請求書控えはコピー保存でもOK?電子帳簿保存法に対応した請求書控えの保管についても解説

請求書

インボイス制度(適格請求書等保存方式)において、適格請求書発行事業者には適格請求書の控え(写し)の保存が義務付けられています。

そこでこの記事では、請求書控えの保存義務やコピー保存の可否、保存期間、電子帳簿保存法に対応した保管について解説します。

【無料EBOOK】 請求管理サービス7社を徹底比較!導入する際のポイントなども解説

請求書の控えとは?

請求書の控えとは、取引先へ送付する請求書とは別に、請求書の発行者側が保管しておく原本の写しのことです。

発行者側は、請求書の控えを入金待ちのものと入金済みのものと分けてファイリングし、月ごとや取引先ごとで分類して保管しておくと、後から自社内で取引に関する確認を行う際に役立ちます。請求書の控えを入金の状態によって分類・管理することで、取引の状況が把握しやすくなります。

実際に請求書の控えを使って取引状況を確認する流れは、以下の3ステップで行います。

請求書の控えを使って取引状況を確認する3ステップ
1.送付した請求書の控えを「未入金請求書控え」のファイルへ綴じる(入金の確認が行いやすいよう、支払期限順にファイルすることがポイント)。
2.入金が確認できたものに入金済みと手書きをするか、押印しておく(この際、後から確認する際にスムーズに探し出せるよう、入金された日も記入しておくことがポイント)。
3.入金済みの請求書を「入金済み請求書控え」のファイルへ綴じる(取引の発生順序を把握しやすいよう、入金された日ではなく請求書の日付順にしておくことがポイント)。

 

請求業務時間の削減シミュレーション
自動化により削減できる業務時間を算出

請求書控えの保存義務

インボイス制度(適格請求書等保存方式)において、適格請求書発行事業者には、交付した適格請求書の控え(写し)を保存する義務があります。この「写し」は、交付した請求書そのもののコピーに限られません。

複数の適格請求書の記載事項をまとめた一覧表や明細表、レジのジャーナル、システムから出力した精算書類などでも、必要な記載事項が確認できれば写しとして保存が認められます。発行件数が多い事業者は、1枚ずつのコピーではなくこうした方法で保存の負担を軽くできます。ここからは、控えのコピー保存の可否と保存期間について説明します。

請求書控えはコピー保存でもOK?

請求書を紙で作成・送付した場合、その控えを紙(コピー)で保存することは問題ありません。
ただし、パソコン等で作成し、電子データ(PDFやメール等)で送付した場合は、その控えデータも「電子取引」に該当するため、原則として電子データのまま保存する必要があります(紙に出力しての保存は原則認められません)。

なお、請求書を紙で受領した場合、受領側は原則として紙の原本を保存しますが、電子帳簿保存法の「スキャナ保存」の要件を満たせば、電子データとして保存し、紙の原本を破棄することも可能です。

スキャナ保存の要件については、以下の国税庁ホームページもあわせてご確認ください。
参照:国税庁「はじめませんか、書類のスキャナ保存」

請求書控えの保存期間

請求書控えの保存期間は、事業者の区分・状況によって以下のとおり異なります。

区分 保存期間
個人事業主(消費税免税事業者) 5年間
個人事業主(消費税課税事業者・インボイス発行事業者) 7年間
法人(欠損金のない事業年度) 7年間
法人(欠損金が生じた事業年度) 10年間
適格請求書(インボイス)を発行した場合(控えの保存・個人・法人共通) 7年間

※ 通常の請求書(適格請求書以外)の控えは、インボイス制度のように控えの作成・保存を明示的に義務付けた規定はありません。ただし、売上・収入の証明や税務調査への備えとして、上記の期間保存しておくことが推奨されます。

起算日について

個人事業主の場合:確定申告書の提出期限(通常毎年3月15日)の翌日から起算します。
法人の場合:各事業年度の確定申告書の提出期限(事業年度終了日の翌日から2か月後)の翌日から起算します。
適格請求書(インボイス)の場合:課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から起算します。通常の請求書とは起算日の計算方法が異なるため注意が必要です。

消費税の課税事業者またはインボイス発行事業者に該当するBtoB事業者の多くには、実質的に7年間の保存が求められます。
また、会社法上の観点や税務リスクへの備えから、社内規程で10年保存を定めている企業も多くあります。
自社の状況と最新の法令を確認したうえで運用しましょう。

消費税法上の保存期間の緩和(6年目・7年目)

