債権とは何か?債務との関係性や債権回収にあたり知っておくべきことも解説 | 企業のお金とテクノロジーをつなぐメディア「Finance&Robotic」

債権とは何か?債務との関係性や債権回収にあたり知っておくべきことも解説

経理

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債権を回収するにあたり、債権にどのような効力があって、何ができるのかをしっかり把握しておかないと、債権者は取るべき対策を定めることができません。この記事では、債権を回収するにあたり、知っておきたい債権と債務の関係について解説をしていきます。

※目次※
1.債権とは
2.債権と債務に関する状況別の契約例
3.債権者が債務者にできること
4.債務者が債務できない場合の「債務不履行」とは
5.債権回収をする前に抑えておくポイント
6.債権回収は請求管理ロボで効率化できる!
7.まとめ

債権とは


債権とは、特定の人に金銭債権や利息債権などの「債務」の履行を要求できる権利のことです。債務には金銭の支払いのほか、物品の引き渡し、労力の提供なども含まれます。「物権」や「債務」と混同しやすいので、ここからは関連する用語との違いや関連性について解説していきます。

物権との違い

債権が特定の「人」を対象としている一方で、物権は「物」に対して発生します。そのため、「ある物を支配する権利」と言い換えることもできるでしょう。物権には、所有権、占有権、抵当権、先取特権などがあります。

債務との関係性

債権でいう特定の人とは、債務を背負った人です。つまり、債権は債務を背負った人に対して何かを要求できる権利ともいえます。両者をさらに具体的に説明すると「要求する権利を持っているのが債権者」、「要求され実行する義務があるのが債務者」となります。

債権と債務に関する状況別の契約例


ここからは、状況別に4つの債権債務の関係について解説していきます。

双務契約

双方ともに債権者であり債務者である契約関係を「双務契約」といいます。売買契約や雇用契約がその代表例です。

例えば、会社での雇用関係で考えるとイメージしやすいでしょう。
雇用者は求められた労働を履行する義務があり、労働の対価として給与を受け取る権利があります。一方で、雇用主は労働の履行を求める権利があり、労働に対して給与を支払う義務があります。このように双務契約では、両者の間に債権と債務が同時に発生します。

片務契約

双務契約とは反対に、片方が債権者、もう片方が債務者である契約関係を「片務契約」といいます。

消費貸借契約や贈与契約が、その代表例です。
例えば、電車代が足りないAさんが、友人のBさんに500円を借りたとします。この場合、Aさんには500円を返済する義務だけが、Bさんには500円を要求する権利だけが発生します。このように当事者の片方だけが債務を負い、もう片方だけが債権を得るのが片務契約です。

相殺

相殺とは、相手の債権に対して、自分が同種の債権を持っている場合に双方の債権を釣り合いの取れる額だけ帳消しできる行為です。

例えば、Bさんに1000万円の借金があるAさんから、Bさんが700万円相当の美術品を購入する約束をしていたとしましょう。本来なら、Bさんは期日に美術品の代金として700万円を支払わなくてはなりません。しかし、大金を用意するには銀行から引き出す手間などがかかります。そこで、AさんとBさんのどちらかが「相殺する」ことを申し出れば、実際に現金で取引しなくてもAさんの借金700万円分を帳消しにでき、このケースではAさんの借金は300万円になります。

相殺を成立させるための条件は3つです。

・両者が互いに同種の債務を負担している
・両者の債務返済の期日が迫っている
・当事者の間で相殺を禁止していない

上記の条件が満たされ、双方の債権が相殺できる状態にあることを「相殺適状」といいます。

相続

親族などが亡くなり、その財産を相続する場合、相続人は被相続人の債権だけではなく債務も引き継がなくてはなりません。

例えば、被相続人に800万円の債権と1000万円の債務があるとしたら、相続すると単純計算で200万円損をすることになります。相続において債権と債務は切り離すことはでないため、相続するかは慎重に考える必要があります。

債権者が債務者にできること


ここからは、債権者が債務者に行える法的措置について解説していきます。

損害賠償請求

債務者が契約通りに債務を実行せず、その結果として債権者に損害が発生した場合は、債権者は債務者に損害賠償請求することが可能です。
例を挙げると、仕事のためにトラックを購入したものの、納車期日までに引き渡してもらえなかったので仕方なくレンタル業者にトラックを借りている、といったケースです。このケースでは、購入者は車のレンタル料を債務者に請求できます。

給付保持力

給付保持力とは、債権者が債務者の債務履行により得た給付を、法に反していない限り自身の財産として保持し続けられるという、債権の基本的な効力です。よりわかりやすくいえば、法的な手続きを介していれば、債務者の財産所有権を債権者に移しても問題はないという意味です。
これにより、仮に債務履行で得た給付を元の所有者が返して欲しいと要求してきたとしても、債権者はこれを拒否できます。

貫徹力・掴取力

貫徹力とは、債務者が債務を履行しなかった場合に、債務者の意思とは無関係に債権の内容を強制的に請求できるという効力です。例えば、ネットショッピングで代金を支払ったのに注文品が届かなかった場合、購入者(債権者)は店に対して強制力を持って、店側(債務者)に注文品の引き渡しを請求できます。

一方、掴取力とは貫徹力に加えて、債務者の財産を没収できる効力です。先ほどのネットショッピングを例に挙げると、代金を払ったのに商品が届かず返金もされなかった場合、債権者は債務者の財産を差し押さえて、強制的に代金を返還させることができます。

