経理でとんでもないミスを防ぐためには?対応策や今後の経理業務について解説

経理

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経理業務でのミスはなるべく避けたいものですが、どれだけ注意をしていても思いがけずとんでもないミスが起きてしまうこともあります。経理業務のミスは会社の信用問題にも関わるため、会社としても策を講じたいところだと思います。

そこで本記事では経理業務をおさらいしてから、経理ミスがなくならない理由やよくある経理ミス、経理ミスを防止する方法などを解説します。今後の経理業務の傾向についてもあわせて解説いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

まずは経理業務を改めておさらい

経理の役割は、企業活動の中で発生したお金の流れを記録・管理することです。そして、経営層が意思決定をする際に、その記録・管理した内容をもとに情報提供をすることも重要な役目です。経理では、売上・仕入処理、売掛金・買掛金の管理、給与計算、経費精算、資産売却・購入の処理など、さまざまな会計を「会計基準」に従って処理を行います。

経理業務は1日、1ヶ月、1年というサイクルに沿って行われます。このサイクルは、日次業務、月次業務、年次業務と呼ばれます。日次業務には経費精算、預金管理、帳簿・伝票管理、取引先の信用分析など、月次業務には月次決算書作成、予算実績管理、給与計算、請求・支払い業務など、年次業務には決算業務、法人税等の申告・納税、年末調整、次年度の予算編成などがあります。

このような業務内容の中で、さまざまな書類を発行して管理します。なかでも重要な書類は伝票と帳簿です。伝票はお金や物品の取引について明確に書き起こした書類のことを指し、会計伝票とも呼ばれます。一般的に伝票には、日付、勘定科目、内容、金額、起票者の押印またはサインの項目が設けられます。

帳簿は会社法で作成が義務付けられている書類で、企業資産の日々の動きを記載したものです。会計帳簿とも呼ばれ、決算のもととなる書類で、法人税法により7年間の保存義務があります。

また、財務も経理と同じ企業のお金を扱う部署ですが、経理とはポジションや業務内容が異なります。財務はより経営層に近いポジションで、金融機関からの資金調達や、買収・合併交渉などによる資金運用が主な業務です。ですが、経理と財務は密接な関係にあり、財務は経理が作成した帳票などをもとにあらゆる業務にあたります。

なぜ経理ミスがなくならないのか?

このように、経理は企業のお金の流れにおける要のような部署ですが、なぜミスがなくならないのでしょうか。それは、経理業務にあたる際、どのようなツールを使用してもヒューマンエラーが避けられないためです。

経理業務で使用されるツールは、時代によって変化してきました。そろばんから始まり、電卓、現代ではエクセルが多くの企業で使用されています。一見エクセルはそろばんや電卓に比べるとミスを防げそうに見えますが、気づかずに数字を書き換えてしまったり数式をずらしてしまったり、とんでもないミスにつながる可能性があります。

また、経理ソフトやデータベースアプリを導入しても、ヒューマンエラーがついてまわります。例えば、領収書や書類、他のアプリやネット画面からの数字の転記をする際。

マウス操作のコピーアンドペーストで済めば数字そのものは間違えませんが、入力個所を誤る可能性があります。さらに数字を手入力する場合には、数字を間違えてしまう可能性も高いです。このように、どのようなツールを使用しても、ヒューマンエラーが発生する工程がある以上、経理ミスはなくならないのです。

よくある経理ミス5選

そんな防ぐことが難しい経理ミスですが、一般的にどのような経理ミスが多いのでしょうか。続いて、よくある経理ミスについてみていきましょう。

数字の誤入力

非常に多く見られるのが数字の誤入力です。「0」の数を間違えて桁がズレたり、隣り合う数字を逆に入力したりすることは、経理担当者なら誰もが一度は経験している「あるある」と言えるのではないでしょうか。電卓での計算時、送金時・振込時、エクセルや経理ソフトへの入力時など、ちょっとした打ち間違いが大きな問題に発展する場合もあります。

