帳簿とは?知っておきたい経理の知識、会計帳簿を分かりやすく解説!

経理

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「会計帳簿」は会社を運営するにあたり、必要不可欠な書類です。記入項目が多いことから敬遠しがちですが、見方を理解できれば経営戦略に役立てることもできます。今回は、経理の基本である「会計帳簿」の種類や記載方法などを、分かりやすく解説します。

経理が会計帳簿を作成するのはなぜ?


そもそも、なぜ「会計帳簿」を作成する必要があるのでしょうか。まずは、会計帳簿を作成する意味について簡単にご説明します。

会計帳簿とは?

企業は日々行われる取引やお金の流れを、帳簿に記録する必要があります。帳簿には、仕訳帳、総勘定元帳、仕入先元帳などがあり、様々な種類の帳簿を総称して「会計帳簿」と呼びます。会計帳簿は、2006年5月1日に施行された会社法により作成は義務と定められているため、必ず作成する必要があります。

会社法には、会社の設立、解散、組織運営、資金調達等の会社運営に関するルールが定められていますが、会計帳簿に関しては「会計帳簿の作成」と「会計帳簿の保存」が義務付けられています。保存期間は、決算期末(閉鎖の時)から10年間で、会計帳簿以外にも事業に関する重要な資料も保存する必要があります。

決算書との違い

「決算書」とは、いわゆる会社の成績表です。一定の期間で区切り、どのくらい儲けや損失が出たのか、財産はどのくらいあるのかなど、会社の経営・財務状況を利害関係者に報告する目的で作成します。「決算書」という言葉は通称で、金融商品取引法で定められている決算書を「財務諸表」、会社法で規定されている決算書を「計算書類」と呼びます。

決算書は、主に「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つで成立しています。「貸借対照表」は会社の財政状態、「損益計算書」は収益と費用、「キャッシュフロー計算書」は現金の流れを表すものです。そして、会社の成績表である決算書は、日々の取引が記帳された会計帳簿を基に作成することから、会計帳簿がなければ決算書を作成することはできません。

主要簿と補助簿がある

会計帳簿は様々な帳簿で構成されており、「主要簿」と「補助簿」の2種類に類別されます。それぞれの種類については次章で詳述しますので、まずは「主要簿」と「補助簿」の概要を簡単にご説明します。

「主要簿」とは、行われた取引全てを記録・計算した帳簿で、主に「日記帳」「仕訳帳」「総勘定元帳」の3つで構成されています。ほぼ全ての事業で作成され、取引を複数の科目で記録する複式簿記において必ず作成されます。

一方、「補助簿」は、取引量が多く主要簿だけでは把握しきれない情報を補足する「補助記入帳」と、特定の取引先や商品を詳しく記録する「補助元帳」の2つから構成されています。補助簿は種類が多く、あくまで補助的な役割のため、どれを使用するかは企業で判断します。

会計帳簿の種類を詳しくみていこう!


会計帳簿は、前述のとおり「主要簿」と「補助簿」に類別され、記録する内容により使い分ける必要があります。それでは、具体的にどのような種類があるのか、詳しくご紹介します。

主要簿の種類

会社全体の取引を記録・計算する主要簿は、主に「日記帳」「仕訳帳」「総勘定元帳」の3つから構成されています。「仕訳帳」「総勘定元帳」は会社法によって作成が義務付けられていますが、「日記帳」は義務ではなく、あくまで記録しておくことが望ましいとされる帳簿です。

・日記帳
日記帳は、日々の取引を発生した時系列に記載する書類で、仕訳帳へ記録する前のメモ書きとして作成されます。主帳簿のなかでは唯一作成が義務付けられていない書類のため、書き方に決まりはありません。仕訳帳への記載ミスを軽減する目的として利用します。

・仕訳帳
仕訳帳は、取引を時系列に記載し、お金の流れを把握する目的で作成されます。取引ごと「借方」と「貸方」に分類し、「借方」には資産の増加及び費用を、「貸方」には負債や純資産の増加と収益を記載します。「借方」と「貸方」は、金額が必ず一致している必要があります。

・ 総勘定元帳
総勘定元帳とは、仕訳帳を基に、全ての取引を「収益」「費用」「資産」「負債」「純資産」5つの勘定科目に分類した帳簿です。決算書である貸借対照表や損益計算書は、総勘定元帳を基に作成するため、帳簿のなかでも特に重要なものです。

補助簿の種類

作成の義務がない補助簿は、主帳簿の補助的な役割を担います。作成は義務付けられていませんが、補助簿を作成することで様々な視点から取引やお金の流れを読み解くことができます。種類が豊富なため、今回は代表的な5つをご紹介します。

・仕入先元帳
仕入先元帳は「買掛金元帳」とも呼ばれ、仕入先ごとに「取引内容」と「取引金額」を記帳した帳簿です。過去の取引を整理したり、将来支払う代金(買掛金)などを管理したりするために作成します。

・得意先元帳
得意先元帳は「売掛金元帳」とも呼ばれ、顧客別に「取引内容」と「取引金額」を記帳した帳簿です。過去に行われた取引を整理するほか、将来入金される予定の売掛金を管理するために作成します。

・仕入帳・売上帳
仕入帳とは、「どのような商品をいくつ仕入れたのか」「単価はいくらなのか」など、仕入れに関係のある取引を仕入先別に記録する帳簿です。売上帳も同様の仕組みで、売り上げた商品の内容、個数、単価、総額など、売上に関する取引を顧客別に記録する帳簿です。

・現金出納帳
現金出納帳とは、現金取引のみを記録する帳簿です。現金を使用した仕入れ、売上、売掛金の回収、買掛金の支払い、備品等の経費支払いなどを全て記録します。また、現金での取引が生じた日時、取引内容、入出金額、勘定科目、差引残高などを記載します。

・固定資産台帳
固定資産台帳とは、事業のために長期間所有する自動車やパソコンなどの固定資産を管理するために作成する帳簿です。固定資産ごとに資産内容、購入・使用開始日、所在、移動情報などを記載します。

会計帳簿をつけるときのルールと手順を知っておこう!


