経理ミスの効果的な対策方法|経理ミスの例と解決のためのツール

経理

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日々多くの数字を扱う経理は、ケアレスミスが発生しやすい業務です。多くは人的な要因によるものですが、経理業務は社外の人や組織とも関わるものが多く、小さなミスでも会社の信用問題に関わるため注意が必要です。

ミスを未然に防ぐためには個人としての対策ももちろん必要ですが、組織内でもミスが生じた際にすぐ発見できるような体制づくりや、適切なシステムを導入するのが有効でしょう。
本記事では、経理で起こりがちなミスとその対策について詳しく紹介します。経理業務の管理でお悩みの方は、ぜひ参考にご一読ください。

起こりやすい経理ミスの例

実際に起こりやすい経理のミスは、人的な要因によるものが多いです。こちらでは、主な原因を4つ紹介します。

二重計上

起こりがちなミスとして、まず挙げられるのが「二重計上」です。二重計上はさまざまな処理の際に生じるものであり、経理を長くやっていれば一度は経験するミスの1つでしょう。二重計上してしまいがちなパターンとして以下のようなものがあります。

●売上の二重計上
同じ内容の請求書が手元に複数枚あることが原因で、二重計上が発生することがあります。「仮の請求書が先に来ていて、あとから正式なものが届いた」「印刷ミスなどにより、誤った請求書と正式なものが存在している」など、さまざまな理由が挙げられます。

●経費の二重計上
社用のクレジットカードで物品購入をした際に発生しやすいミスです。購入時に店側から受け取る領収書と、後日クレジットカード会社から送られてくる明細を両方計上してしまうと発生します。

売上の二重計上では、請求書に「請求書番号」や「請求内容」を記載しておくとミスの発生率が下げられます。経費の二重計上を防ぐには、チェックの際に金額順に並べ替え、同一の金額のものがないか確認すると良いでしょう。

在庫の計上漏れ

日頃からたくさんの在庫を抱えている企業でありがちなのが、在庫の計上漏れです。
企業が所有している商品・製品の在庫は、賃借対照表の「資産」として計上されることから、「棚卸資産」とも呼ばれます。棚卸資産は金額が大きくなる傾向にあるため、決算時の納税額に影響する要素の一つです。
しかし、在庫数は流動的で、一つひとつ人の手で数えていくため「数え間違い」といったミスが生じがちです。

また、数え間違いの他にも、以下のような例外的に管理されている在庫もミス発生の原因となり得ます。
●仕入れ先や販売先などに預けている在庫
●サンプルとして使用した製品の在庫
●返品処理をした製品の在庫

なお、自社内で製作途中である「仕掛品」や、製品の原材料などの「貯蔵品」も、棚卸資産に該当します。さらには、注文したけれどまだ届いていない「未着品」や、発送したもののまだ取引先に到着していない「トラック在庫」も計上が必要になるため注意が必要です。

領収書の紛失・不備

経費精算や税務申告を行うには、領収書が必要になります。しかし、複数の書類や請求書を紙ベースで管理していると、他の書類にまぎれて領収書を紛失してしまうケースもあります。ここで問題となるのが、領収書を失くしてしまうと費用計上ができなくなり、支払う税額が多くなってしまうという点です。

どれだけ探しても発見できない場合、以下のような方法で対処する必要があります。

●領収書の再発行を依頼する
●レシートで代用する
●利用明細や振込明細、通帳記録で代用する
●出金伝票やメモで代用する

まずは、紛失しないように領収書を保管する場所をきちんと決め、常に整理整頓しておく必要があります。

ちなみに、もらった領収書に不備があるケースも稀にあります。その場合、基本的に領収書は発行する側(お店側)が作成・記入・修正することになっているため、受け取った側で加筆修正はできません。不備がある場合は、できるだけ早い段階で付箋などのメモ書きを残しておき、訂正箇所が分かるようにしておくとスムーズに処理できます。

数字の打ち間違い

経理業務を主に手入力で管理している場合、数字の打ち間違いが起きる確率はゼロではありません。特に経理では大量の数字を扱うため、桁を間違えるなどの転記ミスが起きやすい状況にあります。また、計算機やエクセルの関数を使っていたとしても、手入力した数字が間違っていると間違ったまま計算されてしまうため、芋づる式にミスが続いてしまうという結果にもなります。

