銀行振込での入金管理の課題とは?課題を解決する手段なども解説

請求業務

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銀行振込での入金管理においては、入金の確認や売掛金との照合・未収金の催促・入金消込など多くの業務を正確に行っていく必要があります。しかし、目視と手作業による場合には取引先が増えるにつれしばしば作業が煩雑になるため、ミスが起きやすく、毎月の会計が遅れる要因ともなっているのが現状です。

この記事では、このような入金管理にまつわる課題を詳しく解説したうえで、課題解決に役立つとされるいくつかの仕組みのご紹介を通して、効率的な入金管理手段を探っていきます。

入金管理の業務内容


企業間取引では後払い決済である掛売りが一般的であるため、事業を続けていくうえでは入金管理がことのほか重要な業務となります。入金管理を疎かにしていると、企業経営の生命線とも言える資金繰りを圧迫してしまうことにもなりかねません。ここでは、入金管理の業務内容を詳しくみていきましょう。

入金の確認

入金管理は、請求に対して入金が行われているかを確認することから始まります。手元にある請求書に記載された内容と銀行口座の入金履歴とを照合して、入金額はもちろん、振込名義や案件名、入金日に間違いがないかを逐一チェックしていきます。

入金確認は、作業的には単純で特に難しいことはありません。しかし、取引件数が増えればその分確認に手間と時間がかかるため、ミスが起きやすくなります。

売掛金との照合

売掛金の額と入金データとの照合は、一連の入金確認作業の中で併せて行うのが一般的です。前述した取引件数が増加した場合だけでなく、1つの取引先であっても複数回取引を行った場合にも照合作業はしばしば煩雑になります。都度支払いであればどの案件に対する入金であるのかを一つ一つチェックする必要がありますし、締め支払いのケースではどの案件がまとめて振り込まれているのかを正確に見極める作業が欠かせません。

そして、照合の結果誤りが判明した場合には、直ちにミスの原因を突き止めましょう。振込金額の誤り、締め支払いでの案件の合算漏れ、請求金額の記載ミスなどが主な原因として挙げられますが、入金管理の適正化に向けて正確な原因把握は必須と言えます。

未入金の確認・催促

期日までに入金がなされない場合には、催促する必要があります。催促は、電話やメール、文書の郵送で行います。未入金には、スピーディーかつ正確に対応することが大切です。未入金案件は時間が経つほど回収が難しくなることが少なくない反面、入金されたにもかかわらず誤って催促してしまうと相手側の信用を損なうことにもなりかねません。

入金消込

売掛金が請求通りに入金されたら、帳簿に記載された売掛金データを入金データと突き合わせて消去していく「入金消込」作業を行います。売掛金は債権であるため、未収段階では資産として借方に仕訳が行われ、一方貸方には売上が収益として振り分けられています。そして、後日正しく入金されていることが確認できた際に、借方に記載された売掛金データを消して貸方に仕訳を行い、一方貸方に記載された売上データを預金として借方に仕訳をすることで、入金消込作業は完了です。

入金消込は入金管理に欠かせない業務ですが、事業規模が大きくなり、取引先の数が増すにつれて煩雑化しやすいため、ヒューマンエラー対策を講じておく必要があります。

銀行振込で生じる入金管理の課題


取引件数が増えるほど、入金管理にかかる業務が煩雑になることは避けられません。特に銀行振込を決済手段とする場合には、請求や入金確認・消込にかかる様々なミスやリスクが生まれやすくなります。以下、銀行振込で生じる入金管理の課題を3つ解説していきます。

目視・手作業によるリスク

銀行振込では、顧客情報と入金データの紐づけが容易なクレジットカード決済などとは異なり、入金にかかわる情報を手作業で入力して管理していかなければなりません。そのため、入力忘れや入金額の間違いが起こりやすく、売掛金を回収する企業側が確実に入金されているか都度確認していく工程が必須となります。

このような経理担当者による目視と手作業による消込作業では、ミスがトラブルを引き起こすリスクが高くなります。例えば、未収金を誤って消込んでしまい売掛金を回収できなくなる結果を招いたり、逆に消込漏れにより入金済み案件に二重請求をかけてしまい取引先との関係がこじれてしまったりといった事態に発展することも稀ではありません。

