エクセルでの売掛管理を徹底解説!エクセルで管理する課題なども紹介!

請求業務

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企業の取引は掛取引が一般的であり、売掛金の取引状況を管理する売掛管理は企業経営に欠かせない業務です。継続的な売掛管理には表計算ソフトのエクセルを使うことで、さまざまな業務をより効率化することが可能です。ただしエクセルの活用にはある程度知識が必要であり、業務を行ううえでは入力ミスなどの問題も依然として残ります。

そこでこの記事では、売掛管理の各業務を踏まえたうえでエクセルを利用するメリットと課題点を確認し、その課題を解決する方法を解説します。

売掛管理のポイント


まず売掛管理には具体的にどのような業務が該当するか、順に確認していきましょう。

請求書発行

請求書発行は契約締結時に、製品・サービスの購入者に代金支払いを求める書類を発行・送付する業務です。税務調査では取引内容の証明となるため、請求書は重要な書類です。そのため、ミスや漏れのない請求書を発行する必要があります。
事前に得意先の社名・住所・経理担当者名や請求月、締め日、専用請求書フォーマットなどを用意して取引内容と比較することで、連絡漏れや混同、誤記入などのミスを低減できます。

入金確認

入金確認は請求書の控えと銀行口座の入金記録を比較し、入金の確認や入金日の記入などを行う作業です。請求書通りの入金を確認し次第、入金日を記入しますが、振込名義が異なる場合はどの取引先からの入金なのか確認する手間が発生します。

入金金額は預金通帳への記帳や銀行からのFAXによる通知、インターネットバンキングからの入金情報の確認などで確認が可能です。

入金消込

売掛金が指定の口座に入金され金額が帳簿と一致していれば、売掛金を帳簿上から取り消す入金消込を行います。事前の取り決め通りに入金された売掛金を消し込んでいくことで、未回収案件の把握が容易に分かります。
帳簿上借方に売掛金、貸方に売上としていた取引に対し、借方に現金などの資産勘定、貸方に売掛金とする仕訳を行うことで入金消込は完了です。

エクセルによる売掛管理


表計算ソフトのエクセルを活用することで、売掛管理がより効率的に進められるようになります。ここではエクセルで記入・管理する項目とエクセルを使うメリットについて解説します。

管理表の必要項目

売掛金の管理表は回収時期の確認などの用途にも用いるため、全体の残高に加えて各取引先別の残高を必ず記載する必要があります。それを踏まえてエクセルで管理表を作成する際は取引先名、売上金額、入金金額、残高を必ず記載しましょう。この4項目があれば必要な売掛金管理が可能となります。
より詳細に売掛金の動向を把握したい場合は売上発生日、請求書発行日、入金予定日も網羅しておくのがおすすめです。

エクセルで売掛管理をするメリット

エクセルでは数字の色・背景色・字体・書体などを変更することが可能です。この機能により売上や売掛金の状況ごとの区別がつきやすくなり、回収状態の把握が容易となります。
また、同じくエクセルに備わっているオートフィルター機能を活用することによって、簡単かつスムーズに特定条件の情報収集ができるのもメリットです。エクセルは管理担当者の熟練度に応じて管理表の機能をカスタマイズできるため、自社の業務体系に適したシステムを構築しやすく、柔軟性にも優れています。

業種を問わずビジネスで広く使われているツールであるため、多くの人に利用経験があり抵抗感が少なく受け入れられやすい点も導入のメリットと言えるでしょう。

エクセルを活用して入金消込を行う場合


エクセルでは業務の効率化・高速化を実現するために、SUM、IFなどといったエクセル関数やマクロ機能などが用意されています。ここではこれらの利用法を学んで日々の業務をより快適なものとしましょう。

関数を活用する

エクセル関数は2021年7月時点で488個用意されていますが、その中で業種を問わず頻繁に利用される関数はSUM、SUMIF、VLOOKUP、IFの4つです。以下順を追って解説します。

1.SUM・SUMIF
SUM・SUMIFの2つは指定した範囲の数値を合計し、表示する関数です。SUMは任意の範囲内の数値を合計する関数で、SUMIFは任意の条件に合致する数値だけを合計できるため、未回収の売掛金の合計残高計算などに適しています。セル内では以下の式で関数を活用します。

