請求書の控えはどのように管理すればいい?ポイントをおさえて管理しよう!

請求書

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日々の業務の中で発行することも多い請求書ですが、これらを上手に管理する方法をご存じでしょうか。請求書をはじめとする税務関係の書類は法人税法上で7年間の保管が義務付けられており、事業年度ごとに集計・管理をしていかなければなりません。

この記事では、そうした膨大な数に及ぶ帳票を管理する方法や、請求書の控えについて解説します。

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請求書の控えとは?

請求書には「取引先へ送付する請求書」と「取引先から受け取る請求書」の2種類があります。まずは受け取った、もしくは発行した時点でこの2つを区別し、取り分けておきましょう。取引先へ送付するために発行した請求書については、原本の控えが法人税上の保管義務の対象となります。

請求書控えで重要となるのは、それらが入金済み・入金待ちのどちらであるかという点です。以下のように入金の状態によって分類・管理をするようにすると、取引の状況が把握しやすくなります。

まずは 送付した請求書の控えを「未入金請求書控え」のファイルへ綴じます。入金の確認が行いやすいよう、支払い期限順にファイルすることがポイントです。次に 支払い期限が来たものから入金の確認をしていき、入金が確認できたものには入金済みと押印するか、手書きしておきます。この際、実際に入金された日も記入しておくと、後から確認が必要となった時スムーズに探し出すことができるでしょう。

最後に入金済みの請求書を「入金済み請求書控え」のファイルへ綴じます。取引の発生順序を把握しやすいよう、入金された日ではなく請求書の日付順にしておくと便利です。

請求書控えの管理の基礎知識


請求書・領収書・レシートといった税務関係の帳簿書類は、その他の業務で発生する書類とは異なり、法人税法によって保管期間が定められています。ここでは、こうした保管書類について解説します。

請求書控えは7年間の保管が必要

法人の場合は、帳簿とともに証憑書類を7年間保存する義務があります。つまり法人の場合、請求書を7年間保存する必要があるというわけです。
また、平成27年度および2+H458年度税制改正により、平成30年4月1日以後に開始する欠損金の生ずる事業年度に発行された請求書の保存期間は、10年間に延長されています。

請求書をはじめとした経理書類の保管期間について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
「請求書の保存期間はどのくらい?書類ごとの保存年数や保存方法についても解説」

マイクロフィルムでの保管

マイクロフィルムとは、文書などをカメラで撮影し、10分の1から30分の1程度に縮小撮影する写真技法のことを指します。写真フィルムよりも細かい粒子で構成されるため、請求書だけではなく契約書や図面などの細かい文字や線まで記録できます。

請求書を縮小してフィルムに収めるため、紙媒体で保存するよりも大幅に省スペース化が可能です。長期保存に適していて法的証拠能力もあります。

ただし、マイクロフィルムを用いた保存が可能なのは最後の2年に限られてしまうため、法人の場合は6年目と7年目の請求書しかマイクロフィルム化できません。さらに専用の機材が必要になるため、請求書の保管方法として導入している企業はそう多くありません。

他社から受け取った請求書の場合

他社で発行され、送付された請求書はすなわち「原本」です。そのため、この原本を7年間ファイリングして保管することになります。原本が手元にある状態でコピーを作成し、代わりに保管することは税務調査などで改ざんの疑いを掛けられてしまうことにも繋がるため、原則不可となっています。帳票の重複を防ぎ適切に管理を行うためにも、他社から受け取った請求書は原本を保管するようにしましょう。

自社で発行した請求書の場合

自社で発行し、他社へ送付した請求書では保管に際し「原本の控え」が必要となるため、コピーやスキャンで請求書のデータ化・撮影をして画像データでの保管などが可能となっています。この場合、請求書の原本は、商品やサービスの代金を支払った顧客に渡し、コピーやスキャンした控えは自社で保管します。発行した請求書の控えを未入金のものと入金済みのものと分けてファイリングし、月ごとや取引先ごとで分類して保管しておくと、後から自社内で取引に関する確認を行う際に役立つでしょう。