このようなミスを防ぐためには、セルフチェックはもちろん、部署・組織としてもチェック体制を整えておくことが大切です。

会社全体で実践したい経理ミスの対策

これまでにお伝えしたように、大きなミスを防ぐには、チェック体制を整えることが非常に重要となります。ここからは、組織として実践したい対策を紹介します。

経理マニュアルを漏れなく作成する

業務の品質を向上させてミスを防ぐためには、漏れのないしっかりとしたマニュアルの作成が有効です。特にミスが発生しやすい箇所をピックアップし、丁寧に解説すると経験が浅い社員もフォローできます。

また、チェック作業に関するマニュアルを併せて作成するのも効果的です。チェックする箇所や手順をマニュアル化しておくことで、どこをどのように確認すれば良いのかが誰にでも分かるようになります。さらに、チェックすることの意味や重要性も盛り込むと、「きちんと確認しなくてはいけない」という意識付けができるでしょう。作成したマニュアルやルールは社員全員で共有し、いつでも参照できる状態にしておくと、その後もスムーズに業務を進められます。

従業員のタスク管理を徹底する

繁忙期のように、短い期間で多大な業務量を抱えてしまうとケアレスミスが発生しやすくなります。さらに、経理業務は膨大な数字を扱う上に反復作業が多いため、集中力が切れたり気が緩んでしまったりすると、ミスが起こりやすくなる傾向にあります。

そのため、一人ひとりの業務を無理のない量に調節し、落ち着いて取り組めるように環境を整えることが解決の糸口となります。また、タスク管理をする際は「誰が、どこを、どれだけの量をやるか」を明確にしておくことも必要です。なぜなら、ミスが発生した際に「誰がどこで間違えたか」が分かりやすくなり、次のミスを防げるからです。

従来の業務フローを見直す

過去に作成したマニュアルや業務フローは、定期的に見直すと良いでしょう。業務の手順やルールは、新システムの導入や取引先の変更など、その時の状況によって変化するものです。不要な業務や非効率的な方法をずっと続けているパターンもあるため、業務を最適化して効率良く進めていくためにも、マニュアル・業務フローの見直しは必要となるでしょう。

ペーパーレス化の促進を行う

ペーパーレス化を促進することで、領収書などの必要書類の紛失を防ぐことに繋がります。その際、クラウドや社内サーバーを活用すると社内全体で情報の管理がしやすくなるのでおすすめです。結果として書類を探す手間が省け、業務効率化に繋がります。

管理ツールを導入する

ミスが起こりやすい組織は、業務が属人化している傾向にあります。
担当者によってやり方が違ったり、手入力する部分が多かったりすると、その時々で人的なミスが発生しやすくなります。そのため、ペーパーレス化と合わせて管理ツールを導入すると、ミス発生の防止に役立つでしょう。経理業務の中でも機械的に処理できるような定型業務を管理ツールで運営することで、ミスを最小限に減らせるという大きなメリットがあります。

管理ツールによって安定的に業務処理が可能になると、人によって割いていた工数や品質にムラがあった作業や無駄な業務などを削減できます。また、業務効率化に繋がるだけでなく、担当者の負担を減らすことで集中力が維持できるようになり、人の手で行う工程でのミスも減らせるという好循環を生み出します。

個人で実践できる経理ミスの対策方法

組織全体での対策も必須ですが、個人で対策できる部分もあります。ここからは、個人でできる対策方法について紹介していきます。

起こりやすいミスの内容やタイミングを把握する

単純化された業務をつい何も考えずに行っていると、ケアレスミスが発生しやすくなります。そのため、担当者が「ミスが起こりやすいポイント」と「どういう内容のミスが起きやすいのか」を把握しておくことで、より注意して作業ができるようになり、ミスが予防できます。さらに、マニュアルにも注意すべきポイントを記載しておくと、社内全体への意識付けに繋がります。

こまめに書類・在庫整理を行う

領収書をはじめとした必要書類の紛失を防ぐには、やはり定期的な書類・データの整理整頓が基本となります。決算期にまとめてやるのではなく、毎月末、四半期ごとなど、期間を決めて取り組むと良いでしょう。また、紙ベースで保管している場合、何の領収書なのかが分かるよう、内訳などのメモ書きと一緒に保管しておくことをおすすめします。

通常業務でもマニュアルを使って見直す

一般的に、業務に慣れてくるとケアレスミスが発生しやすくなるといわれています。慣れがミスに繋がらないように、改めてマニュアルを使って見直しましょう。また、マニュアルを作成・修正する際に、チェックすべきポイントを記載しておくと見直しやすくなります。業務に対する集中力・注意力が散漫にならないよう、常にマニュアル内容を意識していくことが大切です。