「=SUM(合計範囲)」
「=SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲)」

SUMIFでは絞り込む条件を「検索条件」に、絞り込む条件の範囲を「範囲」に入れることで、任意の範囲内から指定した条件を満たす数値のみを合計することができます。

2.VLOOKUP
VLOOKUP関数は指定したい条件と合致するもののみを、任意の範囲から探し出す関数です。VLOOKUP関数の式は以下の通りとなります。

「=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索の型)」

「検索値」は検索したいセルの数値・文字列などのデータです。「範囲」は検索値と、表示させたいデータである戻り値を含むセルの範囲です。検索値は「範囲」の最初の列に入る位置に指定する必要があります。

「列番号」は戻り値を含む列の番号です。なお、ここで示している列は「範囲」内から数えます。例えばC列から「範囲」が指定されている場合、D列の「列番号」は2です。

「検索の型」にはTRUEまたはFALSEのいずれかを入力します。TRUEは指定された範囲の中から指定された数値に最も近い数値・人名などのデータを表示し、FALSEでは完全に一致するデータのみが表示されます。

3.IF
IF関数は設定した条件を満たすか、満たしていないかで表示させる値を変化させる関数です。「入金一覧表に名前があれば入金管理表に○をつけ、なければ空欄のままとする」などといった入力作業が、この関数を入力することで1つずつ目で確認する必要なくなり自動入力することが可能となります。IF関数の式は以下の通りです。

「=IF(論理式,値が真の場合,値が偽の場合)」

任意の条件を「論理式」に記入します。指定した条件に沿っていた場合に表示させたいデータを「値が真の場合」に、条件以外の場合に表示させたいデータを「値が偽の場合」で指定します。

マクロ機能を活用する

マクロ機能とはエクセル上の作業を記録させた後、記憶させた作業内容を自動的に実行させる機能です。特定のデータに対する色付けなど簡単な作業ではあるものの、膨大な作業量となる場合は作業をマクロ化させることで、作業時間を大幅に短縮することが可能となります。シート上にボタンを作成して記録した作業を登録できるため、マクロ作成後はボタンを押すだけで長時間作業が一瞬で完了します。

なお、マクロを使ったファイルは通常のエクセルファイルでは保存できず、「エクセルマクロ有効ブック(.xlsm)」でなければ保存できません。既存のファイルをマクロ利用可能ファイルとするには、利用するエクセルのバージョンに沿ったマクロ有効化の操作を行う必要があります。

エクセルでの入金消込の課題


エクセルの活用によって作業の効率化が見込めるようになります。その一方で、エクセルを使った入金消込作業には以下の2つの問題点が挙げられるでしょう。

業務担当者のスキルが問われる

売掛管理へのエクセルの効果的な運用には、マクロやエクセル関数などの知識が必要不可欠です。また、入金消込など会計に関する業務は簿記・会計や税務の知識も必要であり、それらの知識がなければ計算ミスなどへの対処は難しいでしょう。

担当者にはエクセルと実務に関する知識が必要なため、社内の限られた人間のみが使用することになりがちです。そのため、担当者の傷病・異動・退職などによって業務が停滞して引き継ぎが困難となる、いわゆる属人化のリスクを抱えやすくなってしまいます。

入力ミスが発生しやすい

エクセルを用いた作業であっても数値の入力や関数の登録、ミスのチェックなどは全て手作業です。そのため各種書類の作成やデータ入力などの業務に、以前のアナログ作業ほどでないにしても多くの時間を費やす必要があります。取引量や取引の種類が多い場合はさらに時間がかかり他の業務に充てるべき時間を圧迫してしまうため、非効率的であると言わざるを得ません。

また、手作業にはヒューマンエラーのリスクがついて回ります。売掛金管理では、請求名義と振込名義の確認、請求額と入金額の差異確認など、チェックすべき項目も膨大です。そのうえ振込手数料や消費税の計算など、入力ミスを誘発する要素も多く存在します。

こうした要素が積み重なれば誤記入や請求漏れや二重請求、入金消込ミスなどが発生しやすくなることは想像に難くないでしょう。ミスは原因の発見と解消に時間を必要とするだけではなく、自社の信用問題に発展するおそれも否定できません。

売掛管理はシステムを導入して自動化させよう!