請求書などの保存期間は、法人で原則7年間(欠損金が生じた事業年度は10年間)とされていますが、消費税法上の請求書等の保存については、6年目と7年目はいずれか一方を保存すればよいという緩和規定があります。

たとえば、帳簿と請求書の両方を保存している場合、6年目・7年目はそのどちらか一方を残しておけば足ります。長期保存の負担を減らせるため、保存スペースや管理コストが気になる場合は、この緩和規定もあわせて確認しておくとよいでしょう。

請求書控えと税務調査

税務調査が実施された際、調査官は証憑書類の一つとして請求書控えの提示を求めることがあります。請求書控えが適切に保存・管理されていないと、売上の実態が確認できず、追徴課税につながるおそれがあります。

具体的には、消費税では帳簿や請求書等の保存がないと仕入税額控除が認められないことがあり、帳簿書類の提示を正当な理由なく拒むと青色申告の承認が取り消される場合もあります。

さらに、売上の隠蔽や帳簿の改ざんがあると判断されれば、重加算税(過少申告の場合35%、無申告の場合40%)が課されることもあります。

【紙で保存している場合】
紙で作成・送付した請求書の控えをコピー(紙)で保存している場合は、税務調査では紙の控えを提示すれば原則として対応可能です。発行日・取引先・金額が確認できるよう、年度別・取引先別に整理しておくと安心です。

【電子データで保存している場合】電子データで保存している場合は、調査官の求めに応じてすぐに提示・提出できる状態を常に維持しておくことが重要です。

保存要件の詳細は「電子データで発行した請求書控えの保管方法」セクションをご確認ください。

受け取った請求書(買い手側)の保存との関係

ここまでは請求書を発行した側が保管する「控え」を中心に説明しましたが、取引先から請求書を受け取る買い手側にも保存義務があります。

買い手が仕入税額控除を受けるには、原則として一定事項を記載した帳簿と、受け取った適格請求書などの両方を保存する必要があります。

つまり、適格請求書は「発行側が控え(写し)を保存し、受領側が原本を保存する」という形で、双方に保存が求められます。自社が発行する側と受け取る側のどちらの立場でも保存義務が生じる点を押さえ、控えと受領分をそれぞれ適切に保管しておきましょう。

電子帳簿保存法に対応した請求書控えの保管方法

紙で発行した請求書控えの保管方法

請求書を取引先に紙で送付した場合、その控えはコピーして紙で保存しておけば問題ありません。一方、電子帳簿保存法の「スキャナ保存」の要件を満たせば、紙の控えをスキャンして電子データで保存し、紙を破棄することもできます。

スキャナ保存では、解像度200dpi以上・カラー256階調以上での読み取り、受領・作成からおおむね2か月と概ね7営業日以内のタイムスタンプ付与、訂正・削除履歴の確認、取引年月日・金額・取引先での検索といった要件があり、書類の重要度(重要書類か一般書類か)によって求められる要件が異なります。

なお、2021年の電子帳簿保存法改正で、スキャナ保存に従来求められていた「適正事務処理要件(相互けん制・定期検査・再発防止策)」は廃止されました。ただし廃止されたのは法律上の要件としての扱いであり、改ざん防止や正確な事務処理のために、社内の運用ルールを文書化しておくことは引き続き大切です。

電子データで発行した請求書控えの保管方法

電子データで発行した請求書控えは、原則として電子データのまま保存する必要があります(紙に出力して保存するだけでは要件を満たしません)。
2024年1月以降、この電子保存義務は全事業者に適用されており、電子データの紙出力保存を認めていた「宥恕措置」は2023年末をもって終了しています。

原則として、電子取引データの保存には以下の【真実性の確保】と【可視性の確保】を満たすことが求められます。

保存要件 要件の内容
真実性の確保 次のいずれかの措置が必要です。
・受領したデータにタイムスタンプを付与する(付与済みデータの受領も可)
・訂正・削除の履歴が残るシステムで保存・管理する
・改ざん防止のための事務処理規程を策定・運用・備え付ける
可視性の確保 ・ディスプレイやプリンタ等、データをすぐに確認・出力できる環境を備え付ける
・取引年月日・取引金額・取引先の3項目で検索できる状態にしておく(索引簿や「日付_金額_取引先名」形式のファイル名管理でも対応可能)
※基準期間の売上高5,000万円以下の事業者はダウンロードに応じられれば検索要件省略可

 
また、2024年以降、以下の(1)(2)の両方を満たす事業者については、電子取引データを保存しておくだけでよい「猶予措置」が設けられています。
(1) システム整備が間に合わない・人手不足・資金不足など、原則的な保存ルールに従えなかった相当の理由があること(事前届出は不要)
(2) 税務調査の際に、①電子取引データのダウンロードの求め、②電子データをプリントアウトした書面の提示・提出の求め、のそれぞれに応じられる状態を維持していること

