家賃回収は口座振替で効率化!自動引き落としのメリット・デメリットを解説!

口座振替

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家賃は不動産事業者にとって最も重要な収入源です。滞納を防ぐには、毎月発生する家賃回収を確実に行う必要があります。家賃回収として幅広く利用される方法は「銀行振込」と「口座振替」です。なかでも毎月自動で引き落とす「口座振替」は、単純な払い忘れを防止できるため、多くの不動産事業者が導入しています。そこで今回は家賃回収を効率化する「口座振替」について詳しくご紹介します。

家賃の回収方法


家賃の回収方法は、不動産事業者により異なります。ひと昔前までは、対面での現金手渡しが主流でした。最近では、銀行口座やクレジットカードを利用した非対面による回収方法が一般的です。ここでは家賃の回収方法をいくつかご紹介します。

指定口座への振込で家賃を回収する方法

家賃の回収で最も一般的なのが、不動産事業者が指定した口座に振込を依頼する方法です。「口座振込」や「銀行振込」とも呼ばれます。入居者は、現金もしくは口座から支払います。振り込み方法は、インターネットバンキング、銀行窓口、銀行ATM、コンビニATMの4つがあります。

指定口座への振込で家賃を回収する場合、入居者は毎月の支払期日までにATMでの作業が必要になり、振込手数料を負担するのが通例です。

口座振替(自動引き落とし)で家賃を回収する方法

「口座振替」とは、契約時に引き落とし口座を登録することで、毎月決まった日に自動で引き落とされる方法です。「自動振替」と呼ばれることもあります。家賃以外にも、公共料金や電話料金の支払方法として、幅広く利用されています。

「口座振込」とは異なり、入居者(支払側)ではなく、不動産事業者(受取側)が振込手数料を支払うことが一般的です。「口座振替(自動引き落とし)」で家賃を回収する場合、指定口座に残高がないと振替失敗になる懸念があります。

現金手渡しで家賃を回収する方法

現在は少数ですが、大家さんに直接手渡しというところもあります。回収時に入居者とコミュニケーションが取れるうえに、金融機関へ振込の確認をする手間が省けますが、領収書や通い帳を用意する必要があります。

また、必須ではありませんが、トラブルを未然に防ぐためにも、証明書の発行は重要です。なお、入居者から領収書発行の依頼をされた場合は、発行が義務付けられています。

クレジットカードで家賃を回収する方法

キャッシュレスの広がりから、クレジットカードに対応する不動産事業者も増えています。クレジットカードは、毎月決められた日にカード会社から家賃分が振り込まれます。カード会社から入居者への請求はその翌月となるため、入居者の支払能力に関係なく入金が行われます。クレジットカードで家賃を回収する場合、カード会社から決済手数料を引かれた額が振り込まれます。クレジットカード決済は事業者側が決済手数料を負担する形になるため、あまり多くはありません。

口座振替とは


口座振替は、毎月指定日に自動で引き落としを行います。その性質から、多くの不動産事業者が家賃の回収方法として導入しています。

最近は、口座振替の手続きをインターネット(Web)上で進められる仕組みも普及しています。従来の方法では、書類を書いたり郵送したり、登録完了まで時間がかかるなど、手続きの手間が多いという問題がありました。また、記入ミスなどがあった場合は最初からやり直すケースもあるため、利用開始までにタイムラグが発生するのも口座振替のデメリットです。しかしWeb(ネット)口座振替であれば、これらの作業をオンライン上で進められるため、スムーズに利用開始できます。

以下では口座振替の特徴や種類、導入手順についてご説明します。

口座振替の特徴

預金者が他名義の口座へ振り込む銀行振込に対し、口座振替は預金者の口座から他名義の口座に自動で引き落とされます。入金のために銀行へ向かう必要がなく、払い忘れの防止や、入金の手間を省くことができます。

また、銀行振込と異なり、口座振替を利用するためには事前の申し込みが必要です。事業者側が口座振替依頼書を用意し、口座名義等の必要事項を預金者に記載してもらいます。一般的には、預金者側から依頼を受けて口座振替を行いますが、家賃においては入居者の意向ではなく、不動産事業者から利用を勧めることがほとんどです。

口座振替の種類

口座振替を利用する方法は、主に3種類あります。1つ目は、不動産事業者が金融機関へ直接口座振替を依頼する方法です。入居者の振替依頼書準備、金融機関への依頼、毎月のデータ管理など、全てを不動産事業者自身で行います。

