督促とは?催促との違い・督促状の書き方と例文|未入金の督促フローと債権回収の進め方

債権回収

日常生活やビジネスの場で、相手に何かをしてもらいたいのに、なかなか実行してもらえない経験はありませんか?
そんなとき、私たちは「督促」や「催促」をすることがあります。
では、この「督促」と「催促」はどう違うのか、ご存じでしょうか?

本記事では、私たちが普段何気なく使う「督促」という言葉の意味を掘り下げ、よく似た言葉である「催促」との違いを解説します。

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督促とは?

督促とは、約束の期日を過ぎても支払いや義務の履行がされないときに、相手に対して実行を強く促すことです。

企業間取引においては、商品やサービスを提供したにも関わらず、約束された期日までに代金の支払いが行われない場合に督促を行います。
なお、督促自体に法的な拘束力はありません。

催促とは?

催促とは、相手に対して何かを早く実行するように促す行為を指します。
主に、約束や義務が果たされていない場合や、予定された行動が遅れている場合に、それを急がせるために用いられる言葉です。

企業間取引においては、支払期日が近づいた際や軽微な遅延が発生した場合に、友好的かつ穏やかな方法で支払いを促すことを意味します。
なお、催促自体に法的な拘束力はありません。

督促と催促の違いとは?

督促と催促は似た意味を持つ言葉ですが、督促の方がより正式で厳格な印象を持たせることができます。
以下の表で詳しく比較してみましょう。

項目 督促 催促
意味 期日を過ぎた支払い・義務の履行を強く促す 早く実行するよう促す
使う時期 支払期日を過ぎ、催促しても入金がないとき 支払期日の直前や、期日直後の軽い遅れのとき
文書の名称 督促状 催促状
文面の内容 未払いの事実、新たな支払期限、期限までに支払われない場合の対応を明記する 入金状況の確認と、支払いのお願いを穏やかに伝える
相手に与える印象 正式で厳しい。関係が悪化するおそれがある 穏やか。関係を保ちやすい
法的な効力(民間の取引) どちらも、相手に支払いを強制する効力はない
時効への影響 どちらも民法上の「催告」にあたる場合は、その時から6か月間は時効が完成しない(民法第150条)。催告したことを証明するには、内容証明郵便+配達証明で送るのが確実

督促状の書き方と記載項目

督促状は、支払期日を過ぎても入金がない取引先に対し、支払いを正式に求める書面です。記載する項目は次の6つです。

記載項目 書く内容 記載例
発行日・差出人・宛先 書面の作成日、自社の会社名・部署・担当者、取引先の会社名・担当者 2026年10月1日/株式会社〇〇 経理部 〇〇
表題 段階が分かる件名 「お支払いのお願い」「督促状」「最終通告書」
対象取引 請求書番号・請求日・取引内容 請求書番号No.〇〇(2026年8月31日発行)
未払い金額と当初の支払期日 税込の未払い金額と、本来の期日 110,000円(支払期日:2026年9月30日)
新たな支払期限 入金を求める具体的な日付 2026年10月10日(金)まで
期限を過ぎた場合の対応 次に取ると措置 再督促、法的手続きの検討など

段階が進むほど、表題と「期限を過ぎた場合の対応」の書き方を強めていきます。遅延損害金の書き方や送付時の同封書類は「督促状とは?書き方や例文、送り方」で詳しく解説しています。

督促状の例文(初回・再督促・最終通告)

3つの段階で変えるのは、表題・期限までの日数・期限後の対応の3点です。

段階 送付の目安 表題 期限までの日数 期限後の対応の書き方
初回 電話・メールで連絡がつかない、または約束の日に入金がないとき お支払いのお願い 7〜10日 記載しない、または「ご連絡をお願いします」
再督促 初回の期限を過ぎたとき 督促状(再度のお願い) 7日前後 「しかるべき対応を検討いたします」
最終通告 再督促の期限を過ぎたとき 最終通告書 5〜7日 「法的手続きに移行いたします」

※送付の目安・日数は一般的な運用例です。契約書や社内規程に定めがあればそちらに従ってください。

最終通告書は内容証明郵便(配達証明付き)で送ると、送った内容と到達日を証明できます。法的手続きに触れる文面は、送付前に法務担当者または顧問弁護士に確認してください。

