入金後に請求金額の間違えが発覚した場合の対処法

経理

請求書の請求金額と違う額を取引先に入金してしまったことも少なからずあるでしょう。人が行う作業であるからには、このようなトラブルが発生しないとは限りません。金額が多い少ないにかかわらず、間違った金額を振り込んだときにどのような対処をすべきなのでしょうか。このコラムでは、請求金額と入金額を間違えた際のスマートな対応方法を解説します。

入金金額を間違えた時の対処法

事業活動において、仕入れ時等で発生した代金を振り込む業務があります。その場合は、取引先から請求書が送付され、期日までに請求金額を指定の口座等に入金するのが基本です。しかし、請求金額とは異なる金額を間違えて入金してしまったなんてミスも起こり得ます。金額を間違えてしまった場合、どのような対応が必要なのでしょうか。ここでは、入金額を間違えた際の対処法についてご紹介します。

まずは相手先の担当者に謝罪と確認を

クレーム対応と同様、誤りが発生した場合には早急な対応が肝要です。特に請求金額というお金に絡むミスの場合はなおさらです。謝罪は、まず相手方の担当者へ電話でお詫びして、誤った請求金額について念のため双方で確認を行います。その際、携帯メールなどで簡単に済ませてはいけません。
その後、請求金額の差異について謝罪文を送ると共に、今後の手続きについての案内文を添えます。

請求金額よりも多く入金した場合の対処

請求金額よりも多く入金してしまったことを過入金と呼びます。過入金に気が付いたら、即時に取引先に相談して返金のお願いをしましょう。その際に、振込手数料は自社負担であることの説明をします。請求金額との差額が大きい場合は、心からの謝罪として菓子折りなどを持参するのも良いでしょう。逆に請求金額との差額が小さい場合は、次月の請求金額と相殺してもらうように伝えます。

請求金額よりも少なく入金した場合の対処

請求金額よりも少ない入金を不足金と呼びます。不足金に気が付いたら、過入金と同様に取引先に連絡して、不足分を早急に振込みましょう。再度入金額を間違えないように取引先に請求金額を確認してから振り込むことが大切です。

また、取引先に連絡する際に「足りない分は次回に合算でいいですか?」などと聞かないようにしましょう。入金ミスをしたのはこちら側なので、相手側の都合も聞かずに事を収めるのは失礼です。相手側から次回と合算でいいと言われた際は、丁寧にお詫びをして指示に従いましょう。

差額分を新たに請求してもらうべきか?

請求金額の差額分について、新たに請求書を発行してもらう必要はありません。当初の請求書の原本をコピーして、請求金額との差異についての説明と返金または追加振込で済みます。

もう一度請求書を発行してしまうと、新たな取引と解釈してしまいます。内容がまったく一緒の取引が2つあってもおかしくはないため、処理する側もわかりにくく厄介です。結果として、異なる2つの取引として扱われるという事象が発生しないようにしましょう。

誤振込の返金義務について

金融機関の窓口で振込手続きする場合、振込依頼書をもとに銀行員が照合するので間違いはほとんど起こりません。しかし、ATMやインターネットバンキングから振込する場合、銀行員による照合がないため口座が存在してしまえば振込作業が実行されてしまいます。

相手の口座に着金する前に入金ミスに気が付いた場合は取り消しが可能です。ただ、振込処理は金融機関の稼働時間内もしくは即時で行われるため、手続き完了後にミスがわかっても処理の取り消しは困難でしょう。こうした場合、どのような対応が迫られるのでしょうか。ここでは、誤振込の返金義務についてご紹介します。

誤振込を受けたら返金する義務がある

誤振込で受け取った金額は、法律上の原因無くして得た利益「不当利得」に該当し、受け取った方は、民法703条の定めにより法律上返還義務を負わなければなりません。不当利得と知ったうえで着服する場合は、振り込まれた全額に利息を付して返還する義務を負い、さらに損害賠償責任も負うことと民法で定められています。返還方法としては原則、当事者間の話し合いによって決まるため一括返還の場合もあれば分割返還のケースもあります。

中には、振り込まれた金額を使用してしまった方もおられるでしょう。使用してしまった場合、その利益を存する限度「現存利益」という問題が生じます。現存利益とは、利益が現物のまま又は姿を変えて現状存在することです。例えば、誤振込の金額を使い果たしてしまった場合でも、使用用途が生活費や物品購入などに充てられているのであれば出費を免れていることになり、当初とは違う形ではありますが利益が残っていると判断され、返還義務が生じます。しかし、娯楽費として浪費された場合は、現存する利益はない判断され義務の対象から外されることもあります。

誤振込の返金拒否で生じる刑事責任

返還命令に従わない場合は、振込を実行した相手側から刑事訴訟を起こされる可能性があります。実際に、返還に応じず金融機関の窓口で払い戻し請求した結果、刑法第246条の詐欺罪と認められた事例があります。詐欺罪になった場合、10年以下の懲役が科せられるので注意しましょう。他にも、振り込まれたお金をATMで引き出す行為は、金融機関の占有を侵害するとして刑法第235条の窃盗罪になる可能性があります。

窃盗罪が成立してしまうと、10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。また、現金の引き出しをせずに口座間で誤振込金額を移動させる行為は、刑法第246条の2にあたる電子計算機使用詐欺罪に該当する可能性があるので注意しましょう。電子計算機使用詐欺罪が成立された場合、10年以下の懲役が科せられます。刑事告訴によって逮捕されてしまう可能性もあるため、誤振込は気が付いたら必ず返還するようにしましょう。

