督促メールを適切に送るには?効果的かつ角が立たない印象に仕上げる方法

請求業務

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ビジネスにおいて、期日や期限を守ることは非常に重要です。しかし、取引先が期日・期限を守ってくれないこともあるでしょう。期日や期限が過ぎても入金や連絡がない場合、しかるべきタイミングで督促する必要があります。

通常、メールにて督促するのが一般的ですが、先方に失礼がないよう、メールの内容には十分注意しなければなりません。そこで当記事では、督促メールを送る際の注意点と、効果的かつ角が立ちづらいメールのフォーマットをご紹介します。

ビジネスにおける督促とは

督促とは、特定の期日・期限までに履行されなかった事柄について、約束や義務を果たすよう促すことです。

ビジネスにおいては、取引先からの見積書や品物の未着、納期の遅延、代金や報酬の未払いが生じた場合、それらの履行を促すことを督促といいます。

督促の方法は、現在ではメール送付が一般的です。ここでは、督促の目的と督促する方法についてご紹介します。

督促の目的

そもそも督促しなければならないケースというのは、取引先などが期日や期限を守らなかった場合です。

約束の期日に連絡がない・メールの返信がこない・見積書や品物が届かない・代金や報酬の入金がない・納期が遅れているといった事態が発生した場合、先方に遅延・延滞が生じていることを説明し、履行を促さなければなりません。

例えば、ビジネスメールの返信がない場合、返信期限を過ぎたタイミングで連絡を入れた方がよいでしょう。返信期限を設定していなかった場合は、メール送信後2~3営業日後までに返信がなかったら督促するのが一般的です。

もし代金や報酬などの入金が確認できない場合は、期日を過ぎた段階で連絡を入れましょう。単に入金を忘れていただけなら、連絡を受けたタイミングで入金してくれるはずです。

万が一、督促に応じてもらえない場合は、入金できない何らかの事態に陥っている可能性があるため、電話などで早急に状況を確認しましょう。

納期に遅れている場合も同様、期日を過ぎたら連絡を入れてください。業務の進捗に影響が出る可能性もあるため、先延ばしにせずに速やかに督促しましょう。

このように、督促の目的は期限や期日を守らない取引先などに対し、履行を促すことです。業務進行を最適化するには、期日・期限を厳守することが重要です。

督促を送付する方法

ビジネスにおける代表的な督促方法には「電話による督促」「督促メールの送信」「督促状の送付」の3つの手段があります。電話による督促は、先方に直接期限が過ぎていることを伝えられる有効な方法です。

しかし、電話で直接督促するのは心理的ハードルが高いかもしれません。また、電話は証拠が残らないため、齟齬が生じて後々トラブルになる可能性もあります。電話で督促する場合は録音するか、後日電話の内容を書面やメールで改めて送付するようにしましょう。

督促メールの送信は、現在では最も一般的な督促の方法です。単純に先方が期日・期限を失念していた場合などは、メールをきっかけにすぐに対応してもらえるかもしれません。重要な案件の場合は遅延・延滞が発生しないよう、事前にリマインドメールを送っておくのも有効です。

督促状の送付は、最も直截的な督促方法といえます。電話に応答がない、督促メールに返信がない場合は、より強い意味を持つ督促状を作成して送付しましょう。状況に応じて内容証明郵便で送付すると効果的です。

督促メールを送る際の4つの注意点

先方が期日や期限を守らなかった場合、しかるべきタイミングで督促するのは非常に重要です。遅滞なく業務を進行するには、期日・期限を厳守しなければなりません。

督促は原則先方の不手際に対して行われるものですが、失礼がないよう行うことが重要です。ここでは、督促メールを送る際の4つの注意点をご紹介します。

タイトルや目的を明確に

まず、督促メールを送信する際はタイトルや目的を明確にすることが重要です。タイトルには何に対する督促なのかを明記しましょう。

例えば、入金の確認ができない場合は「【重要】ご入金の確認について」、納品が遅れている場合は「【至急】納品時期の確認について」などと明記すれば先方は何の督促なのかが一目瞭然でわかるでしょう。