請求名義と振込名義が異なる

消込作業では、入金時の振込人名義を手掛かりとして、入金者と実際に商品・サービスを購入した取引先とを紐づけるのが基本です。しかし、同姓同名の請求先が他に存在する場合には、案件名やその他の情報から顧客を特定する必要が出てくるなど、消込先の確認に余計な手間がかかります。また、振込名義はカタカナで表記されるため、一見してどの取引先であるか判別できなかったり、見間違えによるミスを起こしたりする可能性もあるでしょう。

未入金発生時の繰越請求の管理

未入金案件があっても消込を行わず、次月にまとめて請求することを「繰越請求」と言います。入金管理をシステムによらず経理担当者が個別に管理する仕組みを採る場合、繰越請求にかかる管理や消込作業がしばしば煩雑化します。

繰越請求では、売上計上と請求額にずれが生じ、繰り越される未入金額と請求月分の金額の峻別が難しくなります。正確な数字が把握できなければ、売掛金や売上債権の未回収リスクを招くことにもなりかねません。繰越請求を適正に管理するためには、入金管理業務の属人化を防いで標準化を図るとともに、営業から経理に至る関係部署間の情報共有体制を確立することが大切です。

効率化するには入金消込のシステム化がおすすめ


銀行振込での入金管理を効率化するには、入金消込をシステム化するのがおすすめです。ここでは、入金消込システムの特徴から導入するメリット、導入時の注意点までを順に解説していきます。

入金消込システムの特徴

入金消込システムとは、金融機関との連携により、従来人の手や目視で行っていた様々な入金管理業務の自動化が可能になる仕組みのことです。入金データの取り込みや売掛金データとの照合、仕訳情報の入力から売掛金残高の確認などが自動化できるだけでなく、会計ソフトと連携させることにより、これまでは別々に管理していたデータの一元化を図ることも可能です。

また、最近では特定の目的に合わせて設計できる「特化型AI」の仕組みを、定型的な業務で威力を発揮するRPAに落とし込むことで、イレギュラーかつ個別判断を要する場面が少なくない入金管理業務の一層の効率化を図る取り組みにも注目が集まっています。

システムを導入するメリット

システムの導入により入金消込作業を自動化し、入金管理業務の効率化やデータの一元化を実現することで、様々なメリットが期待できます。ここでは、その中から3つを取り上げてご紹介します。

・人的ミスや作業の属人化を防ぐことができる
システム活用により自動かつ正確な照合が実行されるため、入金消込作業にありがちな見間違いやチェックミスなどのヒューマンエラーを防ぐことができます。また、ベテラン頼みの属人化した体制からの脱却も見込めるでしょう。

・キャッシュフローを改善できる
正確な入金管理の実現は、二重請求や請求ミスを防ぐことはもちろん、未回収案件への迅速な対応を可能にします。債権回収の流れが常時把握できるようになるため、キャッシュフローの改善や見直しが容易になることが期待できます。

・各種会計ソフトとの連携が図れる
システムにより仕訳が行われたデータは、各種会計ソフトと連携させることが可能です。各ソフトが依拠するフォーマットでのデータ抽出やエクスポートを実行することにより、ソフトへの手入力による転記作業が不要になります。

導入時の注意点

様々な入金管理業務の自動化・効率化に大きく寄与する入金消込システムですが、導入効果の最大化に向けては、あらかじめ留意しておくべきいくつかのポイントがあることもまた事実です。

まずは、導入目的を明確にしておく必要があります。現状において自社の入金管理業務が抱える問題点を踏まえ、どのフローをどの程度まで自動化したいのかをはっきりとさせておきましょう。システムの操作性や拡張性・カスタマイズ性、あるいは複数部署で利用するのであれば連携のしやすさを確かめておくことも大切です。

また、自社が使用している会計ソフトや顧客管理ソフト、決済代行サービスと連携できるかを事前に調べておくこともおすすめです。連携性に優れるシステムを導入できれば、コストを節減しつつ入金管理業務を効率化できるでしょう。