時効が成立すると返金義務が消滅

誤振込には返還する義務が生じますが、法律には事項という制度があることも忘れてはいけません。民事上の時効は、送金した側が誤振込に気づいてから5年が経過すると返還義務が消滅します。ただし、民事訴訟で送金した側に勝訴判決が下された場合は、判決確定後の翌日から10年間までが時効期間です。

刑事上の時効期間は、犯行を始めた時から7年経過すると罪に問われなくなります。とはいえ、時効期間が過ぎるまでお金を返還しないというのは良くありません。誤振込に気が付いた時点で素直に返還することが大切です。

請求額と入金額にずれが生じる主な原因

ここでは、請求額と入金額にずれが生じる主な原因についてご説明します。
また、それぞれ原因によって生じた課題を解消できる、当社の「請求管理ロボ」の機能についてもご紹介します。

ケース1:先方が振込金額をミスしている

銀行振込する際に、振込金額の桁を間違って入力してしまうなどにより、誤った額が入金されるケースがあります。
振込額の間違いに気づいたら、すぐに相手側に連絡する必要があります。また、振込番号を入力ミスしてしまうと別の口座に送金される場合や送金自体されません。

なお、この課題の解消策として、当社の「請求管理ロボ」には 「入金繰越機能」と「自動催促メール機能」があります。

入金繰越機能は過剰入金を「繰越待ち」として登録することで、次回請求時に自動的に控除され、差引後の金額で請求書が発行されます。過剰分は前受金として処理され、仕訳データが自動生成されるため、経理処理の手間を軽減できます。

自動催促メール機能は特定した未入金の取引先に対して、自動催促メールで素早く漏れなく通知します。迅速なアクションにより、回収率の向上に貢献します。

ケース2:消費税の端数処理で差額が生じている

請求書の作成時には、1円未満の消費税を切り捨て、切り上げ、四捨五入する端数処理を行います。
この消費税の端数処理は、各事業者によってルールが異なるため、自社と取引先とで処理方法が違うと差額が生じてしまいます。1円程度の際の場合は、手数料などとして処理するのが一般的です。
また、複数の請求書がある場合、請求書ごとの税率なのか合算した際の税率なのかでも差異が生じます。枚数が多いほど差額が大きくなるので注意しましょう。

なお、当社の「請求管理ロボ」では、消費税端数計算方法を切り上げ、切り捨て、四捨五入の中から選択できるので、取引先との間で確認を取り、あらかじめ調整することが可能です。設定→請求元編集→オプションから変更が随時できます。
加えて、消費税誤差が発生した場合には、売上データの一覧に誤差分の売上データ(1円や-1円)が自動的に作成される仕様となっています。

ケース3:振込手数料が差し引かれている場合

多くの場合、基本的には振込手数料は支払側(債務者)の負担とされていますが、業界や取引関係によって例外も少なくありません。
企業間取引では、このようなトラブルを避けるために、取引を開始する前に振込手数料の負担者をしっかり取り決め、契約書や請求書に明記しておくことが重要です。

明確な合意形成や振込手数料負担を依頼する文言を請求書に入れていない場合、請求額と入金額にずれが生じる恐れがあります。
なお、当社の「請求管理ロボ」では、請求書下部の自由入力欄に手数料案内文を100文字以内で記載いただくことができます。

▼請求管理ロボの請求書における手数料案内文の記載イメージ

ケース4:複数の請求書を合算して支払われる場合

1つの取引先企業であっても、複数のサービスを提供している場合など、2枚以上の請求書を送付することがあります。 それに対して支払う側の企業は、複数の請求額を合算して1度の振込で対応することも。この場合もまた、請求額と入金額にずれが生じる恐れがあります。

なお、この課題の解消策として、当社の「請求管理ロボ」には「自動合算消込機能」があります。
自動合算消込機能は複数の請求に対する合算入金を自動的に消し込むことが可能です。個別の消込結果は、ユーザーが確認できるため、安心して業務を進めることができます。

入金ミス対応の削減は「請求管理ロボ」にお任せ!

入金ミス対応にお困りの企業担当者様は、ぜひ「請求管理ロボ」の導入をご検討ください。
導入企業様からは「請求管理ロボが自動で入金消込・催促するため、請求先への対応時間や労力が削減された」といった好評価をいただいております。

請求管理ロボ」は、毎月の請求業務を最大80%削減する請求管理システム(債権管理にも対応)です。
請求書の発行送付集金消込催促などの売掛金管理を全て自動化し、人的作業を減らしてミスを防ぐとともに、経理業務の効率化を実現します。

加えて、SFA(販売管理システム)との連携により、自動で行われた請求業務の内容を会計システムに反映させることも可能です。これにより、煩雑なやり取りの削減と企業会計の透明化をサポートし、従業員がコア業務に専念できるようになります。

なお、コンビニ決済、クレジットカード決済、口座振替、銀行振込など、複数の決済手段に対応しているため、企業間取引のみならず、BtoC取引にも活用いただけます。

インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しており、これまでに900社以上の企業に導入され、年間取引請求金額は約2,770億円に上ります。経費の管理や帳簿付け、請求業務にお悩みの企業のご担当者様は、お気軽に「請求管理ロボ」にご相談ください。
 

※一部サービス提供元の運営記事です/PR
監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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