一方、「【重要】督促の件について」などと記載してしまうと、先方に無用なプレッシャーを与えてメールの開封をためらわせる可能性もあるため、避けた方が無難です。

また、本文にはどのような対応をいつまでに行ってほしいのか、督促メールの目的を明記してください。改めて期日・期限を具体的に記載し、メールへの返信を促しましょう。

不快感をあらわにしない

遅延・延滞は先方の落ち度ですが、感情的になったり攻撃的になったりすることは厳禁です。

先方のミスだったとしても、不快感を与えるような督促メールを送ってしまうと信頼関係に大きな傷跡を残す可能性もあるでしょう。ミスは起こり得るものと認識し、冷静に対応することが重要です。

過度にへりくだる必要はありませんが、期限が過ぎている事実を端的に説明し、冷静に対応を促しましょう。ビジネスでは信頼関係が最も重要です。

たとえ1通のメールだとしても、信頼関係が損なわれてしまったら大きな損失となります。取引先は大切なビジネスパートナーだということを認識し、慎重に対応してください。

他の方法や口座で入金されている可能性

代金や報酬の入金が確認できない場合は、他の支払い方法や他の口座に入金されていないか今一度確認してみましょう。

例えば、先方の振込名義人は正しいですか。会社によっては、振込名義人と会社名が一致しない可能性もあるため注意が必要です。

また、複数口座を使い分けている場合、取引先に伝えている口座に間違いはありませんか。こちらの伝達・確認ミスで別の口座に入金されていた、というケースも考えられます。

口座入金の場合は、銀行の営業時間にも注意が必要です。例えば、先方が銀行の営業時間ぎりぎりに振込手続きを行った場合、処理の関係上翌日以降の入金になることもあり得ます。口座入金が遅れている場合は、1~2日程度の余裕をもって確認するとよいでしょう。

さらに、近年は支払い方法も多様化しているため、こちらが想定している支払い方法と先方の支払い方法が一致していることも確認してください。銀行口座への振り込み以外にもクレジットカード払いやキャッシュレス決済などもあるため、今一度先方に確認してみましょう。

自社側のミスでないか最終確認

遅延・延滞はすべて先方のミスとも限りません。例えば、代金や報酬が支払われない場合、先方指定のフォーマットで間違いなく請求書を送付していますか。請求書に記載の銀行口座や支払期限が間違えている可能性もあるでしょう。

約束の期日までに連絡がなかった場合、電話などですでに連絡を受けている可能性はありませんか。社内の連携ミスで電話の内容が引き継がれていないこともよくあるケースです。

ビジネスメールの返信が来ない場合、メールを見落としている可能性はありませんか。他のメールに紛れていたり、迷惑メールフォルダに振り分けられていたりする可能性もあるでしょう。

督促メールを送付した後にこちらのミスが発覚することは最悪なパターンです。先方に不快感を与え、取引先の信頼を大きく損なう可能性もあります。督促メールを送る場合は、自社側にミスがないか必ず最終確認を行いましょう。

督促メールのフォーマット

業務を滞りなく進行するため、時には督促メールを送らなければならないこともあるでしょう。しかし、督促メールは先方のミスを指摘することにもなるため、内容には十分注意しなければなりません。

場合によっては先方に不快感を与え、信頼関係に傷がつく可能性もあるでしょう。ここでは、なるべく角が立ちづらい督促メールのフォーマットをご紹介します。

督促メールの内容

まず、督促メールに記載すべき内容について解説します。具体的には、督促メールには下記1~8の内容を記載するのが一般的です。順番に見ていきましょう。

1. タイトル
タイトルは一目で要件がわかるよう具体的に記載してください。ただし、「督促」と明記してしまうと先方に不快感を与える可能性があるため、「念のため確認させていただきたい」という体でタイトルをつけるとよいでしょう。

2. 送付先
先方の会社名と氏名を明記してください。敬称を忘れないように気をつけましょう。

3. 挨拶と送付元
挨拶とともに、こちらの会社名と氏名を明記してください。

4. 要旨
督促メールにおいて最も重要な部分で、要件をわかりやすく記載してください。元の期日・期限なども具体的に記載しましょう。

5. 引用
事前のメールや請求書・見積書などがある場合は、重要な箇所を引用してください。改めて過去のメールや書類を確認しなくてもわかるように記載するのが重要です。

