請求書電子化の義務化は2024年1月から!猶予期間に行うべきことを解説

請求書 請求業務

Facebook にシェア
Pocket

2022年1月から改正電子帳簿保存法の施行に伴って、電子取引によってやり取りした書類は電磁的記録(電子データ)による保存が義務付けられました。

電子データによる保存対応は法改正から2年間の猶予期間が設けられていますが、猶予期間の終了後は法人、個人事業主を問わず請求書電子化対応が必要になります。

この記事では、請求書電子化が義務化される理由、2024年1月までの猶予期間内に行うべき対応を具体的に解説します。

【無料EBOOK】 請求管理サービス7社を徹底比較!導入する際のポイントなども解説

請求書電子化の猶予期間とは?

前提として、請求書を含む電子取引情報の保存は2022年1月から実施が義務化されています。ただし、2023年12月末までの間は国税庁による宥恕措置として、書面に出力した書類を保存することで電子保存に代えることが認可されました。

ここでは電子取引情報の保存要件、税制改正による宥恕措置が取られた理由について紹介します。

2024年1月から請求書電子保存が義務化

電子化に向けたシステム選定、業務フロー見直しなどの移行期間として、特定の条件に該当する場合に限り、2023年12月末までの間は電子取引情報を紙媒体として出力、保存できます。

ここで言う特定の条件とは「電磁的記録の保存要件への対応が困難」「電磁的記録を出力して作成した書面を保存し、提示又は提出の要求に応じることができる」の2点です。

猶予期間の適用を受けるにあたって届出は不要であり、書面を提示又は提出できる状態で所有している時点で条件をクリアしている扱いになります。

ただし、2024年1月からは全ての保存義務者に対して電子化対応の義務が適用されます。一定の条件を満たす場合には要件が一部緩和されますが、電子データによる保存が必須になる点は把握しておくべき変更点です。

2年間の宥恕措置が取られた背景

電子データを紙媒体に出力して保存できる措置は、2021年度の税制改正で一度廃止されています。しかし、2022年度の税制改正において2年間の宥恕措置が盛り込まれました。電子保存への対応が困難な事業者向けの措置として、この宥恕措置が講じられた背景があります。

なお、紙媒体で保存されている書面は税務調査等で税務職員によって確認される場合がありますが、電子取引関係の「電子帳簿一問一答」によると、現在の対応状況や今後の見通しなどを税務職員に適宜伝えられる状態であれば差し支えないとされています。

令和5年度税制改正大綱について

2022年12月に発表された「令和5年度税制改正大綱」では「優良な電子帳簿」の範囲見直し、スキャナ保存制度の見直し、電磁的記録の保存制度に関する見直しが発表されました。各種見直しは2024年1月1日以後に発生する情報、税金等に適用されます。

対象期間における売上高が5,000万円以下であり、電子データを書面に出力して提示、提出できる状態で保存している保存義務者であれば、検索要件を考慮せずに書面を保存できる措置が適用されるようになります。また、「電子データの保存等を行う者等に関する情報の確認要件」も廃止される予定です。

その他、電子化対応が困難である事業者を対象とした緩和措置も設けられています。所轄税務署長が相応の理由があると認定し、対象のデータを要求に応じてダウンロードおよび書面の提示、提出に対応できる状態であれば、他の要件を考慮せず電子保存することが認められるようになります。

請求書電子化の義務化に向けて行うべきこと

猶予期間内に請求書電子化を行う場合、2023年12月末までに電子請求書のフォーマット作成、電子請求書に対応したシステムの選定などを行うことが必要になります。猶予期間内に行うべき準備について、段階を追って解説します。

電子取引の保存要件を確認する

2022年1月1日以降に電子取引によってやり取りした電子データを保存する際には「可視性の要件」の全条件、そして「真実性の確保」のいずれかを満たすことが必要です。

まず、「可視性の要件」には「タイムスタンプが付与されたデータを授受する」「取引情報を授受した後速やかにタイムスタンプを付与する」「電子データの訂正又は削除履歴が残る、もしくは訂正および削除を行えないシステムを用いてデータの授受を行う」の4点が含まれます。

