経理業務は電子化の時代!メリット・デメリットや電子化すべき業務を解説

経理

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従来、経理部門では請求書や経費精算書などをはじめ、紙を使うのが基本的な業務遂行の形でした。また、新型コロナウイルスの感染拡大で多くの部門でテレワークの導入が進んだなかで、経理部門は紙を使った文化が根強いために、経理担当者は出社して業務を進めるケースが多いという実態が浮き彫りになりました。

CFO(最高財務責任者)の外郭団体である日本CFO協会の調査によると、経理部門でテレワークが進まない原因として、請求書や納付書が紙で送られてくる、書類にハンコを押さなければならないといったことが課題とされています。

そんな経理部門にも電子化の波は確実に押し寄せており、経理業務の改革のためには避けられない課題となっています。この記事では、経理の電子化について、メリットやデメリット、関連する法案、電子化による業務の事例などを交えて解説します。

経理で電子化の対象になる帳簿と書類


経理部門で電子化の対象になる代表的な書類には以下のものがあります。

・請求書
・領収書
・伝票
・経費精算書
・仕訳帳
・総勘定元帳
・補助元帳
・貸借対照表
・納品書

これらは電子帳簿保存法において、主に国税関係の帳簿と書類に関して電子化されたデータによる適用が認められています。

電子帳簿保存法の改正が経理業務の電子化に与える影響

電子帳簿保存法の改正により、経理業務の電子化が進めやすくなっています。
電子帳簿保存法は1998年に制定された歴史のある法律ですが、法人税法や所得税法において帳簿や書類の紙の原本を原則7年間保存しなければならないなど適用要件が厳しく、なかなか普及しませんでした。しかし、その後の改正によって同法の要件が大幅に緩和され、スキャンしたデータや撮影した画像による保存が認められるなど、電子化の対象になる帳簿や書類が拡大されました。

電子帳簿保存法やその改正ついて、詳しくはこちらのページで解説しています。
「電子帳簿保存法 対応ガイド」

経理業務を電子化するメリットとデメリット


経理業務の電子化にはメリットとデメリットがあります。以下に代表的なものを挙げて解説します。

メリット1:業務効率化

帳簿や書類を紙媒体で作成・保管し、そのなかから必要なものを探すというのは時間と労力のかかる作業です。しかし、これらを電子化すれば作成・保管・検索・閲覧の一連の業務が効率化され、手間を大幅に抑えることができます。

紙による請求書発行を例に取ると、まず紙と封筒を用意し、紙に請求書を印刷し、印刷した請求書を折り畳んで封筒に入れ、封筒に宛名・差出人の住所・氏名を書き、郵便局へ持って行って投函するという一連の業務が発生します。これを電子発行にすれば、請求データを請求書発行システムに取り込むだけで、請求書の発行から送付ができるようになります。

メリット2:コスト削減

帳簿や書類を電子化することによって、業務に係わる人的コストや紙媒体に係わるコストを削減することができます。紙媒体は、帳票作成のために紙代やインク代などの消耗品、プリンターやコピー機・リースコスト、紙の帳票を保管する場所としてキャビネットの購入コストが掛かります。他にも取引先へ郵送するための封筒代と郵送費も掛かります。しかし、電子化すればこれらの印刷から郵送に至るまでのコスト削減が可能です。

また、紙媒体の帳票作成・発行には多くの単純作業を要し、経理担当者や営業担当者はその作業に忙殺され、コア業務に集中できず残業を余儀なくされるケースもあります。一方、電子化によって単純作業にかける時間がなくなれば、コア業務に集中でき、残業時間を削減することも可能です。

デメリット1:初期費用と手間

経理の電子化を進めるには、ある程度の初期費用と手間を費やす必要があります。たとえば、データを保管するためのパソコン、スキャナー、ハードディスク、サーバー、クラウド、専用のアプリケーションなど、システム環境の投資と整備が必要です。ハードウェアの投資だけでも初期費用として数百万円の出費になることも考えられます。

デメリット2:データ管理の必要性

帳簿や書類は一旦電子化してしまえば紙媒体よりも検索が容易になり、探しやすくなるというメリットがあります。しかし、そのためには電子データに適切なファイル名を付けられていて、フォルダごとに階層が分かりやすく系統的に区分された状態で整理されていることが必須条件です。

従来のように紙媒体で保管してあれば、分類が大雑把でも目的のものを見つけられますが、電子データとして保管し、必要な時に検索してすぐに見つけられるようにするためには紙媒体の場合よりもきめ細かい分類で管理する必要があります。

このように、帳票類の電子化によるメリットを活かすためには、ただ単にシステムを導入しただけでは不十分で、細かなルールの徹底と工夫が必要です。

経理部門でできる電子化(ペーパーレス)とは?