二段階チェックを行ってもらう

二段階チェック(ダブルチェック)は、複数人で同じものをチェックすることを指します。全ての業務で必要なわけではありませんが、重要となる部分では実施すると効果的でしょう。ダブルチェックを行うことでさらに不正の防止・抑制にも繋がります。
なお、ダブルチェックの実施には、「チェック項目と方法」「チェック者の選定」を事前に決めておき、チェックをした際は担当者のサインを残しておくなどの工夫が必要です。そうすることで、確認済か否かが一目で分かり、ダブルチェックもスムーズに行えるでしょう。

経理ミスによって引き起こされる問題

先述で説明した通り、経理のミスで起こりがちなのが「売上の二重計上」と「在庫の計上漏れ」です。では、経理ミスがあった場合どのような問題が起きるのでしょうか。考えられる例をいくつか挙げて解説していきます。

納税額にずれが生じる

二重計上が起きた場合、発覚した時点で「虚偽申告」として扱われ、修正報告が必要となります。自己申告の場合は追徴課税を課せられませんが、税務調査で発覚した場合はペナルティとして「過少申告加算税」が課せられます。過少申告加算税として、新たに納めることになった金額の10%程度の納税が必要です。また、発覚しなかった場合でも、売上が実際よりも大きくなると無駄な税金を支払うことになります。

在庫の計上ミスも同様で、在庫の計上漏れが税務調査で発見された場合は、本税に加えて延滞税、不納付加算税を納付する必要があると覚えておきましょう。こちらのケースも、正しく納税した時以上の高い税金を支払うことになります。

資金繰りに影響する

「棚卸資産」は、経営方針の決定において重要な要素の一つといわれています。この部分でミスが生じてしまうと、関係するまわりの部署にも大きな影響を与えかねません。さらに、計上ミスがあった場合は「虚偽申告」もしくは「粉飾決算」に該当し、会社全体の信用問題に関わります。取引先との関係性にも障る可能性があるため、資金繰りなど観点からも会社の存続に影響を及ぼす場合があります。

取引先への支払いに不備が生じる

経理の業務は社内外の人と関わるものが多いため、ミスが発生すると経理部以外の関係各所に影響が出ることがあります。例えば、請求書や振込のミスが発生した場合、取引先への支払いが遅延し、不要な労力をかけさせてしまうでしょう。取引先と長期的に安定した関係性を築くには信頼の構築が必要不可欠であり、こうしたミスが取引先との関係性に影響を及ぼすことも十分にあります。このような損失を防ぐためには、管理やチェック体制を万全にして予防することが大切です。

経理ミス対策は「請求管理ロボ」におまかせ

請求管理ロボ

会社全体の信用問題に関わる経理業務においては、小さなミスも避けたいというのが本音です。効率的かつ正確な業務遂行を目指すのであれば、ROBOT PAYMENTが提供する「請求管理ロボ」の導入を検討してみてください。「請求管理ロボ」では、必要書類をペーパーレス化できるだけでなく、請求・集金・消込・催促といった業務を全て自動化できます。なお、クラウド上で情報の詳細を管理・確認できるため、確認を取るためだけのコミュニケーションに時間を割かずに済み、作業の効率アップが図れます。

さらに、金銭の回収機能も搭載されており、キャッシュフローを可視化することも可能です。請求漏れや未収金がある際は自動で催促するシステムも付いているため、取引先への催促などといった手間がかかりません。これらの機能によって経理業務を最大80%削減することが可能となり、浮いた時間をコア業務に充てられます。

まとめ

日々さまざまな数字を扱う経理業務は、他の部署と比べても人的なミスが起きやすい環境です。二重計上や計上漏れをはじめとしたミスは、チェック体制の強化や整理整頓を行うなど、個人で気を付けられることは徹底していきたいものです。また、業務フローの見直しやペーパーレス化の推進など、組織として対策できることも多くあります。

領収書の管理や請求漏れの防止を行うには、ROBOT PAYMENTが提供する「請求管理ロボ」の導入が有効です。「請求管理ロボ」は、クラウド管理機能で必要書類の管理を行えるだけでなく、お金の回収機能も搭載されているため、システム上でお金の動きを可視化できます。さらに、未収金催促なども自動で行うことができ、最大80%の業務を削減することができます。経理ミスを防ぎつつ社内全体の業務効率化を図りたい方は、ぜひ「請求管理ロボ」の導入を検討してみてください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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