次に、「真実性の確保」には「モニター・操作説明書等の備付け」「検索条件の充足」が含まれます。「検索要件の充足」に関しては「取引等の日付・金額・相手方で検索できる」「日付・金額について範囲指定して検索ができる」「日付・金額・相手方を組み合わせて検索ができる」といった条件を全て満たさなければなりません。

電子保存する範囲を決定する

改正電子帳簿保存法では国税関係帳簿および書類、電子取引情報を電子保存することが義務付けられています。猶予期間内に全ての書類を電子保存に移行することが困難である場合、電子保存が義務化されている書類から先に対応していくことで業務効率化を図りやすくなります。

また、利用頻度が低い、今後も紙で管理する書類などは電子化を行うメリットが少ないことから、必要に応じて整理整頓することで書類電子化の業務を効率化できます。

電子請求書の管理システムを選定する

請求書管理用のシステムを用いて電子保存を行う際には、保存要件を満たす請求書を作成できる管理システムを選定する必要があります。近年では2021年、2022年に保存制度の見直しが行われていることから、保存要件の確認は定期的に行うことが望ましいと考えられます。

2022年時点での保存要件においては、タイムスタンプの付与に対応しており、情報の訂正又は削除履歴が残る、もしくは訂正又は削除を行えないことが必須条件です。加えて「真実性の確保」に含まれる要件として日付・金額・相手方等の条件で検索できることが条件に含まれています。

電子請求書に対応した業務フローを確立する

請求書電子化を開始するにあたっては、書類の電子署名や電子請求書の作成、送信などに対応した業務フローを確立しておくことが必要です。

電子データの取り扱いに関するセキュリティ教育、取引先への通知や業務フロー見直しなどを合わせて行うことで、業務効率の向上を図りやすくなるでしょう。

なお、取引先によっては請求書電子化の猶予期間後も紙請求書が必要になる場合があります。例えば全て紙請求書で処理していたり、業務フローの関係上、紙と電子データの請求書を両方必要としたりするなどのパターンが考えられます。電子化する際には回線障害や停電などのリスクもあるため、紙媒体と電子データの両方に対応できるように準備しておくことも大切です。

請求書の電子化は「請求管理ロボ」にお任せ!

請求管理ロボ」は電子帳簿保存法対応の請求書電子化システムです。

経理業務における請求書作成から入金催促までを自動化できる機能があり、請求書の作成および管理をクラウド上で実施できる環境を整えられます。

電子請求書を発行する際には、請求情報をシステム上に取り込み、発行日時を予約することで自動発行される仕組みになっています。作成した電子請求書をPDFデータとして自動送信する機能もあり、請求書の作成から送付までをシステム化できることが機能面における特長です。

また、新規導入から定着支援まで一貫したユーザーサポートを実施していることも当社の特長です。500社以上の支援実績に基づいた経験と知識を活用し、初期設定や既存データ移行、業務フロー見直しなどを総合的にサポートします。請求書電子化に向けてシステム導入を検討する際には「請求管理ロボ」の導入を是非ご検討ください。

まとめ

電子請求書には電子帳簿・スキャナ保存・電子取引情報の3種類の区分があり、税法上の帳簿書類として扱うにはそれぞれ定められた保存要件を満たすことが条件になっています。

猶予期間内に請求書電子化を行うには保存要件および対象書類を確認し、2023年12月末までにシステムの選定、新しい業務フローの確立などを行うことが必要です。

請求書電子化に対応したシステムを選定する際には、ROBOTPAYMENTの請求管理クラウド「請求管理ロボ」をご検討ください。

監修
【監修】藤田 豪人 株式会社ROBOT PAYMENT 執行役員

2019年当社に入社、執行役員に就任。
当社に入社以前は株式会社カオナビにてコーポレート本部長、複数の情報IT企業にてCMOなどを歴任。
現在は、当社のフィナンシャルクラウド事業及びマーケティング全般を統括。
  • 請求書の作成から発行まで自動化「請求管理ロボ」
  • 請求管理ロボ