法人カードとは?おすすめの選び方やコーポレートカードとビジネスカードの違いなどを解説

クレジットカード決済

法人カードの導入を検討しているものの、どういったものを選ぶべきか悩んでいる事業主の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
法人カードとひと口に言っても、いくつか種類があるため、まずはそれらの特徴や違いを理解し、自社に適したものを把握することが大切です。

そこでこの記事では、法人カードの概要や選び方、メリット、おすすめのサービスをご紹介します。

法人カードとは

法人カードとは、法人代表者や個人事業主に対して発行される事業用のクレジットカードのことです。法人カードは役員や従業員のカードも追加発行できますが、名義人は個人となり名義人以外は使用できません。

たとえば、事業主が自分名義の法人カードを従業員に渡し、オンラインショッピングするように指示を出すことは法人カードにおける規約違反となります。個人事業主に関しては、個人口座からの引き落としのほか、屋号名義で開設した事業用口座からの引き落としに対応している法人カードもあります。

法人カードの種類

法人カードは事業用カードの総称で、「ビジネスカード」「コーポレートカード」「パーチェシングカード」の3種類に分けられます。以下で詳しくみていきましょう。

ビジネスカード

ビジネスカードは、個人事業主や従業員数20名以下の中小企業向けの法人カードです。
コーポレートカードとの違いは、追加カードの発行枚数が少ないという点です。ただし、使い勝手は大きく変わりません。

コーポレートカード

コーポレートカードは、従業員数20名以上の大企業向けの法人カードです。
ビジネスカードとの違いは、カード利用枠が大きく、従業員用の追加カードの発行枚数が多い、といった点です。
また、名義人ごとに利用枠の設定も可能です。法人口座だけでなく個人口座を支払口座に設定できるカード会社もあります。

パ―チェシングカード

大企業や中堅企業を対象とした経費管理用カードです。
主に仕入れやシステム利用料などの「企業間取引(BtoB決済)」に活用されます。
部門や取引先によってバラバラだった支払いを一本化できる点が特長です。

また、番号のみで管理するカードレスのクレジットカードとなっているため、プラスチックのカードは発行されません。
カードの管理の手間や紛失・盗難リスクを防げるでしょう。

法人カードと個人カードの違い

法人カードと個人カードの違いは以下のとおりです。

支払口座を法人口座にできる

支払口座を法人口座にできるという点が法人カードと個人カードの最大の違いでしょう。個人カードの支払口座は個人口座のみですが、法人カードは支払口座を法人口座に指定できます。

公共料金や各種税金、電話料金などの支払いを法人カードに一本化して引き落としタイミングをそろえれば手数料の削減にもつながるでしょう。法人口座からの引き落としにすることでプライベートと区別でき、会計上のミスの予防も可能です。

ビジネス向けの付帯サービスが充実している

国内外の旅行傷害保険や空港ラウンジの無料利用、従業員向けの福利厚生サービスなどビジネス向けのサービスが付帯している点も個人カードと異なります。利用金額に応じてポイントが付与される点は、個人カードと共通しています。

法人カードの場合は、従業員用に発行した複数の追加カードのポイントを親カードにまとめてオフィスの備品購入に使うことが可能です。

利用枠が大きい

法人カードは決済額が大きくなることから、個人カードよりも利用枠が大きく設定されています。特に大企業向けのコーポレートカードでは、高額の利用枠を付与される傾向です。

法人カードと個人カードの違いを改めて整理すると、下記のようになります。

カードの種類 法人カード 個人カード
カードの名義 親カード:代表者の名義
追加カード:従業員の名義
親カード:本会員の名義
追加カード:家族の名義
追加カードの対象 従業員 家族
利用限度額 比較的高い 比較的低い
引落口座 法人口座または個人口座 個人口座
付帯サービス ビジネス向け 一般消費者向け

法人カードの選び方

ここでは、法人カードの選び方についてご紹介します。

カード利用枠の大きさ

まずは自社がカードを使用する用途や毎月の利用額を把握しましょう。そのうえでカード利用枠の大きさが適した法人カードを選ぶことがポイントです。公共料金や各種税金、電話料金、法人向けサービスの支払いをカード決済にする場合、カード利用枠が不足すると事業活動に影響を及ぼすことになりかねません。

また、企業間取引でカードが急に利用できないとなると、不信感を買ってしまうでしょう。急な出費にも対応するためにも、ある程度の余裕がある利用枠を設定できるカードを選ぶと良いでしょう。

コスト削減効果の有無

コスト削減効果のある法人カードを選ぶこともポイントです。たとえば、カードの利用明細データを経費精算システムに直接取り込める法人カードを選ぶことで、経費処理にかかるコストを削減できます。

現金決済の場合、提出される領収書に基づいて経費処理を行うため、手間や時間がかかります。業務量によっては、人員を増やしたり、残業をしたりしなければならず、人件費がかさんでしまうでしょう。

しかし、カード利用明細データと経費精算システムを連動できれば、業務効率化に伴うコストの削減が可能です。現在経費処理にかかっているコストと、法人カードと経費精算システムを導入した場合のコストを比較して検討しましょう。

付帯サービスの内容

自社に必要な付帯サービスが備わっているか、ポイント還元率は高いか、などを確認しましょう。海外出張が多い場合は、海外旅行の損害保険付帯サービスや海外でのキャッシングサービスなどが備わっていると便利です。

