売掛金の時効はいつまで?債権回収する方法も解説!

請求業務

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掛取引は、取引が発生する度に代金を回収するのではなく、双方で合意した期日までにまとめて支払う、いわゆるツケ払いのことで、未回収の状態の代金を受注側から見た時に「売掛金」と呼びます。BtoB取引において売掛金が発生することは一般的ですが、実は売掛金には時効があります。

この記事では、売掛金の時効の期限と債権を回収する方法を詳しく解説していきます。

※目次※
1.売掛金には時効がある
2.売掛金が回収できないとどうなる?
3.貸倒損失3つのパターン
4.売掛金の支払い遅延で債権回収をする方法
5.売掛金の管理なら「請求管理ロボ」がおすすめ
6.まとめ

売掛金には時効がある

売掛金には時効があり、時効を過ぎると取引先のツケは消滅してしまいます。売掛金を巡る企業間のトラブルが絶えないことも事実です。ここでは、売掛金の時効に関する情報をまとめてご紹介します。

2017年民法改正で時効までの期間が5年に

2017年以前の民法では、売掛金の時効は職種によって異なり、1年から3年と規定されていました。しかし、2017年の改正後は、「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年」と定めており、時効までの期間が5年になりました。

施行前の取引にも新法が適用される?

日本では、「法の不遡及」の原則により、事後法は禁じられています。したがって、施行前の取引に改正後の民法が適用されることはありません。

民法は2017年に改正が決まりましたが、実際に施行されたのは2020年4月1日からであり、それ以前に行われた取引は、改正前の民法が適用されます。

時効期間の起算日は?

上述したように、改正民法の施行は2020年4月1日なので、それ以前に生じた債権は改正前の民法、施行日以降に生じた債権は改正後の民法が適用されます。そのため、時効期間をいつから起算するかは、民法改正前と後で方法が異なります。

改正前の旧民法では、「消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する」と定めていました。したがって、特別な約束がない限りは、契約成立時から時効期間は進行していきます。

例えば、2017年5月5日の午前8時に食事をして発生した売掛金の時効期間は、2017年5月6日から起算することになります。なお、2017年5月6日から起算する理由は、民法140条の初日不算入の原則に依ります。

改正後の民法では、先ほどご紹介した通り「権利を行使することができることを知った時から5年」との記載があります。

しかし、別の条項には売掛金の時効についての「債権者が権利を行使することができる時から10年」という規定も並立しているため、司法の判断によっては時効まで10年となる見方もできるのです。

ただ、ほとんどのケースにおいて債権者は権利行使(支払期限が来ていない状態のこと)が可能になったタイミングでその事実を認識していることが考えられるので、基本的には5年の時効が適用されるケースが多いと考えられ、契約成立時から5年で時効期間を迎えることになります。


 

売掛金が回収できないとどうなる?

売掛金が回収できないとどうなってしまうのでしょうか。最悪のケースとしては債権者の会社の経営が悪化し、倒産してしまうことが考えられます。売掛金は後払いなので、商品やサービス提供後に、その代金が支払われないのであれば、債権者側としては死活問題です。

また、経理上の手続きとしては、相手方の倒産や支払い能力などから鑑みて回収不能であることが明らかな事実である場合、貸倒損失として損金算入されることになります。次章では、その貸倒損失について詳しく見ていきましょう。

貸倒損失3つのパターン

貸倒損失とは、売掛金のような債権に関して回収が不可能と判断された場合に、その損失額を処理するための勘定科目のことです。

勘定項目とは、日頃の商取引を帳簿に記載する際に使われるもので、よく使われる勘定項目には売上高・給与・賃金・通信費・雑費などがあります。売掛金も勘定項目の1つであり、売掛金が回収不能になった場合に貸倒損失として損金算入が認められるのは、次の3つのパターンがあります。

法律上の貸倒れ

法律上、債権が消滅しているため、仮に会社として損金経理をしていなくても、自動的に損金算入されます。そのため、会計上貸倒損失として算入していなくても、税金の申告の際に所得の減少として届けることができます。

なお、法律上とは、更生計画認可決定や所定の債権放棄によって強制的に債権の全額または一部が切り捨てられた場合を指します。

事実上の貸倒れ

法的に権利が消滅していないものの、債務者の状況から売掛金の全額が回収不可能であることが明らかなケースが事実上の貸倒れに該当します。この場合も、貸倒れとして計上した金額を損金算入することができます。

ただし、全額が回収不可能かという点については客観性が重視されるため、税理士への相談や債務者の資産状況に関する情報を揃えておく必要があります。

形式上の貸倒れ

形式上の貸倒れは、以下の場合に適用されます。

・債務者との取引を停止してから1年以上経過している場合
・同一地域における売掛債権の総額が取り立て費用よりも少額である場合に、督促を行っても弁済がない場合

これらの場合は、売掛金から備忘価額の「1円」を控除した残額を貸倒損失として処理し、1年以上経過、もしくは弁済がない時に、 以降の事業年度で貸倒損失として処理されます。

