口座振替における残高不足の影響とは?未回収リスクを防ぐ術も解説

口座振替

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銀行口座やクレジットカード決済など、さまざまある決済手段の中でも、利便性の高さが際立つのが口座振替です。毎月の支払いを自動で完了できることから、事業者・顧客の双方に決済にかかる手間や未入金リスクの削減効果が見込めるメリットがあります。

しかし、一方では便利な決済手段ならではの思わぬリスクがあることも否定できません。そこで、この記事では口座振替のメリットに触れたうえで、未回収リスクを防ぐ術について解説していきます。口座振替決済の効率化と安全性の向上に向け、ご参考にしていただければ幸いです。

口座振替を導入した事業者側のメリット


口座振替とは、顧客が指定した金融機関の口座から料金を毎月自動で引き落として決済する仕組みです。口座振替による決済では、顧客側に毎月の支払いの手間や支払い忘れの心配がなくなるなどのメリットがある一方で、事業者側にも少なくないメリットがもたらされます。以下、2つの視点から、口座振替を導入した事業者側のメリットをみていきます。

利用継続率の向上

1つめのメリットは、顧客のサービス利用継続率の向上が期待できるようになることです。銀行振込では、顧客が金融機関の窓口やATMに自ら足を運び、振り込み手続きをしなければなりません。そのため、毎月の支払いを面倒に感じた顧客によって解約されたり、顧客にサービス利用継続の意思がある場合でも振込みを忘れたまま料金滞納により契約解除に至ったりなどのリスクがどうしても出てきます。

一方、口座振替では、1度登録すれば後は自動で引き落としが行われるので、契約期間中支払いに関して顧客の手を煩わせることは基本的にありません。支払い忘れをなくせるのはもちろん、離脱防止にも役立つことから、定期的な代金の回収と長期的な契約の継続が見込めます。

集金業務の負担軽減

2つめのメリットは、集金業務に生じがちな各種負担を軽減できることです。自動で引き落とされる口座振替では、銀行振込のような払込票の発行・送付は必要ありません。
また、自ら集金に歩いたり、顧客からの振込がある度に1件1件入金確認や入金額を突合せたり、さらには、期日までに代金が支払われない場合に未入金を整理して督促をかけたりするなどの手間もなくなります。そのため、それぞれの担当者にかかる業務負担の軽減が可能になるだけでなく、事務的なコストや人件費についても大幅な削減効果が期待できます。

加えて、入金のタイミングが顧客ごとに異なる銀行振込などとは異なり一定のため、代金回収の目処を立てやすくなり資金管理の円滑化が実現するのもメリットです。

口座振替は残高不足による未回収リスクがある

一般に他の決済手段よりも高く、かつ安定した回収率を維持できるようになるのは確かです。しかし、たとえ口座振替であっても、残高不足による未回収リスクをゼロにすることはできません。残高不足で未回収になるのは、主に次の2つのケースです。

1つめは、顧客がサービスを利用中であることを忘れてしまったり、利用している認識はあっても口座振替によって代金を支払っていることを忘れていたりするケースです。これらは、自動引き落としの仕組みが顧客に利便性をもたらす反面、ともすると代金支払いに対する意識を遠ざけてしまいがちなことから引き起こされる未回収事例と言えるでしょう。

2つめは、引き落とし口座に給与口座を指定する場合に未回収になるケースです。引き落とし日が給料日よりも前に設定されていると、残高不足になる確率はどうしても高まります。顧客の給料が振り込まれるなどして、不足分が補填された時点で改めて自動で引き落とす旨の契約を結べば、未回収リスクの心配は要りません。しかし、引き落とされる回数が増す分、金融機関への手数料負担が重くなるのは避け難くなります。

口座振替の残高不足を解消するには口座振替サービスを利用しよう!


未回収リスクは顧客の数が多くなるほど高くなり、ただでさえ手間のかかる代金回収の業務負担を増大しかねません。せっかく回収率の向上が見込める口座振替を導入するのであれば、残高不足の解消により万全の備えが可能になる口座振替サービスの利用がおすすめです。
ここでは、口座振替サービスの仕組みの解説と利用が向いている業種の紹介をしていきます。

口座振替サービスの仕組み

導入方法は2通りがあります。
各金融機関と直接・個別に契約する方法では、顧客側の事務負担が軽くなる反面、金融機関毎に契約を結び、顧客別に入金管理をしていかねばならない事業者側の負担増が避けられません。

