【保存版】インボイス制度とは?概要から事業者への影響まで徹底解説!

請求業務

Facebook にシェア
Pocket

インボイス制度は2023年10月に実施されることになった税制に関する制度です。貿易業務には欠かせない仕組みであるにもかかわらず、その実態を良く分かっていない人も多いのではないでしょうか。これからの貿易業務で必要なインボイス制度を成立した背景や具体的な制度の中身、事業者にどのような変化をもたらすか、などの情報を詳しく紹介します。

インボイス制度とは

インボイス、という言葉の意味をご存知でしょうか。一般的に商業などで用いられるインボイスという言葉の意味は、貿易業務で使用されている納品書のことです。輸入の際にはこのインボイスを参照して請求が行われるだけでなく、納品書も実質兼ねている書類を指してインボイスと呼んでいます。この請求書と納品書を併せた書類であるインボイスをお手本に、課税事業者が仕入れに関する支出について控除を申請できるようになる制度がインボイス制度、正式には適格請求書等保存方式と呼ばれる、2023年に施行される税制なのです。

そもそも、消費税を支払っている課税事業者は複雑な計算をした上で消費税を納付しています。消費者から集められた消費税のうち実際に納付される金額は、消費者から預かった分から仕入れの際に発生した消費税を差し引いた額になるのです。この手続きを行うことで、生産者と消費者の間に入って営業している企業は仕入れにかかる消費税を控除して負担を減らせるのですが、この消費税の控除に必要な手続きとして、仕入れの際に発行されたインボイスのような役割を果たす納品書、請求書などの証明書類を提示することからインボイス制度という俗称がついている制度なのです。取引の流れを透明化するだけでなく、正確な経理処理をするのに一役買ってくれると考えられています。

インボイス制度導入の背景

インボイス制度が導入される運びとなったのは、現在日本で使用されている消費税の納付額計算に用いられている手続きが非常に煩雑なものであるという問題点があるからです。現在、日本の消費税額の納付計算には「帳簿保存方式」が採用されています。例えば、仕入れに1万円かかった商品を1万5千円で売ったと仮定しましょう。仕入れでは消費税を8%とすると800円、売り上げでは1,200円が消費税として計上されるのですが。事業者はその差額である400円を消費税として納付することになります。その上で取引の相手方が発行した請求書などの客観的証拠書類の保存を仕入れ税額控除の要件としているため、仕入伝票だけでなく様々必要な書類が生じてしまうという点で非常に煩雑でした。

<①軽減税率への対応>
現行の税制で採用されている「請求書等保存方式」では、請求書や納品書に税額・税率の記載が義務付けられていません。2019年10月以降に導入された8%と10%の2段階税率によって、仕入れと販売でかかる税率に差が生じることも見られるようになってしまいました。単一税率が採用されていた時代の、税込み価格を一律で計算できることで控除額を求める方式では対応できなくなってしまったのです。2019年10月以降は、商品ごとの税率や税額が分からないと正確な計算ができなくなってしまうのです。そのために生じる不正や計算ミス、記載ミスを防ぐためにインボイス制度の導入が決定したのです。

<②益税の排除>
先述したように現行の制度では仕入れ先が発行した請求書や納品書を保存、記帳しておけば消費税の仕入れ税額控除が認められます。つまり消費者や消費税を支払う義務のない免税事業者といった仕入先から仕入れた場合、消費税が計算されていない請求書でも仕入れ税額控除の対象となってしまいます。これを利用すると実際は消費税を支払っていないのに、仕入れ額を提示することによって消費税の控除額を水増しする不正ができてしまいます。これによって一部の正しい申告をしていない事業者に益税という得が生じることになります。これは故意であれ、ミスの結果生じたものであれ許されるものではありません。

しかしインボイス制度が導入されることによって、課税事業主である仕入先が発行する「適格請求書」に記載された消費税のみしか仕入れ税額控除の対象とすることができなくなります。これによって不当に仕入れ額を水増ししたり、実際には支払っていない消費税を計上するといった不正が行えなくなり、結果として現行制度で受け取れていた益税を受け取れなくなるのです。こうした税制の不正を排除するためにインボイス制度は活用が期待されています。

 

インボイス制度のルール

インボイス制度は、商品の仕入れ・納入に際して、適用税率と税額の情報を記載した「適格請求書」を発行・保存するものであり、これが伴わない手続きでは消費税の控除を受けられなくなります。ここでは、税務処理上のミスを減らし、不正を防ぐために設定されたインボイス制度のルールを3つに分けて、それぞれ解説していきます。

<①インボイスを発行できるのは登録者のみ>

インボイス制度では、誰もが消費税の控除を受けるためのインボイスを発行できるわけではありません。インボイスを発行するには適格請求書発行事業者になる必要があります。そのためには管轄地の税務署長に登録申請を行い、審査を経て登録事業者とならなければなりません。登録事業者になると固有の登録番号が通知されるので、インボイスを発行する際にはこの番号を使用することになります。登録申請は2021年10月1日から開始されますが、インボイス制度の義務化がされる前に適格請求書発行事業者として登録したい場合は、半年前の2023年3月31日までに登録申請書を提出する必要があります。
誰でも適格請求書発行事業者になれるわけではなく、この登録申請を行えるのは課税事業者に限られています。免税事業者などの消費税を支払う必要がない業者は登録を出来ないことを憶えておくべきでしょう。また、登録事業者になると一部の例外となる場合を除き、適格請求書の交付と写しの保存という2つの義務が課せられることになります。取引の流れを透明化することが目的の制度ですので、どのようなものを仕入れて売ったのか、という一連の記録がしっかりと保存されていなければいけないことも知っておきましょう。