計算のケアレスミス

普段はエクセルや電卓を使って計算していても、急いでいる時、簡単な数字だからと頭の中で計算をして間違えてしまう場合もあります。特に決算や月次締めの近い繁忙期には、集中力が切れて簡単な計算でさえミスをしてしまうことも。計算のケアレスミスは気づきにくく、仕訳・決算書や在庫管理などで広く発生する可能性があり、ミスの内容によっては取引先や納税額にも影響が及んでしまうため注意が必要です。

二重計上・二重請求

重複して計上してしまう二重計上や重複して請求してしまう二重請求も、経理業務において起きやすいミスの一つです。例えば、領収書や請求書を訂正して再発行した際に、「訂正前のもの」と「訂正後のもの」を両方保存してしまい二重計上が起こる場合があります。また、二重請求に関しては、影響の範囲が取引先や営業部にも及ぶことから特に注意が必要です。

必要書類の紛失

領収書などの必要書類の紛失も、経理業務で起こりがちなミスです。原因はいろいろ考えられますが、経理担当者がデスクに置いたままにしたり、保管場所に関するルールが徹底されていなかったりすると発生リスクは高まる傾向にあります。

在庫の計上漏れ

在庫計上でもミスが発生しやすいです。在庫は実際に確認しながら入力するケースが多いですが、数え間違いや確認不足が原因でミスが起きます。在庫の計上時に間違えると、実際に在庫を動かそうと思った際に在庫がなく取引先に迷惑をかけてしまう可能性があり、業務に重大な影響を及ぼしかねません。

経理ミスを防止する方法3選

そんな経理ミスを防止する方法はいくつかあります。これらすべてを実践してもゼロにすることは難しいですが、大幅に減らすことはできるのです。まずは経理担当者それぞれが以下ポイントに注意してみましょう。

整理整頓

日頃から整理整頓を心がけることが大切です。これはデスクなどの目に見えている範囲はもちろんですが、パソコン内にあるデータの整理整頓も重要です。特にデータは複数人がアクセスする可能性があるので、どの処理は終わっていてどの処理が終わっていないかということが分かるように明確に管理しましょう。

目に見える範囲がきちんと整理整頓されていれば、必要書類の紛失を防ぐことができます。整理整頓が習慣化していることで、忙しい中で領収書を渡されてもあるべき場所に置いてから元の仕事に戻ることができるのです。受け取ってそのまま放置することがないので紛失の可能性は大きく下がります。

また、データ上の進捗状況についても整理整頓が行われていれば、二重計上・二重請求する可能性が下がります。進捗管理の属人化や不十分であることが二重計上・二重請求を招く要因です。きちんと管理することで、そのようなミスが起こる可能性を下げましょう。

集中力の維持

集中力を保った状態で業務に取り組むことも大切です。個々人で集中力を保てるように工夫を行うことはもちろん、組織として集中力を保てる仕事の進め方を考える必要があります。

中でも対策を講じたいのが残業です。残業中は疲労から集中力が下がってしまうので、数字の入力ミスなどのケアレスミスが起こりやすい傾向にあります。そのため、個人として勤務時間内に業務を終わらせる能力アップは必要ですが、残業をしなくてもいいように会社として対策をとることも重要です。

集中力は自分の力だけでは管理できない部分もあり、上司が指示をしてもどうにもならない場合があります。従業員へ集中するように指示をするだけでは根本的には変わりません。集中力を保てるように、どうすれば効率よく業務を進められるのか、一人一人の業務量は適切かなどを考えるようにしましょう。

システムの導入

集中力を維持するためには効率よく業務を終わらせることが必要です。そのために、システムを導入して煩雑な作業を効率よく進められるように工夫してみましょう。業務の一部をシステムに任せることで、経理全体の負担が減り業務に対する集中力確保につながります。