一方、口座振替サービスを活用すれば、事業者側にも高い利便性がもたらされます。口座振替サービスを行う「決済代行会社」や「信販会社」は多くの金融機関と契約関係にあるため、事業者が顧客単位で手続きしなくてもよく、契約から入金管理までのすべてのフローをまとめて代行してもらうことが可能です。

最近は、口座振替の手続きをインターネット(Web)上で進められる仕組みも普及しています。従来の方法では、書類を書いたり郵送したり、登録完了まで時間がかかるなど、手続きの手間が多いという問題がありました。また、記入ミスなどがあった場合は最初からやり直すケースもあるため、利用開始までにタイムラグが発生するのも口座振替のデメリットです。しかしWeb(ネット)口座振替であれば、これらの作業をオンライン上で進められるため、スムーズに利用開始できます。

口座振替サービスの利用が向いている業種

毎月自動で料金が引き落とされるという他の決済手段にはないメリットを鑑みれば、口座振替は、商品・サービスの提供と決済が毎月行われる業種に最も親和性の高い決済手段と言えます。
毎月決済が行われる業種では、その性質上一般に多くの、そして入れ替わりが激しい個人顧客相手の決済になるケースが少なくなく、代金回収にかかる事業者側の事務負担が重くなりがちです。また、掛け取引が基本でお互いの債権・債務関係が複雑になりやすいBtoBにおいても、代金回収フローを含む経理業務の効率化が従来から課題とされてきました。

そこで、これらの業種では顧客毎に口座振替契約を結ぶのではなく、決済代行会社などのサービスを利用した口座振替システムを構築して包括的に決済していくのがおすすめです。代金回収にかかる事務負担の軽減や経理業務の効率化、ひいてはコア業務への専念による生産性向上の実現までが射程に入ってきます。
以下、口座振替サービスの利用が向いている主な業種と料金の種類を列挙します。

・学習塾や習い事の月謝、継続的に利用するサービスの会費
・雑誌や新聞の定期購読料、公共料金や保険料
・不動産の賃貸料、介護サービスや福祉施設の利用料
・BtoBにおけるリース料やサブスクサービス利用料などの売掛金

口座振替サービスを導入するメリット


口座振替サービスの導入により、事業者にさまざまなメリットがもたらされることはすでに何度か触れてきました。ここでは、その中から3つをピックアップしてさらに詳しく解説します。

未回収リスクの低減

自動引き落としの仕組みにより他の決済手段に比べ高い回収率が見込める口座振替であっても、顧客口座の残高不足による未回収リスク発生の余地は残ります。

この点、口座振替サービスでは、残高不足により振替できなかった売掛金の満額回収を保証するオプションや債権回収代行の利用が可能です。こうした口座振替サービスを導入すれば、未回収リスクの大幅な低減により代金の確実な回収が実現し、収益の安定化が図れます。

売掛金の確実な回収は資金繰りの健全化に欠かせないものであり、未回収リスクは会社の存続を左右しかねません。自力での売掛金回収に伴う督促の手間や時効の成立による請求権の消滅リスクを踏まえれば、口座振替サービスの導入という確度の高いリスクヘッジをとっておく必要性は高いと言えるでしょう。

複数の金融機関の利用が可能

口座振替の導入にあたり、事業者は顧客が口座を持つ金融機関と契約を結ぶ必要があります。そのため、顧客毎にそれぞれの金融機関と個別に契約していくやり方を採る場合、顧客の数が伸びるほど契約すべき金融機関の数も増え、契約に伴う事務手続きや振替請求にかかる業務負担が膨大なものになりがちでした。

一方、口座振替サービスを利用すれば、こうした多数かつ煩雑になる作業に手間やコストをかける必要はなくなります。口座振替サービスを行う決済代行会社は多数の金融機関と提携しているため、口座振替を導入したい事業者は代行会社と契約を結ぶだけでよく、以後は代行会社が各顧客から回収した売掛金の入金を待つだけで済みます。

手数料がお得

現金取引を除けば、いずれの決済手段を利用するにせよ、手数料の負担は避けられません。口座振替サービスでも利用にあたり初期費用や月額費用などの他に「決済手数料」と「振込手数料」の2種類の手数料が発生しますが、どちらも銀行の振込手数料やクレジットカードの決済手数料に比べると低コストなのが特徴です。

例えば、クレジットカードの決済手数料は、1件あたり3%~5%、業種によっては10%を事業者側が負担しなければならないこともあります。他方、口座振替サービスであれば事業者が支払う決済手数料は1件につき100円前後が一般的で、顧客が増え決済回数が多くなるほど手数料コストの節減効果が期待できます。

