請求書を電子化するメリット・デメリットとは?システム導入のポイントも紹介

請求書

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請求書の作成において、顧客名、納入先、請求年月日、商品名、請求金額など様々な情報を手入力で処理している企業は多いことかと思います。多くの場合、エクセルなどを用いた管理台帳を使って請求書を管理していますが、管理台帳から請求書を出力した後も手作業での処理は発生するため、ある程度の人的リソースを割く必要があります。

このようなアナログな作業を効率化する手段の1つが「電子請求書」です。この記事では、電子請求書が推進されている背景、関連する法律、電子化のメリット・デメリットなどを解説します。

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請求書の電子化とは?

データ化した請求書をメールや発行システムなどで送信し、Web上でやり取りすることを請求書の電子化といいます。紙にプリントアウトして郵送する場合と比較して、請求書を電子化することは発行する側にも受け取る側にも様々なメリットがあります。

電子請求書は取り扱う形式によって、複数の種類に分けられます。近年では電子請求書に関する法整備が進み、国税関係の帳簿書類を電子データで保存することが認められるようになっています。法整備に対応した事業体制の構築・現場業務の合理化などを目的として、請求書の電子化を実施する企業が増えてきています。

請求書の電子化が推進されている背景

日本では請求書をはじめとする書類の電子化に向けた動きはある程度見られたものの、世界の趨勢と見比べると実情としてあまり進んでいるとはいえません。請求書は取引があったことを証明する重要な書類なので、紙の原本に押印して送るべきという商習慣が根強かったことが一因として挙げられます。しかし、近年請求書の電子化は喫緊の課題として多くの企業が変革を求められています。

請求書の電子化が進む背景にあるのは、紙媒体による取引の継続は事務負担が大きいとの指摘が広まっていること、2020年に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてテレワークが広まったことが挙げられます。また、政府主導で脱ハンコが推し進められるようになり、帳簿に関する法的要件が大幅に緩和された点も電子化を後押しする要因です。

さらに、近年に行われた新制度発足や法改正が請求書電子化の追い風となっています。
以下に、請求書の電子化への影響が予想される動きをまとめました。

電子帳簿の保存要件が緩和された

2022年1月に電子帳簿保存法が改正され、電子化した国税関係書類を保存する際の事前承認の廃止、電子帳簿の保存要件の緩和といった変更が行われました。

電子取引記録の保存が義務化される

国税関係書類の電子取引記録は、紙もしくは電子データによる保存が認められていましたが、2024年1月からの取引では電子データによる保存が義務化されます。電子データを使用して発行・受領が行われた場合、電子保存のみが有効とされます。ちなみに、2023年12月までに行われた電子取引に関しては、従来通り紙もしくは電子データによる保存が認められています。

インボイス制度が開始される

2023年10月1日からインボイス制度がスタートします。インボイス制度とは適格請求書(インボイス)の発行や保存が必要になる制度です。適格請求書の発行には国税庁で登録を受ける必要があり、基本的には課税事業者であることが登録条件のひとつになっています。

インボイス制度開始後に仕入税額控除を受けるには、インボイス発行事業者から交付された適格請求書を保存しておく必要があります。インボイスは紙もしくは電子データとして提供できる書類であり、電子データとして受け取った場合には電子帳簿保存法に準拠した形式での保存が必要です。

請求書の電子化に関連する法律

電子請求書は、請求書を発行する(請求)側も受け取る(受領)側も法律で定められた要件を満たす必要があります。請求書の電子化に関連する法律は「電子帳簿保存法」と「e-文書法」があります。以下にそれぞれについて解説します。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法は、1998年に施行された国税帳簿関係書類に係わる法律で、帳簿書類を電子データ化して保存することを認めたものです。この法律では、帳簿書類を基本的に7年間保管することが義務付けられています。紙の原本を保管することによる事務作業上の負担を軽減するため、何度かの法改正を経て規制が緩和されてきました。

2005年には書類をスキャンして保存することが認められ、2015年と2016年にはスマートフォンで撮影した画像データの保存も認められました。そして2020年にはペーパーレス化をさらに進めるために、請求書発行側のタイムスタンプがあれば請求書受領側のタイムスタンプは不要とされています。
さらに2022年1月に法改正があり、電子化した国税関係書類を保存する際の事前承認の廃止・電子帳簿の保存要件の緩和など、電子書類の手続きに関して抜本的な見直しがなされました。

e-文書法

e-文書法は、電子帳簿保存法と同様に、紙媒体で保存することが義務付けられていた書類を電子データ化して保存することを認めた法律です。2004年に制定、翌2005年に施行され、電子文書法ともいいます。

電子帳簿保存法では、決算書類や会計帳簿などの「国税関係の帳簿書類」に限られていた保存認可対象を、e-文書法では契約書や見積書、請求書などの事前書類、領収書や納品書といった事後書類など「幅広い範囲の電子化」を認めている点が異なります。

また、e-文書法が保存の要件として規定しているのは、ディスプレイなどの画面で鮮明に見える見読性、消去や改ざんがないことを証明する完全性、必要なデータを素早く検索して引き出せる検索性の3つで、電子帳簿保存法よりも要件が簡素化されています。

請求書を電子化するメリット

請求書を電子化するメリットはいくつもありますが、ここでは6つ挙げて解説します。

作業を効率化できる

請求書を電子化することで、請求書を発行する側も受け取る側も双方で作業を効率化できます。発行する側にとっては請求書の印刷から郵送手配までの一連の封入手続きが不要になり、請求データを請求書発行システムにアップロードするだけで簡単に請求書の作成・発行ができるようになります。

