請求書照合の効率化ガイド|業務改善のポイントと注意点を徹底解説

経理

納品書と請求書の内容を照らし合わせる「請求書の照合」は、企業の会計処理において欠かせない重要業務です。しかし、手間がかかるうえにミスをすればトラブルに発展する可能性もあるため、経理部門にとって大きな負担となっています。「請求書照合をもっと効率的に行えないだろうか?」「ミスを減らし、正確な照合を実現するには?」そんな疑問をお持ちの経理担当者も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、請求書照合で起こり得るミスを徹底分析。効率的な業務フロー、最新の自動化ツールの活用法まで、詳しく解説していきます。

請求書照合とは? その定義と重要性

請求書照合は、経理業務の中でも特に重要な作業の一つです。ここでは、請求書照合の定義とその重要性について詳しく説明します。
請求書照合とは、取引後に購入側の企業が行う会計プロセスです。具体的には、受領した商品やサービスと、自社の「発注書」や「受領書」、取引先の「納品書」や「請求書」を比較し、請求内容の正確性を確認します。

請求書照合は主に経理部門が担当し、取引の正確性確保と適切な支払いのために不可欠な作業です。その目的は多岐にわたります。
・請求金額の正確性確認
・取引内容の妥当性チェック
・不正や誤りの防止
・適切な会計処理の実現
・キャッシュフローの管理

正確な請求書照合は、会社の財務健全性維持と取引先との良好な関係構築に寄与します。例えば、請求書の金額が実際の取引額と異なる場合、早期発見・修正により将来のトラブルを防止できます。

重要なポイントとして、請求書照合は検収完了後に行います。検収とは、納品された商品やサービスが契約内容通りであることを確認する作業です。請求書照合は、この検収結果に基づいて請求書の正当性を確認する重要な役割を果たします。

請求書照合の具体的な手順と確認ポイント

請求書照合は、複数の重要なステップからなる作業です。ここでは、主な確認項目、適切なタイミング、そして具体的な処理手順について詳しく説明します。これらの要素を理解し、適切に実行することで、正確で効率的な請求書照合が可能となります。

請求書照合の確認項目

請求書照合では、様々な項目を確認します。主な確認項目は以下の通りです。

・請求書の基本情報:日付、請求元、請求先、支払期限など
・商品やサービスの内容:品名、仕様、規格など
・数量と単価:発注した数量と単価が正確か
・合計金額:数量と単価から算出された合計金額が正しいか
・税金の計算:消費税などの税額が正しく計算されているか
・支払条件:契約時に取り決めた支払条件と一致しているか
・割引や値引き:適用されるべき割引や値引きが反映されているか

これらの項目を一つひとつ丁寧に確認することで、請求内容の正確性を担保します。

請求書照合のタイミング

請求書照合のタイミングは、通常、請求書を受け取ってから支払いを行うまでの間です。多くの企業では、月次や週次のサイクルで定期的に行っています。例えば、月末締めの場合、翌月初めに前月分の請求書をまとめて照合するといったパターンが一般的です。

重要なのは、検収の完了後に請求書照合を行うことです。検収が完了していない状態で請求書照合を行うと、実際の納品状況と請求内容に齟齬が生じる可能性があります。

請求書照合の方法

具体的な請求書照合の手順の一例をご紹介します。

1.請求書受領
取引先から請求書を受け取る。
2.発注記録との照合
社内の発注記録と請求書の内容を比較。この段階で、発注した商品やサービスの内容、数量、単価などが一致しているかを確認する。
3.納品書との照合
納品書と請求書の内容を照合する。実際に納品された商品やサービスの内容、数量が請求書と一致しているかをチェックする。
4.検収結果の確認
検収担当者から受け取った検収結果と請求書の内容を照らし合わせる。ここで、品質や納期などの観点から問題がなかったかを確認する。
5.金額の確認
単価や数量、合計金額に誤りがないか再度確認する。特に、複数の商品やサービスがある場合は、それぞれの小計や総合計が正しいかを慎重にチェックする。
6.不一致の調査
差異がある場合、原因を調査し、必要に応じて取引先に確認する。例えば、数量の不一致や単価の相違などが見つかった場合は、速やかに取引先に連絡を取り、原因を究明する。
7.承認
問題がなければ支払いの承認を行う。通常、一定金額以上の支払いには上長の承認が必要となる。
8.支払い処理
承認された請求書に基づいて支払いを実行する。支払い方法(銀行振込、手形など)や支払い日を確認し、適切に処理する。