会計帳簿をつける際は、いくつかのルールに従って記帳する必要があります。ここでは、記載のルールや、会計帳簿を作成する手順についてご説明します。

ルール

近年は会計ソフトでの管理が多いためあまり意識されることはありませんが、手書きで作成する場合、会計帳簿にはいくつかの記載ルールが存在します。

・数字はアラビア数字を使用する
会計帳簿で使用する数字は、「三」や「五」などの漢数字ではなく、「3」「5」といったアラビア数字で記載します。

・略字は決められた表記で記載する
会計帳簿では、略字を使用することができます。例えば、単価を表す「@」、円を表す「¥」、第~号など順番を表す「#」がよく用いられます。決められた略語を統一して使用することで、帳簿が見やすくなり、取引内容を把握しやすくなります。

・訂正は2本線を引き、線の右側に訂正印を押す
紙の場合は、修正ペンなどは使用せず、2本線を平行に引いて修正します。2本線を引いて修正した後は、線の上下左右どこかの余白に正しい文字や数字を記載し、線の右側に訂正印を押します。会計ソフトの場合は、経理担当者が上司の承認をもらって修正するのが一般的です。

作成手順

ここでは、会計帳簿を作成する手順をご説明します。会計帳簿をつけるポイントは、後回しにせず、日々整理することです。

1. 経費に関わる領収書やレシートを整理して、出納帳へ記載する
まずは、経費として使用したお金の領収書やレシートを整理します。「現金での支払」と「口座からの支払」の2つに分類すると整理しやすくなります。そして、仕分けた領収書やレシートの金額を「出納帳」へ記載していき、現金での支払い分は「現金出納帳」へ、口座からの支払い分は「預金出納帳」へ記入します。仕入れによる買掛金がある際は、「買掛帳」へ記載します。

2. 売上明細を整理して、売掛帳へ記載する
次に、売上明細を整理しましょう。領収書やレシートの整理はもちろん、売上金に関する明細整理も重要です。PDFやメールなどのデータ明細も印刷して必ず保管します。そして、売上明細の整理が終わり次第、「売掛帳」へ記入します。

3. 月1の締め日を設定し、整理・記載の手順を毎月実施していく
毎月1回の締め日を設定し、経費と売上の整理・記載を行います。入力が済んだ領収書やレシートなどの書類は仕分けファイルを作成し、各種まとめて保管しておきます。溜め込んでしまうと処理漏れや記載ミスが発生する原因となるため、処理は当月中に済ませておきましょう。

4. 決算に用いる会計帳簿をすべて印刷する
1年間分の処理が終わったらミスがないか確認し、決算に用いる年間の会計帳簿(主要簿・補助簿)を全て印刷します。そして、事前に整理しておいた領収書やレシートなどの書類と一緒にすれば、決算書類の完成です。

会計帳簿をつけるメリット・デメリットとは?


会計帳簿を自身でつけるべきか、それとも税理士や会計事務所などの外部に依頼するか悩んでいる企業も少なくないでしょう。ここでは、会計帳簿を自身でつけた際のメリット・デメリットをご説明します。

メリット

自身で会計帳簿をつけることで、日単位・月単位の売上や利益など、お金の動きを把握することができます。「利益が増えない原因」「注力すべき項目」「経費削減の見直し」などの経営課題点を見える化することで、今後の戦略に役立てることができます。

また、主要簿である日記帳は作成が義務付けられていないため、作成している企業は少ないことでしょう。しかし、日記帳をつけることで時系列順に見返すことができ、書類の間違いを発見しやすくなります。

会計処理を税理士や会計事務所へ外注する場合、その分コストがかかります。期日までに正確な処理を行ってもらえるメリットはありますが、自社で会計処理を行えば大幅なコスト削減となるうえに、臨機応変に対応することができます。

デメリット

会計処理を自身で行うと、その分手間や時間がかかります。会計処理に詳しくない場合や本業に支障が出てしまう場合は、無理をせず最初から外注した方が良いでしょう。また、自身で会計処理を行ったものの期日までに間に合わず、最終的に外注せざるを得ない場合は、特急料金が組み込まれるためコストが高くつきます。

しかし、これらのデメリットは会計ソフトやクラウドサービスを利用することで、解決可能です。特に近年ではインターネット上で管理ができるクラウド型サービスの人気が高く、今まで不可能とされていた経理のテレワーク化を実現することができます。

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まとめ

日々行われる取引やお金の流れを記載する様々な帳簿を、総称して「会計帳簿」と呼びます。決算書を作成するうえで必要不可欠な会計帳簿は、経営課題の発見や、経営戦略を立てるための情報書類として活用することができます。

会計帳簿をつけるポイントは、日々発生した取引をきちんと帳簿に記載していくことです。後回しにしてしまうと、決算時にミスが多発し、業務をさらに圧迫させる恐れがあります。少しでもミスを減らすためには、「請求まるなげロボ」による経理業務の自動化をご検討ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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