2つ目は、家賃保証会社を利用する方法です。家賃保証会社とは、家賃の滞納が発生した際、入居者に代わり支払いを行う保証会社です。保証会社の選択・利用可否は、不動産事業者が決めることができます。口座振替の手続きも含め、家賃保証会社が収納代行を行います。

3つ目は、収納代行会社の口座振替サービスを利用する方法です。収納代行会社とは、決済機関との間に立ち、代金回収を行う会社です。家賃保証の必要はなく、口座振替を利用したい場合に活用します。不動産事業者は、口座振替の依頼書を入居者に書いてもらい、収納代行会社へ返送するだけで口座振替が利用できます。

口座振替の手順

口座振替を行う場合、一般的には以下の順番で手続きをします。

1.口座振替を利用する金融機関へ申し込み、所定の審査を受けます。
2.審査が通り契約が締結された後、「口座振替依頼書」を受け取り、口座振替依頼書を入居者へ渡して署名・捺印をもらいます。
3.入居者から回収した口座振替依頼書を、金融機関へ送付。収納代行会社に依頼する場合は、金融機関ではなく収納代行会社へ送付します。

家賃を口座振替で回収するメリット


不動産事業者にとって、口座振替(自動引き落とし)を導入するメリットは主に2つあります。1つ目は業務の自動化、2つ目は未収の削減です。この2つのメリットに加え、入居者側のメリットについて詳しくご説明します。

業務の自動化

銀行振込で家賃を回収する場合、「消込」と言われる、入金の確認作業が必要です。「消込」は、通帳への記帳や入金明細の印刷、振込名義と物件の特定、請求額と入金額の照会などの工程です。振込期日は決まっているものの、実際に支払いが行われる日は入居者により異なることから、入居者の方の数が多いほど、こちらの作業は煩雑になります。また、入居者は多くの場合は個人の方になるため、家賃が未収になる、催促をしても連絡がつながらないなど不測の事態も頻繁に発生します。

口座振替であれば、同日に自動で引き落としが可能です。バラバラで振り込まれる銀行振込に比較すると、データの照会がしやすく、消込作業の負担を軽減できます。さらに、収納代行会社を利用すれば、入金確認・消込も代行会社が行うため、回収業務自体を自動化することも可能です。

未収の削減

口座振替のもう一つのメリットは、未収家賃の削減です。滞納は不動産事業の運営に大きく影響を及ぼします。滞納が発生した際、入居者へ催促の連絡を取る必要があります。連絡がつく入居者の多くが「払い忘れ」「勘違いによる未納」による滞納です。

口座振替(自動引き落とし)では、入居者の口座から自動で引き落としが可能です。入居者の単純な入金漏れを回避できるため、催促業務の負担が減少につながります。万が一、入居者の口座に残高がなく、振替失敗になったとして、すぐに特定できるため催促も迅速に行うことが可能になります。

入居者のメリット

入居者から見た口座振替(自動引き落とし)による一番のメリットは、毎月の入金手続きが不要になることです。

入居者様のなかには給料日から家賃の振込期限までの日数に余裕がない方もいらっしゃるかと思います。また月末に仕事に追われるサラリーマンの方は、振込期日を過ぎてしまうことも多いのではないでしょうか。予定が入ってしまい支払い期日までに入金できなかった場合、延滞料が発生するケースもあります。

口座振替(自動引き落とし)に登録することによって、毎月自動で支払いが完了するので、入金の手間、期日を過ぎ延滞料を取られてしまうリスクを回避することができます。

また、クレジットカードなどは必要なく、あくまで金融機関の口座があれば対応できるため、学生の方や高齢の方もご利用しやすいのが特徴です。振込手数料も通常の銀行振込よりは安く、金銭的にもメリットがあります。

家賃を口座振替で回収するデメリット


口座振替を実施する場合、入金までに時差が発生するデメリットがあります。また、手数料がかかるため、現金手渡しで回収している方は、新たに出費が必要となります。ここでは、家賃の回収を口座振替で行う際のデメリットをご説明します。

手数料の発生

口座振替を利用した場合、手数料が発生します。金額は金融機関や収納代行会社によって異なりますが、1件につき数十円〜数百円程が相場です。金融機関によっては、手数料が100円未満のところもあり、銀行振込よりも割安になるケースもあります。