受け取る側にとっては、請求書をデータとして保存・管理できるので、画像処理機能を持った会計ソフトと連携させれば自動的に転記することも可能なうえに、請求書をキャビネットにファイリングする作業が不要になります。また、必要な時に素早く請求書を検索して取り出すことも可能です。

両者ともに、パソコンとインターネット接続環境があれば、リモートワークでも請求書の授受ができる点も大きなメリットでしょう。

経費が削減できる

請求書を電子化すれば紙が不要になり、印刷用紙代、封筒代、インク代、保管場所コスト、郵送費が削減できます。また、保管・管理のための手間と場所がなくなり、その分の人件費が削減できます。紙の請求書を発行するためのコストは約8割が郵送費(郵便代金)といわれており、これが削減できるだけでも大きな経費削減になるのです。

コンサルティング会社のNOC株式会社の試算によると、毎月2,000通の請求書を発行している会社では、請求書の電子化によってトータルで50%の経費削減効果が得られるとしています。また、請求書の発行工数が削減されることで、請求業務のスピードアップとミスの防止といった業務の質向上も期待できます。

修正や再発行が容易になる

取引先から修正を依頼された場合や、誤請求があったことに気が付いた場合、紙の請求書ではデータを打ち直すだけではなくプリントアウトして封筒に入れる、という一連のプロセスをもう一度経なければならず、多くの手間を要する作業が発生します。

一方、請求書を電子化すればデータの修正後にメールするかクラウド上にアップロードするだけで作業が終わり、修正や再発行の必要がある時でも迅速かつ簡単に対応することができます。

発行日に請求書を送付できる

紙の請求書を送付する場合、郵便で相手先に到着するまで1~2日かかります。電子請求書なら発行したらすぐにメールで送付したり、クラウドシステム上にアップロードしたりして即日で届けることができます。

取引先から求められたタイミングを逸することなくスピーディに送付できるので、郵送では締め切りに間に合わないというような急ぎの場合でも対応が可能です。また、メールで送った場合は送信履歴で送信したことを証明できるうえに、クラウドを用いたシステムであれば先方がメールを開封したり請求書をダウンロードしたりすればその記録が残ります。請求書の電子化は、履歴により行き違いによるトラブルを回避するという、副次的な効果も得られるのです。

過去の請求書をいつでも確認できる

請求書を紙でやり取りする場合、控えを保管するためのキャビネットとそれを置く場所の確保が必要になり、ファイリングにも多くの工数を要します。また、その中から過去の請求書を探し出すには手作業で見つけなければいけません。

一方、請求書が電子化されていれば保管場所は不要となり、取引先名や日付などデータファイルの属性を検索するだけで欲しい請求書を見つけることが可能です。

テレワーク対応を促進できる

働き方改革により政府主導でテレワークが推進されていますが、紙の請求書がある限り出社する必要があります。請求書の電子化が進むことで、場所を問わずWeb上で請求書データを受け渡しできるようになるため、テレワーク対応を大きく促進できます。

請求書を電子化するデメリット

請求書の電子化にはデメリットもあります。以下に具体的に解説します。

電子化が困難な取引先もある

自社が請求書を電子化していても取引先が電子化に対応していないと、請求書を紙に印刷して送付するなどの非効率な業務が生じてしまいます。コストや業務効率を考えると、自社に合わせて電子化対応できる取引先を選ぶ必要性が出てきます。

システムの導入・運用コストがかかる

電子請求書の作成には、請求書発行システムを用いることが一般的です。システムの新規導入・運用の際に、業務体制の見直し・社内研修などにコストがかかる点がデメリットといえます。しかし、紙請求書を廃止した場合には印刷・封入作業・郵送などのコスト削減が見込めるので、コスト面を理由に電子化を断念せずメリットとデメリットを比較検討することが重要です。

請求書の電子化を進めるポイント

請求書の電子化を滞りなく進めるためのポイントを解説します。

取引先への周知を行う

紙の請求書から電子請求書に移行する際には、電子請求書を受領した際の対応や保存要件などを取引先に周知しておくことがスムーズに電子化を進めるポイントです。

帳票類をまとめて電子化する

会社単位で請求書発行システムを導入する場合、請求書以外の帳票も電子化することで業務効率の向上につながる場合があります。既存の社内システムと連携できたり、改正電子帳簿保存法に対応していたりする請求書発行システムを選ぶことをおすすめします。

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請求書の電子化なら「請求管理ロボ」にお任せください。請求管理ロボは500社以上の導入実績があるクラウド請求書システムです。クラウド上で動作するシステムなので場所を選ぶことなく、迅速かつスマートに請求書の作成・発行・管理が可能です。電子請求書に対応していない取引先のために郵送による送付にも対応していますので、請求書の作成・印刷・封入・投函までの全ての作業を自動化できます。

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また、請求漏れや未入金の管理をダッシュボードで一元管理することで、お金の流れが一目で分かり未回収金の発生を防げます。さらに、担当者によってアクセス権限を設定・管理する機能も搭載しているため、セキュリティ面でも安心してご活用いただけます。

請求書の電子化と併せて業務の効率化も行いたい方は、請求業務の効率化を実現する請求管理ロボの導入をぜひご検討ください。

まとめ


この記事では、請求書の電子化には様々なメリットがあることをご紹介してきました。政府がITによってビジネスモデルの転換や組織体制を変革させる「DX化」を推進していることから、電子化の潮流は今後も広がることでしょう。

請求管理ロボは、請求に係わる業務時間を大幅に短縮し、高いパフォーマンスを持つ独自のクラウドシステムで確実な業務遂行を支援いたします。請求書の電子化・ペーパーレス化の流れに乗り遅れないためにも、ぜひ請求管理ロボの導入をご検討ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
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