入金消込システム以外で消込作業を自動化する方法


ヒューマンエラーの軽減や作業効率の向上など様々なメリットが見込まれる入金消込システムですが、予算やシステム定着に時間がかかる点から、導入に二の足を踏んでいる場合もあるでしょう。そこで、ここでは入金消込システム以外で消込作業を自動化する方法を3つご紹介します。

エクセルの活用

エクセルで消込処理を行っている企業は少なくありません。エクセルには様々な関数が備わっていますが、SUMIF関数やCOUNTIF関数、あるいはVLOOKUP関数の活用により、取引先の企業名を軸にした計算やデータの抽出・一元化が容易になり、消込作業の効率化が図れるでしょう。

消込処理では特定のデータの色分けや未入金のみを抽出する作業が毎回発生するため、取引件数が多いと手作業では膨大な時間がかかりがちです。しかし、エクセルのマクロ機能を使えば、これらのルーティン作業にかかる時間を大幅に削減できるだけでなく、入金と取引先の一括突き合わせや入金名義の一括変更など様々な工程を自動化することも可能になります。

会計ソフトの活用

会計ソフトとは、事業にかかわる会計情報を一元管理化し、効率的に把握できるよう特化された専用の業務ソフトウェアを指します。導入により勘定科目の仕訳が効率化でき、決算書や申告書の作成にかかる業務工数の大幅な削減が可能になります。

一般に、会計ソフトでは入金消込機能がオプションとして付けられるものが少なくありません。利用できれば消込用のデータを会計ソフトに転記する手間がいらなくなることはもちろん、仕訳から入金消込に至る売掛金管理の全てを会計ソフト上でシームレスに行えるメリットも期待できます。ただし、あくまでオプションサービスなので、概して自動化システム並みの効率化を果たすことは難しくなっています。

決済代行サービスの活用

決済代行サービス(掛け払い決済)を利用すれば、請求から代金回収までの一連の債権管理業務をまとめて委託できるため、入金状況の確認や売掛金と入金データとの照合作業、未回収案件に対する督促にかかる時間と手間を節減できます。入金が行われない場合の代金回収を100%保証しているサービスを利用すれば、代金未回収リスクの回避も可能です。

また、取引先によっては銀行振込ではなくクレジットカード決済などその他の支払方法を希望されることも珍しくはありませんが、決済代行サービスは幅広い支払方法に対応できるため、取引先のニーズに柔軟に対応できるメリットもあります。

請求管理ロボを導入して入金管理をスムーズに行おう!

入金消込を初めとする入金管理業務の効率化をお考えであれば、ROBOT PAYMENTの「請求管理ロボ」の活用をご検討ください。請求管理ロボは、請求書の発行・送付から未収債権への催促に至る債権管理業務の全フローの自動化により、毎月の請求業務のおよそ80%の削減と回収率の向上が期待できるクラウドサービスです。

入金管理では、自動集金を仕組み化することで目視や手作業によることから、煩雑になりがちだった消込作業の大幅な工数削減とヒューマンエラー回避を実現します。入金情報の常時把握と一元管理化が可能になるため、効率的に入金管理業務が果たせます。

さらに、他社製の各種会計ソフトへの仕訳連携にも対応しているため、導入時のカスタマイズや消込時の転記といった面倒な作業のカットにより、既存システムとのスムーズな連携が図れます。決済手段に関しても、銀行振込・口座振替からクレジットカード・コンビニ決済まで豊富に用意されており、顧客の多様なニーズに応えることが可能です。

まとめ

銀行振込により企業間決済が行われるケースは少なくありませんが、取引先が多くなるほど処理数が増え膨大な作業となることが多い入金管理業務の全てを、手作業で処理していくのは現実的ではありません。特に目視と手作業では煩雑化しミスが起こりやすい入金消込作業については、自動で処理する仕組みの導入が効率的です。

消込の自動化は、エクセルや会計ソフトのオプション機能などを活用してもある程度は可能ですが、どうしても局所的な対応にとどまりがちです。入金管理が企業の存続にかかわる不可欠の業務であることに鑑みれば、迅速かつ正確な消込処理が実現する入金消込システムの導入が最も確実な手段と言えるでしょう。
入金消込の自動化を安心してお任せできるサービスをお探しの担当者様は、ROBOT PAYMENTの「請求管理ロボ」導入をご検討ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。