IFRSで新しいリース会計基準が適用される!?リースの全容解説します! | 企業のお金とテクノロジーをつなぐメディア「Finance&Robotic」

IFRSで新しいリース会計基準が適用される!?リースの全容解説します!

経理

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会社の経営において会計を理解しておくことは非常に大切です。なかでも、リース取引の会計処理は、2008年以降、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分けて扱われてきました。これに加えて、新リース基準を定めた国際財務報告基準であるIFRS16号が強制的に適用されるようになります。以下では、それによって企業会計にどのような影響があるのかなど、従来のリース会計との違いについて見ていくことにしましょう。

ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引

まず最初に、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引のそれぞれの概要について説明します。

<ファイナンス・リース取引とは>
ファイナンス・リース取引というのは、機器を調達するにあたって必要となる資金を借り入れたうえで、その機器を使用しつつ借入金の返済を行っていくという取引の仕組みで、実態としては購入とほとんど同じです。その特徴の一つは、機器が不要になったような場合でも途中で解約したりはできず、万が一、借入金の返済が完了する前に機器が故障した場合であっても、全額の負担を強いられるという点にあります。
このファイナンス・リース取引は、さらに細かく、所有権移転ファイナンス・リース取引と所有権移転外ファイナンス・リース取引とに分類することが可能です。前者は、文字通り、契約が満了して借入金を返済し終わった時点で、リース契約の対象となっていた機器の所有権を取得できる取引形態となっています。一方、後者は、契約しても自動的に所有権が得られるわけではなく、引き続き機器を使用したい場合には、改めて再リース料や一定金額を支払って機器を買い取る必要があるのです。

<オペレーティング・リース取引とは>
オペレーティング・リース取引は、あらかじめ定めた契約期間中において、所定のリース料を支払う代わりに機器を使用できるという取引の仕組みです。あくまでも、契約期間中に機器を借りているだけですので、契約が満了すれば、それを返却しなければならないというのが原則です。このオペレーティング・リース取引の特徴は、途中で機器が故障するなどして使えなくなった場合には、借主ではなく貸主が修理に必要な費用等を負担するという点にあります。換言すると、借主は故障のリスクを負わなくても済むというわけです。

ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の違い

ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引とでは、主に支払う必要があるリース料の総額と契約期間の2つの点が異なります。まず、リース料についてですが、ファイナンス・リース取引の場合では、一般的にリースする機器の通常の価格よりもリース料の合計額の方が高くなるのに対し、オペレーティング・リースの場合には、逆に安くなるのが通常です。これは、前者では契約期間後も希望すれば引き続き機器を使用し続けられるのに対し、後者では返却が前提となっていることから、その差がリース料に反映されていると考えるとよいでしょう。

次に、契約期間についてですが、ファイナンス・リース取引では、少なくとも法定耐用年数の60から70パーセントである必要があるのに対し、オペレーティング・リース取引ではそういった制約がないため当事者間の合意によって自由に期間設定が可能となっています。短い期間だけ機器をリースしたいという場合には、ファイナンス・リース取引は利用できず、オペレーティング・リース取引を選択するしかないのです。

リースのメリット・デメリット

では、ここからはリース取引が有するメリットとデメリットについて、順に見ていくことにしましょう。

<メリット>
リース取引を行うメリットの一つは、貴重な金融機関の融資枠を他の用途に使えるようになるということです。もし機器を購入する場合に、必要な資金が手元になければ、金融機関から融資を受ける必要があるわけですが、リース取引を選択すれば最初にまとまった資金を用意しなくて済むため金融機関に頼らなくても済むようになります。このように多額の初期費用がいらないというのもメリットなのですが、それによって余った融資枠を使って他に必要な物品などを調達できるようになるというのもリース取引を行う魅力です。
また、リース料は経費算入が認められていますので、リース取引を行えば事務の負担を軽減できるというメリットがあります。さらに、リース取引については賃貸借処理を選べるようになっていますので、それを選択すればリースして借りた機器等の資産を固定資産に計上しなくて良くなります。そのため、固定資産比率や総資本利益率といった財務の数値を悪化させずに済むというのもリース取引のメリットであるといえるでしょう。なお、リース期間が満了する頃には、借りていた機器が陳腐化しているケースは珍しくないわけですが、期間満了とともにそういった機器を返却して、より高性能な新機種をリースし直すことで、常に最新の機器を利用し続けられるようにするのも可能です。