① 初回(お支払いのお願い)の本文例

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、2026年8月31日付でご請求いたしました下記の代金につきまして、お支払期日の9月30日を過ぎましたが、本日現在ご入金の確認ができておりません。
ご多忙のためのお手違いかと存じますが、ご確認のうえ、10月10日までにお振込みくださいますようお願い申し上げます。
なお、本状と行き違いでお支払いいただいている場合は、ご容赦ください。
敬具
(記)請求書番号:No.◯◯/ご請求金額:110,000円(税込)/お振込先:◯◯銀行◯◯支店 普通 ◯◯◯◯

② 再督促(督促状)の本文例

前略
2026年10月1日付「お支払いのお願い」にてご案内いたしました下記代金につきまして、再度のお願いとなりますが、指定期日の10月10日を過ぎた現在もご入金を確認できておりません。
つきましては、10月17日までに必ずお支払いくださいますようお願い申し上げます。
期日までにご入金またはご連絡をいただけない場合は、誠に不本意ながら、しかるべき対応を検討せざるを得ませんので、あらかじめご承知おきください。
草々

③ 最終通告(最終通告書)の本文例

前略
貴社に対しては、2026年10月1日付および10月11日付の書面にて、下記代金のお支払いを再三お願いしてまいりましたが、現在に至るまでご入金もご連絡もいただけておりません。
つきましては、本書到達後5日以内に、下記金額を全額お支払いくださいますよう、ここに最終のご通告をいたします。
期限までにご入金が確認できない場合は、やむを得ず法的手続きに移行いたしますので、ご承知おきください。
草々

督促メールの例文

メールは、期日の翌営業日〜3営業日以内の最初の連絡に向いています。初回は「入金確認のお願い」として送り、相手の確認漏れを想定した書き方にします。
メール件名の付け方や避けるべき表現は「督促メールを送る際の注意点とフォーマット」で解説しています。

① 支払期日超過後の初回メール

件名:【ご確認のお願い】9月30日期日のご入金について(請求書No.◯◯)
株式会社◯◯ 経理ご担当 ◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社◯◯ 経理部の◯◯です。 8月31日付でお送りした請求書(No.◯◯/110,000円)につきまして、お支払期日の9月30日時点でご入金を確認できておりません。
お手数ですが、お支払い状況をご確認いただけますでしょうか。
すでにお手続き済みの場合は、お振込日をお知らせいただけますと幸いです。

② 期限を設けた再確認メール

件名:【再送・10月10日までにご対応のお願い】請求書No.◯◯のお支払いについて
10月1日にご連絡した請求書No.◯◯(110,000円)の件について、本日時点でご入金・ご返信のいずれも確認できておりません。
恐れ入りますが、10月10日(金)までにお振込みいただくか、お支払い予定日をご返信ください。
ご連絡がない場合は、書面にて改めてご請求させていただきます。

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未入金が発生したときの督促フロー

未入金への対応は、穏やかな手段から順に5つの段階で進めます。いきなり法的手続きに進むと、取引関係が悪化するうえ、自社の請求ミスだった場合に信用を失います。

ステップ 対応 着手の目安 目的
① 自社の不備確認 期日の翌営業日 請求書の未送付・金額誤り・入金の見落とし(名義違い・合算入金)がないか確認
② 電話・メールでの督促 期日の翌営業日〜3営業日 相手の確認漏れを解消し、支払予定日を聞き出す
③ 督促状の送付 ②の約束が守られないとき 書面で正式に支払いを求め、記録を残す
④ 内容証明郵便 督促状の期限を過ぎたとき 請求の事実と到達日を証明し、時効の完成を猶予させる
⑤ 法的手続き 内容証明の期限を過ぎたとき 裁判所を通じて回収する

※着手の目安は一般的な運用例です。

電話・メールでの督促

最初の連絡は、支払期日の翌営業日から3営業日以内に行います。電話では「請求書が届いているか」「支払予定日はいつか」の2点を確認し、会話の内容はメールで送り直して記録に残します。担当者が不在の場合は、経理部門の代表窓口にも連絡を入れます。

督促状の送付

電話・メールで約束した日に入金がない場合は、書面の督促状を送ります。書面にすることで、取引先の社内で上長や経理責任者の目に触れやすくなります。記載項目と段階別の例文は、本記事の「督促状の書き方と記載項目」を参照してください。

内容証明郵便

内容証明郵便は、いつ・誰が・誰に・どんな内容の文書を送ったかを郵便局が証明する制度です。配達証明を付けると到達日も証明できます。
内容証明郵便による請求は民法上の「催告」にあたり、催告の時から6か月間は時効が完成しません(民法150条1項)。ただし、この猶予期間中に再度催告しても、猶予期間はそれ以上延びません(同条2項)。6か月以内に支払督促や訴訟などの手続きに進む必要があります。書き方は「未払いの請求書に内容証明は有効?」で解説しています。