6. 詳細
督促メールを受けて、どのようなアクションを取ってもらいたいのかを記載してください。新たな期日・期限なども具体的に記載しましょう。

7. 結び
結びの文を記載してください。万が一の行き違いに備えて、お詫びの文も添えておくとスマートです。

8. 署名
署名を記載してください。メールソフトの設定で自動的に挿入されるようにしておくと便利です。

良い例

前章では、督促メールの内容について記載する際のポイントを解説しました。ここでは報酬の支払いが遅れている際の督促メールについて、良い例をご紹介します。

タイトル:【重要】ご入金の確認について(3月分報酬)

株式会社○○ ●●様

いつもお世話になっております。
株式会社□□ の ■■と申します。

3月分報酬のお支払いについてご連絡致しました。
××案件は3月5日で完了しており、3月10日に請求書を送付しております。
お支払期限が3月末となっておりましたが、4月10日15時現在ご入金が確認できておりません。

請求書でお送りしましたご請求内容とお振込先は以下のとおりです。

—–
ご請求内容:××案件 3月分報酬
ご請求額:○○○○○○円(税込)
お振込先:□□銀行■■支店(普通)7654321
—–

お忙しいところ大変恐縮ですが、ご確認頂き本日中に状況をお知らせください。

なお、本メールと行き違いでお振込手続きを行っていただいた場合は、何卒ご容赦ください。
大変お手数ですが、よろしくお願い致します。

—–
株式会社□□ ■■ ■■
Tel:00-0000-0000
Mail:xyz789@aaa.co.jp
—–

悪い例

続いて、悪い例を見てみましょう。良い例と同様、報酬の支払いが遅れている際の督促メールについてです。

タイトル:報酬支払の件

●●様

お世話になっております。
■■です。

本日入金予定の報酬が振り込まれていないため、困っています。
先日お送りした請求書に従い、早急にお振り込みください。
各種支払い等があるため、今日の15時までに振り込みをお願いします。

以上

督促メールに応じてくれない場合に取るべき2つ対処法

納期や支払いの遅延は、事業進行に大きな影響を及ぼします。督促メールを送っても返信がない、電話にも応答がない場合はどうすればよいのでしょうか。ここでは、督促メールに応じてくれない場合に取るべき2つの対処法をご紹介します。

改めて書面を送付する

メールの返信や電話の応答がない場合は、督促状を作成し書面で送付しましょう。督促状はメールや電話に比べると、より直截的な督促方法といえます。

督促状には、具体的に期限を明記することが重要です。新たな期限までに履行されない場合は、内容証明郵便で改めて督促状を送付してください。

内容証明郵便とは、差し出した日付、差出人の住所・氏名、宛先の住所・氏名、文書の内容を日本郵便が証明する一般書留郵便物です。通常、紛争の防止目的や法的手段に先立ち、督促の証拠として利用されます。

法的な効力はありませんが、内容証明郵便で意思表示することで精神的なプレッシャーとなるため、履行してくれる可能性が高まるでしょう。

ファクタリングで現金化する

代金や報酬の支払いが滞り運転資金の確保に窮する場合は、ファクタリングで現金化するという方法もあります。ファクタリングとは、請求書を買い取ってもらうことで即日現金化できるサービスです。

一定の手数料は発生しますが、訴訟を起こして回収するよりはるかに短期間で現金化できるため、急な出費などにも対応できます。借り入れなどで補填するより少ない出費で現金化できるため、一つの方法として覚えておくとよいでしょう。

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まとめ

今回は督促メールについて解説しました。ビジネスでは、期日や期限を守るのが非常に重要です。しかし、時には取引先が期日・期限を守ってくれないこともあるでしょう。業務進行を最適化するには期日・期限を守ることが必須となるため、遅延・延滞が生じている場合は早期に督促しなければなりません。

督促方法は電話や書面、メールなどが一般的です。現在は督促メールを送付するケースが大半ですが、督促は相手のミスを指摘することにもつながるため、メールの内容には十分注意しなければなりません。

督促メールを送付する際は感情的にならず、冷静に対応するようにしましょう。要件を端的に記載し、期日・期限や求める対応を具体的に明記してください。督促メールを送付しても応じてくれない場合は、督促状を内容証明郵便で送付する、ファクタリングで請求書を買い取ってもらうなどの方法もあります。

請求管理は非常に手間がかかる業務です。督促作業などの負担が大きい場合は、請求業務の大半を自動化できる請求まるなげロボの利用を検討してみましょう。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。