BtoB決済は掛売りが基本!BtoBに特化した決済代行サービスも紹介

決済全般

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取引を行った際に、商品やサービスを先に提供して代金を後からまとめて支払ってもらうことを掛売りと呼びます。掛売りは江戸時代に端を発し、身元が確かな顧客に対しては名前と代金を台帳に記録しておいて、後日決まった日に集金していたのが始まりです。

このように当初は上得意客にのみ提供されていた取引方法でしたが、戦後になって月賦払いなど決済方法が近代化することで一般化しました。

都度払いや現金払いで発生するさまざまな作業負担や機会損失が軽減できる一方、リスクもある取引方法であることから、リスクを軽減させる取り組みも必要です。そこで本記事では掛売りのメリットや注意点、便利な決済代行サービスなどについて解説します。

基本的にBtoB取引の決済は掛売りで行う


BtoB(Business to Business:企業間取引)では、商材を提供した時に金銭をやり取りせず、後で支払いが行われる掛売りが標準の決済方法です。掛け売りは請求書が届いてから支払うために請求書払いとも呼ばれ、支払期日に一括して決済できることから、支払う側にとっては事務処理の手間を軽減できることがメリットです。

請求書払いでは銀行振込が主たる支払い方法ですが、コンビニでの支払いに対応したものもあります。また、クレジットカードでの決済も増加傾向にあり、決済方法の多様化によって導入のハードルは以前と比べれば低いと言えるでしょう。

掛売りのメリット


掛売りのメリットとしては、1回でまとめて請求できること、高額な取引がしやすことなどが挙げられます。以下にそれぞれについて解説します。

1回でまとめて請求できる

掛売りをせずに取引の都度請求書を発行したり現金で決済したりしていては、円滑な取引はできません。請求する側にとっては請求業務が非常に煩雑となり、支払う側にとっては現金管理が煩雑となったり、都度振込手数料を支払わなければならなかったりするデメリットが発生します。

掛売りで取引をすれば、例えば月末締めの翌月末支払いといったように、1ヶ月単位などで一定期間内の取引を1回でまとめて請求でき、取引が効率的に行えます。これにより書類発行などの手間を削減できるとともに、振込や入金がなされたかを確認する回数を減らし、請求管理業務を効率化することが可能です。

高額な取引がしやすい

掛売りをせずに取引をしようとした場合、取引の限度額は購入時点で手元にある現金の額までに限られます。掛売りであれば、近いうちに入金が予定されている売上代金を仕入れ代金に充てることができ、仕入れ段階での内部留保金額よりも高額な取引を行うことが可能です。

買い手側にしてみれば、資金不足を理由に取引を諦めてしまうことがなくなることで積極的な仕入れを行えるようになり、売り手側にしてみても販売機会を取りこぼすことが少なくなります。

掛売りの注意点


ここまで掛売りにはさまざまなメリットがあることを解説してきましたが、注意すべき点もあります。ここでは3つの注意点を解説します。

毎月の請求業務が負担となる

掛売りでは一定期間内の取引をまとめて処理することから、請求業務が月末などの決まった締め時期に集中して、業務が偏った形でひっ迫することがあります。請求業務は与信審査、データ入力、請求書作成、印刷・発送、入金消し込み、督促などの工数を要するものであることから、取引先が多い場合は取りまとめが煩雑になりがちです。

請求漏れや計上漏れがあれば会社の収支に影響が出る恐れがあり、問題が発覚した後は原因究明に多くの時間を要することでしょう。多くの取引について漏れがないように細心の注意払いながら業務をこなさなければいけないことは、経理担当者にとっては大きな実務的・心理的負担になります。

与信管理が発生する

取引の代金が確実に支払われることを確認するためには、取引相手が信用に足る企業であるかどうかを推し量る与信管理を行わなわなければなりません。すでに取引の実績があり、支払いが滞り行われているのであれば問題ありませんが、新規に取引を始める相手の場合では与信管理は避けて通れないものです。

与信管理では、取引先の年商、資本金、取引先銀行、株主、仕入先企業、販売先企業、業績推移、財務状況などを調査し、信用のおける企業かどうかを判断します。また、取引開始後も実績に応じて取引の上限額を適宜調節し、リスクの低減を図る必要があります。

