不課税・非課税・免税(取引)の違い・区分は?

経理

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不課税・非課税・免税を理解して経理処理をスムーズに!

ほとんどの企業では売り上げに対して消費税がかかってくるわけですが、中には消費税が課税されない取引もあります。消費税が課税されない取引の区分は、「不課税」「非課税」「免税」の3つ。取引の内容によっては課税のない取引が全く出てこない場合もありますが、企業の経理担当者のほとんどが目にしたことがあるはずです。

それぞれ「消費税が課税されない」という意味では同じですが、目的や意図する内容は微妙に違ってきます。大体どのような取引が分類されるのか、触りだけでも押さえておきましょう。

不課税とは

不課税の対象となるものは、はじめから消費税の対象とみなされない取引のことを指します。そもそも消費税の対象になるのは、「企業などが事業として国内で対価を得た場合」「資産の譲渡などがあった場合」などです。

国税庁の不課税の具体例によると、大きく分けて下記7つが挙げられています。以下は国税庁からの引用です。

(1)給与・賃金・・・・雇用契約に基づく労働の対価であり、「事業」として行う資産の譲渡等の対価に当たらないからです。
(2)寄附金、祝金、見舞金、補助金等・・・・一般的に対価として支払われるものではないからです。
(3)無償による試供品や見本品の提供・・・・対価の支払いがないからです。
(4)保険金や共済金・・・・資産の譲渡等の対価といえないからです。
(5)株式の配当金やその他の出資分配金・・・・株主や出資者の地位に基づいて支払われるものであるからです。
(6)資産について廃棄をしたり、盗難や滅失があった場合・・・・資産の譲渡等に当たらないからです。
(7)心身又は資産について加えられた損害の発生に伴い受ける損害賠償金・・・・対価として支払われるものではないからです。

しかし、損害賠償金でも、例えば次のような場合は対価性がありますので、課税の対象となります。

イ 損害を受けた棚卸資産である製品が加害者に引き渡される場合で、その資産がそのままで使用できる場合や、軽微な修理をすれば使用できる場合
ロ 無体財産権の侵害を受けたために受け取る損害賠償金が権利の使用料に相当する場合
ハ 事務所の明渡しが期限より遅れたために受け取る損害賠償金が賃貸料に相当する場合(※1)

※1“No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例”. 国税庁ホームページ.
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6157.htm

非課税とは

不課税は「事業の対価として受け取ったもの」は該当しませんでしたが、非課税は「事業の対価として受け取ったものでも課税されない」と判断されるものを指します。また、非課税に該当するものは多く、経理処理をするにあたって、一般的に不課税や免税よりも処理する頻度が高いものになります。課税されるのか非課税にあたるのか混同しやすい部分になるので、しっかり押さえておきたいところです。

非課税の例
・小切手や約束手形の譲渡 ・郵便切手などの購入や譲渡
・社会保険医療の給付 ・貸付金や預金に対する受取利息 など

該当するものが多いので、判断に迷った場合は、国税庁のホームページなどを参考にしてみましょう。

免税とは

不課税・非課税・免税を理解して経理処理をスムーズに!

免税は事業の対価として受け取ったものでも、「国内で消費されない取引」に用いられるものです。一般的に、国内で消費されるものやサービスに対しては消費税が加算されます。裏を返せば、国内で消費されない輸出品などには消費税は加算されないのです。この、海外で消費される取引を免税として処理します。よく耳にする免税店は、この免税の仕組みを利用したお店ということですね。

まとめ

今回は「不課税」「非課税」「免税」の3つの違いについてご説明いたしました。この3つを明確に区別しておかないと、消費税の申告時に手間取ることになります。より手早く処理を終わらせるためにも、この3つの違いは知識として覚えておくことをオススメします。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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