ここで、検収結果と請求書の内容に不一致がある場合、以下のような修正が必要になることがあります。

・検収で納品数量が不足していた場合、請求書の数量を修正する。
・検収で商品の状態に不備があった場合、請求書の単価を修正する。
・検収で納品期日が遅れていた場合、請求書の支払期限を修正する。

これらの修正が必要な場合は、取引先と協議の上、適切に対応することが重要です。

請求書照合でよくあるミスと対策方法

請求書照合は重要な業務ですが、同時に様々なリスクや課題も伴います。ここでは、請求書照合作業において特に注意すべき点と、頻繁に発生するミスについて詳しく解説します。

人為的ミス

請求書照合作業では、人為的ミスに特に注意が必要です。主な人為的ミスには以下のようなものがあります。

・数字の読み間違い:特に手書きの請求書の場合、数字を誤読するリスクが高くなる。
・入力ミス:請求書の内容をシステムに入力する際の打ち間違いなどが発生する可能性がある。
・計算ミス:合計金額や税額の計算を間違えることがある。
・請求書の見落とし:大量の請求書を処理する中で、一部の請求書を見落としてしまうことがある。
・重複チェック:同じ請求書を二重に処理してしまうケースもある。

これらのミスを防ぐためには、ダブルチェック体制の構築や、定期的な研修の実施が効果的です。また、可能な限り自動化ツールを導入し、人手による作業を減らすことも有効な対策となります。

手作業の煩雑さ

次に、手作業の煩雑さも大きな課題です。請求書照合は非常に細かい作業の連続であり、以下のような問題が生じやすくなります。

・大量の書類を扱うことによる集中力の低下:多数の請求書を連続して処理することで、集中力が低下し、ミスのリスクが高まる。
・作業の属人化によるリスク:特定の担当者しか処理できない状況になると、その担当者の不在時に業務が滞る可能性がある。
・時間がかかることによる他の業務への影響:請求書照合に多くの時間を取られることで、他の重要な業務に支障が出る可能性がある。

これらの問題を軽減するためには、作業の標準化やシステムの導入による自動化が有効な手段となります。また、定期的に担当者をローテーションすることで、属人化による弊害や、特定の個人への負荷の集中を防ぐことができます。

書類の不一致

最後に、書類の不一致にも注意が必要です。具体的には以下のような不一致が発生する可能性があります。

・請求書と納品書の内容の食い違い:数量や品目が一致しないケースがある。
・契約内容と実際の取引内容の相違:契約時の条件と異なる請求が行われることがある。
・請求書の記載漏れや誤記:請求書自体に必要事項の記載漏れや誤りがあることがある。
・検収結果との不一致:検収で確認した内容と請求書の内容が一致しないケースがある。

これらの不一致を早期に発見するためには、取引先とのコミュニケーションを密に取り、疑問点があればすぐに確認する姿勢が重要です。また、社内の関連部署との連携を強化し、情報を共有することで、不一致の発見と解決をより迅速に行うことができます。

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請求書照合は企業にとって不可欠な業務ですが、その複雑さと重要性から多くの企業で大きな負担となっています。近年、自動化ツールの導入により業務効率の向上が可能になっていますが、適切なツールの選択や導入方法に悩む企業も少なくありません。そこでおすすめしたいのが、株式会社ROBOT PAYMENTが提供する「請求管理ロボ」です。

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監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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