与信管理は円滑な取引のために欠かせませんが、多くの手間と時間を要する業務でもあるため、企業にとって少なくない負担となるのがデメリットです。

貸し倒れリスクに注意する

掛売りは、企業間同士で信用関係があって初めて成り立つものです。もちろん取引の際には正式な契約を交わしますが、だからといって100%確実に支払いが行われる保証はありません。取引先が予期せぬ業績悪化に陥って支払いが遅延したり、支払いができなくなって貸し倒れになったりすることは、掛売りを行ううえでは最大のリスクと言っていいでしょう。

代金が未回収になると、それがそっくりそのまま損失となるだけでなく、取引を成立させるまでに費やした手間やコストも全て無駄になってしまいます。代金回収のためにさらなる努力をしようとすれば通常では発生しない回収業務が発生しますし、未回収が重なればキャッシュフローに影響が出ることも考えられます。

BtoB決済のリスク回避には与信審査と管理が重要

与信審査と管理はBtoB決済におけるリスク回避のための重要なプロセスです。
与信審査のための情報収集は、一面的な偏ったものでは取引先企業の実態を正しく把握できません。ホームページを公開している企業であれば閲覧して情報を集めたり、社内で相手先企業と関わったことのあるスタッフがいればヒアリングしたりすることは基本的なステップと言えます。上場企業であれば有価証券報告書や決算短信などの開示情報を調べたり、非上場企業であれば決算書や勘定明細などの資料を要求したりなどの多面的な調査も必要です。

集めた情報に対しては、決算書などの数値を分析する定量分析、取引先企業の得意分野、業界環境、労使関係などの定性分析、商売形態や取引の流れなどの商流分析を行います。他にも、経営者や幹部社員と面談したり、現地に足を運んで現場を目で見たりすることも実際的な判断材料を得られる機会です。

BtoB決済はBtoB決済代行サービスの利用がおすすめ


BtoB決済では月末に業務が集中することが多く、その時期は他の業務がおろそかになりがちです。そのような問題はBtoB決済代行サービスを利用すれば解決できます。ここではBtoB決済代行サービスの特徴、メリット、導入時の留意点について解説します。

BtoB決済代行サービスの特徴

BtoB決済代行サービスは、文字通り企業間取引における代金の支払い・受け取り処理を代行してくれるサービスのことです。
BtoB決済代行サービスには、決済業務に特化した決済代行を請け負うものと、請求業務全般を一貫して請け負うものの2種類があり、自社の状況に応じて選ぶことが可能です。後者であれば、与信審査、請求書発行、入金消し込み、その他諸々の幅広い範囲がカバーされます。

BtoB決済代行サービスのメリット

BtoB決済代行サービスのメリットとしてここでは3つ挙げます。
1つ目は、与信管理を任せられることから、リスクを恐れることなく販路や市場の拡大に集中できることです。与信管理のための書類手続きが不要となるうえに、サービスによっては決済代行会社が未回収リスクを保証してくれるものもあり、未回収が発生した際の手間や不安に煩わされることがなくなります。

2つ目は、社内スタッフがより付加価値の高いコア業務に専念できるようになることです。請求業務は経理部門のスタッフにとって最も手間のかかる業務です。決済代行会社に業務を委託することで煩雑な業務から解放されて、社員は会社の発展に結びつくコア業務に専念することができます。

3つ目は、企業活動のスピードアップと売上向上につながることです。決済代行会社が面倒な中間プロセスを担ってくれることから意思決定のスピードが上がり、新規契約をいち早く取り付けることが可能になります。

BtoB決済代行サービス導入時の留意点

BtoB決済代行サービスを導入するうえで注意しておきたいのは、未回収となった代金は自社で請求しなければならないこと、取引額に上限が設定されることの2点です。
前者に関しては、決済代行サービスはあくまでも決済のみを代行するのがメインで、未回収代金が発生した場合の回収はサービスの範囲外となります。全てを代行してもらいたい場合は、債権保証のある代行サービスを選びましょう。

後者に関しては、決済代行サービス会社の与信取引限度額までしか取引ができません。与信取引限度額を超えた大口の取引となる新規顧客との取引ができず、機会損失が生まれる可能性もありえます。