請求書控えの保管方法


請求書は頻繁に発行される書類であるため、1年分の控えを保管するとなると膨大な量になってしまうものです。これらを整理せずにいると、いざ必要になった時に山積みの請求書を前に途方に暮れてしまうことも想像に難くありません。そのため、請求書の整理は、日頃からコンスタントに行っておくことが望ましいでしょう。

ここでは、請求書控えの保管方法について、紙媒体と電子データの2点を解説します。

基本的には紙で保管する

領収書・レシートとともに大切な保存書類である請求書の管理方法として一般的なのは、紙媒体で月別・得意先別に分けるという方法です。

月別での管理は、どちらかと言えば取引先が少ない場合に適している方法です。特定の会社の請求書が必要となった際に探し出すまで時間が掛かってしまいますが、あとから月間の業務・経理の動きが把握しやすく、月ごとに発行された分の請求書をまとめておくだけなので、分類する手間が少なくなります。

対して取引先別での管理は、取引先が多い場合に適している方法です。定期的な分類に手間が掛かりますが、各取引先との取引を把握しやすいという特徴があります。

請求書の保存方法は「どちらがより正しい」ということはありません。月間の請求額詳細に把握しておきたければ月別で、各取引先との取引の状況を把握しておきたいのであれば取引先別でというように、自社が管理しやすい形でまとめておくのがいいでしょう。

要件を満たせば電子データで保管できる

電子帳簿保存法では国税関係の帳簿書類の電子データ化を法律で認めています。従来では請求書をはじめとする保存書類が膨大な量になってしまい、印刷・保存・整理の手間や維持にコストが掛かるため、現場の業務効率が著しく低下してしまうケースも多く見受けられました。

しかし、こうした保存書類の電子化によって煩雑化してしまいがちな業務を効率化しつつ、保存書類の紛失・欠損などの不備を防ぎ、情報を引き出しやすくすることが可能となりました。

例えば、請求書・領収書・レシートなどの経理書類は、7年間の保存が義務付けられています。さらに2017年4月1日以降に発生した欠損金があるものについては期間が延長され、10年間の保存が必要となります。こうした書類は国税関係の帳簿書類にあたるため、電子帳簿保存法に基づき電子化することが可能です。

電子帳簿保存法によって電子化が可能な保存書類には、以下のようなものがあります。
・領収書・請求書
・納品書
・見積書
・上記領収書・請求書・納品書の写し

こうした書類は決められた要件を満たすことで電子化し、保存することが法人税法で認められています。請求書の電子データでの保存要件は以下の通りです。

・税務署長の承認
紙で保管していた請求書を電子化での保存へと変更する場合には、事前に所管の税務署長から許可を得なくてはなりません。最低でも変更する3ヶ月前までに申請書を提出する必要があります。
なお、原則として課税期間の途中からの適用はできません。課税期間は個人事業者では1月1日から12月31日までの1年間を指し、法人では各事業年度とされています。

・真実性の確保
請求書の真実性を確保するため、電子データ化においては「改ざん防止のための対策」と「一定水準以上の解像度」の2点が求められます。

電子化のデメリットとして懸念されるのが、改ざんを容易に行えてしまう点です。そのため、「電子署名」や「タイムスタンプ」の付与が求められます。これにより改ざんがなされていないことと、いつ発行された書類なのかを証明することが可能です。
電子署名は誰が書類を電子化したかを表すもので、署名後は改ざんされていないという証明にも使われます。タイムスタンプも同様に、電子書類が記録された時間に発行されたことを表し、その時間以降に変更が行われていないという証明として活用することができるようになっています。

また、紙からスキャンする際に小さな文字・色を正確に再現できていなければ保存書類として活用することは難しいでしょう。そのため「200dpi以上の解像度」であり「RGB256階調以上のカラー画像」であることが必須となります。

・可視性の確保
可視性の確保としては、税務調査が入った際に効率よく調査を行える環境作りのため、検索機能や国税関係帳簿との関連付け、システム関連書類の保管、カラープリンター・カラーディスプレイなどの機能や設備の設置が義務付けられています。