ただし、猶予措置が適用される場合でも、電子取引データ自体の保存は必須です。電子データを保存せずに紙のみで保管することは認められません。
詳細は国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」をご確認ください。

なお、当社の「請求管理ロボ」の電子帳簿保存法に対応した請求書電子化サービスでは、過去の請求書データをクラウド上でいつでも確認でき、保存管理がしやすくなります。 保存スペースの確保や検索性にも優れています。

電子請求書のやり取りが増える中での対応(発行側の視点)

ここまでは請求書控えの保存方法を解説してきましたが、請求書そのものを電子でやり取りする「電子請求書」への対応も進んでいます。既存の保管方法を踏まえたうえで、発行側が今後どう対応していくべきかを整理します。

電子請求書をめぐる制度の動き

インボイス制度や電子帳簿保存法への対応が進む中、取引先とのやり取りも紙から電子請求書へ移行する動きが加速しています。発行側としても、控えを保存するだけでなく、電子インボイス(Peppol等の標準規格)に対応した形式で請求書を発行できるか、送付履歴を管理できるかが今後の検討ポイントになります。

対応のステップ

①現状の請求書の発行・送付方法を棚卸する②電子保存の要件(真実性・可視性)を満たす保存先を決める③段階的に取引先への電子発行へ切り替えるといった順番で進めると混乱がありません。

BtoBでの電子請求書のやり取りとシステム選定

取引先によって、メール添付のPDFから電子インボイス標準規格まで、受け取りを希望する形式は様々です。発行側としては、送付形式を取引先ごとに使い分けられるか、送付履歴を一元管理できるかを確認しておくと、電子請求書のやり取りが増えても対応しやすくなります。

請求書控えの電子保存・検索は「請求管理ロボ」にお任せ!

請求管理ロボ
請求処理 請求書の自動発行/単発請求(1回毎)/定期定額請求(繰り返しの定額)/定期従量請求(繰り返しの変動)/請求予約(未来分の一括作成)/ロゴ・印影・レイアウト・フォント変更/メール送付(自動・手動)/郵送代行/送付スケジュール設定/送付履歴・既読(DL)確認/請求周期の柔軟設定/明細単位のスケジュール管理/前受金対応・按分計上・取り崩し/繰越請求/インボイス制度対応/電子帳簿保存法対応
集金・決済管理 バンクチェック(銀行振込・バーチャル口座)サービス/クレジットカード決済サービス/口座振替サービス/コンビニ決済サービス 払込票方式(請求書払い)/継続課金・自動集金/複数口座・複数決済手段の一元管理/決済失敗時の切替・繰越設定
入金消込・入金管理 自動入金消込/AI消込学習機能/自動合算消込/入金データ自動取得/CSV取込/入金繰越(過少入金の次月合算/過剰入金の次月相殺)/入金状況のダッシュボード表示/仕訳データの自動生成/売掛金残高管理/顧客別・期間別レポート/請求履歴の一覧管理・送付履歴の一覧管理
債権管理・催促 未入金の自動特定/未入金一覧の可視化/回収状況の全社共有/自動催促メール(期限前通知+期限後催促)/催促文面の編集・タイミング設定/複数請求書への一括催促/繰越請求・再発行のワンクリック切替
外部連携 Salesforce API連携/kintone API連携/会計ソフト連携/郵送代行サービス連携

適格請求書の控えは、事業者の区分により実質的に7年間(欠損金が生じた事業年度は10年間)の保存が求められ、長期保存の負担を軽くするには電子帳簿保存法に対応した電子管理が有効です。

請求管理システム・債権管理システムの請求管理ロボは、電子帳簿保存法に対応し、JIIMA「電子書類ソフト法的要件認証」を取得しています。真実性・可視性を確保し、紙に代えて電子データで保存できます。

改ざん防止措置機能により、スキャナ保存等でのタイムスタンプ付与が不要です。発行した適格請求書は電子データで保存して検索でき、クラウド上で保存するためインターネット環境があればいつでも閲覧でき、紛失の心配がありません。

請求管理ロボはこれまでに1,000社以上の企業に導入されています。請求書控えの保管・検索にお悩みのご担当者様は、資料請求をご利用ください。

※一部サービス提供元の運営記事です/PR

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
  • 請求書の作成から発行まで自動化「請求管理ロボ」
  • 請求管理ロボ