BtoB決済代行サービスを選ぶ際のポイント

BtoBに特化した決済代行サービスを選ぶ際の、コスト、運用フロー、サポートを検討・比較して選びましょう。以下にそれぞれのポイントについて解説します。

BtoB決済代行サービス利用時のコスト

決済代行サービスを利用する際にかかる費用は、導入手続きやシステム設定のための初期費用、システム利用料としての月額費用(固定費用)、決済するごとに発生する決済手数料などがあります。

初期費用を抑えたいのか、ランニングコストを抑えたいのかで重視する費用は変わってきます。例えば初期費用が無料のものを選んでも、月額費用や決済手数料などのランニングコストがかさんで却って割高になることもあるため、総合的な判断が必要です。

また、海外との取引がある場合には複数の通貨に対応しているかどうかも確認しましょう。

BtoB決済代行サービス利用時の運用フロー

BtoB決済代行サービスは各社独自の決済管理ツールを提供しており、自社が導入する際に管理ツールが日常の運用フローに無理なく取り込めるかどうかが大事な選定ポイントです。
例えば、請求書に自社のロゴやデザインを挿入できるか、既存の会計システムやERPと連携できるかなど、事前に把握しておく必要があります。

BtoB決済代行サービスは請求業務の大半を委託できますが、請求データを管理ツールに毎月リンクさせるのはどうしても自社で行行わなければなりません。これらの点を踏まえて、請求データをCSVファイルでアップロードするだけか、あるいはAPIで直接連携できるのかも確認するといいでしょう。

また、取引先によって支払いサイトが異なるのであれば、支払いサイトや請求締め日を柔軟に設定できるものが望まれます。いずれにしても日々の運用に親和性の高いものを選ぶことが大切です。

BtoB決済代行サービス利用時に受けられるサポート

BtoB決済代行サービスを選定していく過程では、自社のニーズを満たす機能を実装しているのかを見極める必要がありますが、導入当初は利用方法がよくわからず戸惑うこともあるかもしれません。また、日々運用していく中でもわからないことや困ったことは起きることでしょう。そのような時に備えて、導入から運用開始後まで常時手厚いサポートを受けられるかも選定ポイントの一つです。

大手のBtoB決済代行サービスであれば、さまざまな業界で導入や運用をサポートしてきた実績があり、またサポートスタッフの人数も多いため、手厚いサポートが受けられます。導入実績が豊富な会社であれば、日常の運用面だけでなく、自社のビジネスモデルに合った提案をしてもらえる可能性もあります。

また、海外に拠点や取引先がある場合は、日本語だけでなく多言語対応されていると安心です。言葉の壁による誤解やトラブルの発生リスクを軽減し、各国の法令に準拠したサポート体制が受けられると、スムーズなグローバル展開を実現できます。

BtoB決済の負担を軽減したいなら請求管理ロボを導入しよう!

請求管理ロボ
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請求管理ロボは500社以上の企業に導入された実績があり、一般社団法人ASPIC主催のIoT・AI・クラウドアワード2020年度特別賞を受賞しているクラウドサービスです。請求管理業務で必要な作業のほとんどを自動化し、毎月の請求業務を最大で約80%削減可能です。請求書の発行・発送や入金消し込みはもちろんのこと、銀行振込やクレジットカード決済をはじめとする多彩な決済手段に対応し、既存の会計システムとのデータ連携もこなします。

また、別サービスの「RP掛け払い決済」では、与信審査から催促までを丸投げしていただくことも可能です。弊社の審査に通過した債権に関しては、100%入金が保障されるため、未回収リスクが発生する心配もありません。

まとめ


BtoB決済のスタンダードである掛売りは合理的な取引方法である一方、代金が未回収になるリスクと隣り合わせです。特に単発的な取引や新規の企業を相手に取引している際には、このような不安は大きいものです。また、掛売りで発生する請求管理業務の煩雑さは多くの企業で課題となっています。

このような不安や悩みを抱えている企業は、ぜひ当社の「請求管理ロボ」の導入をご検討ください。請求管理ロボは2020年の1年間だけでも114万枚の請求書を発行して請求コストを60%削減した実績を持っており、業種を問わず請求業務を効率化できるクラウドサービスとして支持されています。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。