2016年と2018年の電子帳簿保存法の改訂により、電子化できる書類が幅広い範囲に及ぶようになりました。以下に経理部門でできる電子化の例を解説します。

法人税納税の電子申告

通常の法人税納税は、税務署から送られてくる申告書と納付書に該当の法人税額を記入し、添付書類を持参して税務署で納税の申告手続きを行います。しかし、e-Taxを利用すればWeb上で法人税納税の電子申告手続きができます。申告書や納付書、手納書類などの紙を用意する必要がなくなり、税務署に行く手間が省けるのです。

この電子申告は2020年4月から義務化され、多くの企業がe-Taxを利用するようになりました。義務化された税目は、法人税、地方法人税、消費税、地方消費税の4項目です。納税も電子化されており、会社の預貯金口座から振替で納付するダイレクト納付と、Web上のインターネットバンキングを利用して納付する2種類の納付方法が選べます。

請求書のWeb発行

請求書も取引先が多くなると印刷や封入、発送作業などの手作業が多くなり、手間もコストも無視できない規模になります。また、請求書を早く欲しいという顧客の個別対応や誤配送・紛失により再発行する場合は手間が掛かり、煩雑になりやすい業務です。

請求書をWeb発行に切り替えれば請求書の一括送付が可能になり、これらの手間やコストを大幅に減らすことができます。また、請求書のデータをWeb上に保存・管理しているので、記載内容や現状のステータスを簡単に確認することができます。過去に発行した請求書も履歴が簡単に確認できるので、紙の請求書のように時間をかけて探し出す必要もなくなります。

経費精算のシステム化

経費精算をシステム化してペーパーレスにすれば、申請する従業員と承認する管理者双方に大きなメリットがあります。

まず、経費精算書を印刷する必要がなくなるので、紙代や印刷トナー代が掛かりません。データはパソコン上やサーバー上に保存されるので、印刷した経費精算書を保管する場所も不要になります。そして、精算書の作成から処理まで通してシステム化することにより、記入ミスや記入漏れを削減することができます。

また、システムによっては自動で交通費を計算したり、定期区間を抜いて計算したりするなどの機能が備わっているため、ヒューマンエラーが低減されることで差し戻しの発生を抑えることができます。さらに、システム化によって申請する従業員はどこでも承認依頼を出すことができるようになり、テレワーク化が推進しやすくなります。

請求書の電子化なら「請求管理ロボ」にお任せ!

請求書の電子化なら「請求管理ロボ」にお任せください。請求管理ロボは、インターネットにつながる環境さえあればいつでもどこでも請求書を作成送付できるクラウドサービスです。請求書の発行から入金管理に至るまで、一貫して自動化できる点を強みとしています。

請求書の発行は、SFAやCRMなどの販売管理システムから請求情報を請求管理ロボにアップロードし、発行日時を指定するだけで完了です。請求情報の取り込みは、CSVファイル形式にも対応しています。また、取引先ごとに請求書の書式が異なっていても、それぞれに対応したフォーマットで作成することができるテンプレート機能を備えています。さらに、発行した請求書は請求管理ロボで送付日、開封状況、入金状況などを確認することができます。

万一、入金が確認できない場合は自動で督促メールを送信し、迅速な対応でキャッシュフローの安定化を図ります。

まとめ

この記事では、経理業務の書類の電子化について、関係する法律や導入するメリットなどを解説してきました。2016年以降の電子帳簿保存法の改正によって、経理部門の紙文化は改善されつつあり、経理の電子化は今後一層の普及が見込まれます。

電子化に伴い、業務フローの見直しを図りたい企業は、ぜひ「請求管理ロボ」による請求業務の自動化をご検討ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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