また、システムを導入することは経理全体の負担を減らし集中力確保につながるだけでなく、人為的作業のミスを減らすこともできます。各種システムには便利な機能が多数搭載されています。中でも、入力内容を自動で確認してくれるサービスを使うことで、人の目ではなかなか気づけない細かなミスを一瞬で検出してくれます。

さらに、システムの中には改正電子帳簿保存法やインボイス制度に対応しているもの多くあります。担当者の知識がまだそれらに追い付いていない場合でも、システムの力を借りれば書類を不備なく作成できます。経理ミスが多くて困っているという会社は、システムを導入することによって業務効率化・ミス削減ができないか検討してみるのも一つの手と言えます。

これからの経理はどうなる?

前述のようにミスが起きやすい経理業務ですが、これからどうなっていくのでしょうか。近年では、反復業務やデータ処理の自動化が進み、経理の業務負担が減る傾向にあります。具体的にどのように変化していくのか見ていきましょう。

自動化

解説してきたように、経理の業務内容は企業活動の中で発生したお金の流れを漏れなく記録・管理することです。正確性が求められミスが許されません。同時に繰り返しの定型作業が多い業務でもあり、自動化できる業務範囲が多いという特徴もあります。

その自動化の手段として、RPAを導入する動きがあります。RPAは人の代わりにロボットが業務をこなしてくれるツールです。例えば、資材を購入して代金を支払うという業務で発生する、請求書のデータ取り込み、発注データとの突き合わせ、支払い、購入先への通知といった一連の作業を自動化することができます。RPAを導入することで、業務効率の向上、人件費の削減、業務精度の向上が期待できる今注目の手法です。

ペーパーレス化

経理業務にシステムを導入することで紙媒体の資料が不要になり、ペーパーレス化が進みます。ペーパーレス化によって、コスト削減ができたり、郵便やファイリングに要する作業軽減ができたりといったメリットがあります。また、領収書や請求書データの自動取り込みや入力データの整合性チェック、検索性の向上、情報漏洩などのセキュリティリスクの軽減、月末月初に集中する業務の平準化なども期待できます。

そして、ペーパーレス化によって各書類を電子データとして扱うことができれば、テレワークが可能になります。経理担当はテレワークが難しい部署でしたが、自宅でも経理業務ができるようになれば働き方改革にもつながるでしょう。

「請求管理ロボ」で請求業務を一括管理!

そんなヒューマンエラーをなるべく減らしたい経理業務におすすめなのが「請求管理ロボ」です。「請求管理ロボ」は経理における請求管理業務を自動化するクラウド型請求自動化システムです。請求管理業務は請求書の発行・送付、集金入金消込、未収金管理、督促など多岐にわたります。請求管理ロボはこれら業務を一括管理することができるのです。

請求業務の一括管理・自動化によって、ヒューマンエラーの機会が大幅に削減されます。情報はリアルタイムで反映されるため、状況をいつでもどこでも確認可能になり、透明性の高いキャッシュフロー管理を実現します。

また、請求管理ロボはSalesforceやkintoneなどのSFA/CRMとの連携に対応、営業から経理にかけて一気通貫で管理体制を構築できます。さらに、近年盛り上がりをみせているサブスクリプションサービスに対応した継続的な請求管理や多様な課金方式に対応した決済システムとの連動、前受金の自動入金消込など、さまざまな決済方法に対応しています。

まとめ

その重要性から正確さが求められる経理業務ですが、ヒューマンエラーがある限り、ミスを減らすことが難しいということも分かりました。ですが、小さなミスが会社にとって大きな損失に結びつきかねません。これからはより一層、経理担当者の負担を軽減しヒューマンエラーの機会を減らすための対策が求められていくでしょう。

その際に有効なのが、会計ソフトを活用した効率的な経理体制の構築です。請求管理業務を自動化する「請求管理ロボ」は、経理業務の中でも煩雑になりやすい請求管理業務の負担軽減につながります。経理業務でお悩みを抱えていえる企業の方は、ぜひ一度「請求管理ロボ」までお問い合わせください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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