エクセル使用に伴う売掛金管理の課題は、入力内容の振替などを自動で行うシステムの導入で解決できます。ここでは、システム化による効果と導入前の準備について解説します。

システム化することによる効果

自動化システムのソフトから現金・売掛金などのデータを入力すると、仕訳などが他の科目にも自動的に反映されるため計上漏れや誤記入がなくなります。専門知識がなくとも業務を行えるため、担当者以外の社員でも業務が代行でき、属人化の防止が可能です。

また、入金や売掛金、未回収金などが正確かつ簡単に把握しやすくなるため、取引先へのアクションを早期に起こしやすくなります。未回収金を把握しやすくなり請求・催促などが迅速に行えるようになるため、安定したキャッシュフローの構築も期待できます。

システム導入前に抑えておくポイント

システムを効果的に活用するには、システム導入前の業務フローの洗い出し、既存システムとの連携可否の確認、同業種の導入実績の確認が不可欠です。

業務フローの洗い出しとは、自動化する業務の範囲を明確化して、業務間の連携をシステム導入後も滞りなく行えるかの確認です。経理部門だけでなく、営業部門などの異なる部門の社員と打ち合わせを重ねれば全社的に業務を効率化するために必要な機能や業務を把握しやすくなります。また、将来の業務変化に備えてシステムのサービス拡張性も、検討時に確認しましょう。

導入の際は、既存のシステムやサービスとの連携も視野に入れる必要があります。APIなどで連携ができれば、請求業務のみならず経理で発生する業務をシームレスに自動化できます。

さらに、同業種への導入実績も導入検討にあたって大切な判断材料です。同業種の企業に導入実績があり実施件数も多ければ、導入時のサポートもスムーズに進めてもらいやすく、またどのような機能があると便利かなどの相談にも乗ってもらいやすくなります。導入企業のインタビューや課題の解決事例を参考にすれば、より確実な検討が行えるでしょう。

請求管理ロボを導入して自社の売掛金管理をスムーズに行おう!

売掛管理の継続に伴い営業活動時間の圧迫、ヒューマンエラー、業務の属人化などの問題も発生し続けます。また、これらの問題を解消するためにシステムを導入したとしても、滞りなく運用を開始するためには、導入から運用まで一貫したサポートが必要となります。これらの問題を解消する自動化システムが、ROBOT PAYMENTの「請求管理ロボ」です。

請求管理ロボは取引先と請求内容の登録を最初に行うだけで、毎月自動的に請求書の発行送付入金消込支払催促を行います。現物による郵送が必要な場合も対応可能なため、請求書の印刷・封入・投函などの作業は不要となり、コア業務に専念することができます。

請求管理ロボは会計ソフトSFAとの連携も可能です。請求管理ロボを通じて入力するだけで既存の導入システムの該当箇所に自動的に反映されるため、記入漏れ・ミスや意図的な改変を防ぐことができます。
また、従来は決済方法ごとに切り分けていた入金管理のオペレーションを一元化できるため、キャッシュフローがリアルタイムで確認可能です。これによって集金状況を把握し、適切な経営分析と改善の実施ができるようになります。

ROBOT PAYMENTでは3ヶ月間にわたって導入をサポートいたします。既存の請求先情報の登録から請求書発行など一連の業務のテスト運用を行った後に実運用を実施し、業務フローの見直しや設定内容の確認を行います。3ヶ月のサポート期間終了後も電話・メールでの問い合わせに対応しているため、システムの運用に不安のある方も安心して導入いただけます。

まとめ

この記事では、売掛管理のツールにエクセルを使用するメリットと運用の課題、そしてその課題の解決方法について解説しました。
エクセルは業務の効率化を実現できる身近なツールですが、使いこなすにはある程度の知識が必要です。入力と内容の確認は人の手と目で行うため、ミスの発生や業務の停滞・混乱はゼロにはできません。売上管理のミスをなくし効率的な業務体制の構築を目指している企業はぜひ、請求管理ロボの導入をご検討ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。