<デメリット>
リース取引にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。例えば、前述のように、ファイナンス・リースの場合には、契約途中での解約はできないようになっているため、機器が不要になった場合でも契約満了までリース料を支払い続けなければなりません。また、リース取引において支払う必要があるリース料には、機器本体の価格に加えて、故障などに備えるための保険料や、リース会社がそれを調達するために要した金利や彼らが得るマージンなどが上乗せされるのが通常であるため、どうしても同じ機器を購入するよりも割高になってしまうというデメリットもあります。
さらに、リース期間中は機器の所有権は得られず、リース期間が終わった後も所有権移転ファイナンス・リース取引を除けば権利を獲得できないため、返却を余儀なくされるという点にも留意が必要です。加えて、ファイナンス・リース取引では、契約期間中に機器が故障してしまったら、借主の負担で修理いなければならないのです。

リース会計の変更に伴う影響

リース取引の会計処理は、2008年からファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引とに分けて行われてきたのですが、2019年1月以降に開始される事業年度からは国際財務報告基準IFRS16号に基づく新リース基準が強制的に適用されるようになります。強制適用だけに、すべての企業がそれに従って会計処理を行わなければならなくなる点に注意が必要です。この新リース基準では、これまでのようにファイナンス・リースとオペレーティング・リースを区別する必要がなくなります。それにより、従来であればオペレーティング・リース取引はオフバランス処理が認められていましたが、今後はすべてオンバランス処理することが求められるようになるのです。

また、オンバランス処理することで貸借対照表上のリース負債の額が増えるため、それを分母として計算される自己資本比率の数値は結果的に低くなります。自己資本比率が下がると、企業の資金調達コストが増大する可能性がありますし、銀行や証券会社のように法律において一定以上の自己資本比率の維持が義務化されている企業は非常に大きな影響を受ける可能性があります。

さらに、これまではオペレーティング・リース取引のリース料は全額費用計上できていましたが、新たな基準では減価償却費と支払利息に分けて費用処理しなければなりません。そのため、一度で費用計上可能な金額は従来よりも少なくなりますが、計上する費用が少なくなる分、相対的に営業利益の金額は大きくなるのです。このように、新リース基準が適用されれば、貸借対照表だけでなく、損益計算書にも影響が生じるという点を理解しておく必要があります。なお、新リース基準においても、短期であったり少額であるリース取引については、オフバランス処理が認められていますので、この点についてもしっかりと頭に入れておくようにしましょう。

リース会計変更前の会計仕訳

新リース基準が適用されるまでの、リース取引の会計仕訳についてはオフバランス処理が認められていました。これは、リース取引においては、実態としてリース資産を取得しているのではなく、リース契約の期間中だけ借りているとみなされていたためです。これにより、バランスシートにリース負債を計上する代わりに、リース料を費用として処理する方法が可能でした。

また、所有権移転ファイナンス・リース取引の場合には、基本的に資金を借り入れて機器などの資産を購入した場合と同様に考えて仕訳を行う仕組みになっていました。所有権移転外ファイナンス・リースの場合も、基本的な考え方は同じで、そのため仕訳の方法も所有権移転ファイナンス・リース取引の場合と同様だったのです。ただし、所有権移転外ファイナンス・リース取引の場合の例外として、一定の条件を満たせばリース料をバランスシートに計上せずに費用として処理するやり方が認められていました。具体的にその条件は、リースの借主が中小企業であり、かつリースの契約期間が1年以内であるか、契約1件あたりのリース料の合計金額が300万円以下というものです。

リース契約の契約期間中に解約した場合には、貸借対照表上に計上されているリース資産とリース負債を取り崩すとともに、未償却残高に相当する金額をリース資産除却損として費用処理する必要がありました。前述のように、ファイナンス・リース取引の場合は、中途解約がそもそも認められていないため、この点はあまり問題になりません。一方、オペレーティング・リース取引の場合には中途解約が可能ですが、解約してしまうと費用が発生するため、結果的に営業利益が押し下げられるという点に注意しなければなりません。なお、以上はあくまでも、国際財務報告基準IFRS16号の新リース基準が適用されてリース会計が変更される前の話です。すでに述べたように、変更後は会計処理が大きく変わりますので、これまでと同じように処理しないようにしなければなりません。

会計基準の変更に対応しよう

新リース基準について理解できたのではないでしょうか。オペレーティング・リースは従来はオフバランス処理が可能でしたが、これが不可能になるため、リースの契約の仕方も変わってくることが想定されています。また、リース会計の変更により、計算書類上の様々な数値がこれまでよりも増減する可能性があります。そのため、監査法人や顧問会計事務所にも相談しつつ、これまでの会計方法を見直してみましょう。

     
【監修】ROBOT PAYMENT フィナンシャルクラウド事業部

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