契約解除

契約通り債務が履行されなかった場合、債権者は債務者との契約を解除できます。
例えば、B工場がA社から材料を仕入れて商品を製造し、その商品をA社に納めるという売買契約を結んでいたとします。そして、A社が発注ミスを起こして材料の引き渡せなかった場合、B工場はA社から材料を仕入れる契約を結んでいたとしても、商品を製造するために別の業者から材料を仕入れなくてはなりません。
別業者から材料を仕入れたB工場は、後からA社から材料を納品されても扱いに困ってしまうでしょう。代金を請求されても支払うわけにはいかず、すでに支払い済みなら代金を返してもらう必要があります。このケースでは、材料を仕入れられなかった原因がA社の過失にあることから、契約の解除が可能です。

債務者が債務できない場合の「債務不履行」とは


債務不履行とは、債務者が債権者に対し、債務を履行しないことです。例えば、ネットショッピングで購入した商品が届かないのも債務不履行にあたります。ここからは、債務不履行の類型と効果について解説します。

債務不履行の類型

債務不履行の類型には主に「履行不能」「履行遅滞」「不完全履行」の3つがあります。

・履行不能
債務の履行が不可能なケースです。例えば、売主の過失で美術品を焼失させてしまった場合、目的物を引き渡すことはできません。このように、どのような手段を用いても債務を履行できないケースが履行不能にあたります。その特殊性から、金銭債務での履行不能は認められていません。

・履行遅滞
債務の期日を過ぎてしまったケースです。借金を期限までに支払わなかったような場合などが履行遅滞にあたります。

・不完全履行
契約の履行自体はあったものの、完全に履行されていないケースです。例えば、売主が納品した商品の数が不足していたり、逆に買い主が支払った金銭が不足していたりした場合などが不完全履行に該当します。

債務不履行の効果

債務不履行になった場合、債務者には法的な責任が生じます。この法的責任が「債務不履行責任」です。債権者は、債務不履行責任を負った債務者に以下のことを請求できます。

・債務の完全な履行
・債務不履行があった場合の契約解除
・債務不履行で生じた損害賠償

債権者は、債務不履行に対して債務の完全な履行を請求することができますが、債務者が拒否した場合は、履行を強制するための法的措置を取れます。つまり、強制執行などの民事執行を起こせるということです。
ただし、履行不能に関しては、履行する手段がないので債務履行の請求はできません。この場合、債権者は損害に応じた賠償を請求することになります。

債権回収をする前に抑えておくポイント


ここからは、債権を回収するために抑えておきたいポイントについて解説していきます。

早めの行動を心がける

債権回収で意識しておきたいのはスピードです。債権回収は、早ければ早いほど未回収のリスクを減らすことができます。

取引先が支払予定日に入金されていない、もしくは支払予定日を遅らせて欲しいと連絡してきた場合は慎重に取り扱いましょう。このような場合、他の債権者に対しても支払いが遅れている可能性があります。
また、1つでも未払いが発生している取引先は、経営がうまくいっているとは言えません。今後、財務状況が悪化するリスクがあり、最悪、倒産する可能性もあります。

債務者の資産が尽きた時点で、債権回収はほぼ不可能になります。取引先の資金繰りが悪化していることに気づいたら、迷わず債権回収に動きましょう。回収できずに取引先が倒産してしまうと、その債権はすべて損失になってしまいます。特に債権の金額が大きくなると、自社の経営状況も悪化して連鎖倒産になりかねません。

契約書を確認する

債権を回収する際は、契約内容の確認が大切です。契約書原本の有無を確認し、以下の内容をチェックしましょう。

・請求先
契約書の「当事者名」と請求先が一致しているか確認します。異なっていた場合は、今後誰に債務を請求するか考えなくてはなりません。
また、請求先が取引先の委託を受けた第三者になっているケースもあります。このケースでは、内容証明郵便の送付や法的な手続きは効力を発揮しないため注意が必要です。契約に際しては、当事者名と請求先が合っているか、サイン・捺印をしっかり確認しておきましょう。

・支払期限
支払期限前に、内容証明郵便などの送付はできません。期限を確認したうえで、超過していた場合はどのような債権回収方法を取るか決めておく必要があります。

・利益喪失条項の有無
利益喪失条項とは、支払いが遅れた際は債権を一括で支払うことを保証した条項です。この条項がある場合、支払いが遅れた時点で債権の全額請求ができます。取り決めをしていない場合は、支払期限が過ぎた分のみの請求になります。

・連帯保証人の有無
連帯保証人とは、本来の債務者と同等の責任を負うという契約に同意した人のことです。支払いが遅れた際に債務を請求することができます。

・合意管轄の条項の有無
合意管轄とは、債務不履行などのトラブルが発生した際、「どこにある裁判所で裁判を行うか」をあらかじめ決めておく条項です。
例えば、北海道にある会社Aが東京にある会社Bの間で売買契約のトラブルが発生し、裁判になったとします。そして、契約書に「東京地方裁判所で合意管轄する」と規定されていたとしましょう。
この場合、北海道にある会社Aは裁判内容にかかわらず裁判のたびに東京に出向くことになり、弁護士や会社関係者の出張費用などで大きな負担を強いられてしまいます。請求額によっては、裁判費用の方が高くつくことも想定でき、企業Aは裁判の続行を断念せざるを得ない状況になってしまう可能性もあります。

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まとめ

取引先の債務不履行を事前に察知することは難しいものです。そのため、債権者は最悪のケースを考え、あらかじめ対策を練っておかなくてはなりません。債権や契約内容について理解を深めておけば、いざというときも迅速に対応できます。

請求管理業務は、入金遅延などから債務不履行をいち早く察知するために欠かすことのできない業務ですが、業務量の多さからリアルタイムに異変を掴めていないケースは多いものです。そこで、滞りのない請求業務を実現したい企業は、ぜひ「請求管理ロボ」の導入をご検討ください。正確かつスピーディーな処理で、経理担当者がノンコア業務に割くリソースを大幅に削減いたします。

 
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