従業員の福利厚生に力を入れたい場合は、スポーツジムの優待や健康診断の割引、育児サポート、家事代行などのサービスが付帯されているものを選ぶと良いでしょう。なお、法人カードは個人カードと比較してポイント還元率が低い傾向にあるため、個人カードと同じ感覚で選ばないようにしてください。

国際ブランド

そもそも国際ブランドとは、世界中で利用できるクレジットカードのことを言います。国外で使わないのであればJCBを候補に入れても良いかもしれませんが、いざという時のために国際ブランドを選んでおくと安心です。国際ブランドはVisaが世界シェア率No.1、次いでMastercardとなっています。

日本でも長く利用されてきた歴史があるVisaは、国内で発行されるクレジットカードの大半とライセンス契約を結んでいます。従って、豊富なカード会社のなかから自社に合う法人カードを選べるのです。海外出張が多い業種はもちろん、国内でも使い勝手を重視するのであればVisaを選ぶと良いでしょう。

審査基準

法人カードの審査基準はカード会社によって異なりますが、基本的には法人信用情報が審査対象となります。法人信用情報とは、具体的には事業の設立年数や財務状況、固定電話番号の有無などです。創業間もない企業や赤字決算の企業の場合、審査が厳しくなるでしょう。

その場合は、個人信用情報を重視して審査する法人カードを選ぶことを推奨します。個人信用情報で審査される内容は、クレジットカードやローンの申込、契約内容、返済状況、利用記録などです。

なかには、法人信用情報と個人信用情報の両方を審査対象とするカード会社もあるため、自社と自身の信用情報を考慮したうえで慎重に検討しましょう。

年会費

法人カードの年会費は、無料のものから数万円するものまでさまざまです。年会費が高額なほど付帯サービスや特典が充実し、満足度の高いものになるうえ、年会費は経費として計上できます。

しかし、付帯サービスや特典をあまり利用しない場合や、経費精算を効率化するために法人カードを導入する場合は無料のもので問題ないでしょう。ただし、年会費や安い、あるいは無料の法人カードは、ポイントの還元率が低いなどのデメリットがあるため、必ず確認しましょう。

追加カードやETCカードの有無

経費精算の効率化を図るために法人カードの導入を検討している方も多いでしょう。そのためには、追加カードの発行可能枚数やETCカード機能の有無の確認が必要です。法人カードも個人カードと同様に名義人以外は使用できないため、法人カードを使用する従業員の人数分発行しなくてはなりません。

追加カードは発行枚数に上限があることがほとんどで、カード会社によっては追加カードの発行によって年会費が増える場合があります。ETCカード機能は付帯サービスとして備わっている傾向です。高速道路を利用することが多い業務内容ではETCカード機能が備わったものを選ぶと良いでしょう。

ビジネス面での使いやすさ

商品の仕入れや公共料金の支払いなど法人カードの用途を洗い出したうえで使い勝手の良いカードを選ぶことが大切です。法人カードを従業員に持たせる場合は、経費以外の支払いに利用しないように、法人カード利用時の規定を設けておきましょう。

名義人以外使用できないことを周知することはもちろん、使用する際に申告を義務づける、利用目的を制限する、などの規定が必要となります。

法人カードのメリット

ここでは、法人カードを利用するメリットを5つご紹介します。

企業規模に応じたカードが用意されている

前述のように、法人カードは個人事業主や中小企業向けの「ビジネスカード」、大企業向けの「コーポレートカード」というように企業規模に応じたカードが用意されています。追加カードの発行可能枚数や利用枠は企業の規模に応じて設定されていることが多く、自社の規模に適したサービスを受けられる仕組みとなっています。

カード利用枠が大きい

事業用のカードのため、個人カードと比較して利用枠が大きめに設定されています。カード利用枠が大きいことから、公共料金や各種税金、電話料金、法人向けサービスのほか、接待、消耗品の購入、出張に伴う経費など幅広い用途で使用可能です。

期日内に支払いを済ませ継続利用する、法人カードを増やさない、細かい経費にもカードを利用して利用金額を大きくする、といったことを行うと利用枠をさらに大きくできる可能性もあります。

経費可視化・ガバナンスが強化される

法人カードは利用データによって経費を可視化できることから、ガバナンスが強化されます。追加カードごとに利用枠を設定できるものもあるため、経費とはいえ使いすぎないようにすることも可能です。経費を可視化できれば、従業員も使用用途を意識するようになります。不要なコストも洗い出せるため、コスト削減にも生かせるでしょう。

経理処理を合理化できる

法人カードの利用データを経費精算システムに移行できるものを選べば、経理処理の合理化が可能です。これが法人カードにおける最大のメリットとも言えるでしょう。

また、従業員に立替払いを頼めない場合は、社内に少額の現金(小口現金)を置いておかなければなりません。小口現金は、出費に伴う書類提出や記録などの管理が煩雑です。しかし、法人カードであれば「いつ」「何に」「いくら」使ったのかがデータとして記録されるため、管理はもちろん、経費の不正使用の抑制にもつながります。

キャッシュフローを改善できる

公共料金や企業間取引の支払いに法人カードを使う場合、引き落としまでの支払いに猶予があるため、手元に現金を残しておけます。また、手元資金が不足している場合でもカードを使えば決済でき、銀行に借入をせずに済むでしょう。支払いを決済の2か月後というように長く設定しておくことで、その間にキャッシュフローの改善ができるのです。

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監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。