。BPOを導入すれば、企業のリソースを有効活用しつつそれ以外の専門部署をアウトソースするという方法で、企業の業務効率化を高めることができます。企業が専門的なハイレベルのシステムやサービスを利用することが可能になり、それにより顧客の満足度も上げられるため、BPOが必要とされているのです。

BPOのメリット

企業がBPOを導入した場合、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリット3つを次より紹介しましょう。

<時間とコストの削減>
企業が請け負う業務のなかには定型的な業務があり、そのような業務を自社の限られた人材で行うと、時間がかかり長い目で見ると非効率です。そして、業務のなかには突発的に対処しなくてはならない案件もあり、予想外の対応に追われ、結果的に利益損失につながる可能性もあります。抱えている業務を一括で外部業者に担当してもらえるBPOを導入すれば、定型的な業務および突発的な案件をすべて自社で行う必要はありません。それにより、重要なコア業務に集中することができて、効率化が実現・コスト削減が期待できるのです。また、以前だったら新規人材を確保するためには採用から育成まで1から行う必要があり、多くのコストがかかりました。しかし、BPOでは優秀な人材を外部から雇うために新たな人材を教育する必要がなく、育成費や人件費などのコストが削減できるのです。

<専門性の高さ>
企業が抱える業務は、部門によっては専門的な知識やノウハウを持っている人材しか行えないものもあります。また、専門的な知識やスキルを持っている人材がいても、その人材が少数であれば1人にかかる仕事量が増えて非効率化を招くでしょう。BPOサービスを行っている専門会社には、専門的な知識やノウハウ、スキルを持ったその道のスペシャリストを多く抱えています。そのため、専門的な知識やスキルが必要な業務を代行してスピーディーに行うことが可能であり、人材不足も解消されます。もし、そのような業務でトラブルが発生しても、冷静に対処して、トラブルを解決してくれるでしょう。企業によっては、自社で抱える人材よりもハイレベルな業務遂行が実現されることもあり、その結果、顧客満足度も向上するのです。

<収益向上>
企業が業務を進めるうえで理想なのが、収益の比重の大きいコア事業に人員を集中させることです。しかし、ほかの業務に手間をとられる、慢性的な人材不足の企業であれば、その理想を実現することは困難です。先述した通りBPOを活用すれば、人材不足を解消して業務を効率よく進めることが可能になります。それにより、コア事業を集中的に行うことができて、利益の向上が実現するのです。利益が向上するということは顧客の満足度が高い証明になります。それにより企業の信頼度も高まるでしょう。

導入の確認ポイント

メリットの多いBPOですが、何も考えずに導入しても必ずメリットをもたらすとは限りません。導入する前にいくつかのポイントを確認する必要があります。BPO導入における気をつけるポイントを、次より見てみましょう。

<価格>
BPOの導入で実現することのひとつは、コスト削減です。コスト削減を主な目標にしている企業は、現在かかっているコストより、BPO導入によりかかる費用のほうが下回っていなければ意味がありません。BPOを導入してコスト削減を実現するためには、人件費など現在の業務でどれくらいのコストがかかっているのかをしっかりと計算して、コストを明確にしておく必要があります。わかりやすい計算法としては、ひとりあたりの人件費に従業員の総人数をかけることによって、人件費の総額を出すという計算です。それにより出た人件費とBPO利用額を比較して、BPO利用額のほうが下回っている場合、そのBPO会社を利用すればコスト削減が図れます。
また、BPOサービスを行っている会社は、利用料金が月額で設定しているところ、委託するひとりあたりの金額で定めているところなど、会社によって料金形態が異なるのが特徴です。どのような形態が自社に適しているか、しっかりと選ぶのが大事です。コスト削減のためには、なるべく利用料金のほうが好ましいですが、安価な分、サービスの質が落ちることもあります。事前に専門会社の評判などを調べておくことも大事です。

<何の業務を委託するか>
企業がBPOを導入する目的のひとつは、時間とコストを削減して、利益をスムーズに生み出しやすい環境をつくることです。そのため、どの部門のどの作業を効率化すればいいか、どの部門の業務を集中して行えば利益がより生まれるかなど、現在の環境を見つめ直して良い点・悪い点を明確にするのが大事です。そうすれば、BPOに担当してもらう部門もはっきりとするでしょう。導入することによって企業に多大なメリットをもたらすBPOですが、デメリットもあります。
それは、委託した業務はあくまでBPO会社が担当なので、BPO会社が手がけた業務のノウハウは自社に蓄積されないことです。もし、委託した業務が将来的に自社のコア業務になる可能性がある場合、業務のノウハウは蓄積されていないので、その業務をスムーズに遂行することは難しいでしょう。そのため、BPOを解約した場合、BPO会社から引き継いだ自社の業務を上手く発展できない可能性もあります。各部門の将来性も考慮して、どの部門をBPO会社に担当してもらうか考える必要があります。

<サービスの質>
BPOサービスを提供する会社は、ホームページにどんな業務に対応できるか可能範囲が記載されています。しかし、ホームページの説明文だけでは、各会社がどれほどの質のサービスを提供しているのかは、判断できません。規模の大きい会社であればサービス利用料金が高いですが、その高さに見合った質の高いサービスを提供することが多く、対応可能な業務の種類も豊富です。
しかし、企業が自社の専門性の高い業務を委託希望している場合、そのBPO会社がどれほど専門性を持っているかはわかりません。そのため、BPO会社ごとに、どのような業務実績があるのか確認すること大事です。BPO会社のなかには対応できる業務が限られているところもあります。そのような会社に委託依頼をすると、ほかのBPOとの兼用ということも必要になりかねません。この場合も、どれほどの質のサービスを提供できるのかを確認するのが重要です。

<セキュリティ対策>
BPOを導入した場合、委託業務を依頼するため、BPO会社に自社情報や顧客情報などを提示しなくてはいけません。そのため、委託依頼するするBPO会社が、セキュリティ万全で情報取り扱いが適切にできているかどうかを確認することが必要です。セキュリティ対策がしっかりとできていない会社だと、自社の重要な情報が流出するなどのトラブルが発生して、自社の社会的信用を一瞬にして失う可能性もあります。

セキュリティに関して信頼できる会社かどうか判断する方法は「プライバシーマーク」の確認です。プライバシーマークとは、一般社団法人日本情報経済社会推進協会によって発行されているもので、個人情報の取り扱いに関して、適切な体制が取られていることが認められている法人企業にしか発行されません。そのため、プライバシーマークがあるBPO会社であればセキュリティも万全なため、安心して委託することができます。

BPOの活用で効率的に!

BPOのメリットから導入のポイントについて理解できたでしょうか。激しく変化していくこれからの社会において、BPOの導入は、コスト削減や人材不足解消、コア業務への集中など、企業にとって非常にメリットが大きいものです。BPOの専門会社も多くの専門家を抱えてあらゆる業務に対応できるため、企業のニーズに答えることができます。BPOの導入で、業務の効率化を考えてみてはいかがでしょうか。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。