振込手数料は、不動産事業者と入居者のどちらが負担するか契約時に決めます。サブスクリプションや定期購読で口座振替を利用する際は、事業者が手数料を負担するのが一般的です。一方、家賃回収においては、入居者が負担するものと広く認識されています。

また、収納代行会社に依頼する場合は手数料に加え、初期費用や月額基本料が必要です。しかし、費用はかかるものの、入金管理や消込、催促なども代行してくれるため、回収業務の負担が減少し、生産性の向上が期待できます。

入金までの時差

口座振替を利用するには、入居者に「口座振替依頼書」を記入してもらう必要があります。依頼書の手配が遅れてしまうと、開始時期も遅れてしまいます。依頼書を提出した後も、すぐに引き落としが行われるわけではありません。依頼書が受理するまでに時間がかかり、申請から実際に運用開始まで2ヶ月程を要します。口座振替が行われるまで期間が空くため、それまでは銀行口座などで対応します。

また、入居者の口座から引き落としがされた後、不動産事業者の口座へ入金されるまで10日程かかり、即日入金されるわけではありません。入金日は、各金融機関や収納代行会社により異なるため、事前にスケジュールを確認する必要があります。

口座振替のポイント

無事に口座振替の手続きが完了しても、安心してはいけません。不測の事態に備えるためにも、発生しやすいトラブルと対処法について確認することが大切です。ここでは、口座振替のポイントを詳しく解説します。

残高不足への対処法

口座振替を利用することで、払い忘れを防止できます。しかし、口座自体に残高がない場合は、引き落としができません。例えば、引き落とし口座と給与口座が異なる際、このようなトラブルが発生します。残高不足に備えて、複数の回収手段を用意することが大切です。

収納代行会社では、口座振替とコンビニ決済を併用できるところもあります。入居者が入金を忘れた場合は、代替としてコンビニの払込書を発行すれば、スムーズに支払いを促せます。

口座変更への対処法

場合によっては、入居者から口座の変更を依頼されることもあります。一度登録した口座を変更するには、不動産事業者が再度「口座振替依頼書」の用意が必要です。新たに手配した口座振替依頼書を入居者へ渡し、必要事項を記入してもらいます。
その後、金融機関と直接契約している場合は、不動産事業者自身で変更手続きを行います。収納代行会社を通している場合は、代行業者へ送付するだけで、変更手続きの処理がなされます。

スムーズに口座振替へ切り替えてもらう方法

入居者のなかには、依頼書作成の手間から銀行振込を希望する方もいます。その場合は、入居者へ口座振替のメリットを伝えることが大切です。また、口座振替依頼書を回収できる流れを作るのも効果的です。

抵抗を感じさせず回収する方法は2つあります。
1つ目は、入居条件として「口座振替必須」と説明し、加入してもらう方法です。契約時は書類回収が最もスムーズに行えるタイミングです。契約時の賃貸借契約書で口座振替を指定すると、円滑に依頼書を回収できます。

2つ目は、管理会社が変更するタイミングで加入してもらう方法です。「管理会社変更のご案内」や「承継同意書」と共に口座振替依頼書を送付することで、回収しやすくなります。

家賃回収ならROBOT PAYMENTの口座振替がおすすめ!

家賃回収を効率的に行うなら、ROBOT PAYMENTの口座振替にお任せください。ROBOT PAYMENTは、代金回収を自動化するクラウドサービスを提供しています。

ROBOT PAYMENTが提供する口座振替を利用することで、手続きの手間や管理コストを削減することができます。入居者のデータと管理画面が連携しているため、入居者ごとに振替結果や振替金額を管理することが可能です。

都市銀行、地方銀行、ゆうちょ銀行、ネット銀行、信金・信組など、全国のほぼ全ての金融機関で利用できます。また、口座振替以外にも、 銀行振込、クレジットカード払い、コンビニ払いなど様々な決済方法にも対応しているため、残高不足で口座振替が失敗した場合も、入居者の要望に合わせて決済手段を変更することが可能です。

まとめ

家賃の回収方法は、口座振替、銀行振込、現金手渡し、クレジットカードなど様々な方法があります。そのなかでも口座振替は、毎月決められた日に入居者の口座から自動で引き落としがされるため、払い忘れを防止できます。口座振替の手続きや契約は不動産事業者自身で行うことができますが、収納代行会社に依頼することで作業負担が軽減されます。

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家賃の回収では「口座振込」もよく利用されています。「口座振替」との違いは理解していますか?
【関連記事】:「口座振替」と「口座振込」の違いとは
監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。