請求書管理の注意点


請求書を管理する場合、紙媒体・電子データどちらであっても注意が必要な点は必ず存在します。ここでは、「請求書No.の記載」「感熱紙対策」の2点について解説します。

連番の「請求書No.」を記載する

請求書No.は請求書に任意で付ける通し番号です。請求書の体裁はそれぞれの事業者によって異なるため、通し番号を付けていなくても請求書の効力自体にはなんら問題はありません。しかし、さまざまな理由から請求書に連番の通し番号を付与する事業者が多くなっています。

請求書番号を付けるメリットには主に以下のようなものがあります。

・社内での請求管理を円滑に行うため
見積書・納品書など、売上に関連する書類と共通の通し番号を使用することで、売り上げから請求までの一連の処理を互いにリンクさせることができます。これは請求漏れ・請求書の発行忘れなど、人的ミスを未然に防ぐ対策にもなり得ますが、税務調査の際にも役立つものです。

・取引先とのやり取りを円滑に行うため
取引先から至急で請求に関する問い合わせがあった場合にも、請求書No.から該当する書類を容易に特定することができます。
また、万が一請求ミスなどが発生した場合は内容を訂正して再発行することになりますが、これには元の請求書と番号を重複しない別の請求書No.を付けておくことで「適切に請求書を訂正した履歴」として管理が可能です。
請求書No.を付ける際は独自のルールを定め、それに基づいた請求書No.を付けましょう。例えば請求書No.の付け方には、以下のような方法があります。

・取引先コード・日付で採番
「×××-202010」のように、取引先コードと請求月を組み合わせた採番方法です。「×××」の部分に別途管理する取引先ごとの固有番号を付与することで、会計・販売管理システムで取引先コードなどを使用している場合にはシステム同士の連携や管理がしやすくなります。また、この例では「202010」は請求月を表しており、この請求書が2020年10月分に発行されたものであることが瞬時に把握できます。

・取引先コード・日付に発行回数を加えて採番
「×××-202010-1」のように、取引先コード・請求月の末尾に請求書の発行回数を付け加えたものです。例では末尾が1となっているため、「×××という取引先に対して2020年10月では1回目に発行された請求書」だということが分かります。
請求間違いなどのミスが発生した際には改めて訂正した請求書が発行されることもあるため、このように発行回数まで分かるようにしておくと管理がしやすくなるでしょう。

「感熱紙のレシート」には対策を施す

請求書・領収書・レシートといった保管書類は7年間の保存が義務付けられています。しかし、レシートは「感熱紙」で発行されることが多く、時間が経つと印字が消えてしまうことも少なくありません。そのため、感熱紙のレシートを保管する際には、原本の印字が薄くなってしまっても保管書類であることをしっかりと証明できるよう対策を施しましょう。

例としては、以下のようなものがあります。
・レシートの余白に金額・日付・内容を書いておく
・レシートをコピーし、控えとセットで管理する
・レシートをスキャンし、電子化して管理する
・レシートをスマートフォンなどで撮影し、電子化して管理する

経費の証明については原本以外不可ということはなく、コピーして控えておいても問題はありません。ただし、可能な限り熱・光の当たらない場所へ保存し、印刷が薄くなったり消えていたりする原本もセットで管理するようにしましょう。

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まとめ

業務の中でも帳票は頻繁に発行され膨大な数となることもしばしばであるため、場合によっては分類するだけでも非常に大きな労力が必要となります。そのうえ、請求書をはじめとする税務関係の書類は7年間の保管が義務付けられており、その維持・管理に掛かる時間やコストも計り知れません。

「請求管理ロボ」は請求情報を社内の既存システムと連携しつつ、取引先へ送付した請求書をPDFデータで残すことで紛失を防ぐことができます。現場の業務を効率化させながら通常の業務の中で請求書控えの管理を実現いたします。

請求書控えの管理方法についてお考えであればぜひ一度、「請求管理ロボ」の導入をご検討ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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