支払督促などの法的手続き

内容証明郵便でも支払いがない場合は、裁判所の手続きを利用します。主な手続きは次の4つです。

手続き 概要 向いているケース
支払督促 債務者の住所地を管轄する簡易裁判所の書記官に申し立てる。書類審査のみで、裁判所へ出向く必要がない。金額の上限なし 相手が請求内容を争っていない
少額訴訟 60万円以下の金銭請求が対象。原則1回の審理で判決が出る 金額が小さく、早く決着させたい
民事調停 簡易裁判所で調停委員を交えて話し合う 分割払いなど、取引を続けながら解決したい
強制執行 判決や確定した支払督促などの「債務名義」にもとづき、相手の預金や売掛金を差し押さえる 上記の手続き後も支払われない

支払督促に相手が異議を申し立てると、通常の訴訟に移行します。手続きの使い分けは「督促状とは?」の「少額訴訟・支払督促の使い分け」も参考にしてください。
②〜③の連絡を担当者が個別に行っていると、対応の漏れや遅れが起きやすくなります。督促メールの自動送信や対応履歴の一元管理を検討する場合は、次の「債権回収ロボ」の章を参照してください。

督促業務の自動化を検討するなら「債権回収ロボ」

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督促シナリオ設計 顧客属性・滞留期間ごとの督促シナリオを自動設定/独自テンプレートの作成にも対応
督促手段 自動リマインドメール/SMS送信/オートコール(IVR)による自動架電/郵送(印刷・封入・投函まで自動化)
回収状況の可視化 債権者ごとの送信・返信履歴を一元管理/回収状況をダッシュボードで可視化
外部連携 既存の請求管理・債権管理システムとの連携に対応

本記事でご説明したとおり、督促は催促よりも正式で厳格な意思表示です。それだけに、取引先との関係悪化を懸念して、なかなか督促に踏み切れないという担当者の方も少なくありません。また、未払い先が複数ある場合、状況管理や個別対応の工数も積み重なります。

「債権回収ロボ」は、メール・SMS・IVR(自動音声電話)による督促アプローチを自動化するサービスです。担当者が直接連絡する代わりに、システムが自動で督促を実行するため、心理的なストレスを軽減しながら効率的に債権回収を進めることができます。

債権回収ロボの機能と特徴

債権回収ロボは、督促から回収まで一気通貫で自動化するクラウドサービスです。単なる「電話自動化ツール」ではなく、未払いの検知・督促シナリオの実行・対応記録の管理・回収実績の分析まで、督促業務全体をカバーしています。主な機能は以下の3つです。

・督促の完全自動化による属人化の排除:設定したシナリオに従って365日自動で正確に督促を実行。担当者不在でも業務が止まらない体制を構築できます。
・業務の標準化と対応記録の可視化:自動督促に加え、個別対応の記録も一元管理。誰がどの顧客にいつ何をしたかが可視化され、引き継ぎや管理がしやすくなります。
・PDCAによる督促精度の継続的改善:督促シナリオごとの回収実績を可視化・分析できる機能により、データに基づいた督促設計の継続的改善が実現します。

導入事例と具体的な成果

債権回収ロボを導入したアルカナエナジー株式会社では、営業担当2名が督促業務を兼務しており、月間48時間分もの工数を督促に費やしていたことが課題でした。担当者の「感覚」に依存した属人化、手作業による誤送信リスク、未払い顧客からの言葉による精神的疲弊が重なった状態から、365日自動処理の体制を構築することを目指して導入。工数が削減された分は、本来注力すべきサービス品質の向上や顧客対応に充てて、「より丁寧で漏れのない顧客コミュニケーション」の実現を目指しています。

督促業務の自動化に取り組む際には、「どのツールを選ぶか」よりも「督促フロー全体をどう設計するか」を先に考えることが重要です。債権回収ロボは設計支援も含めた導入サポートを提供しており、初めて自動化に取り組む企業にも適した選択肢です。

督促業務の改善は、フローと仕組みの設計を変えることで、担当者の精神的負荷の軽減と回収効率の向上を同時に実現できる取り組みです。「具体的な費用や機能を確認したい」という方は、まず資料請求・お問い合わせから始めてみてください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。