事実上の貸倒れとは異なり、全額が回収不能でなくても損金算入が可能です。

売掛金の支払い遅延で債権回収をする方法


売掛金の支払い遅延は、債権者にとって経営を揺るがしかねない大きな問題です。ここでは、売掛金の支払い遅延による債権回収の方法を、民法改正前と改正後の観点からご紹介します。

時効の成立の阻止

支払いの滞っている売掛金を回収するにあたり、まず行うべきことは時効の成立を阻止することです。

民法改正前は、売掛金の時効の成立を阻止する方法として、「時効の中断」という制度がありました。時効の中断事由として、民法147条で、請求・差押え・仮差押え・仮処分・承認が定められています。これらのうち、請求・差押え・仮差押え・仮処分は債権者の権利の行使に該当し、承認は債務者の債務承認行為にあたります。

売掛金が支払われずに困っている経営者にとっては、債務者に対して代金支払いを巡って訴訟を起こすと「請求」として認められ、それまでに経過した時効期間が効力を失います。つまり、時効期間がリセットされるのです。

また、時効成立寸前に訴訟準備を行う時間の余裕がない場合にも、ひとまず「売掛金を支払ってほしい」と債務者に伝えるか、支払いを要求する書面を送るだけで、6ヶ月間の猶予を設けることが可能です。これを「催告」と呼びます。ただし、催告は、6ヶ月以内に訴訟を起こして「裁判上の請求」をしない限りは、時効の中断の効力が発生しないため注意が必要です。

民法改正後は、売掛金の時効成立を阻止する制度である時効の中断は、時効の「更新」と改正されました。ただし、この改正は用語自体を理解しやすくしたものであり、制度が大きく変わったわけではありません。前述したように、旧民法下における時効の中断は、時効期間のリセットを意味しますが、「中断」という言葉からはそのようなイメージがしづらいため、「更新」と改正されました。

時効の中断が認められたら、いよいよ売掛金の回収に臨みます。回収方法にはさまざまなパターンがありますが、具体的な方法は事項で解説していきます。

売掛金の回収方法

それでは、時効の更新が裁判所から認められたにも関わらず、債務者が支払いに応じない場合はどのような対応策があるのでしょうか。以下、詳しく解説していきます。

・支払督促
債務者が売掛金の支払いを拒んだら、裁判所を通じて回収に臨みましょう。回収方法の1つに支払督促を行うという方法があります。支払督促とは、債務者に対して裁判所から支払いの督促をしてもらい、相手側が意義を申し立てなければ、債務者の資産を差し押さえることが可能な手続きです。支払督促には、請求金額の上限がないため、売掛金がどんなに高額であっても手続きをすることができます。

・少額訴訟
売掛金が少額な場合は、少額訴訟という手続きを経て回収することも可能です。少額訴訟とは、60万円以下の金銭債権を請求できる簡単な裁判の手続きです。少額訴訟を行うと1日で全ての審理が行われるうえに、即日で判決まで下されるので、問題を非常に早く解決することが可能です。和解調書に強制執行力があるため、債務者が支払いを約束しなければ、資産の差し押さえを行い、売掛金を回収することができます。

・通常訴訟
売掛金が高額な場合は、通常訴訟を起こして売掛金を回収する必要があります。通常訴訟とはいわゆる普通の裁判のことで、判決で負けてしまったら売掛金は回収できません。通常訴訟は、専門的な法律の知識やノウハウがなければ不利な結果になる可能性が高いので、弁護士を立てて臨みましょう。なお、通常訴訟は判決まで半年ぐらいかかってしまうケースが多く、売掛金を早く回収したいという方には向きません。

・仮差押
上述した通常訴訟では非常に長い時間がかかるので、その期間中に債務者が財産を隠してしまうことが考えられます。そのような時は、債務者の資産を仮差押えすることを強くおすすめします。仮差押とは、裁判で売掛金の支払い命令の判決が下っている場合に、売掛金の回収が難しそうな債務者の資産を仮に差し押さえる手続きを意味します。例えば、仮差押をすると相手の預貯金・不動産・車などの資産を裁判所が差し押さえて、債務者が勝手にそれらの財産を売却することができなくなります。そのため、裁判終了後に確実に売掛金を回収することが可能です。

売掛金の管理なら「請求管理ロボ」がおすすめ


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まとめ

この記事では、売掛金の時効と債権を回収する方法をご紹介しました。2017年に民法が改正され、2020年の4月1日から新しい民法が施行されたので、民法の改正前と後では時効の期間が異なるため、売掛金の回収を行う際は時効をよく確認してから督促などを行うようにしましょう。

売掛金の未回収は経営者にとって頭を抱える問題ですが、日々売掛金を適切に管理しておくことで、売掛金の未回収リスクを軽減させることが可能です。

しかし、売掛金の管理もまた工数が多く、手間がかかる作業です。そこで、請求管理ロボなら「請求・集金・消込・催促業務」を自動化して、時間のかかる請求業務から社員を解放いたします。請求や入金管理の一連の業務プロセスのさらなる効率化を図りたいとお考えの企業は、ぜひ請求管理ロボの導入をご検討ください。

     
【監修】ROBOT PAYMENT フィナンシャルクラウド事業部

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