また、代行会社が回収金を事業者の口座に振り込む際に事業者が負担する振込手数料についても、振込金額や振込回数の調整により抑えることが可能です。

口座振替サービスのチェックポイント


口座振替サービスは数多くの代行会社が提供していますが、それぞれ特徴が異なります。安易に選んでしまうと、契約後にコストや顧客満足度などの点で不満を抱くことにもなりかねないため、自社にふさわしいサービスを選択する必要があります。

そこで、ここでは、口座振替サービスを選定する際のチェックポイントを2つの視点からみていきます。

コストとサポート内容を確認する

コストについてはともすれば費用の安さに目が行きがちですが、固定費と決済や振込の頻度により変動する手数料とに分けて、きめ細かく比較検討することが大切です。

自社の事業規模が小さかったり、事業の先行きが不透明だったりする場合は、初期費用や月額料金が安いサービスの利用が向いています。概して決済頻度が少ないため、手数料よりも固定費を抑えた方が月々の負担を減らせます。

一方、事業規模が大きい、あるいは業績の見通しが明るい場合には、決済の金額や頻度が増すことが一般的です。固定費が多少割高でも手数料が安いサービスを選んだ方が、トータルで支払うコストが少なく済む公算が大きくなるでしょう。

口座振替以外の決済手段への対応やオプションサービスの種類など、サポート内容の確認も必須です。口座振替に限らずクレジットカード決済やコンビニ決済などの導入も考えている場合には、幅広い決済手段に対応可能な決済代行会社を選ぶ必要があります。

また、顧客クレカ情報の洗替サービスや早期入金オプションなどのオプションサービスについては、種類や有償・無償が代行会社により異なります。上手に活用すれば顧客の利便性向上や自社の資金繰り改善に役立つため、導入前のこの段階で確認しておくのがおすすめです。

導入方法を確認する

口座振替サービス契約では、顧客による口座登録手続きが必要です。手続きには口座振替依頼書の提出に加え、Web口座振替受付による方法もあります。手続きの速さや顧客の事務負担の少なさで比べるとWeb口座振替が格段に優れるため、Web口座振替を受け付ける代行会社を選ぶとよいでしょう。ただし、Web口座振替受付は口座振替サービスのシステムを介して行われることから、セキュリティ面で問題がないかをきちんと確認しておく必要があります。

また、幅広い金融機関との提携により契約から入金管理に至る広範な手続きの一元化が実現するという口座振替サービスが持つ最大の利点を踏まえれば、提携金融機関の多さも譲れないチェックポイントになると言えるでしょう。

請求管理ロボを導入して口座振替管理を効率化させよう!

口座振替管理の効率化に向けては、口座振替サービスの導入が最もおすすめの方法であることがよくお分かりいただけたことでしょう。そして、サービスの利用をお考えの事業者様はROBOT PAYMENTが提供する「請求管理ロボ」の導入をご検討なさってください。

請求管理ロボは、請求書の発行から集金、消込、催促までのフローを自動化するクラウドサービスです。自動化により毎月の請求業務の実に約80%を削減できることから、担当者を煩雑さや心理的プレッシャーから解放するとともに、正確かつ迅速な入金催促により回収率の向上も実現します。
特に、毎月自動で引き落としが行われる口座振替の仕組みは、請求業務の自動化・システム化になじみやすい反面、スピードや正確性を欠くと先に再三にわたり触れてきた残高不足による未回収リスクの増大につながりかねません。

この点、請求管理ロボでは、「Salesforce API連携」により、継続課金や毎月発生する請求・集金・消込・入金催促業務を人に代わって行います。金融機関と連動したこのロボットがデータベースに登録された顧客情報に従って売掛金を自動回収するため、担当者が入金結果を確認するだけで請求業務は完了です。

決済手段についても、銀行振込、口座振替はもちろん、クレジットカード決済やコンビニ決済まで幅広く対応しており、多様化傾向にある取引先の決済ニーズにも的確にお応えいたします。

まとめ

代金の自動引き落としが可能になる口座振替は、事業者・顧客双方に多くの利便性をもたらすメリットの大きい決済手段です。ただし、事業者にとり顧客別に契約や入金管理をしていくのは手間や煩雑化が避けられないことから、多くの金融機関と提携し、決済業務のすべてを任せられる口座振替サービスの利用がおすすめです。

ROBOT PAYMENTの請求管理ロボは、毎月の請求業務の大半を自動化し、貴社の債権管理にかかる手間と時間、そしてコストの大幅な削減を実現します。さらに、与信審査から代金の回収に至る請求業務の全フローをお任せにできる「請求まるなげロボ」の利用により、残高不足による未回収リスクの回避も可能です。ぜひ1度、導入をご検討ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。