<②インボイスに記載するのは6項目>

インボイスには6つの項目を記載します。その内訳としては、「適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号」「取引年月日」「取引内容」「税率ごとに合計した対価の額(税抜きまたは税込み)および適用税率」「消費税額等」「書類の交付を受ける事業者の氏名または名称」であり、どんな取引がいつ、誰とされたのかを明らかにしなくてはなりません。これは記載が義務付けられているため、記載漏れがあるとインボイスとして不適格となってしまいます。
このインボイスが従来の請求書と異なっている点は、税率と税額の記載が求められるところです。従来の請求書では義務化されていなかったのですが、複数税率での経理処理を明確化するため記載が義務化しました。2段階税率が採用されている時代だからこそ、税率と税額の記載は必要なのです。また、インボイスの発行者は登録されているため、発行した事業主が特定でき、適用した税率ごとの合計額・請求総額とその消費税額内訳が明確にわかる情報が盛り込まれているのも変化したポイントと言えるでしょう。

<③免税事業者はインボイスを発行できない>

現行の制度では、消費税課税の基準期間内の課税売上高が1千万円以下の事業者は、消費税の納税が免除されています。このような事象者を免税事業者というのですが、この免税事業者は登録事業者になることができないためインボイスを発行することができません。小売店はインボイス制度が施行された後では免税事業者から仕入れをすると仕入れ税額控除ができなくなることに注意する必要があります。③免税事業者はインボイスを発行できない “現行の制度では、消費税課税の基準期間内の課税売上高が1千万円以下の事業者は、消費税の納税が免除されています。このような事象者を免税事業者というのですが、この免税事業者は登録事業者になることができないためインボイスを発行することができません。小売店はインボイス制度が施行された後では免税事業者から仕入れをすると仕入れ税額控除ができなくなることに注意する必要があります。
売り上げによって免税事業者かどうかが変わり、消費税の控除を受けられるかどうかが左右されるのは不公平だとして、現在は受けられる免税事業者からの仕入れ時控除は段階的に廃止されていく予定です。2023年9月末までは免税事業者からの仕入れでも控除を受けることが出来ますが、2023年10月からは80%控除、2026年10月からは50%と控除の割合は引き下げられ、2029年10月からは完全に廃止されることになります。この税制改革によって免税事業者の益税を止めさせることができ、適切に国へと税金が納入されることになります。

インボイス制度による影響

インボイス制度は透明な会計処理を進めるために必要な手続きですが、事業者には事務的な負担が増加してしまうことが懸念されています。適格請求書発行事業者の登録をしなければインボイスを発行できないので申請が必要ですし、いざ登録事業者になっても適格請求書の交付義務、適格請求書の保存義務、登録番号の交付を行わなくてはなりません。適格請求書の記載事項も従来の請求書より記載事項が増えました。控除される仕入れとされないものが区別されるため、消費税の計算はより重要になってきます。これらの事務的な手続きを必要とされるので、課税事業者も業務が増加してしまいます。

もっと深刻な被害を受けるのは免税事業者であり、やがて控除を切られることが確定しているのでこれまでのように消費税がかからない仕入れ先としての立場を失ってしまうことが悩ましい点です。どうせ控除の対象外になるのであればインボイスを発行できるように課税事業者になるため事業を拡大する、ないしはこれまでよりシェアが縮小することを見込んで事業を縮小したり廃業する選択を迫られます。税制の変更と共に、今後どのように生き残っていくのかを考えなくてはならない、というのは頭の痛い話かもしれません。

インボイス制度導入までのスケジュール

適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度は2023年10月から施行されることになりました。しかし準備期間として、2019年10月から2023年9月までの4年間に限って区分記載請求書等保存方式、という制度が適用されます。課税事業者と免税事業者の区分はされないという点が実際のインボイス制度とは異なりますが、税率・税額に関する記載は義務づけられているという点は施行されるインボイス制度と同じですので、将来的に必要となる事務手続きはどんなものなのか、体験するための時間とも言えるでしょう。この準備期間を利用して、手続きを円滑に行っていく体制を整えましょう。

インボイス制度に向けて万全の対応をしよう!

これまでの制度と比べて、インボイス制度はかなりの手間や時間がかかるものです。正確な税制処理のために必要なこととは言え、業務上の負担となってしまうかもしれません。準備期間が設けられたことで導入まで時間があるからこそ、早めに対応を始め事務作業に慣れることが大切です。また、最新情報や制度の変更点などが告知されることがあり、国税庁のオフィシャルサイトなども確認し、万全の状態で迎えられるようにしましょう。

     
【監修】ROBOT PAYMENT フィナンシャルクラウド事業部

ROBOT PAYMENTは請求管理業務を効率化・自動化するクラウドサービス「請求管理ロボ」や
サブスクリプションサービスに特化した決済代行サービスを提供しています。
「お金をつなぐクラウドで世の中を笑顔に」というビジョンを下にお客様に満足を提供致します。